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2015年6月 5日 (金)

翁長訪米は利権隠しのパーフォーマンス

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翁長氏が、訪米先でまったく相手にされていない様子を、本土のマスコミは伝えています。 

ハワイでは州知事から、「それは国と国の問題だ」と正論を諭され、仕方がないのでイヤミったらしくオスプレイの墜落現場を視察し、ワシントンでは希望した次官はおろか、日本部長に「代案を出してみろ」と説教されただけで終わりました。 

とうぜんの結果ですが、「暗中模索のなかから一筋の光が見えてきた」と述べ、移設計画の阻止に向けてアメリカ側の理解は進んだと強調」(NHK6月4日)したそうです。 

やれやれ、自分の立場が空回りしていることに気がつかないで、「一歩前進」みたいな総括の仕方をすると、さらに明後日の方向に飛んでいくことになりますが、初めの一発目から明後日なので、ま、いいか。 

As20150604001343_comml(写真 気持ちよさそうに演説する翁長氏。しかし星条旗を背景にして、まるで米国の政治家みたい。いいのか、支持者の皆さん)

翁長氏は、同じ訪米「外交」をした大田昌秀元知事のような、革新畑に生きてきた学者あがりの人物ではありません。 

国と県のやりとりに数十年関わってきて、裏も表も知り尽くした保守政党の古狸でした。

日米同盟に一介の県知事が介入できないことなど、わざわざワシントンまで行かずとも熟知していたはずです。 

本土のマスコミは、支持団体へのパーフォマンスていどの解説をしていますが、違います。 

翁長氏の真意が分かるのは、彼がいない間に、側近中の側近・安慶田副知事を使ってやらせている一連の論功報償です。 

これらは訪米の直前から、訪米中にかけて行なわれました。 これらの論功報償による利益供与は、チャチなものではありません。 

まず、自分の知事選選対の大幹部である平良氏を沖縄コンベンションビューロー(OCVC)の会長に指名して、沖縄観光業界の元締めに座らせ、方や選対本部長の金秀・呉屋氏には、巨額の進行予算が投入される予定のMICE(会議・研修・催事の大型複合施設)の利権を与えました。 

これらは、おそらくは選挙前からこの二人に論功報酬として示されていたはずで、あの沖タイですらやんわりと批判せざるをえなかったほどの露骨すぎる利益誘導型政治そのものでした。 

Img53e43f92b3d64(写真 経済界同志会とやらの出馬要請を受ける翁長氏。呉屋、平良氏が、ここに当選したらのお願いが乗ってますから、ひとつよろしくと言っているように見えるのが哀しい)

おそらく、こんなド派手な訪米パフォーマンスがなければ、地元紙もそれなりの大きさで取り上げざるを得なかったはずです。 

しかし、訪米パーフォーマンスによって、「戦う県知事」のイメージだけが先行し、平良氏や呉屋氏に対する利権配分は、その影にすっぽりと隠されてしまいました。 

まさにこんな本土マスコミの報道ぶりは、翁長氏の思うつぼだったはずです。 

さて翁長氏は知事選の年2014年1月に、こんなことを朝日新聞に語っています。今読み返しても、なかなか面白いものがあります。 

朝日の記者は、当時まだ自民党の大幹部であった翁長氏の左翼転向を疑って、こう挑発しています。 

「でも、利益誘導こそが沖縄保守の役割なのではないですか」  

「ふん、どうせ翁長さん、あんたの本音は利益誘導なんだろう、どうなんだい」ってわけです。さすが朝日です。いい質問するねぇ(笑)。 

翁長氏は、逆切れして、こんなタンカを切っています。 

「振興策を利益誘導だというなら、お互い覚悟を決めましょうよ。沖縄に経済援助なんかいらない。税制の優遇措置もなくしてください。そのかわり、基地は返してください。国土の面積0.6%の沖縄で在日米軍基地の74%を引き受ける必要は、さらさらない。いったい沖縄が日本に甘えているんですか。それとも日本が沖縄に甘えているんですか」 

コワイ本土の審問官から、お前の真意はこれだろうとズバリ指摘されて、プルプルと頭を振って、「とんでもございません。オレは金なんかいらねぇですだ」と言っている様子が眼に浮かびます。

この人、よく逆切れすることで知られています。訪米中も米戦略国際問題研究所のマイケル・グリーン氏にわざわざ会ってもらったのに、会談後、「知事は反対ばかりしている」と酷評されるとプッツンしました。 

そしてよせばいいのに、グリーンさん相手に、「(日米政府は)作ることしか考えていない認識。お互い様で、それを非難される筋合いではない」と叫んでいます。 

礼儀を知らないな、この人。ここは島でもなければ、相手はワガママを聞いてくれる本土政府でもないんだよ。

とてもじゃないが国際交渉なんかできる器ではないことを、米国にも宣伝してしまうことに気がついていません。 

もう二度と米国政府は彼を、「交渉相手」などと思わないことでしょう。たいした「成果」ですよ、まったく。

島内政局だけで生きてきた男の限界が、今回、無惨なまでに露になりましたね。

それはさておき、何が「沖縄に経済援助なんかいらない。税制の優遇措置もなくしてください」だ、つうの。どの口で言うのか、です。Be66e3ef0dcd46c8c63dba330634cc5b_2翁長さん、あなたの選挙公約自体が、すべて振興予算があってのものでしたし、今や振興予算をせっせと功臣どもに配っているのはどこの誰なんです。 

年間50億もの巨額の振興予算を差配できる沖縄コンベンションビュローの会長職を平良氏に投げ与え、ペンペン草しか生えない塩漬けのマリンタウン東浜に困っていた呉屋氏には、MICEを決めたのは、一体どこの誰なんです。 

すべてあなたが、選挙前から彼らに約束し、おそらくは巨額の選挙資金をもらい受け、そして彼らの企業を選挙マシーンにして、手に掴んだのが知事の椅子だったんじゃありませんか。

ところが早くも、このマリンタウン東浜には、採算度外視ではないか、という疑問が噴出しています。 

「一方、別のデベロッパー幹部も首を傾げる。
『沖縄のMICE施設は、上海や広州、シンガポールなどを相手に国際会議の誘致合戦に晒されるのに、空港から遠く、リゾートに適さない景観のマリンタウンでは誰も来ませんよ。カジノのような集客施設が併設されれば別ですが、翁長県政はカジノ反対を打ち出している。どんな勝算があるのか、理解に苦しみます』」(週刊文春6月4日号)
 

大型MICEは、たぶん採算に合いません。

というのは、単体としてのMICEには、上のデベロッパー氏が言うように海外の競合相手が多く、東浜に振興予算を投じて作ったとしても、大型コンベンション(催事)が入る日以外は、閑古鳥となるのは目に見えているからです。

観光業界にとって、東浜にMICE施設とホテルがポツンと出来ただけではとても通年を通した稼働は見込めません。大赤字を出すのはむしろ常識です。

Photo91914165118642x480(写真 マリンタウン東浜の分譲地チラシより。不動産屋のチラシを読むと、なにもない地域なので、学校と買い物の心配が多いのが分かる)

呉屋氏や平良氏は、MICE自体は第3セクター運営にして、赤字の公的資金投入でも考えているのでしょうか。

近隣にIR(カジノ・催事・会議複合施設)があり、あるいはUSJなどのテーマパークがあってこそ、なんとか立ち行くのです。

しかし、それらを複合させるには、東浜は余りに狭く、なによりアクセス道路すらないのです。

今から道路は作ると翁長氏は説明しているようですが、それは順番が逆です。

ところで、翁長氏はIRに反対を表明しています。たしかに翁長氏はIRを反対しています(※ただし、県はいまだ統合リゾート計画に乗せています)

たぶんこれは、<辺野古移転・空港拡張・IR・USJ>が4点セットとして、仲井真知事時代の本土政府との合意だったことを潰したい、翁長氏の目論見から発しています。

翁長氏からすれば、本土政府が空港・IRだけつまみ食いすることを許さないことを知っていての、IR反対でした。

USJについても管氏の来沖時の会談で、誘致を拒否したということも伝えられています。

ですから、このまま翁長氏が左翼陣営と移設反対を叫び続けるならば、立場上、本土政府としてはIRとUSJを沖縄に持って行くことを断念せざるを得ないことになります。

これは、観光立県・沖縄にとって、そうとうに大きな打撃になるはずです。

この翁長氏の政治優先の経済オンチぶりは、結果として、統合リゾート計画のトータルな連携を解体してしまい、沖縄の首を締めつつあるのです。

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コメント

採算度外視の建設は、かつて日本、今中国ですね。

大量の赤字を垂れ流しておいて、「日本に見捨てられた。中国様に縋るしかない」とか宣いそうです。

もしも、沖縄が独立したとして…
今のままでは、翁長の独裁国家→中国の植民地化でしょうね。

MICEの東浜決定は重大な失敗だと思います、何も魅力のない場所のようですからね。

アジアじゃカジノ建設ラッシュで会議誘致の競争激化は必至、アメリカへ行くくらいならシンガポールやフィリピンなどを視察してから候補地の決定をすべきだったかと。

投票した県民を裏切り県益、ひいては国益を損なうことになりそうで心配です。
菅官房長官も呆れていることでしょう。


老眼わかります(^_^;)

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