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2015年8月12日 (水)

原発再稼働と核武装は別問題だ

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菅直人氏が、川内原発の前で、こんなことを叫んでいたそうです。 

彼自身のブログからの引用です。 

「原子炉はもともと核兵器製造に使うプルトニウムを作るために開発されたものだ。そして70年前にプルトニウム型原爆が長崎に落とされたのだ。
私はプルトニウムと人類は共存出来ないと考えている。そうしたプルトニウムを新たに生み出すこと自体が人類を危険に晒すことだ。原発がプルトニウムを作ったんです」

※http://ameblo.jp/n-kan-blog/entry-12060542184.html

 あ~あ。あいかわらず暑い人だね。脳まで煮えちゃってるよ。いちど診てもらったほうがよろしいでしょう。 

再稼働させると、日本は核兵器を作っちゃうぞ、とい言いたいみたいです。ただの妄想です。

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広島・長崎への「核攻撃」と、川内原発再稼働がどう関係あるのでしょう。 

なんの関係もありません。

似たようなことを、NPT(核拡散防止条約)関連の会議に参加したというふれこみのピースボート代表川崎哲氏も朝生で、こんなことを発言していました。

「日本の原発から出たプルトニウムで原爆を作れるという深刻な問題だ」

もう、作れる訳ないでしょう。これもただの妄想です。

この川崎という人物は、まるで日本が核武装の意志があるかのような言い方をしています。

このていどの知識でNPTに行った、という度胸に感嘆します。ピースボートは、ただの旅行業者に徹したほうがいいのではないでしょうか。
※http://peaceboat.org/projects/abolition 下写真も)

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この人たちは、どうも軍事用プルトニウムと民生用プルトニウムの違いが分かっていないうえに、日本人の核アレルギーに乗じて核兵器と原発を重ねてしまっています。 

事実から押えます。 

核問題の専門情報サイト「核情報」によれば、以下のプルトニウムが世界には存在しています。※http://kakujoho.net/ 

「2012年1月現在、世界全体で存在する高濃縮ウラン(HEU)の量は、約1440トンと推定されている。分離済みプルトニウムの量は、約500トンである。大まかに言って、この半分が核兵器用に生産されたもので、残り半分が民生用原子力計画で生産されたものである」 

世界全部で約500トン、半分が軍事用に分離されたもの、半分が民生用です。  

ここに掲載された「世界の核分裂性物質の量」の図を見ると、「高濃度ウラン」「核兵器プルトニウム」「原子炉級プルトニウム」に分かれています。 
※http://kakujoho.net/ndata/pu_wrld.html

なぜ分かれているかといえば、核兵器に使用できるプルトニウムは高濃度のプルトニウム239だけだからです。 

軍事用プルトニウムにするには、けっこう大変です。ジャマな不純物であるプルトニウム240を取り除いていかねばならないからです。 

その純度は90%以上(90%台半)です。 

ですから、軍事用原子炉と商業用原子炉は、炉の構造自体からして違っています。 

普通の軽水炉は1トンあたりの熱量を多く引き出すためにできるだけ長~く燃やします。そうしないと経済性が悪いからです。 

それに対して軍事用は発電が目的ではなく、あくまでもプルトニウム239を取り出すのが目的ですから、ウラン燃料を軽く「あぶった」だけで再処理工程に回してしまいます。 

上記の「核情報」の図のうちの「核兵器用プルトニウム」の欄を見れば、ドイツ、日本、スイス、ベルギーの部分にはチェックがされていて、ゼロだと分かります。 

はい、この理由は簡単。軍事用はNPT(核拡散防止条約)との約束で製造していないからです。 

つまり、日本は軍事用高濃度プルトニウムは、ハナっから持つ意志もなければ所有もしていない、核の優等生だと分かります。 

今の日本のプルトニウムは、仮にテロリストが奪ってもそのままでは使えない不純物が多いシロモノなのです。

ですから仮に奪ったとしても、その後に再処理工程にかける技術が必要です。

もちろん,北朝鮮などに奪われないために厳重な核セキュリティが必要ですが、それと我が国が作ろうとしているなどということは、まったく別問題です。

日本にはたしかにその技術はあります。だから使うかと言えば、もちろん使いません。意味がないからです。 

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そもそも核兵器を持つか、持たないかという問題は優れて政治的な問題であって、技術論だけで語るべきではないのです。

今時の「原爆投下」「終戦の日」近辺になると、必ず「日本が核武装する」という亡霊が左右からドロドロと出てきます。

右は「反米強国」を目指し、左は「反米親中」を目指すわけで、方向は真逆ですが、反米の部分だけは一緒です。どっちもリアリティがない空論にすぎません。

日本にはそうする政治的理由が見当たりません。

核武装は日本が米国の「核の傘」から出ることを意味します。言い換えれば、日米同盟を廃棄して、戦前のような軍事的自立をめざすことです。

仮にそれを選択した場合、専門家の試算で年間20兆円規模の防衛予算の増加を覚悟せねばなりません。(※根拠 『コスト試算保日米同盟解体・国を守るのに、いくらかかるのか』防衛大学校安全保障学研究会武田康裕武藤功

そのためには、大幅な増税をして国民への収奪を強めるしかないでしょう。そんなことをやれば、またまたデフレ地獄に直滑降です。

それを自由にできるのは、中国のような共産党だけでなんでも決められる国しかありません。

また、外交的にも非常に不利になります。戦後70年間、営々と築き上げてきた「平和国家」という国際ブランドを投げ捨てることになるからです。

結果、我が国は深刻な国際的な孤立にぶち当たります。

また、とうぜんのこととしてNPTを脱退するのが前提ですから、その場合「核燃料供給に関する日米原子力協定」も破棄せざるを得ませんから、軽水炉用ウランは輸入が不可能になり、今ある使用済みウラン燃料も返却せねばなりません。

日本のウラン備蓄は2,3年分しかない(※)とみられているために、我が国の商業発電は短期で壊滅します
※http://www.aec.go.jp/jicst/NC/tyoki/hatukaku/siryo/siryo8/siryo2.pdf#page=7

ね、核武装って経済的にも、外交的にも、そして原子力の商業発電にとっても、ぜんぜんワリに合わないのです。それでもやりますか?

このようなことを真面目に考えないで、「核ミサイルが欲しい」というのは止めてほしいし、逆に「原発稼働すれば核武装が始まる」というデマも止めてほしいものです。

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コメント

たまたま先月末の朝生を少し見てたんですが、ピースボートの川崎代表の向かいに座ったのがよりによって青山繁さん。原発再稼働について概ねこんな感じ。

川崎「日本は47トンものプルトニウムを持っているんですよ。核武装しかねません!」
青山「その47トンのプルトニウムで原爆が何発作れると言うんですか?」
川崎「そんなこと知りませんよ!」
周り失笑
青山「1発も作れません。使用済み核燃料と軍事用プルトニウムの濃度の違いも知らないとは。物凄く濃縮しないと兵器にはなりません」
田原「(呆れながら)で、川崎さん、あなたは核をどうしたいの?」
川崎「私は核の無い平和な世界を目指しています。」
パネラーほぼ全員呆れ返って「あーあ、なんでこんな人呼んじゃたのよ?」という微妙な空気。

私、思わず笑いながら見てました。
以前若き辻元清美代表が出てた頃からピースボートってこんなバカばかりなのかと。

菅直人さんも相変わらずですね。
原発が原爆を作ったとは…これまた珍説です。
プルトニウムじゃなくウラン型なら共存できるのかな…。
今更突然効率の悪いCAN-DU炉発電所を建設するとか言い出したら、「お前、それ手っ取り早く原爆作る気満々だろ!」と言われるでしょうが。過去に中国・インドはこの手を使ってます。

将来アメリカ大統領に中国系韓国系が就任した場合、集団的自衛権の核である日米安
保条約の存続が危うくなります。荒唐無稽な話かもしれませんが、つい20年前30
年前に黒人大統領の誕生を誰が予想しえたかを考えると、全くありえない話ではあり
ません。
特に次期大統領就任が濃厚な民主党ヒラリー氏は来年69歳になり、(年齢で
言えば今の麻生氏が今年で70歳と我が国の感覚でも高齢)、更に「ヒラリー以後」
は民主党に有力なタマがないので非常に危険になります。その時日本の独立を死守す
るのならそれこそ20兆円掛けてでも核武装が必要になるかもしれません。もっとも
その時はその時で、現在の国内反米勢力は掌を返すように親米になるのでしょうが。

小瀬村さん。米国大統領はいろいろ変わりますよ。ジェフ・ブッシュになれば、今度はヒスパニック系を背景とする親日路線です。

だからこそ、いちいち米国大統領に合わせないで、こちらは一貫して日米同盟を機軸にするんだという姿勢をしっかり持っておかなければダメです。
その都度変化しては、中韓の思惑に乗ることになります。

右の人は中国の核には自衛的に核武装が必要だとかいいますが、中国は北京などに行けばわかりますが、大都市の地下には都市規模の地下シェルターがあります。
また、文革期に内陸部にまで主要な軍事工場や生産工場を下げてあります。
これを戦略的縦深が深いと呼びます。軍事的リソースが深く大陸内部にまで伸びているという意味です。
つまり、本気で核戦争をやる体制が既に出来上がっているのです。

また、ひとり死んで大騒ぎする民主主義国家の日本と違って、中国は1億人死んでも屁とも思いません。
基本的な人命に対するメンタリティがまったく違うのです。

そんな国相手に中途半端に、弾道ミサイルを数発持ってもほとんど抑止効果はありません。
むしろしっかりと米国の核の笠の下で、日米同盟における通常防衛の問題点を洗い出していくほうが先決です。

核武装というのは、米国側から日米同盟を解体することを通告されるような情勢下で、初めて検討されるべきことです。
しかしその場合、裏返せば、それは日米衝突コースに入ったということですので、最後の最後のカードだと考えて下さい。

安易に核をもて遊んではなりません。

風上の近所に向かって何か打つなら核攻撃以外にしないとうちらまで被曝してしまいます。
持つべきという人は撃ち合う先を何処に設定してるんでしょうね。
日米同盟が解体されて日本が核武装する日が来ない事を祈ります、米国は自分に向かって撃ってくる想定を加え、中国は自分でなく日本に撃たせようとするでしょう。
物騒な大カードでなく、日本と喧嘩したら面倒だと思われるような通常兵器と統制のとれた軍でしっかり米国と手をつなぐ姿を中韓露に見せ続けるには…大嫌いなんですが今しばし安倍政権は続けていいかと思います。見張りながら。

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