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2015年8月 5日 (水)

法的安定性と具体的妥当性 難しそうだが簡単

056
磯崎陽輔総理補佐官の、「法的安定性などどうでも良い」発言が攻撃されています。 

野党とマスコミは、磯崎氏の首を獲れば、安保審議の引き延ばしと、うまくいけば安倍政権の命脈にまでつながると思っているようです。 

鴻池委員長が注意を与えたようですが、磯崎氏の発言がどのようなものか全文を押えておきましょう。 

いつもこのテの失言は、攻撃したい部分だけをスパッと切り取って前後の文脈から切り離した、批判するものが多いからです。 

この問題視されている磯崎氏の発言は、大分合同新聞7月28日に掲載されたものです。
※http://isozaki-office.jp/data/DOC150728-20150728100757.pdf
 

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さて、このどこが問題なのでしょうか。 

磯崎氏が批判されねばならないとしたら、それはこの「時期」に揚げ足を取られるようなことを言ったという、タイミングの問題にすぎません。 

私は何度か警告しているように、この時期に自民党議員、特に政府関係者には「言論の自由」なんぞないと思っています。 

発言が妥当であるかどうかは、その「時期の妥当性」が決定するのであって、本質的に正しいかどうかは二の次なのです。 

ま、正しいことも、時と場所わきまえろ、ということです。ガキじゃないんだから、そのくらいわかるでしょう。 

その意味で、何人かの自民党議員が保守の本音のようなことを迂闊に口走って、ことごとく槍玉に上がり、政権の足を引っ張っています。 

ひとことでいえばマヌケです。いいかげんにしなさい。同心・与力クラスが、合戦の足引っ張ってどうするんだつうの。

この連中の多数にアグラをかいた抜けぶりにはうんざりします。 

民主党とマスコミは、重箱の隅をつつき、毛を吹いて傷を求めて、「自民党がまた、こんな暴走を」とやりたいのですから、それに乗るほうがバカなのです。 

その意味で磯崎さんには、大いに反省してもらわねばなりません。

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閑話休題。この「法的安定性」という言葉は、一般人には聞き慣れないので難しそうにみえますが、さほどでもありません。 

法学の入門書には必ず出てくるような概念です。磯崎さんは東大法学部なんでツルっと使っちゃったんでしょうね。
法解釈Wikipedia  

この「法的安定性」とは、平たく言えば、朝令暮改をすんな、というだけです。法律を朝決めて、夕方にはやーめたとやられたら、国民はおちおち安心して暮らしていけません。 

だから法に則って安定した暮らしができるように、法律は安定したもんじゃなくちゃいけないんだよ、ということです。 

ね、あたりまえのことでしょう。学者は簡単に言うと商売にならないので、わざとめんどくさく言います。 

よくこの法的安定性の例え出てくるのは、泥棒と警官の例です。窃盗を犯したら刑法で有罪と決めてあったのが、ある時廃止になってしまったとします。 

もう泥棒しようが強盗を働こうが自由。これでは国民は安心して暮らせません。だから法は安定せねばならないと、考えるのです。

ただし、これも行き過ぎると、お役人が、「え~これこの案件はこことここが前例にありませんので、適用除外となります」みたいな、杓子定規の硬直したお役人仕事で世の中が溢れることになります。 

これもそうとうに困ります。

いや、むしろ官僚主導型法治国家のわが国では、こちらのケースのほうが多いでしょう。

これについて大臣官房審議官(初等中等教育局担当)の前川喜平氏はこう述べています。
※http://godzilla55yankees.blogspot.jp/2008/06/blog-post_14.html

「法令の文言を盾にとって明らかに社会正義や人権感覚に反するような結果を押しつける役人のことを「法匪」という。 
制定された時点ではそれなりの妥当性があった法令も、現代の様々な事態に文字どおりに当てはめると支障をきたす場合がある。
法的安定性にあぐらをかいて時代遅れの法令を十年一日のごとく杓子定規に適用するだけで事足れりとしていては、新しい時代の新しい事態に対して、ことごとく具体的妥当性を失うことになりかねない。
そういう場合には、時代の変遷に合わせて解釈・運用を変えることも必要だ。
法令の解釈には、拡大解釈、縮小解釈、類推解釈、反対解釈などいろいろな手法がある。法令の運用にも弾力的運用と言われるものがある」(2008年6月14日 太字引用者)

前川氏が指摘しているのは文部行政ですが、ここで前川氏は「制定された時点ではそれなりの妥当性があった法令も、現代の様々な事態に文字どおりに当てはめると支障をきたす場合がある」と述べています。

どんどん社会は変化して、新しい事例が生れているのに、その都度お役人が、「え~、これは刑法何条第何項にはあてはまりませんな」みたいなことで、対応してくれません。

その第何条第何項を六法で読むと、明治40年施行などと平気で書いてあったりします(笑)。

こういう官僚的硬直では、時代の変遷には対応できません。

そこで時代の変遷に合わせて具体的に対応していこうということで、「法令の解釈には、拡大解釈、縮小解釈、類推解釈、反対解釈」(前川前掲)などという柔軟な法運用が生れて来ることになります。

それを、「具体的妥当性」という法律用語で呼びます。

つまり、「法的安定性」だけては概念の半分であって、もう一方の「具体的妥当性」が問われて、一対の法的概念として成立するわけです。

まさに磯崎氏がテーマとしている安全保障は、このような枝葉末節の法的硬直が溢れ返っている分野です。

たとえばグレーゾーン対処や駆けつけ警備など、現場は「法的安定性」のあまりの硬直ぶりに、この「具体的妥当性」で対抗してきました。

この知恵較べの歴史が、自衛隊と海保の歴史だったほどです。

磯崎氏が「国を守るために何を考えていかねばならない時に、法的安定性は関係ない」と言ったことは、まさにこのことです。

ただし、99%の国民は、マスコミの印象報道に従って、「磯崎はアベのおともだちだから危険な奴に違いない。また自民は勝手に憲法を改釈して、戦争をする気なんだ」、と短絡して理解してしまったことでしょう。

まったく不毛です。野党とマスコミは、いいかげんまともな安全保障論議をしたらどうなのでしょうか。

 

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コメント

法律は大切です。
ところが法の解釈なんてのは時代の変遷で変わるもので…
例えば極刑の適用範囲とか、公序良俗の解釈とか。
近年は前者では「遺族感情」が強く反映されるようになっていますし、後者では例えば昔は完全にアングラだったヘアヌードが普通になったりしてますね。移行期には警察が雑誌のヌードグラビアを全部チェックして「1本ならセーフ。2本以上見えたらアウトでガサ入れ」なんてことを大真面目にやってたとか。対する雑誌編集側も細かくチェックしては修正作業に追われたとか。
道交法の自転車取り締まり強化もこれです。

そして時代に追い付かなくなると法律改正となります。覚醒剤とか自動車危険運転とか、物議を醸した児童ポルノとか。

ようは本来は安保についても「正攻法」でいくなら憲法改正が一番なんでしょうが、なんせガチガチでハードルが高い縛りを敗戦直後に作っちゃったもんだから、「解釈」で行けるならそれでいこうというわけですね。
また、先週の記事にもあったように日本国憲法そのものに矛盾があったり…。これ、いわゆる「憲法学者」さんたちはあまり活発に発信しないようで。


枝野さんなんかは、今回の件を最大限利用すべく連日記者会見してますが、他の野党やマスコミも含めて中身の話をしろと。あんな戦法や報道ばかりしておいて「国民の理解が得られていない。説明不足だ!」と、何ヵ月も続けています。
室井佑月さんのような、安倍が嫌いだから何を言っても反対だったり、それがゆるされているかのようなゲスな日刊ゲンダイ他みたいなのは最悪ですね。

安倍さんの取り巻き達も、隙在らば相手が揚げ足取りをしてくることくらい分かりきっているだろうに、なんでこうも脇が甘いんだか。こちらも呆れます。

世の中、社会人とりわけ責任者にはNGワードがあるもので。「関係ない」と言わず、「法的安定性より大事なものが時として存在する。」と言っておけば良かったのでしょう。

それにしても、マスコミは長い発言の中からどこを切り取ってネタにしても良いわけで、発言全てにおいて細心の注意を要求される与党の人達も気の毒だと思います。

昨今のコンプライアンスやポジテイブリスト、何れも法的安定性そのものなんでしょうね。何かある度に責任云々とマスコミ等で追及されたせいか、少しでも外れたことをすると、もう大変。具体的妥当性など認めない。条文から一字一句でも違えば、それはダメ。自分が今いる組織の、まさしく今の姿です。何だか世知辛い世の中です。

稲田朋美.政調会長 回答して

福井弁護士会は、「虚偽行為(虚偽事由で提訴)は正当な弁護士業務」 と議決し、当該弁護士を懲戒処分としなかったらしいです。
これって、法的安定性ありますか。
稲田朋美(福井県弁護士)さん回答して下さい。。

黄熱さん。おーい、稲田さ~ん。ここには稲田さんはいないみたいよ。
ま、わけわかんないこと書き込まない。暑いんだから。

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