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2015年6月10日 (水)

「0.6%の土地に74%の米軍基地」というトリック数字

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けんすけ氏という人から、以下のコメントをもらっていますので、お答えしておきます。 

「北海道の共同施設を含めると確かに比率は下がりますが、運用の性質が違い過ぎるので、一般的な負担比率を考える場合には73.8%が正しいのは明確です。しっかり勉強した上でこのような投稿をして下さいね」 

ちっとも「明確」ではありませんので、しっかり答えておきます。 

この「74%」という数字は、毎回毎回、よく飽きないなと思うほど繰り返される沖縄の左翼運動家の皆さんの常套句です。 

74%といえば、実際には「全部の米軍基地は沖縄にある」ということです。「1%にも満たない土地に、在日米軍基地の全部を押しつけている」と言いたいわけです。

極端な印象操作ですが、これが沖縄では「定説」になっていています。

本土政府も沖縄となるとまるで腰が引けていて、管官房長官は、翁長氏に面と分かってそう言われても、反論しませんから、まるで政府が追認した形になってしまっています。

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(写真 不毛だった管-翁長会談。翁長氏の演説会を管氏が拝聴していた)

なるほど、これは数字の取り方次第では一面の真実です。ただし、「嘘は言っていないが、ほんとうのことも何も言っていない」という類の「真実」にすぎません。

しかし,あまりにショッキングな数字なので、私たち本土の人間も、それを言われると沖縄の過剰な負担に深く同情して、なんとかせねばと思います。

そこまではいいのです。沖縄の米軍基地は縮小されるべきだし、負担は軽減されるべきです。それに反対する本土の人間はひとりもいません。

だがこれにおっ被せるようにして、「本土はまったく負担していない。沖縄差別をうけている」とまで言われると、おいおい、いい加減にしないかと思ってしまいます。

それは、本土の負担をまったく見ないで、「自分たちだけが苦しんでいる絶対的被害者だ」という被害者意識が根源にあります。

Cdetu_9umaaqtbs(琉球新報 2015.4.26 )

何度書いても糠に釘のようですが、厚木基地の真横で育ち、沖縄を第2の故郷とする私としては、やはり私もあきらめずに書いていかねばなりません。

まず、けんすけ氏という方は、「運用の性質が違い過ぎるので、一般的な負担比率を考える場合には73.8%が正しいのは明確」というのは、意味自体がよくわかりません。 

北海道は演習地が大面積だというのは、記事の中でも考慮していますし、そのような演習地は沖縄の北部訓練場の大面積も一緒の「運用の性格」です。 

この北部訓練場があるために、非常に広大な面積があるような錯覚をしていますが、行ってみればわかりますが、あそこは地元も使いようがないただのジャングルです。 

一体北海道の原野と、沖縄のジャングル、このどこが「運用の性格が違う」のでしょうか? 

たしかに「運用の性格」というならば違います。 

では、神奈川県から東京に伸びる国道16号線沿いにある基地群を見てみることにします。 

B0104568_12184070(図 赤線が国道16号線。このうち基地が集中しているのは、神奈川県横須賀から、東京都青梅市までの範囲)

下のGoogle Earthも合わせてご覧ください。

衛星写真を見ると、右下の第7艦隊司令部の置かれる横須賀基地から米空軍横田基地まで、直線距離でわずか約60km、国道16号線ルートで車で2~3時間といったところです。 

ヘリで飛べば20分といったところです。このわずか60キロの範囲内に米軍の重要施設がギッシリ詰まっています。 

Photo
比較のために、沖縄本島もoogle Earthで見ます。 

沖縄本島の縦の長さは106キロですから、沖縄の半分以下の距離に神奈川・東京の基地群が密集しているのか、お分かりになるだろうと思います。 

ちなみに、「0.6%」という計算の仕方もトリックです。

なぜなら、たしかに沖縄は全国比率で0.6%の土地にすぎませんが、神奈川県と東京の16号エリアに視点を絞れば、沖縄を上回る米軍基地の負担度だとわかります。

神奈川、東京にまたがっているから数値的に低くなるだけにすぎず、実態としては沖縄に優るとも劣らない重要な米軍基地を引き受けています。

Photo_2
では、国道16号の起点である横須賀軍港から検討してみるとします。 

たしかに、沖縄とは「運用の性格」がまったく違います。

しかしそれは、このコメント氏が思っているのと真逆で、沖縄の基地より、神奈川・東京の基地のほうが、米軍にとって比較にならないほど重要だからです。 

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(図 防衛省HP)

 神奈川・東京の米軍基地群には、在日米軍中枢と、その指揮司令部機能の大部分が存在しています。

これら米軍基地群は、すべてが米軍基地ネットワークの中で相互に連携し合っており、、「ひとつの基地」として機能しているために、普天間よりも移設は難しいでしょう。

この米軍基地ネットワークの中心にいるのが、横須賀軍港と厚木飛行場のふたつです。

横須賀海軍基地(自衛隊共用)

 

Us_navy_090610n9565d019_sailors_man(写真 横須賀海軍施設に入港したUSSジョージ・ワシントン。横須賀はこの原子力空母の母港である。Wikipedia)

横須賀に司令部を置く第7艦隊は、東はハワイから西はアフリカ喜望峰まで、インド洋と太平洋西半分という、実に地球半分を担当範囲としています。 

原子力空母ジョージ・ワシントンを中心として米海軍艦艇11隻が、ここを母港にしています。 

そしてこの第7艦隊こそが、米軍最大の攻撃力であり、かつ、海外に唯一母港を置いているのは、ここ横須賀軍港以外にありません。 

これとワンセットになっているのが、米海軍厚木基地です。 

●米海軍厚木航空施設(自衛隊共用) 

80_big(写真 厚木基地。人家の密集地帯にあるのがわかる。ただし、離発着コース直下は、防衛施設庁によって無人地帯に整備されている。普天間は米軍政下で日本の航空法が適用されなかったために、直下も人家が密集してしまった。ちなみに、私はこの厚木の真横で育った)

厚木基地は、空母ジョージ・ワシントンの艦載機80余機のホームベースです。
 

占領軍時代から、多くの墜落事故を引き起こしており、今も、第3次爆音訴訟に5000人余が原告として参加しています。 

神奈川県には、1年で4000件を越える苦情が寄せられていて、軍用機の飛ぶ飛行ルートの関係で騒音問題に悩まされている自治体の合計人口は、沖縄県の人口140万の約2倍の280万人ていどだと言われています。 

また、沖縄と同じように、厚木基地周辺では、過去には米軍機の爆音、墜落事故、部品落下などの事故は日常茶飯事でした。 

神奈川県での米軍機墜落事件も何件も発生しており、これまで11人の民間人が亡くなっています。  

かつて横浜市で痛ましい住宅地への墜落事故が起きて、家族が巻き込まれたこともありました。 

そのために、基地周辺の地主が日本政府に対して土地の買い上げを求めた結果、政府も被害の重大性を認め、2度に渡って土地の買い上げを行っています。   

そして大和市、綾瀬市の基地周辺の262戸が1970年までに集団移転しています。  

普天間飛行場もそれが可能ならするべきでした。進入路にあたる数キロを買い上げて、無人化するべきだったと思います。しかし、さまざまな理由でそれができませんでした。 

そのひとつ理由は、反基地運動の人達が間違いなく「買い上げ阻止・普天間基地撤去」という反対運動の標的にするのが目に見えていたからです。 

米兵の犯罪についても、神奈川は沖縄についで2番目です。1989年から2010年にかけての米軍人の刑法犯検挙数は県別で沖縄の1035件に次いで2番目が、神奈川県の444件でした。

まだまだ検証は続くのですが、長くなりましたので明日に回します。

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沖縄問題」カテゴリの記事

コメント

反対派や左翼は自分たちの主張が正しく、他は間違いだ勉強しろといいますね。
北海道は運用が違う、正しい数字は74%だ。沖縄は被害者だーよく聞け本土人。

先日ある板で、オスプレイ反対の沖縄の方が岩国基地すら知らなかった。オスプレイがアメリカから直接普天間へ飛んできたと思っているのかも。
管理人さんが体験している本土の基地なんて興味ないし調べもしない、本土に米軍基地があるの?ちょっとだけでしょ、ネット上でもあります。


辺野古はダメ、普天間は返還しろ、他の基地は移設も認める。
なぜ辺野古だけダメなんだ→なぜ辺野古じゃないとダメなんだ→堂々巡りですね。

不謹慎かも知れませんが、土砂搬入も儘ならない沖縄の各工事は塩漬けにして、その分を東京オリンピックに投入してもらいたいです。

沖縄だけが負担を背負っていると盲目的に考えると思考停止になってしまいます。沖縄VS本土で考えるからおかしくなる。米軍施設を抱える自治体で「我が県は○%の米軍施設を抱えて負担が大きい」などと主張するところはありません。北部訓練場なんて広大ですが、いったい誰が負担を感じているんでしょうか。むしろ米軍施設であるからこそ、「山原(やんばる)の手つかずの貴重な自然」が残されています。ここが返還されたら、自治体は経済的に崩壊するうえに、自治体・民間業者一体となた乱開発がすすむことでしょう。

まとめサイト「正義の見方」

カミカゼじゃあのさん「翁長の新たな汚職疑惑についてだwww東京の大手企業も関わってんなwwwてことは、“警視庁管内だし東京地検のシマ内”だw

県外石材の使用制限の裏に金秀の大きな利権が隠れているとみる向きもあるようです。

仕事関係で厚木基地に行った事があります。普天間と違って爆音が凄かったです。
夜中にタッチアンドゴーをやってて叩き起こされた覚えがあります。
自衛隊と共用しているからでしょうか、飛行機やヘリの離発着は厚木が多いような気がします。

沖縄の米軍基地がどのような経緯で作られたのかという歴史が、沖縄の今も続く反発の原因では。
沖縄は、米軍基地の多くが戦後米軍により強制的に奪われた民間人の土地にあるのです。
また、沖縄は本土より長い間米軍の統治下にあったこと、復帰後も奪われた土地がそのまま米軍基地として使用され続けていること、沖縄の基地を強制的に使用する為に日本政府も一役買っている経緯も反発の原因でしょうね。
そもそもが海軍の基地であった厚木基地とは違う問題があります。
沖縄が第2の故郷なら、もう少し歴史を学ぶべきでは?古い記事にコメント、失礼いたしました。

かたやまさんとやら。そんなことはとっくにしています。
すべてが民有地であったわけではありませんし、旧軍の滑走路は国有地でした。どちらもありましたし、その時代背景によって普天間や嘉手納は戦時中に占領下で作っていますし、シュワブは戦後に村のほうが長い交渉の末に容認したものです。

すべてが翁長氏がいうように「銃剣とブル」で収奪したわけではないし、逆にすべてが住民の容認であったわけでもありません。
個別に検証すべきです。

もう少し勉強しろですか。どうしてこういう傲慢な言い方をこの程度の知識で言えるのですかね(ため息)。

普天間については書いています。百田氏は気に食わないでしょう。
過去記事
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/post-8b47-1.html

横から失礼。


かたやまさんとやら

>戦後米軍により強制的に奪われた民間人の土地にあるのです。

あのね~。かたやまさんとやら「奪われた民間人の土地」じゃないですよ。奪われたんじゃなく、ちゃんと所有権は地主にあるんです。
土地は賃貸ししてるんです。年間軍用地料県内約1000億近くあります。県民は、皆 基地反対じゃないですよ。新聞がそのように煽っているんであって、基地賛成の方もたくさんいらっしゃる。
ただ、面と向かって賛成言えないのが現状なんだなぁ~。

そうです、管理人さんのおっしゃる通り全てが民間人の土地ではないですし、「あらゆる交渉」が行われた結果、現在は容認している土地がほとんどです。そして、トダ虎さんの言う通り、巨額のお金が軍用地料として貸し主には払われています。
また、確かに全てが銃とブルドーザーで奪われた土地ではないかもしれません。(収容所に入ってるうちに取られていたという話も多くありますしね)

しかし、問題はそこじゃないのです。確かに銃とブルドーザーで奪われた人が少なからずいたこと、貸したくなかったが貸さざるを得ない状況に徐々に追い込まれた人がかなりいたこと、徐々に軍用地料に依存させらてしまったこと。
沖縄の経済は、日本政府のアメとムチで良くも悪くもここまで来たと言われています。
沖縄にも反省すべき点は多くあるのでは?と私も思いますが、やはり虐げられた過去があると、なかなか基地を肯定的に捉えられない人も多いでしょうね。

歴史を学べと上から目線な発言をしたのは申し訳ありませんでしたが、まだ知らないこと、もしくは忘れていることも多くあると思いますよ。例えば、大田知事時代に土地を貸したくない地主が署名をせず、県と国の裁判に発展した結果、結局県側が負け、国が代理署名をした事件などご存知ですか?(きっとご存知でしょうね)http://mw.nikkei.com/sp/#!/article/DGXLASDG02H7R_S5A201C1CC1000/
未だに土地を奪われていると思いながら、渋々土地を貸して続けているであろう沖縄の方の気持ちを思うといたたまれません。

確かにオナガ知事は過激ですので、沖縄県民がみな彼と同じ意見だとは思いませんが、昨今の「沖縄に対する嫌悪感」が広がる雰囲気には、正直、差別的な気持ちが根底にあるのではと思わざるを得ません。

かたやまさん

その像のオリの件、地主の1人が反対しただけで
残り400名以上の地主は、継続使用を希望していますよ。不都合の真実を報道しない沖縄のマスコミの報道姿勢が大きな問題ですよ。

沖縄に米軍施設の74パーセントが集中も嘘です。
正しくは米軍専用施設の74パーセントです。
恵隆之介氏や佐藤正久氏に指摘され、最近では沖縄のマスコミも、専用施設と言うようになりました。

http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n171329

一坪反戦地主て方がいて、一坪に3千人の共有所有者がいて、「俺たちの土地だ、返せ」大声で叫んでいる連中も居ますよ。わざつと反対するためにね。

自分は専門知識はない本土の者ですが。

細かい数字にトリックがあっても。見方、考え方で感じ方は違うでしょうね。
沖縄にも基地賛成の県民も多いかも。でも県民投票でも玉城知事選出でも県民の民意は辺野古反対、県外移設が多数ではないでしょうか。

第二の故郷かもしれませんが、あくまで地元の民意を考えれば、数字の『見方』を指摘すればいいのであって、【トリック】などとまるで昨今のフェイクニュースのごとく言わなくてもよいのでは。
貴方が数字にトリックがあるかのごとく力説されても、厚木でも現状負担に苦労されていても。だからといって沖縄の負担が軽減されるわけでもあるまいし、現政権の押し付けに沖縄が苦労されているのがフェイクニュースだったり地元の報道の偏りだとは思いません。同じ日本人としてもっと本土で基地負担すべきだと思います。乱文失礼します。

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