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2015年7月24日 (金)

安保審議の幕間に起きた中国の海洋プラットフォーム建設の意味とは

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中国という国は、確かに神秘の国です。あの国の4千年の歴史の知恵は、なぜかくも深く、訳が分からないのでしょうか。 

思えば1998年、中国は台湾で初めて実施されようとした総統の直接選挙に対して、李登輝氏が選出されることを阻止するために、第2砲兵(※弾道ミサイル部隊)に命じて「東風」などの中距離射程のミサイルを多数発射しました。 

結果は真逆に転じました。台湾はこの露骨な恫喝に対して国民的な団結を促し、李登輝氏は再選されてしまいました。 

しかも、米国は第7艦隊のインデペンデンスの空母戦闘群を入れて、さらには中東に展開していたニミッツまで急遽呼び寄せるという対抗手段に出たために、中国にとってとんだ藪蛇となったというおまけ付きです。 

今回、わが国か集団的自衛権審議で、本来焦点化すべき中国の軍事膨張を、政権党が外交的配慮から口にできないことをいいことに、野党とマスコミは焦点ボケに精出してきました。 

審議前半がホルムズ海峡がどーたら、後半が違憲だからこーたらと、中国の「ち」の字も出てこない不思議な「時間よ止まれ」といった空気が日本中に蔓延したのは、記憶に新しいことです。 

このように、本来リアルな安全保障論議がなされるべき審議が、護教神学による信仰告白に堕しようとした時に、当の中国が、「オレのこと、忘れてない」とばかりに登場なされたわけです(笑)。 

まことに素晴らしいタイミング。しかも衆院での退屈な審議がいったん終了し(どうせ、また衆院に返ってきますが)、参院に舞台を移した間合いを狙い済ましたかのように、中国は日中境界線に、海洋プラットフォームを16基、たちまち増設してしまいました。 

ここは長年の係争海域で、共同開発していこうね、ということで手打ちがなされた地域です。 

中国の海洋プラットフォームが作られた場所を確認しておきます。中間線ぎりぎりでの中国側です。 東シナ海のど真ん中と言ってよい場所です。

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 日本政府はただちに抗議声明を出しました。

「中谷元(げん)防衛相は10日の衆院平和安全法制特別委員会で、中国が東シナ海に建設している新たな海洋プラットホームが軍事拠点化される可能性に言及し、日本の安全保障にとって新たな脅威になるとの認識を示した。
東シナ海のガス田開発をめぐり、中国が平成25年6月以降、日中中間線の中国側海域でプラットホームの建設を拡大しており、中谷氏は「(中国が)安全保障の観点から利用する可能性は考えられる」と述べた。
 中谷氏は軍事転用されるケースとして「プラットホームにレーダーを配備する可能性がある」と指摘。その上で「東シナ海における中国の監視、警戒能力が向上し、自衛隊の活動がこれまでより把握される可能性があると考えている」と説明した。
 安倍晋三首相は特別委で「一方的な開発を進めていることについて中国に強く抗議している」と強調。菅義偉(すが・よしひで)官房長官も記者会見で「中国側の動きを注視し、引き続き警戒監視をしっかり行っていきたい」と牽制(けんせい)した」(産経7月15日)
 

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中国外務省報道局長・陸慷は22日、日本政府が中国による東シナ海のガス田開発の写真を公開したことについてこう述べています。 

「日本のやり方は対立を作り出している。東シナ海での協力や対話に明らかに役立たない。ガス田開発は全く正当で合法だ」 

冗談は寝てから言え。このような係争地域に、日本との事前教義なしにプラットフォームを作ること自体が外交的挑発で、しかもこの海洋プラットフォームは、軍事的性格すら帯びています。 

中谷防衛相が指摘するとおり、このプラットフォームの地理的位置は、今までの中国レーダーが届かなかった海域をフォローするものです。 

なぜでしょうか。その理由を知るために、ちょっと時間を巻き戻します。 

中国国防部は2013年11月に、突然防空識別圏(ADIZ)を、日本領土の尖閣諸島上空にかけてきました。 

防空識別圏とは、領空に飛んできた航空機が敵か味方かを文字どおり「識別」するために領空の外に設けられるものです。

これは領空と違って勝手に設定できますが、それはただの目印のようなもので、そこに入ったからと言って撃墜などしたら国際法違反です。

ところが中国は、フライトプランを提出していない航空機は、原則として「敵機」とし撃墜すると宣言しました。 

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 この中国の措置は、国際法と常識に反する異様な行動として、国際社会で警戒感を呼びました。 

そりゃそうでしょう。防空識別圏に入っただけでは、別に中国に行くとは限らないからです。台湾に行くかもしれないし、ベトナムにやタイに行くかもしれません。 

それをいちいち勝手に自分が設定した防空識別圏を通過するだけで撃墜するとは、非常識もいいところです。 

いわば「排他的経済水域(EEZ)は自分の領海だ、出て行け」というのと同じ理屈で、これは現に中国が南シナ海でヤリまくっていることと同じことの、空域バージョンです。 

さて、これだけで中国には問題がアリアリなのですが、更に面白いと言ってはなんですが、奇怪な現象が起きました。

実は、中国が自分が勝手に設けた防空識別圏を、まったく管理できていないことがバレてしまったのです。 

このチャイナ製防空識別圏など認めていない米空軍、海軍機や空自機は、今までどおりに「侵入」したのですが、「落す」と宣言したはずの中国空軍機のお出迎えはありませんでした。 

それでわかったのが、どうやら中国空軍には、この空域を識別するレーダー監視能力が欠落しているという笑劇の事実でした。 

レーダー波は直進しかしません。地平線に沿って曲がってくれるようなシャレたまねは無理です。 

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ですから、レーダー基地はかならず遠くを監視するために、山の上などの高い位置に設置します。

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ところが、中国沿岸部には高い標高の山がないのです(気の毒)。そのために、せっかく尖閣諸島に防空識別圏を設けても、高度3300m以下の航空機を識別できないわけてす。 

では、日米のように空中警戒管制機(AWACS)を飛ばせばいいではないかと思いますが、残念無念なことに、中国のそれはなんちゃってAWACSでした。

探知能力が絶対的に不足しているために、仮に飛ばしてもスクランブルできないことは目に見えているために、中国軍は恥を忍んでいたようです。

といわうわけで、中国は、レーダーを東シナ海のど真ん中に設置したくてしたくてたまらなかったわけです。

尖閣を奪取したい理由は、先日少し書きましたが、もうひとつの理由は尖閣の山のてっぺんにレーダー基地を作ることなのです。
※関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2015/07/post-1dbe.html

尖閣諸島の魚釣島は、高363 mあり、レーダー基地を設置するのにうってつけの地形です。

ここにレーダーサイトを設置すれば、東シナ海全域をカバーでき、東シナ海一帯の空域を「中国の空」とすることのための、大きな足掛かりになります。

今は沖縄の航空基地をスクランブルしてくる空自機や、嘉手納の米空軍機を中国は捕捉不可能でしたが、このプラットフォームをレーダー基地化することで、飛び立った瞬間にキャッチされてしまうことでしょう。

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現状のようにレーダー監視すらできない状況で中国空軍機を尖閣空域に侵攻させても、地上レーダーの支援が不可能では話になりません。

この「レーダーの空白」を解決するために、今回中国がしたのが、この日中中間線ギリギリの海洋プラットフォーム上にレーダーを設置するしか手段はありません。

この日中中間線ガス田について、中国は2008年の時点までは、外交部主導で進んでいましたが、野田政権の国有化をきっかけにして、軍部が建設の計画を握りました。

これは、野田の国有化への中国世論の反発が余りに強いために(反日暴動までおきましたよね)、日中の共同開発の条約化が座礁してしまったからです。

これを奇貨としてプラットフォーム建設の主導権を握った中国軍部にとっては、天然資源開発は二の次のことであって、この軍事利用を真剣に考えてきました。

それがこの海洋プラットフォームの「要塞化」です。

かくして、日中中間線ガス田開発は、経済問題から、外交・軍師問題へと性格を変えようとしています。

それもよりによって、わが国の安保法制の議論の真っ最中に。

日本政府は太平楽な違憲論議に埋没せずに、しっかりとこの危機の現実を国民に訴えるべきです。

まさに、集団自衛権の必要性を説く教材のような事件を、中国が提供してくれたのですから。

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コメント

例えば米軍はミサイル追跡試験用の艦載(というかハシケだな)の高性能レーダーをハワイに配備しています。
中国人民解放軍が似たような発想でガス採掘リグにレーダーサイトを載せるというのは、現実的に考えて有り得る事態でしょう。

それにしても、日中中間線付近のガス田開発は元々中国側が共同開発を打診してきたはずですが、この出鱈目ぶり。信頼しろってほうが無理です。資本主義のこちらとしてはコストが見会わなければ参加できませんし。
また、各マスコミでも今更ながら叩かれてますが、外務省はなんで、こんなになるまで
黙って見過ごしていたのやら…。酷い怠慢です。

レーダーに関しては、OTH(超地平線レーダー)なんてのが、80年代にはすでにNECの技術が注目されていたのですが(現代用語の基礎知識87年版あたりには載ってます)、なかなかモノにならないようですね。。。

ヘリパッドなんかも幾つも用意したら軍事用のヘリコプターや無人攻撃機などの活用も出来ちゃいますかね

 まず、中国がプラットホームを建設しているのは「日中中間線」の西側に限られているということだ。東シナ海での排他的経済水域(EEZ)の分割線は日中で主張が異なり、定まっていない。「中間線」は日本が主張しているラインである(中国は大陸棚先端の沖縄トラフまでを主張している)。つまり、中国は日本側の主張を受け入れ、自国のEEZ内で活動しているに過ぎない。中国が中国のEEZ内で行っている“経済行為”を批判する理屈は、残念ながらない。
 領有権争いのある南シナ海で中国が岩礁を埋め立てていることとは、本質的に違うのだ。それをあたかも同列に扱っているのは安倍政権のプロパガンダにほかならない。
 次に軍事的脅威が増えるというのも、無理がある。脅威論は、中谷元防衛相が国会で「プラットホームにレーダーを配備する可能性があり、東シナ海における中国の監視、警戒能力が向上し、自衛隊の活動がこれまでより把握される可能性がある」と答弁したことが根拠になっている。だがこれは、とても軍事専門家のものとは思えない発言だ。
  というのも、レーダーやソナーはすでに装備され、日常的に使用されているからだ。海上自衛隊出身の軍事ライター・文谷数重氏は「東洋経済オンライン」(外部リンク)で次のように指摘している。
http://toyokeizai.net/articles/-/77995
「レーダーやソナーは、すでに軍艦や航空機で使用されている。中間線日本側でも、琉球列島間の公海部分でも、レーダーやソナーを付けた中国軍艦や航空機は自由に行動している。逆に海自も大陸側で同様に行動している」
 つまり、レーダーやソナーがプラットホームに取り付けられても、今あるものが固定化されるだけのことなのだ(意味がないのでやらないと思うが)。
 また、文谷氏はこうも指摘している。
「そもそも、レーダーやソナーは大した脅威でもない。レーダーでは基本的に水平線までしか探知できない。艦船を監視できる範囲は50キロメートル程度の距離が限界である。また、ソナーにしても機械騒音等から、理想とは程遠い配置場所である。実際、米海軍SOSUS等の固定式ソナーについても、単独で静寂な海底に設置されている。そしてなにより、戦時には容易に破壊できる。この点で、あまり脅威にはならない」

どうか、これを論破して下さい。

TMちゃん とやら。過去記事について答える義務はあまりないんですがねぇ。他人の文章をコピペして「さぁ論破してくれ」なんて言われてもねぇ。
しかし、まぁ簡単にやっておきましょう。

あなたが勘違いしているのは、あそこの場所に作られる可能性があるのが、対海上目標レーダーではなく、空域監視レーダーだってことです。
沖縄本島の空域を範囲にしたレーダーなんです。

今、中国は沖縄本島の空域を監視できるレーダーを持っていません。それは地球が丸いからです。

中国が作るとすれば、あくまでも記事で書いているように、航空機が目標です。とりあえず、海上目標はどうでもいいのです。
中国本土からレーダーで沖縄本島はエリアに入りませんが、あの位置からだと確実に沖縄本島の空域全域が範囲に入ります。

あなたが言っている、海上艦艇のソーナーは対潜水艦用で、このテーマとはなんの関係もありません。ソーサス(設置型ソーナー網)も同じです。

艦艇のマストについているレーダーも、対空用と海上目標用、射撃管制用で、このテーマとは関係ありません。
艦艇はマストが低いので、あたり前ですが、沖縄本島はエリアに入りらないからです。

そもそも、なんとかという元海自の人は、艦艇登載レーダーと、あの地点に作られる設置型レーダーをゴッチャにしていて、とうてい元玄人とは思えません。ズレきっていますね。

したがって、あの位置につくられると沖縄本島における空自、米空軍の航空機の動きが丸見えになる可能性があります。

戦時に容易に破壊できるできないは関係ありません。平時に我々側を監視する目的で設置しているのですから。
南シナ海とちがうというのは、あくまでも領海の性格であって、軍事的脅威という点では本質的に一緒です。

別にアベ政権のプロパガンダうんぬんは、私には関係ありません。
すいませんが、この程度にしてくれませんか。今、別のテーマで忙しいんです。

ちなみに東経サイトの軍事記事は間違いだらけで専門家に相手にされていないこと有名ですので、ご注意ください。

TMちゃんさん。

なぜ他人のフンドシ相手に「論破」などする必要があるのやら?それはモンタニ氏の指摘に対してということですね。

元海自の方だけあって、この指摘などそこそこまともなことも書くお方で別に否定もしませんが・・あくまで「海限定」なので、あとはそれこそ専門家とは思えない論説や、専門外の経済や自動車などの話を時代遅れの本1冊読んだだけでゴミのような記事を撒き散らす同人系ライターさんです。

同じく最近東洋経済オンラインでよく原稿が載る著名なK谷S一氏と親和性が高いですが、自衛隊関連なら何でも否定しているうちに毎回ただのダブスタを連発するK氏よりマシ程度。
ただのルサンチマンで夜郎自大の大作家様のO石A司先生は論外ですが。。
このお三方、最近仲がとろしいようで。

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