翁長・稲嶺両氏の訪米 一体このふたりはどこの国の政治家なのだ?
まずはハワイで、沖縄出身のよしみに甘えたのか、デービッド・イゲ(伊芸)知事と面談し「情と理で訴えた」(沖タイ)そうですが、イゲ知事からは「国と国の問題。ワシントンに行きなさい」と言われたようです。
こういう対応を、「好意的一蹴」と呼びます。翁長氏は一体何を期待したのでしょうか。
イゲ知事は民主党知事で、去年11月の知事選で共和党候補を破っての当選です。父親は442部隊で戦ったという、筋金入りの米国に忠誠を誓った家系の出身です。
(写真 たしかにウチナー顔をしているか、さぞかしイゲ氏は迷惑であったろう。 沖縄県撮影)
ハワイに移民した沖縄県人移民は排日運動で大変な苦労を重ね、大戦中は日系人だけで組織された442部隊でヨーロッパを転戦し、米軍部隊中最も多い犠牲者と名誉勲章を得ています。
この功績により、排日運動は影を潜め、日系市民は合衆国に名実共に受け入れられたのです。
(写真 ヨーロッパを転戦する日系442部隊。もっとも熾烈な戦場に投入され、多くの犠牲者を出した。彼らの多くは、父母が強制収容所に捕らわれの身だった)
テキサス大隊救出作戦に、包囲された部隊以上の犠牲を払って、彼らを救出した時のエピソードが残っています。
「救出直後、442部隊とテキサス大隊は抱き合って喜んだが、大隊のバーンズ少佐が軽い気持ちで「ジャップ部隊なのか」と言ったため、第442部隊の少尉が「俺たちはアメリカ陸軍442部隊だ。言い直せ!」と激怒して掴みかかり、少佐は謝罪して敬礼したという逸話が残されている」(Wikipedia)
この日系兵士の姿は、自らが日本国民であることを、命を捧げることで証明しようとした大戦中の沖縄県民の姿に重なります。
戦後沖縄では、不幸なことに、勤皇鉄血隊の中学生も、ひめゆり、白梅部隊の女子生徒たちも、いちように「無駄な犬死にをした軍国主義の犠牲者」で一括りにされてしまいました。
(写真 鉄血勤皇隊。17歳以下14歳以上の少年で結成されていた。彼らのまぶしていばかりの笑顔をみると涙が止まらない)
鉄血勤皇隊は、沖縄の中学校、実業学校の生徒 1780人が組織され、死者は890人に上り、平均 50.%に達しました。
たとえば、被害の大きかった中学であった県立工業学校は、 94人が参加し、実にうち85人が戦死、死者率 90.4%に達しています。
この事実に向かい合う時、打ちのめされぬ日本人はひとりとしていないでしょう。
だからこそ、大田実海軍少将は最後の電文に、こう記しました。
「本戦闘の末期と沖縄島は実情一木一草焦土と化せん糧食六月一杯を支うるのみなりと謂う。沖縄県民斯く戦えり。県民に対し後世特別の御高配を賜らんことを」
米軍に志願した日系人442部隊と、日本軍を支えて戦った沖縄県民の違いは、たまたま勝者の側にいたか、敗者の側にいたか、という歴史の違いがあるのみです。
勝者と敗者を入れ換えてみましょう。
仮に米国が敗者だった場合、442部隊は「日系人を強制収容した米国の手先になった」として、同胞から糾弾され、戦死者は唾をかけられたかもしれません。
日本が勝者だった場合、鉄血勤皇隊は、「郷土と国家を自己犠牲的に護り抜いた英雄」として後世に語り継がれたことでしょう。
このようにこの両者はその真情において、まったく同一なのです。
すなわら、鉄血勤皇隊は沖縄の442部部隊だったのです。
そんな父親を持つイゲ氏が、中国に行って、「沖縄は中国の文化と交易が育て、日本は奪うだけ」などなどとゴマすりに余念がない翁長氏と、波長があうはずがありません。
イゲ知事は、国家がしっかりしてこその地方自治だと思い、方や国家などどうなろうと、自分の支持勢力さえ勝てればいいと思う翁長氏です。
(写真 渡米前に辺野古のテント村で演説する稲嶺市長。この人物は、地元辺野古3地区と一度として対話をもったことはない。彼にとって「現地住民」とはこの外人部隊のようだ)
さらに同行した名護市の稲嶺市長に至っては、さらにひどい。こんな過激な言辞を吐いています。
「移設反対を訴えるため訪米中の翁長英雄志知事に同行している稲嶺氏は、移設作業が続く沖縄の現状について『植民地と言っても過言ではない」』市民団体側に説明した。(略)
また、辺野古の米軍基地前や海上で移設反対派と県警、第11管区海上保安本部が衝突している写真を紹介し、「県民同士を対立させ、分断させるのは植民地政策の常套手段だ」と日米両政府を批判した。」(朝日5月31日)
「琉球ナンチャラ独立学会」と同じ、典型的な「沖縄差別論」です。
このような立場にいる限り、本土政府は異民族の「植民地宗主国」なわけで、異民族支配が今でも続いているという認識になります。
したがって沖縄県と名護市は民主主義すらなく、常に官憲の暴力が支配しているのでしょうから、「抑圧民族」と「被抑圧民族」の間には、まともな交渉自体が不可能でしょう。
ならば、ぜひお二人には、「植民地の行政官」を辞任して、共産党、官公労、沖教組などを従えて「植民地解放闘争」を組織されることをお勧めします。
このような過激な言葉を外国で弄ぶ以上、その覚悟がおありなのでしょうね。
稲嶺さん、そんなに自分の住む名護や沖縄県が嫌いなら、「植民地で差別され、官憲に暴力をふるわれ続ける」名護はさぞかしおイヤでしょうから、いっそハワイにでも亡命して、「解放の日」まで二度と名護には帰ってこないほうがいいのではありませんか。
「在ハワイ琉球共和国臨時革命政府」とでもネーミングしますか。おお、なんとリリしい。まるで李承晩みたいだ。思想も似ていますしね。
いや、毎年3000億円という全国一の振興予算をもらいながら(←巨額の支援をもらう植民地とは一体何?語義矛盾だね)、「植民地解放」を叫ぶお二人には、とうてい無理な注文でしょうがね。
こんな外国に行って自国と、自分の地域を悪しざまに言うような、常識も、良識も、大人の見識もないようなふたりと、イゲ知事は明確に、依って立つべき国家観が異なるのです。
そのような二人が表面的ににこやかに握手しようと、結果は見えていました。
「イゲ氏は在沖縄米海兵隊の約2700人をハワイに移転する在日米軍再編計画を『受け入れたい』と表明した」(毎日5月30日)
沖縄県はこれを「成果」のように発表していますが、そりゃ家族も入れれば5千人以上も消費人口が増えるのですし、そもそも自国軍隊なのですから、歓迎して当然のことです。
反対運動のひとつも、沖縄と「共闘」してくれるとでも思っていましたか(笑)。
この後、懲りない翁長氏は、ワシントンで国務省日本部長と面談したそうです。
国務省日本部長とは、かつてケビン・メア氏がやっていたポジションで、沖縄の反戦・反基地運動家たちの標的にされて、解任されたという因縁の部署です。
さぞかし、対応に当たったラスキー日本部長も、変な言質を取られないように警戒していたことでしょうね。
「県は、米上院の承認が必要で日本の局長級にあたる次官補級との面談を要請していたが、米国防総省と同様に国務省も課長級の日本部長が応じることになった。
ラスキー氏は米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設ついて『普天間の危険除去を実現する唯一の解決策だ』と述べ、移設計画を推進する立場に変わりはないことを強調した」(琉球新報5月29日)
この移設交渉に対して、日本部長などになんの決定権限もありません。
翁長氏は次官級との面談を求め、副次官補になったと喜んでいたようですが、結局、米政府は最末端の官僚に、定型どおりの答えを言わせただけだったようです。
まぁ、あまりに当然で、ここで米国務省が、「そりゃ大変。沖縄県は反対なんですな。こりゃ移設を根本から練り直しせんといかん」とでも答えてくれるとでも思っていたんでしょうか(爆笑)。
この渡米自体が税金の無駄遣いでしたが、少しは自分の置かれた位置を冷静に見直すきっかけになれば多少はモトがとれるでしょうか。いや、無理でしょうな。
かくして、翁長・稲嶺両氏の訪米はなんの成果もなく、外国にまで恥をさらしただけの空砲に終わりました。
« 私の定位置 | トップページ | 沖タイも批判 翁長氏の新たな金権腐敗構造の誕生 »
「沖縄問題」カテゴリの記事
- デニー談合疑惑でヒビが入り始めた「オール沖縄」(2019.10.12)
- デニー知事と徳森氏の談合疑惑(2019.10.11)
- デニー知事、尻尾を出す(2019.10.10)
- 岩屋毅防衛相、愚行を演ず(2019.04.06)
- デニー知事「代替案を出す」と言い出す(2019.03.27)
おはようございます。
「植民地発言」、、別のブログでも知りました。
朝から、この「植民地」発言について、不愉快な思い出いっぱいです。
オイ、イナミネ 「植民地」と言う事は、お前もオナガも「植民地民」のリーダーてことなんだよ。
毎年3000億円という全国一の振興予算もらいながらよく言えたものです。恥ずかしい。
俺達、沖縄県民は民主的県民で、、、誰も、植民地民とは思ってません。
思っているのは、オナガ、イナミネ、はじめ サヨクの皆さんだけですよ。
アメリカまで、行って馬鹿発言するなんて、、、
恥を知れ、、、、、と言いたい。
管理人様へ。不適切なコメントと受け取るのなら、削除しても構わないです。
投稿: 義挙人 | 2015年6月 1日 (月) 08時57分
「県民同士を対立させ、分断させるのは『侵略』政策の常套手段だ」
とも言えるでしょう。
お陰様で、そのあたりのカラクリが見えてきました。
投稿: プー | 2015年6月 1日 (月) 09時27分
全国一の振興予算と言っても、一般県民には実感が無いのが現実です。軍用地主だけが、恩恵を受けていると思っているのです。高率補助金により、道路保全に95%「他府県66%」学校建設整備に85%「66%」漁港整備に90%「66%」水道設備に75%「33%」の補助金が出ている事 さらに、那覇文化てんぶす 沖縄子どもの国 コザミュージックタウン にも国庫予算が使われている事、各自治体にも軍関連の交付金が使われている事を、歴代の政治家や県知事は、説明して来なかった。だから、基地からの脱却説にだまされる。ここまで、反対を唱えるのなら特別補助金をストップし、代案を出して 県民に説明してほしい。
投稿: 宜野湾市民 | 2015年6月 1日 (月) 13時23分
宜野湾市民さん。
私もそのことを感じていました。仰せのとおり実感がないのです。また社会インフラや各種助成に使われているといっても、政府や県の説明がありません。
あっても、それが基地と対になっている、いわば「迷惑代」だという意味付けがありません。
安保施設もなぜそこにないといけないのか、という分かりやすい説明がありません。
あっても、他の県もそうだろうと思ってしまいます。普通の市民は、他の県の予算の内情は知りせんから。
というように説明がないない尽くしです。これは政府と県の対応の不備です。
かつて守屋次官が「普天間交渉秘録」の中で言っていたことですが、私は宜野湾や名護゛嘉手納、宜野座など直接に基地公害を受ける地域には、ダイレクトに一所帯あたりに対して「安保協力金」のような形で、個人給付すべきだと思っています。
今、このように県が意図的に問題をこじらせてしまうと、難しいですが、本来これを要求するのは県の仕事だったはずです。
投稿: 管理人 | 2015年6月 1日 (月) 13時49分
今日のニュースで沖縄県のワシントン事務所を知事が訪問した映像が流れました。デスクからして高級感が漂うとても立派な事務所です。
北京・上海・香港・台湾の事務所もあんな感じなのでしょうかね。
ワシントンはロビー活動用で使途が違うので年間予算8000万?(人件費は別)に、もし国からの振興予算を組み込んでいるとしたら呆れてしまいそう。
本土人→沖縄は振興予算をたくさんもらってるじゃないか。
沖縄人→じゃあ何で俺たちの生活は良くならないんだ。
本土人→そんなこと知るかよ。
というのがありましたが、宜野湾市民さんのコメントでわかったような気がします。
投稿: 多摩っこ | 2015年6月 1日 (月) 16時56分
いつも拝読させていただきまして、大変参考にしております。両親ヤンバル、那覇生まれ那覇育ちのものです。
>>宜野湾や名護゛嘉手納、宜野座など直接に基地公害を受ける地域には、ダイレクトに一所帯あたりに対して「安保協力金」のような形で、個人給付すべきだと思っています。
これができればよろしいかとは思いますが、受給する家庭に左巻きが突撃して来そうで怖いです。アジア助成基金の二の舞になりそうな予感が。
振興予算の使い道に関して翁長市長時代の那覇市の金の流れにメスがはいればいろいろ出ないですかね。あの応援企業絡みで。
こんなサイトが拡散しています
カミカゼじゃあのさん「沖縄の翁長が自民から共産に鞍替えした理由を説明するwww」「それと、翁長・その子分・支援団体の重大な“疑惑”について情報を拡散しようと思うwww」
http://www.honmotakeshi.com/archives/44872221.html
投稿: クラッシャー | 2015年6月 1日 (月) 17時20分
クラッシャー さん。ありがとうございます。教えて頂いた、カミカゼとかいうサイトを読んで見ました。
書いているような流れはあり得ると思います。
ただし、証拠がありません。裏を取れる情報が不足しています。蓋然性だけで言えるということと、そうでないことがあります。
私は、基本的に裏が取れたものだけで書いています。
いずれにしても、翁長氏勢力の裏に、巨大な金権腐敗が隠されているのは間違いありません。
それが故に、そのカモフラージュもあって、翁長-平良-呉屋氏たちはクリーンな平和主義者の顔をことさらに作りたがります。
まさしく大いなる偽善です。
投稿: 管理人 | 2015年6月 2日 (火) 01時57分