• 16-005_1
  • Dsc_4435_2
  • D9blcnmuyaeylx7
  • D9uzxkvu4aatwqx
  • D9biy9aueama2gj
  • As20190613004365_comml
  • D9u7zgtucaeeg2o_1
  • D9u7zgvuwaattv2
  • Strait_of_hormuz
  • 22-002

« 法的安定性と具体的妥当性 難しそうだが簡単 | トップページ | 広島・長崎「原爆投下」 これを戦争犯罪と呼ばなければ何をそう呼ぶのか? »

2015年8月 6日 (木)

日本の民主主義の成熟度ってこのていどだったんですか

051
日本の民主主義が危機だという人達がいます。 未成熟だと言う人もいます。

私も同意します。民主主義の成熟度は、一般的にその国のマスメディアと議会の質疑内容のクォリティで判断されるといいます。

たとえば、こういう記事が日本を代表する「高級紙」の一面に登場するような国を、決して民主主義が成熟しているとは言わないでしょう。 

「▼軍隊は出てこなくても、これは一種のクーデターではないのかという批判がある。集団的自衛権を行使できるとした安倍政権閣議決定のことである。最近では憲法学者の石川健治・東大教授が、雑誌「世界」で語っている▼集団的自衛権憲法9条の下では行使できないとしてきたこれまでの政府見解を、百八十度ひっくり返す。国民に問うこともなく、あっさりと。これは「法秩序の連続性の破壊」であり、法学的にはクーデターだった、と。事の本質を突いているのではないか」
http://www.asahi.com/articles/ASH7F3HBKH7FUSPT006.html 

これは朝日新聞の「天声人語」7月14日付けのものです。現政権の安保法制の「本質はクーデターだ」と決めつけています。 

この記事以来、お墨付きを貰ったとばかりに、ヒダリの人達のネット界やデモには、この言葉が定番となってしまいました。

146_30113(写真 ちょっと前までの反安保デモ。田舎の暴走族みたいで゛一般人がおびえたために、シールズの青山通り・白金路線に変わったみたい。)

いままでこういう朝日はこのコラムの冒頭で、クーデターについて、いちおうの定義を試みていますので見てみましょう。 

「クーデターという不穏な言葉がある。フランス語で、直訳すれば「国家に対する一撃」。文献によれば、国の支配層のある部分が、ライバルなどから権力を奪取するための非合法的な奇襲をいう。多くの場合、武力が使われる」(同)

 この朝日自らの定義は間違っていません。

平たく言えば、「国家に対する支配層内部の暴力的政権簒奪のための攻撃」といったところでしょうか。

東アジアでは、1956年5月16日の朴正煕少将(写真下右の人物)を中心とした「軍事革命委員会」による「5.・16軍事クーデター」が有名です。

5_16_coup_park_chunghee_2(写真 クーデターの折りの゛後のバク大統領。MA1など着てオシャレ。しかし、この決意に満ちた表情は凄味がある。いうまでもなく、今のパククネさんの父親だが、彼は満州の日本陸軍系列の軍学校出だ)

ラテンアメリカ、東南アジアやアフリカでひんぱんに行なわれました。今も一部の地域では絶えることがありません。

つい先だってもエジプト軍がクーデターを起こして、合法的に選出された文民政権を潰しています。

Tr2013070600333

 さて、クーデターと定義するためにの条件で重要なことは、「暴力的」、あるいは「武力をもっての攻撃」というという部分です。 

そうです。クーデターを、他の政治行為と画然と区別するのは、その暴力性です。民主国家において、合法的武力は軍隊以外に保有しませんから、当然軍隊がその主役になります。 

つまり、「軍隊による政権打倒」というふうにも言い換えられるわけです。 

ならば、朝日は、「現在強行されている安倍政権の安保法制審議の影には自衛隊が存在し、自衛隊がクーデターを準備している」とでも言いたいのでしょうか(苦笑)。

いいかげんこういう、くだらない言葉遊びは止めませんか。

誰がどう見ても民主的な手続きを踏んで行われた衆院での安保法制採決が、クーデターならば、言葉のインフレでしかありません。

報道において用語を厳密に使うために、整理部というセクションまでもがある朝日新聞社とも思えない「誤用」です。

私は、別に安倍政権を肯定したくて言っているわけではなく、こういう粗雑な言葉の濫用による焦点はずしはやめろ、と言っているのです。

一方、議会はといえば、相変わらず、明後日を向いた安保審議をしています。

今、審議されているのはあくまでも安全保障問題であって、枝野幹事長や、岡田代表がいまだに懲りずに触れ回っている徴兵制復活でもなく、「戦後教育によって失われた国防意識」でもなく、ましてや「日本国憲法によって破壊された日本人の価値観」の問題でもないのです。

ああ、民主党とっくには諦めていますが、この脳味噌が入っていない国士気取りの与党議員たちをなんとかしてくれよ。

大新聞はクーデターが起きたと騒ぎ、チンピラ議員は原発に弾道ミサイルが落ちたらどうするんだ絶叫し、元官房長官や元外相は徴兵制がやって来ると煽動し、負けじと与党議員は「戦後教育が」と無関係なことを喚く。

そしてとうとう昨日などは、中谷防衛相が「後方支援で核兵器を輸送できる」と言ったと、またまた大騒ぎ。

中谷さん、あなた、今回の審議にはまったく不向きだ。そもそも自衛隊が関わるような海外の警察行動において、核兵器が使われることなど金輪際ありませんから。

反核がどうのということではなく、軍事的に意味がないからです。

D0123476_11182420(写真 イラクにおける米軍。このような一般人とゲリラが混在する状況で、どうしたら核兵器が使える野だろうか、教えてほしい)

たとえば、NATOは米国の要請に従って、アフガンに国際治安支援部隊(ISAF)を出兵しましたが、治安維持活動のためにタリバンと戦っているのに、核兵器でチュドーンと一般人もろとも吹き飛ばしてどうするんです。

今、米国が戦っている戦争は、かつて冷戦期のような巨大な正規軍同士が、核兵器を持って対峙する情勢ではありません。

非対称戦争といって、正規軍とテロリスト集団が混在する様相を呈している複雑な戦闘です。

このような一般人とゲリラ、あるいは、前線と後方が入り乱れているような戦場で、すべてなにもかも吹き飛ばす核兵器など使用できる条件は皆無です。

百歩譲って米軍が核兵器を使用すると決意したとして、その輸送を他国軍に任せることなど絶対にありません。

横須賀では、空母ジョージ・ワシントンの整備はほぼ日本人がやっていますが、原子炉だけは、米本国から専門チームが500名も来てそれに当たっています。日本人はオフリミットです。

原子炉についてもそうなのですから、ましてや核兵器について米国が他国軍に輸送などさせるはずがありません。

常識で考えればわかるレベルの話です。

こんなことを聞く野党も野党、それをトップで「被爆者感情を逆撫でする」と報じるメディアもメディアですが、答える方の中谷氏も愚直にもこう答えてしまっています。

「理論的にはありえる」。そりゃ「理論的」には」ゼロじゃないけど、あんた、学者か。批判されて、慌てて「非核三原則ありますから」。非核三原則は関係ないって。

「そのようなありえない仮定にはお答えできない」と突っぱねればいいのに、この愚直男ときたら・・・。よく、こんなレベルで幹部自衛官が勤まっていたな。もう馬鹿か・・・!

今さら替えるわけにはいきませんが、中谷氏はまったく今回の法審議には不向きです。

安倍氏は、石破氏に土下座してでも、次はキミだからと耳元でささやいてでも、彼を据えるべきでした。

今の安保審議で必要なのは、リアルな安全保障の現状認識とロジカルな法対処であって、日本精神論ではなく、ましてや情緒論や憲法神学論でもないのですから。

とまぁ、こういう状況で、マスコミは脳味噌が歪んでいて、国会議員たちは不勉強といった具合で、この観測史上異常な高温の中、くだらない審議が延々と続いているというわけです。

日本の民主主義の成熟度ってこのていどだったんですか。そうとうにシニカルになりかかっているワタクシ。

末尾になりましたが、本日は広島に原爆が投下された日です。

虐殺された、広島20万人、長崎14万人(被爆後5年間)の無辜の市民の霊に黙祷します。

« 法的安定性と具体的妥当性 難しそうだが簡単 | トップページ | 広島・長崎「原爆投下」 これを戦争犯罪と呼ばなければ何をそう呼ぶのか? »

コメント

安保法案のニュースの度に以前の記事にあった小川和久さんの「枝葉から始まって、枝葉で終わる」が頭に浮かびます。
クーデターだとか、ナチスの写真を流布するマスコミには辟易します。
明らかに「誤用」ではなく「故意」ですね。


野党が根幹の質疑をしない?出来ない?のは学者の「憲法違反」で思考が終わってるから「もう何も考えないで反対だけすればいい」なのですかね。

悲しくなります

ふと思ったのですが、「徴兵制禁止法案」を自民党が提出したらどうでしょうか?
誰も「徴兵制に繋がる」などと文句を言えなくなるのでは?
それとも「法律なんて時の政権によって幾らでも変えられる。カモフラージュだ。」とでも言われるでしょうか?

昨日の法的安定性のお話とても参考になりました。
聞き慣れない言葉で色々調べてみたもののもう一つスッキリ来ない。
管理人さんの解説で「なるほどそういうことか」と得心した次第です。

鵜の目鷹の目で揚げ足取りに掛かっている奴らは腹立たしい限りですが、
脳天気にも易々と足を掬われる脇の甘い取り巻きの多さにも閉口します。
また左傾化マスゴミの多さにも辟易としますね。
多摩っこさんご指摘の通り、「誤用」ではなく明らかに「故意」です。
物事の本質を見ずに枝葉ばかりにこだわる民主党を初めとする野党も同じ。
まあ民主党の場合、本質を追究しすぎると
党の瓦解に繋がるという本能が働いているのかも知れませんがね。

また今年も原爆投下の日を迎えました。
どう考えても大量虐殺以外の何ものでもないと思いますが、
米国は頑なに認めようとはしないでしょう。
日米多くの人間の命を救ったというお決まりのセリフが聞こえてきそうです。
米国お得意の「目的のためなら手段を選ばず」という奴でしょうか。
どこかの掲示板に
「謝罪して貰おうとは思わないが、正当化されるのは胸くそ悪い」
とありました。
個人的にはかなり近い思いがあります。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 法的安定性と具体的妥当性 難しそうだが簡単 | トップページ | 広島・長崎「原爆投下」 これを戦争犯罪と呼ばなければ何をそう呼ぶのか? »