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2015年5月27日 (水)

翁長知事の危険な「二元外交」

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今、翁長氏は「外交」をしようとしています。自分は訪米し、ワシントンには県の出先事務所を作ろうというものです。 

県の出先事務所というと、よその県はせいぜいが観光振興か、特産品輸出ていどの目的ですが、沖縄県は違います。なんと独自「外交」をするというのです。

琉球新報はこう伝えています。

「米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設断念を国際世論に訴えるため、沖縄県は27日、米国ワシントン市内に事務所を開設した。県事務所設置は北京、上海、香港、台北に続く海外5都市目。
ワシントンの県事務所のある区域は、政権に影響力があるシンクタンクや大学などが集中し、ホワイトハウスから徒歩10分以内の距離にある。平安山英雄所長、県職員、米国人のアシスタントの計3人体制で運営する。今後は事務所を拠点に米議会や米国務省、米国防総省、シンクタンクなどを本格的に回り、沖縄の現状や翁長雄志知事の考えを伝えるほか、5月下旬に予定する翁長雄志知事の訪米に向け、米要人との面談調整などを担う。
平安山所長は「知事の考えを直接伝える機会になる。関係機関に足しげく通い、政策立案に関わる関係者と会い、粘り強く沖縄の現状を訴え、理解を求めていきたい」と述べた」(琉球新報2015年4月29日)

 この翁長氏がワシントン事務所の駐在員に任命した平安山英雄(へんざ)氏は、沖縄の米国総領­事館に勤務していた人物で、米国内に広い人脈を持っているそうです。

平安山氏は、在沖縄米国領事館の政治担当特別補佐官をしており、オスプレイ配備の時には、「理解」を求めて体験搭乗イベントなどを企画しています。
※米国領事館 japan2.usembassy.gov/naha/pdfs/Karahai_2012-1-issue.pdf

それが一転して、「オスプレイ配備阻止」ですか(苦笑)。さぞかし、元の同僚にあざ笑われることでしょうね。翁長氏自身もそうですが、王朝にはこういう転向組が多いことよ。

その彼が、「翁長王朝」の米国初代大使というわけです。

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(写真 平安山氏に2年の駐在員辞令を出す翁長氏。。取り巻く県役人で、仲井真派と目された者はすべて左遷されたという)

しかし、そもそもこの翁長氏の行為は、日本国憲法第73条「内閣の事務」のうち、「2 外交関係を処理すること」に反しています。

したがって、沖縄県という地方自治体には、国の日米同盟という条約に関して容喙する権限はありません。 

少し説明しましょう。 

この憲法第73条は、「内閣の仕事」を規定したものです。このうち2項は外交は内閣、つまり国の専権事項だということを謳っています。 

専権事項とは、「思いどおりにできる権限」のことです。 

ただし、思いどおりにといっても、条約は法律に優位すると解釈されているほど強い効力を持っています。 

TPPがそうですね。国のあり方を条約で決められてはたまらないので、私も強い疑問をもっています。 

この外交の場合、勝手に内閣が条約を結んでしまって、「はい、明日からこれでやるぞ」と言われちゃたまらないので、締結前に国会承認がいるとして3項に、「条約を締結すること。但し、事前に、時宜によつては事後に、国会の承認を経ることを必要」として歯止めをかけたのです。 

そして4項に「国家公務員の事務を掌握する」として、これは国家公務員法の法的根拠になっています。 

憲法第73条「内閣の事務」の整理
①外交は内閣の専権事項である
②条約は国会承認を必要とする
③内閣は国家公務員を指揮できる

はい、いかがでしょうか。この国の外交を規定した憲法73条に、地方自治体、あるいは自治体首長、その自治体職員が一度として出てきましたか。 

よく翁長氏は「民意に従え」と言いますが、その「民意」とは、日本国全体で見れば、憲法第66条3項、及び1項に沙汰められた、国会における多数決によって選ばれた国会議員が選んだ内閣総理大臣と内閣のことです。 

これが去年暮れの総選挙の「民意」です。よく左の人は自分が見たい「民意」だけを「民意」と称していますが、都合悪い民意も世の中にあるのです。 

そしてこの国家の仕事には、「治安」「外交」「防衛」「教育の中身」「通貨発行権」という5ツの専権事項があるわけです。  

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(写真 平安山氏の決意表明。今までは移転とオスプレイ配備にご理解を。今や真逆に、移転阻止と配備反対にご理解を。二枚舌のお人。自分が情けないとは思わないのか・・・)

ここまでが議論の大前提です。

「いや、国は県と意見が違うから、国の決めたことは守らない、安全保障を定めた条約もいらない、県には外交権があるのだ」などと翁長氏のようなことを言い出すと、もうこんなものは「地方自治法」が定めた「県」ではありません。 

ただの知事の勝手気ままな恣意が罷り通る、「独立王国」にすぎません。

私が「翁長王朝」と呼ぶのは、あながち冗談ではなく、自治体の権能を越えることをひんぱんに繰り返すからです。 

ではなぜ,、こんな憲法の条文が生れたのでしょうか。それは戦前の日本がまさに、今、翁長氏がやろうとしている「二重外交」でひどい目にあったからです。 

日本は、昭和初期において帝国陸軍が政府の方針に強い不満を持ち、中国や旧満州で独断で秘密外交を行い、各種の秘密工作をしました。

そのための特殊工作機関も存在し、多額の予算が投入されていました。

その結果、日本外交は右手と左手が別々のことをするようなことになり、時には右手と左手が暗闘を繰り広げるという愚かなことをした結果、中国国民党政府との和平に失敗して、中国との戦争の泥沼に引きずり込まれていきます。

日中戦争の膠着は、米国との戦争の導火線となっていきます。

ちなみに、戦後日本が諜報機関を作らなかったのは、この経験に懲りた外務省が断固として諜報機関の独立を許さなかったからです。

羹に懲りて膾を吹いた結果、対外情報の圧倒的不足という弊害を招いたことが、この間のISテロで浮き彫りになりました。

それはさておき、戦前の帝国陸軍ばりの二元外交をしようというのが、この翁長氏です。

5月27日から、翁長氏は訪米して、米国政府や議会に、「県の独自外交」をして、その上にワシントンにそのための恒久事務所まで作ろうとしています。

これはもはや、ただの県内左翼勢力向けパーフォーマンスの枠を離れて、外国政府には、「独立国」、ないしは「分離独立を目指す地域」に写ることでしょう。

翁長氏はそれを狙っています。

5b35a52a(写真 一昔前の翁長氏は早期移設の推進者だった)

おそらく翁長氏は、本土での外国特派員協会での記者会見の発言からみれば、米政府関係者や議会関係者にこう言うはずです。
http://www.sankei.com/politics/news/150520/plt1505200071-n1.html

「あなた方が決めたからできると思ったら間違いた。辺野古への基地移転は絶対に建設することができない。強行すれば、我々は基地反対闘争が激化し、今は100人規模の動員を、1000人規模にまで拡大させる方針だ」

そして巧みにブラフまで折り込むはずです。

「辺野古移転が挫折したら日米同盟が崩壊するぞ。辺野古がだめになったら、日米同盟が崩れる。オレは沖縄自民党の最高幹部だった。だから日米安保体制を理解しているからこそ、移転をすれば日米安保が揺らぐぞ」

ついでに、ハワイで起きたオスプレイの事故まで、交渉材料にするでしょう。

「オスプレイが普天間でハワイのように落ちたら、県民は総反発して、沖縄基地に撤去を求めるだろう。そうなれば、日米安保体制は砂上の楼閣になるぞ」

このように、辺野古移設とオスプレイ配備というなんの関係もないことまで、強引に「安保を堅持したかったら」という脅しの文脈で結びつけるわけです。

米国政府関係者は、翁長氏訪米の意図を知っていますから、面会を拒否するでしょうが、執拗に面会を求め、面会できれば議員を捕まえて、徹底的に有利な言質を取ろうと脅したり、すかしたりするはずです。

そして一言半句でも有利な言葉をゲットしようものなら、地元2紙に大本営発表させます。

どうも政府は、菅氏訪沖時の対応を見ても翁長氏に対して腰が引けていますが、ここは毅然と「二重外交の禁止」を言い渡すべきです。

さもないと、さらにごじれて、翁長氏が狙う国内問題の国際問題化に手を貸すことになるでしょう。

翁長氏は本気でこんな独立国家のまねごとをしたいのなら、「日本に捨てられたのは自分たちで、いまでも捨てられると怯えている」などと心にもないことを言っていないで、本気で「独立」を目指すことです。

それならば、県民も覚悟を決めてそれぞれ自分の立場を明らかにするでしょう。

共産党本部を訪れた足でアポなし訪問をして、官邸に面会できないとなると、民主的でないと怒るふりをし、振興予算が減らされれば泣き言を言い、官房長官の言い方が気に食わないとケチをつけ、そのくせ外国にまで行って外交もどきのことをしたいのならも、その旗幟を鮮明にすることです。

Prison_release_of_kamejiro_senaga(写真 出獄して歓迎に応える瀬長氏。那覇市長もつとめた人物。共産党のリーダーというより、米軍政下では、「民族の英雄」だった。沖縄民族主義者は皆、瀬長氏を仰ぎ見ている)

翁長さん、あなたは瀬長亀次郎を気取っているつもりかもしれないが、彼は日本政府に甘えてはいませんでしたよ。

今のあなたは、甘えたり、すねたり、怒ってみたかと思うと、李克強には一転してゴマをすってみたりと、忙しいことです。

こういうチャイルディシュな態度こそが、本土の「嫌沖感情」を生み出している一番の原因なのですよ。

とまれ、このようなあいまいなグレイゾーンの線上を歩むようなことを続ければ、間違いなく中国につけ入られます。

いや、とっくに取り巻きたちは中国のエージェントばかりのようですがね。

 

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コメント

いつも大変お勉強になります。タイトル、「翁長紙」でなくて「翁長氏」ですよね?
沖縄には行ったこともないですし、地縁のないところですが、遠くから見ていてすごく危うく感じます。本当にそれでいいの?ってニュースを見るたびに思いますね。

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