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再エネを原発の代替に考えるのはあきらめなさい

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先日書いたとおり、2015年度の非住宅太陽光(いわゆるメガソーラーなど)からの買取電力量の増加で、買取総額は1兆8000億円を超えます。 

これはFITという、毎年の20年固定買い取り分が重なっていく「再エネ・トリック」が原因です。始めチャロチョロ、中パッパ。失敗しても火は消えぬ、という恐るべき逆スライド方式です。

 ま~よー、こんなアホな制度作ったもんだと思いますよ。

福島事故のドサクサでなければ、ゼッタイに無理だったし、それも「オレを辞めさせたかったら再エネ法通せ」と、あの「反面教師の巨星」が言い出し、あいつを辞めさせるならなんでも呑む気になっていた与野党が、アッサリと通してしまいました(笑)。

一昨年は買い取り総額が9千億円、今年が1兆8千億ですから、来年度には軽く2兆円を越えて3兆円に近づくことになります。 家庭の賦課金も、遠からず1000円に近づくでしょう。

今後、どれだけの業者が参入するかわからないために、賦課金がどこまで上昇するのか誰にも分からない状態になっています。 

もちろんこんな固定買い取り量に見合って、太陽光バブルが発生し、太陽光発電を中心として再エネ発電設備の導入は飛躍的に伸びました。 

●2011年度~2013年度における再エネの伸び
・発電設備容量 約2000万kW⇒約3000万kW 約1000万kW増加(下図参照)
 

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 (図 資源エネルギー庁)

同じ再エネでも設備投資が多大で、建設まで時間かかる水力や風力、地熱の伸びは低調ですから、太陽光だけの特殊なブームだとわかります。
 

では、再エネが「発電設備容量」が5割も伸びたのですから、実際の発電量も同じくらい伸びなければなりません。 

実際に火力や原子力の場合100万キロワットの発電所を作れば、作った分だけ発電量は伸びます。 

しかし、残念ながら再エネは、そのエネルギー源の常識の枠には納まりません。

では、同時期の再エネの発電電力量を見てみましょう。

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   (図 同上) 

発電設備容量は、発電設備が発電可能な理論値ですが、その数字は一種の大本営発表みたいなもので、いくら設備容量が伸びても、それに伴って再エネの発電量は伸びないのです。

●2011年度~2013年度における再エネの発電電力量の増加率(上図参照)
・1.4%→2.2% プラス8%増

設備容量は50%伸びても、発電量はわずか8%しか伸びない、これが再エネの特徴なのです。

大規模メガソーラーの合計の最大出力は、定格で2万kWていどで、発電実績はさらにそれよりはるかに低い数値です。

立地や設備によっても異なりますが、10分の1、あるいは8分の1とか言われています。所にも及びません。

というわけで、再エネで言う定格出力とは、「精一杯ガンバレば、これだけ発電が可能ですよ」、というスペックにすぎず、実際の発電実績ではありません。

たとえば

・潮汐発電(満潮と干潮の海水面の高低差で発電)・・・満潮、または干潮の一日数分から数十分間だけ
・風力発電(風力によってプロペラを回して発電) ・・・風が吹いている時だけ
・太陽光発電(太陽エネルギーで発電)       ・・・太陽が出ている時だけ

再エネの宿命的体質は、このようにその瞬間「だけ」の一時的な発電量にすぎないのです。これが決定的に他のエネルギー源と異なるところです。

だから、一定の電力を安定的に発電する必要があるベースロード電源には、まったく適していません。

よく、「再エネを30%にするぞ」とか、「いや全部まとめて再エネだぁ」とかいう景気のいいことを言う人がいますが、馬鹿も休み休み言いなさい、って。

ここで、改めて念を押しておきたいのですが、だから再エネはダメだと言う言い方は正しくありません。

確かに、太陽光や風力は、ベースロード電源である原子力・火力の代替には、どこをどうしてもなり得ません。

もし、100%再エネ社会になったら、毎朝、「今日の電気予報」コーナーでこんなことを「お電気ねぇさん」が言うことになります。

「きょうの○○県地方の電気予報は、午前中は好天に恵まれて6割。午後4時からは曇りのために3割、夕方からは雨に変わりますので、停電となるでしょう。電気を使うお仕事は、、午前中に済ませておきましょう。夜になる前に、自家用バッテリーと発電機の準備をよろしくネ」

飯田哲也氏などは、「いや瞬間的にアッチの電気をコッチに切り換えるスマートグリッドやスーパーグリッドがあるから大丈夫さ」などと言いそうです。

しかし、今でも九州や北海道は送電線不足で、接続ができないメガソーラーが激増しているのに、そんな新規送電網を作るコストは、誰が負担するのでしょうか。

電力会社だろうって、むりむり。経営難で潰れかかっているっていうのに。

再エネはかつて「市民エネルギー」と呼ばれてきました。私も当時はそれに参加していて、色々と工夫をして「電源」を作った記憶があります。

私はわが県での、かなり最初の太陽光発電の設置した者です。既に20年以上も運用しています。自動車が買える値段でした。

だからこそ、再エネの良さと欠点は、体験的に熟知しているつもりです。

本来の再エネのスタンスは、原子力や火力の代替電源になるのではなく、地域の未利用資源の開発によって、地域自給ブランドとしてのエネルギーになることでした。

私が「市民エネルギー派」だった時には、もちろん原発の代替にするなどということは、念頭を横切りもしませんでした。

化石・原子力依存を多少減らしていければ、といった地道なものだったからです。

しかし福島事故以降、反原発派は「原発ゼロ・代替は再エネ」とする極端な雰囲気を作り出してしまい、それに便乗して欲ボケ商人と馬鹿政治家がFITを作ってから、雰囲気は一変しました。

一回この、「原発の代替はエネに限る」という盲目的な呪縛から自由になってみたらいかがでしょうか。そのほうが再エネにとっても幸福なはずです。

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コメント

太陽光の買い取りが日本経済立て直しの足枷になっているのかもしれませんね。

投稿: 多摩っこ | 2015年5月 9日 (土) 00時48分

太陽光パネルが寿命になると埋め立て処分、2040年には77万トンのパネルがゴミになるとのこと。

鉛など有害物質もそのまま地中に、発電はクリーンでも処分方法をきちんとしないとなりませんね。

投稿: 多摩っこ | 2015年6月28日 (日) 21時32分

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