寓話 南の島のジャイアン君
ある南の島の小学校に、ジャイアン君という坊やがいました。坊やといっても柄は大人並、腕力では誰もかないません。
あまり大きな声ではいえませんが、趣味は銭集めと弱い者イジメです。
もちろんジャイアン君にも言い分があって、「小遣い銭を巻き上げたけど、そいつのやりたいことをかなえてやったろ、オレ、いいことしているんだ。オレこそドラエモンだ」、というのが彼の生活と意見でした。
そんな彼はクラスの中で、取り巻きのコマスリたちの子分を作り、ブイブイ言わしていました。
ところが、こんなジャイアン君にも、かなわない奴がひとりいたんです。それは、クラスいちばんの秀才、しかもクラス委員のマイカナ君でした。
マイカナ君は見た目はヒョロヒョロでしたが、実行力があって、誠実にクラスをよくする仕事を仕上げていくので、クラスの人望があったんです。
仕方なくジャイアン君は、マイカナ君の舎弟をするはめになってしまいました。
舎弟はつらいもの。マイカナ君のクラス委員選挙まで率先してやらなきゃならなかったのです。
子分たちのワル共からは年中、「ジャイアン兄貴のほうかずっとカッコよくて強いのに、なぜあんなヒョロヒョロの野郎に頭が上がんねぇの。兄貴がクラス委員やるべきだよな」と馬鹿にされます。屈辱ですね。
ジャイアン君は、表面はマイカナ君に尻尾を振っても内心、「いつの日か見ていやがれ、あいつの次のクラス委員は、この俺様だ。その時には、思う存分、クラス全員から小遣い銭巻き上げて、クラス委員会費もオレの思うように使いまくるんだ。ゲーセン借り切ってやるゾぉ」、なんて秘かに燃えていました。
実は、今までジャイアン君がマイカナ君に尻尾を振っていたのは、マイカナ君から「撲の次はキミだよ」と言われていたからです。
すっかりその気になっていたジャイアン君でしたが、次の学期のクラス委員会選挙でマイカナ君はジャイアン君にこう言いました。
「ごめん、今度キミを推薦しようと思ったんだけど、ダメになりそうなんだ。ほら、あの学校から頼まれていたクラスの池の一部を埋めて学校の施設を作る計画、もめているだろう。ボクは仕方がないと思ってるんだけど、いまでもハンタイする子も多いよね。だから、あるていどめどが立つまでボクがやってから、きみに引き継ぎたいんだよ。分かってくれよ」
これを聞いたジャイアン君はカンカンになりました。「なんのために今まで、こんな青ビョータンの舎弟になっていたんだ、第一、もうオレだって卒業だから、次はねぇっだろう」ってね。
で、ジャイアン君は、子分のワルたちと一緒になって、今までマイカナ君と対立していた埋めたて計画反対だった子どもたちも入れて、「埋め立てハンタイ・オール6年3組」を作ったのです。
今までいじめっ子の敵だと思っていたジャイアン君が急に味方になったので、反マイカナ派の子たちは大喜びしました。
「うわーい、これでマイカナ派を追っ払えるぞ。そしたらオレたちの天下だァ~い」
これには反マイカナ派の学級新聞も大喜びで、応援団になってくれました。
もちろんジャイアン君には反マイカマ派に天下を取らせる気なんかなくて、自分の独裁をしたかっただけです。利用できるものは利用する。これがジャイアン流なのです。
そして見事当選。マイカナ君は、この心労もあって、持病が悪化して入院してしまいました。
さて、邪魔者がひとりもいなくなって、天下晴れてクラスのボスになったジャイアン君がまずやったのは、今までの舎弟たちを全員クラスのいろいろな委員に任命したことでした。
もちろん、甘い汁をすすらせるためですが、これに悪ガキの舎弟たちは大喜びでブイブイいわせました。
いままで一の子分だったダケヤ君などは、副委員長に大出世していばりまくりっています。
そして次にやったのは、マイカナ君がやったクラス委員の仕事を全部潰すことでした。
一番もめていた学級の池の埋め立ては、「マイカナ委員長の悪行を暴く」と言って、自分の息のかかった子供ばかり集めて特別委員会を勝手に作って、「マイカナのやったことは全部デタラメだった。だからチャラだ。こいつらに調べさせる」と言い出しました。
さぁ、困りましたね。だって、もう学校の計画ではとっくに決まった約束事なんですからねぇ。
驚いた学校は、「ねぇきみたち、そりゃ困るよ。決まったことなんだからね」と言いましたが、ジャイアン君は聞き入れません。
「オレはクラスで選ばれた委員なんだから、いちばんえらいんだ。なんでもできるんだぞ。先公は黙ってろ!」と言いだす始末です。
さぁ、この南の島の6年3組はどうなって行くのでしょうか(音楽高まる)。
こんなジャイアン君のやり方を正しいなんて、島の学校の先生は教えないで下さいね。
こんな方法があたり前になれば、子供たちは学校や社会のルールなんか、「勝ちさえすれば、いくらでも破れる」、と勘違いするように育ってしまいますから。
先生に怒られたら、「ここにおわすは民意サマだ。頭が高い。下がれおろ!」と言ってやればオーケーです。
このように、南の島のジャイアン君のやり方は、18禁なのです。
あ~、くたびれた。わたしゃ、絵本作者にはなれんわ(笑)。
※お断り 後半は長いのでカットして、明日加筆して掲載することにします。いつもすいません。
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コメント
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管理人さん 質問です、翁長知事が移設反対を叫んび 得られる
利権とは、具体的になんでしょうか? 週刊誌にもネットでも沖縄基地構造がこれ程、書かれたならば復興予算の値上げは これから先、無いと思うのですが 実際5%削減されていますし
どうなんでしょうか?何故この質問をしたかというと、普天間固定化になると辺野古の埋め立て工事や普天間基地の移転、解体、その跡地の開発工事など、 巨大な利権が無くなってしまいますが翁長知事や後援会の金秀グループはそれでも良いと思ってるのでしょうか?
ずいぶん前の記事で管理人さんが書かれていた記事で翁長知事は平気でオール沖縄を裏切りますと書いていましたが、 落とし所を見極めてると理解して、よろしいでしょうか。
投稿: 元本部町民 | 2015年7月28日 (火) 21時54分
元本部町民さん。記事でも書きましたが、ここでも簡単に答えておきます。
まず、振興予算(復興予算ではありませんが)は、多少下がっても大幅に下がることはありません。
それは、別に翁長氏たちに出しているわけではなく、沖縄県民全体に出しているという性格だからです。
目に余る汚職でもあれば別ですが、そうである以上減額されることはあっても、一定水準で推移します。
金秀などは、翁長氏が配分する別な利権で潤っていますので、困りません。
第一、金秀がしないのは辺野古埋め立て工事だけで、他の米軍基地関係の工事は平気で受注しています。
翁長氏はプラグマチストですから、落し所が見つかれば「裏切る」ことも辞さないでしょうが、それは今ではありません。
今は「オール沖縄」の政治的資産を十分に使う気でいます。
投稿: 管理人 | 2015年7月29日 (水) 16時16分
すいません 沖縄振興予算の間違いですね。訂正しますm(_ _)m
投稿: 元本部町民 | 2015年7月30日 (木) 10時18分