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2015年7月14日 (火)

国民の主権はデモでもたらされる、だって?

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昨日、日本人の安全保障についての<甘え>
ということを、お話しました。 

そうしたら、というわけでもないのでしょうが、朝日新聞「天声人語」(7月12日)の木霊が返ってきました。

「安保関連法案に反対する大規模な抗議行動が始まった▼催したのは都内の大学生らによる「SEALDs(シールズ)」だ。日本語では「自由と民主主義のための学生緊急行動」。会場の歩道を埋め尽くす顔には高齢者も子連れの家族も。「若者がんばれじゃなくて、全世代で集まれよ!」。彼らの呼びかけ通りの壮観である▼「勝手に決めるな。憲法守れ」。激しいコールが国権の最高機関の堅牢な建築にこだまする。法案は憲法違反と多くの専門家が指摘しても、政権与党は耳を貸さず、近く採決の構えを見せる。抗議行動への参加者は増え続ける。(略)人々が主権者である社会は、選挙によってではなく、デモによってもたらされる、と。その流れは枯れることなく今に続く▼国会前に立ちながら、目配せという言葉をふと思い浮かべた。「危ないね」という思いを伝え合う、それぞれの目配せ。このさりげない連帯は強まりこそすれ、と感じる」

懐かしの朝日節です。 

若者も年配者も、炎天下で汗を流して、戦っているんだぁ、政府、この声を聞けぇ、というわけです。 

あの朝日さん、今マスコミに人気のSEALDsはただの「若者」じゃなくて、しっかり色のついた共産党系の大衆団体ですが、ま、いいか、朝日は分かって書いているんだもんな(苦笑)。 

私も、炎天下の仕事で熱中症になりそうですが、励ましてくんないのね(笑)。デモをするって働くってことより、もっとずっと高貴で価値かある行為なんですねェ(棒)。 

なにせありがたくも、「主権者のある社会はデモによってもたらされる」そうです(笑)。デモ・デモクラシー、略してデモ・デモですね。 

デモに行かない人は、「国民が主権者である社会」作りに貢献していないんだな。けしからんぞ(爆)。

ならば天声人語さん、70年安保は何をもたらしたんでしょうかね。たぶん書いている記者は、その世代のはずです。 

3fa02d2b2195c190b662fc90729cba6b(写真 70年安保闘争のジグザグデモの風景。文字どおり地面が揺れたが、社会は揺れなかった。残したのは暴力闘争で傷ついた多くの学生と、部長の居酒屋での若き日の武勇伝だけだった) 

70年安保闘争のデモは、一見巨大な祝祭日のようでした。今の首相官邸前デモなど、一大学ていどの集会規模です。 

しかし、その宴が閉じた後に何が到来したのでしょう。20歳前の青年だった当時の私は、自分の眼でそれを眼に焼き付けています。 

それは、爆弾と内ゲバ、そして粛清による大量の死という惨劇でした。 

天声人語さん、あの時もマスコミ、特に朝日は煽りましたね、覚えていますか。 

様々な人々が自然に寄り集まり、徒党を組まず、自らの意思決定において参加するというキレイゴトだけを報じて、実はその裏の党派の存在をあえて報じませんでした。 

実は、70年安保闘争は、党争でもありました。共産党と反共産党の諸派との文字通り血で血を洗う党争だったのです。 

彼らはいたるところで激しく衝突し、ひとつの学園紛争の主導権をめぐって、何百人という学生たちが手製の武器を作って乱闘を繰り返しました。 

彼らは敵対陣営の学生を「捕虜」にすると、凄絶な拷問まで加えたのです。 その結果、百人を越える死者と、それを倍する植物人間が発生しました。

B0174791_1184558(写真 東大紛争の内ゲバ。右の黄色のヘルメットが共産党・民青の「軍団」。樫のこん棒で武装している。彼らは本来の敵であるはずの権力よりも、仲間に対して激しい憎悪を燃やした) 

彼らは建前上は、「誰でも参加できる」と謳っていましたが、実体は真逆でした。闘争の指導部はいつのまにか、ひと握りの共産主義を信奉する「革命党」の人たちによって握られていたのです。 

指導部に座った「革命党」の学生は、一般の学生たちを「ホコリ」と呼んで憚りませんでした。闘争が沈滞化すれば飛び散っていく塵芥のような奴らというわけです。 

そのために、彼らは間口は広く誰でも入れるような大衆組織を作り、その中で一本釣をしたのです。 

彼らは一本釣りのために、雑多な考えをもった人々を教条のふるいにかけて抽出していきました。

抽出されたのは、ドグマの結晶を信じる人たちです。

この結晶化された人達は、別の考えや立場を認めません。正しい方針を持っているのは自分だけで、なぜなら自分だけが正義なのですから。 

そしてなぜ正義かといえば、自分は正しい方針を持っているからだ、という同義反復の世界でひたすら煮詰まっていきます。 

ですから、同じ反対の意志を持っていたとしても、そのやり方が違ったり、別な立場で考えようとする人たちは、皆、一括りに「敵」にしていきました。

 

2015030901_01_1b(写真 脱原発集会。一斉に同じプラカードを掲げる人たち。脱原発にはいろいろなアプローチがあってよさそうなものだが、なぜか一色である。こういうのを語義本来の意味で、「ファシズム」(全体主義)というのではないだろうか) 

私は近年、この風景を脱原発運動でみています。 

山本太郎氏はこう述べています。

「脱原発派だけどTPP賛成というのは嘘つき」「TPP推進派は『向こう』に行ってくれたらいい。逆に『こちら』の空気を醸し出しながら中立を装うのが一番怖い。それでは第2、第3の自民党だ」(、「ニューズウィーク」(2014年2月11日号同) 、

このような傾向に対して、再エネの指導者だった飯田哲也氏はこう警告しています。

「挙げ句の果てに運動の『セクト化』が進み、互いを罵る悪循環に陥った。まるで革命を目指しながら、内部分裂と暴力で崩壊した連合赤軍のようだ」
『最初はみんな熱く盛り上がるが、熱が冷めて自分たちが少数派になるにつれ、運動が純化し極論に寄ってしまう』」 (ニューズウィーク2014年2月11日号)

あるいは、福島県出身の社会学者・関沼博氏の表現を使えば、もっと手厳しいこのような表現もあります。

「あたかも宗教紛争のようだ」(同)
「脱原発派科学者の筆頭だった飯田でさえ自然エネルギーの穏やかな転換をとなえただけで隠れ推進派として攻撃される」(同)
「事故当時は女子中学生で、運動参加者から脱原発アイドルと呼ばれる藤波心も『なぜか原発推進派』と批判されたことがある。『こだわりすぎて自分の活動に酔いしれるだけでは原発はなくならない』と藤波は指摘する」(同)

ここで出てくる藤波氏というのは、当時脱原発アイドルだった藤波心さんですが、気の毒ですが、あなたを誹謗した人たちは、「原発はなくならない」ということなどということは、とうに折り込み済みなはずです。  

なぜなら、原発がなくならない限り運動対象は不滅だからです。 

原発がなくならない以上、永遠に脱原発運動も組織も存在する理由があり、運動の中心にいる左翼政党はそれによって党勢拡大の手段にできると思っているからです。  

もし、本気で原発をなくしたいのなら、デモなどするより、原子力に替わるエネルギー源の開発のための研究を真面目にしたほうが、よほど現実的なはずです。 

そして、その代替エネルギーが実用化するまで、暫定的に安全性を規制委員会から認められた少数の原発を稼働してつないでいくというのが、現実的な選択なはずです。 

しかし、この脱原発運動家たちは、本気で原発をなくすつもりがないとみえて、街頭で「再稼働反対」と叫ぶことが、ただひとつの脱原発の道だと信じているようです。 

20150712175637asodpi (写真 安保法制反対の共産党系のデモ)

そして、自分ひとりが叫ぶだけならまだしも、徒党を組んで、時間をかけても本気で原発をなくそうと考えるような人間たちは「向こう側」であり、結局「原発推進派」であって、つまりは「敵」・打倒対象にしてしまいます。 

山本氏の言うような基準にあてはまるのはごく一部の左翼政党活動家か、その支持者だけに限られるはずですが、それでいいのです。 

なぜなら、むしろそういう人を選別し、自党派に加入させるために運動をしているのですからです。

仮にあなたがSEALDsのデモに参加すれば、そのデモの先には少数者の学習会が待ち構えており、やがて赤旗を講読するようになり、そして数か月たてばあなたは、「民主青年同盟加入のしおり」を貰えることでしょう。

失礼ながら、いわば反安保デモは、共産党や過激派の商圏拡大を兼ねたリクルート営業なのです。

さて、今回の安保法制もそうですが、誰しも戦争がイヤなのに決まっています。

ではどうしたら平和を保てるのか、今の難しい国際情勢でいかにして平和で暮らしていけるのかを考えようとしています。

そのときに「違憲だから反対」みたいなことを言われても困ります。そういう前に、いくらでも考えるべきことがあるはずです。 

世界はどう動いているのか、世界の国々はどういうやり方でそれに対処しているのか、様々なケーススタディをしていかねば、自分の住む国の安全保障など語れないはずです。

しかし、なまじ具体案など示せば、「向こう側」=敵の土俵上で相撲を取らざるをえないことを恐怖しています。

だから、実現不可能なことしか共産党は「対案」として出しません。

いわく、「日本をコスタリカにしろ」とか、「中国も入れた東アジア協力機構をつくれ」というようなしょーもない空論を述べているだけです。

これでは議論になりません。空論相手では話にならないからです。 

少し勉強すれば、人口1億3千万人の国が、人口457万で静岡県より少し大きいくらいのコスタリカのまねをしたら滅ぶに決まっていますし、そもそも、コスタリカは米国と安保同盟を結んでいるから、軍隊を持たずに済んでいるです。

また、ハトさんの東アジア共同体にすら無関心だった中国が、こんな東アジア協力なんじゃら機構に乗ってくるはずもありません。

いや,第一、この安保法制って、中国の脅威にどう対処するのかがテーマじゃなかったっけか(爆)。

ああ、反論するだけでアホクサ~。

今回も、本来は、現実のフィールドで政策論争として争わなければならないはずの安保法制のテーマが、またもや不毛な祝祭日で終わりそうです。

民主主義は自らの力を誇示するようなデモなどからは生れません。真面目な事実に即した討論から生れるのです。

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コメント

安保闘争をしっかり理解している世代が管理人さん。一方、今50ちょっとで勝手連化しているうちの上司は、カッコイイな、と思って少年時代を過ごした世代なのでしょう。
逆に、当時生まれてもいなかった自分の方が冷静に分析出来るというのが何とも・・・お陰様で、ですが。

そういうのは戦争についても言えることだと思います。
今生きている戦争世代なんて、子供時代の恐怖と貧困しか知らず、戦争だけはダメだと言うばかり。当時の世界情勢まで知っている世代なんて100歳超えで既に退場。そんな今だからこそ洗脳が効く、という時期なのでしょう。

>もし、本気で原発をなくしたいのなら、デモなどするより、原子力に替わるエネルギー源の開発のための研究を真面目にしたほうが、よほど現実的なはずです。 

私の言いたいことを一言で表してくれてありがとうございます
今のいわゆる反対派は、安全圏から石を投げてるようにしか見えないのです。身を切る覚悟なんてない。私は原発推進やむなし派ですが、脱原発派が誠意をもってリスク等説明し、それでもやるのだという気概を見せてくれたなら私は支持しました。今、デモをやってる人達も左翼系知識人も民主党も共産党も、絶対に責任をとらない。私は(というよりおそらく大多数の中立寄りの賛成派は)脱原発に反対なのではなく、脱原発政策を反対派に委ねることに反対なのです。そのことを分かってほしいと切に願います

あちこちでツイッター等で発信してるSEALsなんて連中が注目されて、テレビ局は取り上げ、志井さんは「これが今のムーブメントだ!」などと仰ってますが…やってることは汚ない大人に扇動された哀れな学生と、その支持者の9条万能信者たち。
今の政局のためならいくらでも利用され、幹部以外は捨て駒にされるだけでしょう。

全く、あざとい連中と、その今後の被害者です。

テレビで密着取材を受けてた某法学部の学生ですら、分かっていないでしょうな。
パソコン画面でいかにも我々の言うことは正論だ!と言ってましたが、過去の壮絶な内ゲバサヨク運動を知らない若さゆえに、自分がいずれ捨てられる(最悪ポアされる)立場にあることなんて思いもせずに、「正義」に燃える。
個人の熱い思いがあるからでしょうが、悲劇的結末を考えると悲しくなります。
逆に、上手く立ち回って彼らが内ゲバ加害者側になることもありえますね。

どちらにしても、悲劇的結末しか見えません。
最後の望みはマスコミによる保護かな…。

書き忘れたので追加します。

国会前や渋谷で騒いでる連中、『民意』を盾に言いたい事を言って、意見の違いは認めないという運動してますが、自分達こそが「民主主義」の破壊者であることは分かっていないと思います。
喚きちらしては『これが民意だぁー!』って、まるでガキ。

悲しいことに、まるでナチズムです。

仕掛けてる伝統共産民芸党や、乗っかる民主党は、人やパーティーとしての「主張」なんか無いか、どうせ負けるからハンターイ!なのが良くわかりますね。存在意義そのものが疑われます。
え、社民党?、何それ。そんな党あったの?

あー、まともな野党が出来てほしいわ。

私は、民主政権のあまりにもの酷さには幻滅しましたが、政権交代そのものは好意的というか、あってしかるべきだと思っています。

ただし、現在のような近隣との摩擦や、重要法案目白押しで、国際情勢の急変時には「強力な政権」のリーダーシップが必要だと思います。
だから、何故か(ロジックが不味かったんだよ)支持率が低下してしまった阿倍政権には、もうちょっと頑張ってほしいです。

しかしマスコミの扇動ぶりは凄まじいですね。 出てくるのは憲法違反憲法違反の連呼だけで全く能がない。 街頭でのデモシーンでは何故か「安倍NO」のプラカードがズームアップ。意図があってか否かは知る由もありませんが、古賀さん、今出てきたらあの時ほど叩かれずに済んだかもよ(笑)。 安倍総理も変なたとえ話をしてないで、もっと率直に国民に語りかけるべきだったと思いますね。 ここらへん、変に受けを狙って滑ってる感じかな。

私は基本的に安倍政権の安全保障法制を支持していますが、最近の世論の流れを見ると、たとえ左派系メディアの扇動の影響が大きいにしても、戦略的に誤ったのかなあという気がしています。

沖縄問題にしてもそうですが、左派系のプロパガンダ戦略に相当うまく対応しないと政権が足元を取られ、全て白紙撤回なんてことになってしまいかねないと心配しています。

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