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2015年9月 2日 (水)

抑止力と交渉は対立する概念ではない

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通りすがりさんという方から、コメントをいただいています。 

通りすがりというのは、一方通行で言うだけ言って去っていくというパターンなので、答える義務はないのですが、まじめに今回の安保法制について考えていらっしゃるようなので、コメント欄でお答えしておきました。 

さて、コメント欄で触れなかったことについて、補足しておきます。この部分です。 

「集団的自衛権は第一次世界大戦を引き起こした主原因との見方もあり、もっと慎重に扱わなくてはいけないと思います。そして、明治維新やGHQ支配時代を見ても、「武力=抑止力」だけが正しいとも限りらないと思います」 

先に後者から行きましょう。 

ため息が出ました。この人は、自衛官の父親をもちながら、安全保障について基本的なことを何も教わってこなかったのですね。 

「武力=抑止だけが正しい」などという馬鹿なことを言う政治家は、日本にはひとりもいないでしょう。(民主党、共産党、社民党には別な意味でいますが) 

武力と交渉は、メダルの表裏で、交渉をするためには抑止力が必要なのです。 

交渉を吹っ飛ばして、いきなり武力に訴えるぶっそうな常習犯は、世界広しといえと中露の二国だけです。

20150521k005(写真 建設中の南シナ海における中国軍事用人工島) 

A0212807_2220640(写真 クリミアに侵攻したロシア軍部隊。こういう無頼漢のようなことをする国は、中国とロシアしかいない)

では、身近な例として沖縄の米軍について例に取りましょう。

とことで言えば、日本にとって米軍は、「自分の抑止力になるからいてくれないと困る」のです。 

同時に、米国にとっては、朝鮮半島や台湾有事、南シナ海の安定維持のために沖縄に戦略上「いる必要がある」のです。 

この日米の利害が一致しているから、米軍に居てもらっているわけです。 

では、「日本にとって抑止力になる」とはどういう意味でしょうか。

その前に「抑止力」とは、ただひたすら武力で攻め込むと短絡している人がいるようですが、まったく違います。 

抑止力とは、「下手に手を出したら、間違いなく痛い目に合いそうだから止めておこう思わせる力」のことです。 

沖縄の場合、残念ながら、それは陸上自衛隊がいるからではありません。本島には少数の陸自の旅団規模の部隊しかおらず、沖縄本島以西は尖閣までズッと「防衛の空白地帯」が続いています。 

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いちばん緊張している方面ががら空きというわけですが、それでも沖縄に攻めてこようと思わないのは理由は簡単。そこに強力な米軍基地があるからです。 

攻めてくれば、逆に米軍にやられてしまうかもしれない、下手をすれば米国と全面戦争になる可能性がある、そう考えるから、安易な手出しができないわけです。 

抑止力というのは、そもそもただ守っていればいいということではありません。 

ただ守っていればいいという考え方こそ、戦後日本の「専守防衛」という政策です。 

では、攻めてこられたらひたすら守るだけでなんとかなるほど、世界は甘いのでしょうか。残念ながら違います。世の中、そんな甘いもんやおまへん。 

現実の国際社会は、抑止に報復力という意味を持たせています。「いざとなったら、あんたを叩き出すだけじゃなくて、後悔するような痛い目にあわせるよ」ということです。 

たとえば、弾道ミサイルを撃ち込まれたら、その発射基地を攻撃したりすることです。 

現在、自衛隊にはこの能力がありません。それは、前に記事にしましたが、戦力投射能力(パワープロジェクション)がまったく欠けているからです。
※関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2015/07/post-42bf.html 

戦力投射能力とは、空母打撃群、ミサイル原潜、大型爆撃機などで、他国に侵攻できる能力のことです。

よく「戦争法案を通せば、軍部が独走する」という人がいますが、やりたくてもできませんからご安心を(苦笑)。それに今の日本には、「軍部」なんてありませんから。

この能力を持つのは、日本においては在日米軍だけです。

よく航空自衛隊が北朝鮮のミサイル基地を攻撃するなどという勇ましい話がでてきますが、空論です。そんな能力は空自にはありません。 

日本の持つ抑止力のうち、あるのは「守り」だけあって、「報復する」能力が欠落しているために本来の意味での抑止力足り得ていないのです。 

現時点で、沖縄の先島に侵攻された場合、自衛隊は手の打ちようがありません。 

そもそも陸上兵力を離島に輸送する手段がありませんし、島嶼(とうしょ)で戦う訓練も始めたばかりだからです。 

この能力を持っているのは、沖縄に駐屯する米海兵隊だけです。米海兵隊は、24時間365日、常時2千~3千人程度のただちに動かせる部隊を持ち、その輸送手段としてオスプレイ部隊も持っています。

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そしてその上空を守る航空機も、嘉手納に駐留しています。 

つまり、沖縄防衛のためのワンセットの抑止力を備えているのは、自衛隊ではなく米軍だけなのです。 

さて、このような「抑止力」があって初めて交渉が成立します。それがなければ、相手国は交渉テーブルにすら着かないでしょう。 

誤解があるようですが、交渉とは通常その勝ち負けが決まってからから行なわれるものなのです。

話し合いが破綻して戦争になるのは、互いに強力な抑止力を有している場合だけです。 

O0560034512198438240(写真 尖閣水域の中国海軍艦艇) 

だって、いつでも存分に侵攻できるんですから、事前交渉などはいりませんもんね。自衛隊を完全に叩き潰してから、「さて、話あいをしようか」となります。 

もっともそれは日本にとって交渉というより、ただの敗戦処理にすぎませんが。 

そうならないために、武力衝突が起きる前の事前交渉ができるようにせねばなりません。そのためには、「勝手にやりたい放題させないぞ」という抑止力が必要なのです。

この抑止力のバックがあってこそ、初めて有効な交渉になります。

交渉をするために抑止力が必須なのです。軍事か話合いか、という二項対立ではありません。

それは「武力が正義だ」というような単純な武力信仰ではなく、逆に「敵が攻めて来たら酒を飲んで話合う」というシールズのような薄ら甘い幻想ではなおさらなく、抑止力と交渉というふたつでひとつの存在なのです。 

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コメント

個人的には、日中でも日米も米中も、大国間の正規戦は、もう起こらないと思っています。
貿易やサプライチェーンでの繋がりが切れたら経済面の相互確証破壊が起こるからです。

だからこそ、島嶼防衛が極めて大事ですね。
攻め込んで陥とし損ねたら内外における中国の威信の失墜という致命傷を負うでしょう。
今のところ報復という意味での抑止力は日本には無く、アメリカに頼るしかありません。
日本も徐々に身に付けたいと思います。

この前騒がせたビバノンさんの言いたいことも分かるのですが、
それを急にやったら、現政権は倒れて左翼政権が成立し、安保政策は真逆に振れてしまいます。

このような騒ぎになるのは始めから分かっていたので、今年のうちに何としても成立させ、ほとぼりが冷めてから来年の参院選へ、というところなのでしょうね。

いつも興味深く拝見しております。

非常に瑣末なことなのですが、「島嶼」の読みは「とうしょう」ではなく、「とうしょ」ではないでしょうか?

もし専門的にそう読む場合があるとしたら、お許しください。瑣末な間違いでイチャモンを付けられないとも限らないので、恐縮ながら申し上げました。

別の「通りすがり」さん、ソウデス。専門的には「トウショウ」と読むのが正しいのです。わけねぇだろって(笑)。
すいません。恒例のうっかりミスです。
訂正いたしました。ありがとうございます。

私もいざとなったら敵根拠地をスタンドオフ攻撃できるような装備は持つべきだと思ってるんですがね。BMDですら外国に対する先制攻撃が可能になる攻撃兵器だなどと言い出すような、みずほの国の国会議員がいるような状況ですから、まあそこは「同盟」を盾にして米軍に任せておくのが現状良いのかと。


プーさん。
先日の方は、散々長文を捏ねくりまわした挙げ句、最後にゲロしたように、なんの

途中送信失礼!続きです。
あの方は、自身では何の主張もありませんでしたね。ただ、自衛隊を貶めては防衛費大増額・安保条約破棄・核武装などという妄想と暴論を撒き散らす某センセ(言ってることは極右→もし実現したら国家ぐるみの極左)に盲従し、ただ応援したいだけだという浅はかな考えだと自分から言ってますから。冗談じゃない。
まさにナチス信奉。私は絶対に拒否し、愛するこの国がそんなことになったら全力で戦いますよ。

話し合いたい人の普通の思考なら、まず叩き台として某センセのブログを出して議論するところでしょうが、あちらは「どうせ噛み合わないだろう」「噛み合う分けがないですね」「どうせ読みやしないでしょう」などと連発しては、自ら拒否して勝手な演説ばかりをやってた御仁です。論外。
文章構成だけはなかなか丁寧でしたが(笑)

>自衛隊は手の打ちようがありません
日本政府が自衛隊に尖閣奪還を命じなければ、米軍が勝手に守ってくれるなんてことはないし、アテするのが間違い
自衛隊が動かなければ竹島の二の舞になるだけ。

>陸上兵力を離島に輸送する手段がありませんし
小さな尖閣諸島に強襲上陸する必要なし
海と空からの攻撃で壊滅できるし安全。

安保法制で中国の行動が変わるなんてことはないな。
アメリカも中国も全面戦争のメリットないから避ける。
寧ろ、アメリカが弱小国やテロリストと年から年中戦争するのに自衛隊がこき使われて、国防以外で自衛隊員が不本意な死に方をする確率の方が高い。


名無しとかいう人。HNくらいつけろ。

きみが言っていることは全部一知半解。一回アップしたが、長いので明日の記事で答える。

今度はHNすら名乗れないファシストさんですか?

うーん、記事はそんなことは言ってないと思うんですがねえ。
闖入してきといて、何が言いたいのかちよっと分からないな。

海と空からの攻撃で全滅できる?どうやってですかね?

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