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翁長氏の縁故資本主義とUSJ沖縄

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派手な訪米パーフォーマンスは不発でしたが、翁長氏にとって痛くもかゆくもないようです。 

その影で着々と、翁長氏の経済界支配が進んでいるからです。 

「沖縄県工業連合会は10日、那覇市内のホテルで定時総会・理事会を開き、新会長に金秀アルミ工業取締役副会長の呉屋守章氏(64)を選出した。呉屋氏は「工業連合会は幅広い産業に多くの会員を抱え、ものづくりや雇用創出に大きな役割を果たしている。会員の協力を得ながら、一層の発展に努力していきたい」と抱負を述べた。
新たな副会長にざまみダンボール社長の座間味勲氏(62)、
沖縄電力取締役離島カンパニー離島事業部長の島袋清人氏(51)が選ばれた。前会長の湧川昌秀氏(沖縄ガス顧問)は顧問に就任。4人の副会長、専務理事は再任された」
(沖縄タイムス 2015年6月11日)
 

工業連合会の新会長になった呉屋守章氏は、いうまでもなく、翁長選挙戦の選対本部長を務めたあの呉屋守將氏の兄弟です。 

Okinawa_chiji_1(写真 翁長氏の当選風景 右手に呉屋氏、ひとりおいて有名な左翼運動家の糸数慶子氏。なんとも不気味な光景。これを「オール沖縄」と呼ぶらしい)

呉屋守將氏が総帥の座に座る金秀グループの副会長で、金秀アルミの社長をしています。 

露骨な論功報償人事の第5弾で、まさに縁故資本主義そのものです。 

第1弾は、知事選選対の大幹部である平良朝敬氏を沖縄コンベンションビューロー(OCVC)の会長に指名して、沖縄観光業界の元締めに仕立て上げました。 

第2弾は、選対本部長の金秀・呉屋氏に、巨額の振興予算が投入される予定のMICE(会議・研修・催事の大型複合施設)の利権を与えました。 

第3弾は、(時系列的にはこれか最初ですが)沖縄都市モノレール(第3セクター)の社長に金秀バイオ副会長の美里義雅氏。 

第4弾は、沖縄物産公社社長には、翁長陣営の重鎮で、落選したものの沖縄市市長選に出馬した島袋芳敬氏に与えました。 

ところで、縁故資本主義(crony capitalism)とは、一体なんでしょうか。 

現在の中国で、典型的な縁故資本主義を見ることができます。 

これが発生する風土の絶対条件は、閉鎖的な言論空間です。

新聞などのマスメディアは権力の代弁者となってしまっていて、お仕着せの官製の情報しか一般人は接することが出来ません。 

中国では、言論は徹底した管理下に置かれて自由な報道が不可能なために、市民は画一的な情報しか知りません。 

次に、権力者が既得権益を分配する権力を一手に握ってしまっていることです。

いちおう形だけは検討委員会があっても、それは上辺だけで、実際はその人選まで権力者が支配するために、権力者が思うままに権益を投げ与えることが可能です。

権力者は自分に密接した関係を持つ者のみを取り立てて、そのビジネスを支援し、それを太らせることで、自分もまたそのキックバックに預かることで、なおいっそう強大になっていくことができます。 

このような権力者は、たとえば行政が出す外郭団体のポストの分配、法的許認可、優遇税制措置等の配分を、自分の息のかかった者にのみに独占的に与えることで、経済全体を支配しようとします。 

さらに進むと、中国などでは、資源の分配、貿易上の便益、法律の改正、新規投資分野まで、権力者が自由自在に「臣下」たちに与えて独占させてしまっています。 

このようなことをした場合、確実に亡国の道を歩みます。

以上の徴候は、現在の沖縄に露骨に現れてこようとしています。 

第1の、管理された言論空間は、まさに今の沖縄そのものです。沖縄タイムス、琉球新報はまさに翁長氏の「官報」となってしまっています。

同じことが別の知事によってなされたら一面トップで叩くことも、すべてが知らぬ存ぜぬ、よらしむべし、知らしむべからずとはかりにスルーしてしまいます。 

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私はこの2紙の「偏向」うんぬんを言うつもりはありません。左翼リベラル新聞はあってもいいのです。

ただし、必ずバランスする保守系メディアも必要です。ちょうど朝日・東京と読売・産経の関係です。

沖縄は電波メディアも含めて、完全に左翼メディアが一元支配してしまっています。そして全国紙はほぼ存在しません。このような県は他にありません。

したがって、この地元2紙が翁長党「官報」と化して、翁長党にとって不利益な報道はまったくしません。

このメディアの黙殺の影で、翁長氏は堂々と外郭団体人事や、MICE候補地選定、観光ビュロー、工業会の会長ポストを金秀とかりゆしグループに独占的に配分しているというわけです。 

そして、このような縁故資本主義の腐敗した温床の中に、政府は新たな巨大な投資物件を投入しようとしています。

Photo(写真 名護誘致を喜ぶ稲嶺「反戦市長」翁長知事の一の子分である。この人物を市長にしたてあげたのが、市長時代の翁長氏。彼は本土政府を「日本政府」と呼んではばからない。気分はもう独立国のようだ)

これがUSJ沖縄です。

「米映画テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」(大阪市)の沖縄進出計画をめぐり、政府が本部町の国営海洋博公園の指定管理をUSJの運営会社に担わせることを検討していることが22日、複数の関係者の話で分かった。
海洋博公園の国有地や施設を活用したUSJのテーマパーク建設・運営を政府が全面支援する。国営公園の建築制限の規制緩和や金融支援に向けて国家戦略特区として指定することを官邸主導で検討しており、今月末に政府高官が沖縄入りして現地視察する。
 USJの運営会社が、市場規模の限られた島しょ県でのテーマパーク事業の採算性を慎重に検討する中で、観光客に人気が高い「沖縄美ら海水族館」と一体となったテーマパークを運営することで集客の相乗効果を期待。政府として国有地を提供することで初期投資を抑えることにもつなげる意向とみられる。
(略)
菅義偉官房長官は22日午後の会見で「沖縄の振興策の中で、できることはすべて国としては支援していきたいという思いの中で、さまざまなことが検討されている」と述べ、国家戦略特区の指定による規制緩和などの検討を示唆した。
 USJ運営会社のグレン・ガンペル最高経営責任者(CEO)は3月に「東京ディズニーランドや大阪のUSJは下回るが、大規模になる。映画やテレビ番組をテーマにしたパークではない。沖縄の場所に合う物をつくる」と構想を明らかにした。これを受けて官邸で面談した菅官房長官は「政府もしっかりと支援したい」と語っていた」(琉球新報2015年5月23日)

既に、5月30日、政府の和泉洋人首相補佐官ら、テーマパーク建設の有力候補地となっている本部町の海洋博公園を視察しています。 

As20150530003145_comm(写真 海洋博公園を視察する和泉洋人首相補佐官、森毅USJ執行役員、安慶田副知事。安慶田副知事は、那覇市議会の翁長党のボスで、なんの行政経験もないのに副知事に抜擢された。翁長氏の側用人として権勢を誇っている。後方は美ら海水族館)

これには、USJ運営会社の森岡毅執行役員(マーケティング本部長)と、翁長知事の側近中の側近安慶田光男副知事が同行しています。 

これで、大型テーマパークを作る、国、県、USJの三者が出揃いました。

「視察後、森岡氏は『沖縄の観光をどうダイナミックに変えられるか検討している。国、県の情熱もひしひしと感じており、結論を出していく最終フェーズにきている』と述べ、近く進出地を正式に表明することを示唆した。
 和泉補佐官は『国営公園なのでさまざまな規制が絡んでくる。建ぺい率規制とか、美ら海財団が行っている管理をこなす場合の手続きとか課題はある』と述べた上で、『沖縄全体の発展にプラスになるのであれば規制改革を検討したい』とUSJによる海洋博公園の管理・運営に向けた条件整備へ意欲を示した。
 安慶田副知事も「USJが沖縄に進出するなら歓迎したいし、国も便宜を図ってほしい」と期待感を示し、沖縄の国家戦略特区を使って国営公園の規制緩和を図る対応について「国と相談して、うまく進出できるような形で取り組めればいい」と語った」(同)

おそらく、政府はかねてからあったアベノミックス第3の矢である規制緩和や新規投資分野の一環としてUSJを位置づけているはずです。

また、移設絶対反対を唱える翁長氏を軟化させたい政治的色気も、透けて見えます。

しかし、このような翁長氏の縁故資本主義の腐臭の中、今、それを正さずに巨大投資をした場合、またもや同じ翁長氏の「臣下」たちだけが甘い汁を吸うことは目に見えています。

このような陰鬱な沖縄の空気の中で、風穴がひとつ開きました。翁長氏が強引に市長時代にやった龍柱建設事業に、会計検査院の検査が入ります。

事業の完成前に検査が入るのはきわめて異例で、会計鑑査院が問題視しているのがわかります。

検査で不正が指摘された場合には、一括交付金の返還もありえます。それを正すのは、市の予算から計上される1億円が未執行の今しかありません。

縁故資本主義の「官報」が、どのようにこれを伝えるか見物です。

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コメント

コメントは控えようと思ったのですが、生まれ故郷のことでもあるのでつい書き込んでしまいました。

翁長知事の「金権体質」については、去年の県知事選でバラ撒かれた怪文書でもすでに指摘されていました。
http://f.hatena.ne.jp/KokusaiTourist/20141030101043

ご覧になって頂ければわかるのですが、三色刷りで怪文書と呼ぶのが憚られるほど立派な印刷物であり、この中傷ビラの作成者の本気度が伺えます。
あまり良い手段とは言えませんが、サヨクの楽園と一部では見做されている沖縄にも、沖縄の未来を憂う人たちが一定数いることの証左であると言えましょう。

では、誰がこれを作ったのか?
それなりの資金力を持った集団であることは確実でしょう。
私見では幸福実現党、及びその支持母体である幸福の科学ではないかと考えています。
彼らは辺野古移設を訴えかけるデモ行進を行ったりするなど行動的で、沖縄の保守界でも確実に存在感を増してきています。
チャンネル桜でもお馴染みですね。
しかも、今年の4月には翁長知事の「守護霊インタビュー」なんて離れ業もやってのけています。

腐れサヨクの悪行三昧のお口直しに、彼らを取り上げてみるのも一興ではないでしょうか?
革新、保守ともに沖縄は魑魅魍魎の跋扈する魔界と成り果てました…

投稿: 蒲焼き | 2015年6月13日 (土) 02時48分

蒲焼さん。おひさしぶりです。
私はチャンネル桜やらは見たことがないので、なんとも言えませんが、こういう宗教右翼とが出てくるようになると、対立は確実に地上から空中戦に移るので、なんだかなぁ~という感じです。

本来、自民党がまともに機能していれば、こういう手合いはでなかったのです。自民党は翁長氏や安慶田氏以下の翁長党を出してしまったように、理念なき利権集団でしかありません。

こう私に言われるのが腹が立つなら、土砂条例や湯水のように金を使って失敗に終わった県知事外交について、県議会でしっかりと追及することです。

まともな現実主義的政治勢力がないために、その空白におかしな宗教右翼が入り込んでしまっています。この状況を、どこかで変えていかないと大変なことになります。

投稿: 管理人 | 2015年6月13日 (土) 05時52分

管理人さんが仰るように、翁長知事の暴走気味な空回りに対しては県議会で適切な批判をするのが筋と言うものですが、ある種の翼賛体制が築かれてしまった今となっては難しいものがあるかも知れません。

面妖な宗教政党や利権集団が沖縄ではびこる現状には危機感を抱きますが、翁長知事の感情的な発言やそれに共感する心情が「沖縄ナショナリズム」を醸成しつつあることにも少し不安を覚えます。

沖縄の基地問題は他県の基地問題もそうであるように、安全保障対策として国民全体で考えるべきものです。
しかし、それを「沖縄ナショナリズム」で 沖縄vs本土 の構図で対立を煽ってしまうと本質的な解決が遠くなる気がします。

投稿: 蒲焼き | 2015年6月13日 (土) 11時19分

利権の独占が進み、それが色々と暴かれたらどうなるのか。
移設反対の人達で特に翁長信者はこの手の話にダンマリです。

投稿: 多摩っ子 | 2015年6月14日 (日) 14時05分

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