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2015年9月19日 (土)

安保法案 可決成立 ご安心下さい。護憲派の皆さん

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安保法案が19日午前2時頃、可決成立しました。 

朝日と並んで強烈な反対をした毎日新聞は、こう書いています。 

20150919k0000m010176000p_size8(写真 参議院本会議。毎日新聞)

「集団的自衛権の行使容認を含む安全保障関連法案は19日未明にも、参院本会議で採決が行われる。(略)関連法案が成立すれば、平和国家として歩んできた戦後日本の大きな転換点となる」(9月18日) 

残念ながら、そうはなりません。 

法が現実に多少なりとも追いついただけで、今まで自衛隊の現場指揮官の「超法規的対応」だけに頼ってきた現実に、少しだけ法律が追いつくだけの話です。 

今回の審議において、自衛隊という奇妙な存在に対して議論が深まることはなく、、安保法案の目的もそこにない以上、「平和国家」が本質的に変化する可能性はありません。 

自衛隊はあいかわらず「軍隊のようなもの」として、警察官職務執行法の概念の下で動き続けます。 

この安保法は、あくまでも対外的に今までやってきたことを一本化して、日米同盟の密度を濃くして、中国の脅威に備えようというものにすぎません。 

この法審議で、国会の外のお祭騒ぎや、野党、マスコミの論調に影響されなかった人は、「え、こんなこともできなかったのか」と正直に思ったはずです。 

たとえば、避難した邦人が乗った米艦が武装船から攻撃を受けた場合、仮に自衛艦がすぐ脇を一見護衛するかのように航行していたとしても、米艦を守ることは許されていませんでした。 

自衛隊は法の建前では、米艦が蜂の巣のようになろうとも、呆然と眺めているしかなかったのです。 

なぜなら、外国軍のを守って反撃すると個別的自衛権の範疇を越えて、集団的自衛権とやらになってしまうからだそうです。バカか(苦笑)。 

あるいは、PKOで派遣された自衛隊キャンプに、同じ地域で活動しているNGOから救援の要請があったとします。 

現地ゲリラに襲撃されて、小屋に閉じこもっているが、ぐるりと包囲されて銃を乱射されている。助けてくれ、という悲鳴のような要請が来たとします。 

自衛隊は、法の建前上、「なんとか凌いで下さい」と言うしかありませんでした。 

なぜなら、自衛隊には、自分たちに弾が命中した場合にのみ許されるだけの正当防衛しか許されていないからです。自衛隊はペイパータイガーか。

ではこんなケースは、どうでしょうか?日本国籍の漁船が領海内で操業していたところ、国籍不明の武装船から銃撃を受けたとしましょう。 

機関銃で撃ちまくられて漁船は沈みかかかっています。たまたま近くに自衛艦がいました。 

さて、自衛隊は彼ら漁民を救助できるでしょうか? 

できません。自衛隊は、緊急で海上警備行動発令を要請しますが、閣僚のひとりがたまたま海外に行ってしまって不在で連絡がつきませんでした。 

さぁ、自衛隊はどうしたらいいのでしょうか?ここで三択です。 

①当然、自国の漁民を保護する。
②海上警備行動が下りるまで、傍観して何もしない。
③漁船と武装船の間に自分の艦を入れて楯となって防ぐ。

もう答えはお分かりですね。③です。 

さきほどから述べてきた、邦人の乗った米艦も、PKO派遣時のNGO保護も、そして漁船など民間船の保護もすべて自衛隊は、法的にはなにもできませんでした。 

もし守るとすれば、後に現場指揮官が法廷に引きづり出されて、外国人を許可なく撃ったとして殺人罪を求刑される覚悟で反撃するか、自艦を楯にして「専守防衛」を貫くしか許されていなかったのです。

これを多少できるようにしよう。多少スムースにしていこう、その程度の法案です。自衛隊が抱えた巨大な矛盾に較べれば、いじましすぎるくらいです。

とてもじゃないが、「戦後の平和国家の枠組みを変える」なんて起爆力はありませんって。

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初めの問いに戻ります。この法が成立によって、平和国家であることが転換され、「今よりも戦争に近づく危険が大きくなるのではないか」という不安があると言われています。 

安倍首相は違うと言うでしょうが、私は、そのとおりだと答えておきます。 

戦後、日本は軍事行動をせずに済んできました。なぜなら、米国が「平和国家」であることを容認したからです。 

日本国憲法には、ただの一行も「自国民保護」という条項はありません。自国民保護条項が欠落した憲法は、世界でもおそらく日本国憲法だけでしょう。 

皆さんもよくご存じの第9条第2項にはこうあります。 

「9条2項「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」

 改めて読んでみると、スゴイこと書いていますね。 

あまりにスゴイので、GHQから憲法草案をもらった幣原首相がバッタリと気絶しそうになったという話がホントかウソかあるそうです。 

第9条という、本来は自衛権も含めて放棄しているとしか読めない条項ですが、これを作って強要したのは米国です。 

このことは護憲派もよく知っていて、「8月革命説」と言って、「実はアレは革命が起きたということにして解釈しよう」ということになっているようです。これが憲法学者の定説だそうです。

異民族軍に銃剣で脅されて押しつけられた憲法の、どこが「革命」なんだか(苦笑)。憲法学者がファンタジーなのは、なにも今に始まったことじゃないんですよ。

太田光さんは、「第9条を世界遺産にしろ」とのたまうていますが、そう思う人たちだけでそんな国に住んで下さい。

私はこんな国が「国民を守る義務などない」、と宣言しているような国に住むのは、まっぴらごめんです。

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押しつけた当人のマッカーサーが、鮮戦争勃発で心変わりして、「もうお前らを守る余裕ないから、早く自衛隊を作れ」と圧力をかけました。

勝手なもんです。それこそ「法の安定性に欠ける」というもんです。

しかし米国は日本が戦争に参加することまで要求しませんでした。

日本全国に好き勝手に米軍基地を置けることを条件に、戦闘参加をしない日本を認めてきたからです。

この名残は現在の日米地位協定のなかにも残っています。

A 在日米軍が専用で利用している施設
B 日米地位協定2-4-(a) に基づいて日米で共同使用している施設
C 日米地位協定2-4-(b) に基づいて米軍が一時的に利用可能な施設

これによると、米軍は日本の自衛隊施設・演習場のすべてを利用できることになっています。

このような無限大の基地提供と引き換えにして、戦後の「米国の戦争」のすべてに日本の参加は要請されませんでした。

これは、原爆を落してまで根絶したかった、日本人の軍事力を恐怖した名残です。

逆説的に言えば、日本の戦後の「平和国家」は、原爆と絨毯爆撃、あるいは沖縄戦の代償としてあったのかもしれません。

これが、戦後の「平和国家」であり続けられた秘密です。別に9条があったからではありません。

そして、この過去の遺産で守られてきた「平和国家」の期限切れが来ています。

いや、近づいているのではなく、かなり前に切れていたのです。日本国民は、それに気がつかないふりをしていただけです。

現在、米国は極度の内向き志向の時期に入っています。

これはまずオバマの登場で明らかになり、共和党も同時期のティパーティや、今回のトランプの登場でいっそう内向きかげんは明確になりました。

米国は国内に回帰したいのです。膨大な軍事予算を大幅削減し、海外展開している海軍、空軍、海兵隊を呼び戻したいという強烈な誘惑があります。

米国は世界の警官であることを辞めたい!

アジアの安定などは、いっそのこと中国とうまく話あって決めてくれれば幸い、南シナ海を中国とフィリピンが陸で結ばれようと、米国は痛くもかゆくもない、知ったことか!

中東、うちの国にはシェールオイルがでるから勝手にやれ!

こんな心理バイアスがかかっています。

そうされては困るのは、東南アジア諸国とオセアニアだけではありません。国が大きく、シーレーンに依存しているだけに、日本が最大の被害国になるでしょう。

そこで日本は、今まで米国に頼りきり、甘えきっていて「あるのだが、ないことにしよう」としてきた細々とした安全保障上の懸案を解決する重い腰を上げる気になったのです。

ひとことでいえば、「米国の戦争に巻き込まれる」のではなく、真逆に「米国を巻き込む」必要が生じて作ったのが、この安保法制にすきません。

これが、今回の日米新ガイドラインであり、安保法制の整備なのです。

ご安心下さい、護憲派の皆さん。この安保法案は彌縫策であり、とてもじゃありませんが「戦後」を吹き飛ばすだけの起爆剤にはなりようがありません。

それはまことに小さな一歩にすぎません。

月着陸を人類最初に果たしたアームストロング船長を気取れば、こういったところでしょうか。

「自衛隊にとっては小さな一歩だが、日本国民にとっては偉大な一歩だ」

 

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コメント

「自衛隊員の手足を縛らないでくれ」という
小川和久さんの発言意図がよく理解できますね。
それにしても不思議なのは、憲法学者や左翼思想の方々が集団的自衛権を違憲と言いながら、
自衛隊の存在自体に言及しない点ですね。
集団的自衛権や個別的自衛権を云々する前に、自衛隊の存在は違憲だから、
即座に解体せよ、

↑ すみません。確認ボタンと送信ボタンを押し間違えてしまいました。


「自衛隊員の手足を縛らないでくれ」という
小川和久さんの発言意図がよく理解できますね。
それにしても不思議なのは、憲法学者や左翼思想の方々が
集団的自衛権を違憲と言いながら、自衛隊の存在自体に言及しない点ですね。
集団的自衛権や個別的自衛権を云々する前に、自衛隊の存在は違憲だから、
即座に解体せよ、と言うべきだと思うのですが・・・

山本太郎君がまたやってくれましたね。(笑)
数珠に喪服姿で現れたり、一人牛歩戦術をやらかしたり。
陛下に手渡しで手紙を渡すという暴挙以来いろいろやらかす御仁ですが、
正直、あの人の目を見ていると、心の病でも抱えているのではと心配になります。

首相はじめ与党議員の皆様、本当にお疲れ様です。

山本君、うちの上司達は「カッコイイ」だそうです。
喪服とか焼香で「自民党は死んだ」とか言ってますが、自分達の妨害行為が通ってしまった場合が最悪の民主主義の死だというのに。

デモは権利であるが投票権ではないですから。そこを勘違いしている人が多すぎです。
忘れられていなければ、奥田君が再来年以降に被選挙権を得て、共産党か山本(略)で議席を得る、という程度のものです。

アメリカを無理やり日本の自衛のための戦争に巻き込むための法案という本質はさすがに国会では説明できませんからね・・・

一応アメリカの実利としては、台湾、フィリピン、朝鮮半島有事の際に自衛隊基地を使える事を明確化されたという点でしょう。

今までは集団的自衛権の行使になるからだめだという説もあったので。

アメリカさんとしても台湾、フィリピン、日本が中国に抜かれると本土防衛戦覚悟しないといけないので、そこまで内向きにはそう簡単にはならないでしょう。

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