• S-018_20241007135201
  • 20241007-140953
  • 20241007-140721
  • 20241007-150515
  • 20241008-022728
  • S-026_20241006091401
  • S18-008
  • 20241006-091911
  • S-050_20241005174901
  • S-106

« ケーススタディ・ドイツ 自由化をしたら独占が強化されてしまった | トップページ | 日曜写真館 野薔薇 薔薇のオリジン »

2015年5月23日 (土)

土曜雑感 翁長氏が本土での記者会見で唯一言わなかったこと 

047
翁長知事はなかなかの役者です。 

5月20日、本土に来ると、なぜか外国特派員協会などに駈けつけて記者会見をしています。

今やこの有楽町の特派員協会は、「租界」よろしく、ヘイト・ジャパンの人たちの発信拠点になってしまいましたね(苦笑)。

それはさておき、翁長氏はこんなことを言っています。

「私は自由民主党の出身だから日米安保の大切さはよく分かります。しかし、辺野古基地を認めるというのとはまったく違います。私は沖縄の自由民主党でありますから、沖縄の将来の子や孫のためにこの沖縄がどうあるべきかを一番考えるのが私の仕事でありまして、その中で日本とアメリカとの全体の調和を考えたいと思っています」
http://www.sankei.com/politics/news/150520/plt1505200071-n1.html

言うねぇ、翁長さん。

今は共産党と官公労、沖教組に支援されて当選した人が、よー言うよですが、なかなか恥ずかしくて言える台詞ではありません。 

Plt1505200071p1

 こんなことも言っています。

「私たちも生きる権利がありますし、尊厳も持ってますし、なんで本土のみなさんはなんで自分のところで基地を預からないで、沖縄に74%も押しつけるのか。日本の安全保障は日本全体で負担してくださいよ、と。仮想敵国からも、沖縄だけに押しつけているような日本の安全保障は見透かされていると思いますよ。ですから私は、サンフランシスコ条約で切り離されたように、沖縄はもう一回切り離されるんじゃないか、沖縄が独立するというより、日本が切り離すんじゃないかという心配の方がむしろある」

翁長さん、うまいね。これは「沖縄が独立するのか」、という愚かな問いに対しての答えです。 

馬鹿だね、このマスコミ。こんな時点で翁長氏が「独立します」なんて言うはずがないでしょうが。

そんなことを公職にある人間が言ったら、ヘタすりゃ刑法第78条内乱予備罪ですよ。 

今は、それはブラフの材料として大事に温存して、琉球独立なんじゃ学会の中国エージェント達に言わせておくほうが、凄味が出るのです。 

「刃物」は出す時期を誤ると、自分を刺しちゃいますからね。 

今は、ひたすら「74%」を連呼して、定番の「米軍基地があるのは沖縄だけだ」と言い続けて、ナイーブな本土人たちの贖罪意識をくすぐるほうが得策なのです。 

しかし、これも新味がありませんね。いつまで「74%」ファンタジーの一本槍なのでしょうか。 

私は那覇にも住んでいたことがありますが、「ああ、米軍機が飛ばなくって、ほんと静かだわ」としみじみしたもんです(笑)。 

神奈川県厚木基地の爆音直下で育った私のような者からすれば、ぜひ横須賀から保土ヶ谷、厚木へと走る国道16号に、翁長氏や反基地運動家諸兄をご招待したいものです。 

Photo_3

 一回論じたことがありましたが、沖縄の基地群はしょせんは出店です。米軍の基地機能は、神奈川県に集中しています。 

沖縄は、米軍の世界再編の中で撤収される可能性がありますが、神奈川の基地群は米国が世界の安全保障インフラの役割を放棄しない限り、保持しつづけることでしょう。
※関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2015/04/post-ca9e-1.html
 http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2014/12/post-9963.html 

本土人は、沖縄の反基地運動家の「自分だけが安保を支えて犠牲になっている」という言葉にえらくグサっとなるようですが、ウソとまで言うのは気の毒ですが、独りよがりの錯覚にすぎません。 

あまりしつこく、そればかり言いすぎた結果、とうとう本土の青年層に「嫌沖論」が芽生えてしまい、韓国と同一視される始末です。 

ところで思わずナルホドと思ったのは、この部分です。

「だからグアムやハワイに下がって、もう一回抑止力というものを考えてくださいというのがアメリカの考え方として2~3年前まであったが、残念ながら前知事が承認したので、それが免罪符になってアメリカ側がだいぶそうした考え方になりました」安保と辺野古は違う。米国でさえ気乗りしていない」 

自分も推進当事者でありながら、すべて前知事に責任をなすりつけるのは、いつものことですから、無視するとして、分かっているじゃない、翁長さん。

米国のグアム統合計画は存在しました。とくにラムズフェルドがその推進役でした。 

それは福建の中国の中距離ミサイルの射程に、本島がすっぽり入ること、そして、ブッチャケ米軍は辺野古になど行きたくなかったからです。 

これについても論じたことがありますが、ひとことで言えば、狭くなって使いにくくなるからです。 

だから、米軍は日本政府に外交的配慮をして大声では言いませんが、「辺野古はご勘弁。普天間にずっといたい」のが本音です。 

ではなぜ、ラムズフェルドが考えたようなグアム撤収論が実現せずに、新たにややっこしいことになるのを承知で、辺野古建設が始まってしまったのでしょうか。 

理由は簡単です。翁長氏が長々と日米に対して恨みつらみを言いながら、なぜかひと言も触れなかった、そのことです。 

中国が、アブク銭に飽かせて軍事膨張を開始したからにほかなりません。 

00111144d5a5120197f01f(写真 中国空母遼寧。他に2隻を建造中)

スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の2014年世界の軍事支出報告書によれば、国別の軍事支出では、世界最大の米国が13年比で6・5%減らす中で、第2位の中国が同9・7%増、第3位のロシアも同8・1%増となっています。 

もう少し長いスパンで見れば、過去5年間で2倍。過去20年間で実に18倍(平成23年度「防衛白書」による)となっています。 

Image0041(図 ストックホルム国際平和研究所による。中国の軍事費急増に対して、日本が横ばいないしは微減しているのがわかる)

もし隣国がこのようなケタ違いの軍拡をしているのに、自分の地域だけ平和だと思えるなら、一度脳味噌を分解掃除したほうがよろしいでしょう。

このような極端な軍事膨張を、中国はどこに向けているのでしょうか。主要に、海洋進出です。

つい先日、南シナ海で、中国軍がフィリピンの排他的経済水域で、数兆円を投じて海軍基地を作っていることが明らかになりました。

000004
尖閣には日常的に中国公船が侵犯を繰り返し、空軍機の侵犯も激増しています。

翁長氏の市長時代の置き土産である那覇空港第2滑走路建設の目的は、この中国機侵犯が背景にありますので、翁長氏も当然ご承知のはずです。

130306_1

こんな状況で、ノンキにグアムに撤収できるはずもありません。

仮にそんなことをすれば、中国に対して、米国はアジアの海洋と空域を中国に進呈しようと言う外交的シグナルを送ってしまうからです。

辺野古移転も同じ文脈です。中国の軍事的脅威が増すばかりの現在、米国と日本は共通の中国という軍事的脅威に対して、強く協調する必要があります。

今、この段階で移転作業を中断すれば、それはかつてのハト首相の「国外・最低でも県外」発言と同等の誤解を中国に与える恐れがあります。

だから、米国は「普天間にいたい」という本音を抑えて、日本に「つきあっている」だけです。

その意味で、日本政府は普天間の危険を除去しようとして、かえって新たな問題を作り出してしまいまったのは確かなのです。

本来、橋本首相は、中国の軍事膨張が止んで、東アジア情勢が安定するまで、普天間移転などを急ぐべきではありませんでした。

そしてもう一点。日本政府にとって、仲井真知事時代には考えなくて済むことがありました。

それが、中国政府筋に「沖縄の馬英九」とまで言われている、翁長知事とその一党の存在です。

中国と、地理的にその正面に位置する沖縄県の知事が、あろうことか中国と「別に立ち、共に撃つ」ような共同戦線を張ってしまったことです。

やや短絡気味に言えば、本土政府にすれば、「翁長氏とその一党が騒ぐから移転を中止できないのだし、止めてしまったら、中国が喜ぶからできなくなってしまったのだ」ということなります。

その意味で、辺野古問題は国内問題であると同時に、今や翁長氏をはさんだ中国との力くらべという国際政治力学の問題に変質してしまいました。

翁長氏は狡猾にも、自分が秋波を送ってすり寄っている中国を、あえて皆の視野から外して、移転問題を本土と沖縄だけの関係に狭めて語っています。

このような言い方をすればするほど、実はもうひとりの主役である中国が透けて見える結果になることに、翁長氏もいいかげん気がつくべきです。

辺野古問題を、こんな「国際問題」に変質させてしまったのは、他ならぬ「平和」が大好きなバカバトと、翁長氏自身だということを忘れないほうがいいでしょう。

「私は沖縄自民党」「安保は理解している」「沖縄の尊厳」「子や孫の未来」・・・、私は、こんな無責任な言葉を聞くだけで、気分が悪くなります。

移転計画の見直しができないのは、中国と結託した翁長知事、あなたのせいなのですよ。

来週に、進行する翁長王朝化の企みについて書きます。

※お断り 記事のグラフ下部分を全面的に書き替えました。

« ケーススタディ・ドイツ 自由化をしたら独占が強化されてしまった | トップページ | 日曜写真館 野薔薇 薔薇のオリジン »

沖縄問題」カテゴリの記事

コメント

翁長さんの全文を読みました。お陰様で随分批判的に読むことが出来ました。

「中国」を名指しにしなかったこと。
普天間「撤去」とも言わなかったこと。
彼が中国派と普天間利権派の板挟みであることが読み取れる文章ですが、そんな苦労など知ったことではありません。

>日本が切り離す
ってウルトラCですね。日本がそんなことするわけないのに。「独立」を「切り離される」と言い換えるとは策士です。ここでも被害者意識一杯ですね。

>日本が自国民の人権も平等も民主主義も守ることができなくて、世界の共有の価値観をもってこれからリーダーになれるかというと、私はそうはなれないと思います。
中国様の悪口はそこまでだ、ですね。
日本より遥かにあくどい国が隣にいるのに対して日本を守るには、人権も平等も民主主義もある程度犠牲にしないといけません。第二次世界大戦でイギリスが挙国一致内閣を結成したように。

中華としては、理由を付けてまず多数の武装漁民を上陸させる。→小規模拠点設置してから本格侵攻。
スプラトリー・パラセルで進めて来た実行支配と、最近の拠点建設。
公海であるはすの米軍哨戒機への恫喝。
また、近年かの国が勝手に拡大した防空識別圏に対那覇からスクランブルする自衛隊機に対しては「危険行為は慎め」などと、言いたい放題。
やれっぱなしですな。

背景に軍事力があれば道理が引っ込みます。
かつてのアメリカやソ連がそうでした。
現在では露骨に中国です。
80年代までの、
大人しい姿勢とは、
一転して傲慢で無礼な態度に転換しました。

全く節操がない。
何故か中国共産党が、先の大戦でいつの間にか「常任理事国」になってることや、昨日のNPT関連を見ても明確な拡大大国意識が露骨ですね。

で、翁長さんたちは「中国様いらっしゃーい!、お互い日帝の被害者」」なんて、やるもんだから……。

実に厄介ですが、最低限でも南西防衛の態勢を整えて対峙せざるを得ないでしょうね。

強欲ガンコジジイの火遊びはコワイよう。
まかり間違えば、ハデに花火を打ち上げそう。

大阪もそうだけど、老害というか民主主義
の歪が、火薬に点火しなきゃいいんだけど・・

もちろん、この爺さんは賭けに勝つハズだ、
と思い込んでる。多分、思いもよらない事態
になって、馬脚を現すんだと思いますわ。

所詮、土建屋の代理戦争に大義名分付けただけなのに、大層仰々しい物言いになるのが、政治家の政治家たる部分ですかね。中国の新基地から12海里以内を米軍機が通過した時に中国がどうするか見ものです。不謹慎ですが、中国がちょっかいだして、ガッツリ緊張状態になってくれたら、皆んな目が覚める気がしますが。

本土の皆さん、今回 私ども翁長のノー天気発言に対し、一県民として大変 恥ずかしく思っています 申し訳御座いません。
沖縄左翼を利用しているのか、されているのか分からない 先日 那覇市で行われた某大会 地元二紙が一面で大々的に報じた写真に、ハッキリ 赤々と革マル派の幕が。大会の司会を、意図的に私の母校 普天間高校一年生の女生徒にさせ 政治利用するなど、 違和感を感じた県民も多数いると思います。着々と、翁長を担いだ財界人への功労賞的ポスト配置が、紙面に小さく小さく載り始めました。

宜野湾市民さんが謝ることは無いですよ、日本の問題じゃないですか。
かりゆしと金秀の人のポストとか、露骨なことしますね。
アメリカへ同行するメンバー。

先週大会に行った沖縄南部の方と話したら革マルのプラカードを見た、最後に費用が嵩んだのでと寄付をお願いしていたなど聞きました。
やはり違和感、共感出来ないと。

移設が進むといいですね

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« ケーススタディ・ドイツ 自由化をしたら独占が強化されてしまった | トップページ | 日曜写真館 野薔薇 薔薇のオリジン »