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2015年7月18日 (土)

安全保障についてリアルな議論をしませんか

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昨日の記事は、私が自分のミスで落してしまって、焦って生煮えの記事を出してしまいました。もうしわけありません。 

将来的、それもこの20年から30年ていどの時間尺で、アジアをネットする集団安保体制を構想していくことを書いたつもりでしたが、日本の内情はとてもそんな段階とはかけ離れています。 

長い間、まともな安全保障の議論をしてこなかった毒が、賛成する側にも反対する側にも廻ってしまっている部分があります。 

小川和久氏が参考人発言で、国会審議を「枝葉に始まり、枝葉に終わる」と評していましたが、まったくそのとおりです。 

もっとも重要なことが、まったく語られていません。 

たとえば、ひんぱんに登場したのが 「歯止め」論です。まるで、自衛隊は「歯止め」という鎖につないでおかないと、狂犬のようにそこら中に噛みつく危険な存在のようです。 

狂犬どころか、にわかに信じがたい話ですが、今の日本において、仮に沖縄県の領空を中国の爆撃機が侵犯した場合、まったく阻止する手段がありません。 

いや、スクランブルをかけているだろうと、国民は思いますが、奮闘している自衛隊の皆さんにはもうしわけない表現ですが、あれはいわば一種の<殺陣>(たて)のようなものです。 

初めから、こう斬ってかかるのを、こう受け止めて、こう流して・・・みたいな、既定の枠内の約束事があって初めて成り立つスタイルです。 

ですから、相手が想定外のことをしたら、まったくこの<殺陣>は成り立ちません。 

現実にこのような事件が起きています。ケーススタディします。
対ソ連軍領空侵犯機警告射撃事件 - Wikipedia 

このソ連機はベトナムのカムラン湾基地から発進したバジャー爆撃機の編隊で、南西方面から侵入し、なんと堂々と沖縄本島上空に侵入し、米軍基地上空を横切っています。 

この際に、自衛隊史上初の警告射撃が実施されました。 

400pxokinawakenchizu(図 沖縄周辺地図。ウイキによる)

・発生地点 - 鹿児島県沖永良部島徳之島付近上空~沖縄本島上空
・発生時刻 -
1987年(昭和62年)12月9日午前11時41分
・午前10時45分頃-
航空自衛隊那覇基地第302飛行隊所属のF-4EJ戦闘機2機(編隊長:1番機前席のA一等空尉)が緊急発進(スクランブル)、その後も2次・3次隊として4機が離陸。
・ソ連機に見えるよう空自機が翼を振る、視覚信号により「退去」を指示。
・午前11時10分頃 - バジャー1機を除く3機は、
宮古島南方を通過後に北上。別の空自機2機が追跡、別の2機は上空待機。
・午前11時20分頃 - バジャー1機が北へ転進、
沖縄本島へ接近。
・A一尉が
南西航空混成団司令に警告射撃の許可を求め、警告射撃命令が下る。
・午前11時24分30秒 - ソ連機が
領空内沖縄本島上空へ侵入。米軍・空自基地上空も通過。
・同時時刻-
20mm機関砲にて、1回目の信号射撃による警告。視覚信号にて「着陸」を指示。
・午前11時31分30秒 - ソ連機が領空外へ。
・午前11時41分30秒 - ソ連機が領空内
沖永良部島徳之島上空へ侵入。
・20mm機関砲にて、2回目の信号射撃による警告。
・午前11時45分45秒 - ソ連機が領空外へ。

後に、米軍機も発進しており、自衛隊機上空で監視していたとが分かっています。おそらくは、自衛隊機が対応不可能になった場合に備えていたのだと思われます。 

自衛隊は、徳之島上空で領空侵犯を発見してから本島上空に到達するまで、実に延々35分間の間、領空侵犯するにまかせています。 

そしてなんと驚くべきことに、本島中部の米軍基地上空を通過させてしまっています。

その際に、さすがに日本側も政府の許可を得て、初めて警告射撃を実施しています。 

警告射撃とは、実弾と信号弾を相手に当たらない場所に発射するものですが、このソ連機はそれすら無視して、その後も悠々と飛行し続けて、いったん抜けた後に、またもや徳之島方向から侵入しました。

結局、当時の中曽根首相は防衛出動を下しませんでした。 

日本の「抑止」の実態を見極めるために、ソ連はこのような挑発行為をしたのだと思われますが、まったく舐められたものです。

国際法上は、このように警告射撃すら従わない国籍不明機は撃墜することができます。というか、むしろ今後も同じことをさせないためにすべきです。 

逆な場合、たとえばサハリン上空の基地上空を自衛隊機が横切ろうものなら、問答無用で撃墜されても文句はいえません。実際は、そのはるか手前で落されているでしょうが。 

皆さん、これが私たちの生きる日本という国です。上空を侵犯した爆撃機に通過されてもなにもできない国、それがわが祖国です。

View0016093833(写真 領空侵犯をしている中国空軍H6爆撃機。今日の記事に出たソ連のバジャーのコピー)

これが中国機だった場合どうでしょうか。彼らの領土意識によれば、沖縄県は彼らの領土であって、彼らの領空です。
 

不法に侵入しているのは、自衛隊機の方だと考えています。 

私は冗談を言っているのではありません。彼らはひんぱんに沖縄県石垣市尖閣諸島周辺で、わが国の海保に対して退去警告を発しています。 

そしてわが国の領空に防空識別圏(ADIZ)を勝手に設けました。

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もし、この侵犯した中国機が自衛隊機に対して「直ちに退去しなさい。しない場合は撃墜する」と、私たち日本人から見れば逆ギレのような「警告」を発しながら侵犯して、本島上空を横切ったら、どのように日本政府は対応するのでしょうか。 

しかも、彼らの領空侵犯する機体の大部分は爆撃機で、その爆弾倉に対空ミサイルや爆弾を登載している可能性があります。 

まずは、那覇の現地司令部から自衛隊司令部にいき、政府からの警告射撃が許可されたとします。

しかし、警告射撃をしても、このソ連機のようにまったくそ知らぬ顔で、まっしぐらに那覇と嘉手納基地上空に向っているとします。

さぁ、これから先にどのようなシナリオになるでしょうか。三択です。

①国際法に則り、警告射撃をしても聞かない以上、撃墜する。
②警告しても言うことを聞かないのだから、なすすべがない。
③防衛出動を命じて、撃墜する。

答え。②です。まぁ、たてまえとしては③でしょうが、相当に無理です。

艦船の侵犯と違って、航空機は高速なために領空侵犯を確認し、スクランブルをかけて無視された場合、防衛出動の要請をしたとしても、わずか数十分の時間的余裕しかありません。

その間に自衛隊南西司令部から横田の空自司令部を経て防衛省に行き、さらに官邸に達し、その上ここが難関ですが、閣僚全員の了解までもが必要です。

今回の法整備で閣僚了解は電話でもいいという「迅速化」(どこが?)が図られましたが、おそらく秘書が対応し、先生をつかまえ、その先生が見つからない場合などがあれば、数十分などあっという間に経過してしまいます。

それに、もし公明党の国交相が反対したらどうしますか。ひとりの反対で防衛出動は出せないのです。

その場合、安倍氏はこの閣僚を解任して、自分か兼務する形て了解を取るしかないわけですが、そんなことをしている間に、この侵犯機の爆弾倉が開く可能性のほうが高いでしょう。

このように、日本の防衛は非現実的な、<殺陣>の精神で覆われています。

今の安保法制の議論で、もっとも欠けていたのはこのリアリズムです。

議論においても、野党が国にするのは「歯止め」だけで、現実の国際情勢や、日本の防衛の現場のことなどまったく念頭にない質問を連発しました。

また、答える首相も、正気を疑うような答えをしまくりました。

なにか国民に誤解があるようですが、法律的な「武力行使の要件」が整えば、すぐさま武力行使しなければならないということではありません。

安全保障は、おそらくはひとつの状況に対して数十とおりも答えがあるシナリオで、最悪のジョカーと遭遇した場合にでも、対応できるように考えねばなりません。

だから選択肢の幅を広く取らないと、しょっちゅう「想定外」となりかねません。そのために武力行使の幅を現実に則したものにしていかないと、現実には対応ができなくなります。

現実には、政府の判断が優先するのはあたりまえですが、それすら「閣僚一致」「国会承認」といった「歯止め」をかけています。

日本の安全保障議論に致命的に欠けているのは、「歯止め」でもなく立憲精神でもなく、この「政治の判断」の極度の遅さと、リアリティの欠落です。

今回これで「改解釈憲はしない」というようなことを安倍氏は答弁していましたが、今日、取り上げたポジティブリストの矛盾は、今後放棄してしてしまうつもりなのでしょうか。

政府が目指す方向は、国際的標準にわが国の安全保障を持っていきたいということで理解できるのですが、逆に「歯止め」を増やしてしまったような気さえします。

野党側に至っては、前世紀の遺物のような法手続き論や違憲論、そして地域の限定論に終始しました。

よくこの出来の悪い中学生レベルの水準で、3年間も政権を運営したものです。

今、必要なことは、このような低調な安全保障論議を政治家だけに任せるのではなく、国民自らが、自分の国を守るということを真剣に考えることです。

頭上を核搭載の中国爆撃機に侵入されても、手も足もでないのがわが国なのですから。

 

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コメント

仰る通り、今回の安保法制も不備満載ですね。
しかしそれでも、野党や中国が強く反発していることから、
それなりの成果、国防の方向性を示せたことに、
感謝したいと思います。

このような点を報道し国民に広く知らしめるべきマスコミが反対側ですからね。

仮に尖閣諸島上空で中国軍機に向かい警告射撃をしたとすれば、中国はこれ幸いと我が国領空で自衛隊機が攻撃してきた、日本の侵略行為だと言うのでしょう。

戦争法案だ、徴兵制になる、安倍政権反対、危機感のポイントがズレているんですね。

80年代のソ連防空軍といったら、大韓航空機撃墜事件という大失態をやらかしてます。ちょっと謎が多い出来事でしたが、現在宗谷岬の丘の上にはには巨大な慰霊塔が聳え立っています。

ソ連はそれ以前にもムルマンスク強制着陸事件とかやらかしてますからね。

一方で、当時世界一の防空システムを備えると言われたモスクワの、よりによって赤の広場にドイツ青年がセスナで侵入して着陸するなんてことも(ルスト君事件)ありました。
これ、もし日本なら丸の内や皇居前広場に強行着陸されたようなものです。司令官は即座に更迭。
陸続きの大陸とは違いますが、今や誰でもGPSが使える時代です。燃料さえあれば洋上飛行も可能です。

ソ連と冷戦体制が崩壊して暫くはロシアはおとなしかったのですが、プーチンが権力掌握してからはまた活発化しました。
あの4年前の震災の時、陸自が全力で災害派遣出動してる頃に、盛んにТу‐95ベア(このところ墜ちまくってますが)を飛ばしては列島周辺をグルグルと廻り、空自の能力を探っておりました。


そして、今や目の前の脅威はズバリ中国です。
尖閣では連日海保とやりあってますし。潜水艦が宮古島沖を抜けたり。
八重山日報が保守的なのも、目の前に危機があるという実感があればこそでしょう。

我が国のマスコミときたら…昨夜のニュース番組や、朝日の配信では「周辺国の反応」で「危険な法案だ!」とかわざわざ顔色を伺い、「今年の4~6月は、スクランブル回数が過去2年で(はい、ここ笑うとこですよ)最も少なかった」

かの中国というのは、何十年も前からチベット・ウイグル、近年だと作家や思想家、さらに人権派への激しい弾圧が現在進行中。
世界各国から非難されても、もう壊れたテープレコーダーのように「内政干渉だ!」と答えるのが御約束。
そんな国に、日本の国内法案にどうこうと干渉されるいわれはありません。

ここで皆さん「東アジアの逆さ地図」を見て下さい。勿論手持ちの地図帳を逆さまにするなり、Googleマップをグルグル回しても結構です。

中国の側から見ると、日本列島と、かの国のいう第一列島線が、外洋進出と台湾攻略には邪魔でしょうがない!
さらに南シナ海。各国の利害が対立する中でどうみても中国が出庭ってくるとこではない。周りが相対的に弱小国ばかりだから、ここぞとばかりに好き放題にやる無法者国家が中国です。
最大限の警戒が必要です。

そして、それは特にアメリカを「いつでも巻き込む」体制が、現実的な現在唯一の方法です。

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