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2015年9月15日 (火)

翁長知事承認取り消し 地方自治史に残る汚点

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翁長知事が、とうとう承認取り消しに踏み切ってしまいました。今日はそちらからいきます。

まずは沖縄タイムス(2015年9月14日)です。 

「翁長知事は11日、記者団に「週明けにやる」と、取り消しを決意し、表明時期を明らかにしていた。自身が設置した有識者でつくる第三者委員会が、埋め立て承認の手続きに「瑕疵(かし)あり」と結論付けた報告も踏まえ、取り消しを判断した。
 翁長知事の取り消し表明後、行政手続法に定められた取り消される側(防衛局)の意見を聞く「意見聴取」の手続きに入る。県は精査も含め、約1カ月程度かかるとみている」

記者会見のライブまで流しています。琉球新報などは大好きな号外までを出して、はしゃいでいます。(下写真)

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前代未聞の地方首長による、国家事案の取り消し騒ぎですが、翁長陣営にこの正規の行政法の手続きの場で争って勝つ見込みはないはずです。

選択肢はそう多くありません。国は言うまでもなく、この翁長陣営のチャブ゙台返しに対して不満ですから、100%行政不服審査法で争ってきます。

行政不服審査法は本来、国民の行政行為に対する不服を扱うもので、国と県という行政機関同士が争うものではないのです。

防衛問題という国家の専権事項を、地方首長が覆すという行為自体が異常なのです。そこのところをはっきりとわきまえてこの問題は考えるべきです。

前職の仲井真知事が強調していましたが、県知事の権限は限定されたものです。

公水面の埋め立てに対して、環境配慮がなされているか、海を汚すような工法は取っていないかという、極めて限定された事案に対して審査するだけにすぎません。

この国の法は県知事に、工事が正しいかどうかなどを政治的に「審査」する権限など与えていないのです。

したがって県知事は、申請された計画案が虚偽の申告をしていたり、明らかに環境汚染をすることが予想される工法をとるのがし明らかでない限り、取り消しは不可能です。

そして、いったんこの県の事務上の精査が終了すれば、この決定に自治体は拘束されます。

国と国の間に条約があるように、国と自治体との間にも決め事があります。一回決めたことが、後から一方的に変えるということは、本来絶対にあってはならないことです。

これをしようとしているのが翁長氏です。こういうことを、世間では「革命」的手法と呼びます。

「革命」的手法というのは、「フランス革命」を夢見るシールズの坊やたちならともかく、民主主義国家の行政がやることではありません。

だから今回の翁長知事の承認取り消しは、地方自治史に汚点を記す不祥事なのです。

もし、このようなことが許されるのなら、国と地方自治体との協議など無意味になります。

知事が変わることにクルクルと言うことが変化するのですから、一貫性のある政策がとれません。

実に17年間もかけて、地元の名護市と話合い、県と話し合い、地元民と話し合い、米国に頭を下げまくってなんとか着地点が決まっても、「あ、あれは前職が決めたことだから」でオシマイではたまったもんじゃありません。

常識で考えろよ、と思います。

候補地は実に24カ所もあり、それらをひとつひとつ丁寧に調査して辺野古になりました。

それで決まったわけてはなく、そこから延々と名護市と滑走路の向きはこちらで、長さはこのようにしてと最大限要望を取り入れて現行案があります。

シュアブ陸上案が、私はベストだと思って来ましたが、それに反対したのは他ならぬ名護市ですよ。

これも、「いや~、あの時の名護市長は替わったからねぇ」で済ませられますか。冗談ではない。

沖縄県という場所は、こんなに朝令暮改が効く県なんですか!?「行政の一貫性」という言葉がないのですか。

こんなことをやっていたら法治国家ではなく、中国のような人治が優先する国に堕してしまいます。

首長が替わるごとに、いままでの話し合いをドブに投げ捨てて平然とできるのなら、沖縄は既に法治の国をであることを止めて、人治の国になったということです。

5b35a52a(写真 背徳者翁長。背信者翁長。裏切り者翁長。こう反対派陣営から呼ばれる日も来る)

元自民党県連の大幹部にして、移設の旗振り役だった翁長知事は、この承認取り消しが横車を押すことだと分かってやっています。

ですから、「第三者委員会」という有識者会議をでっち上げました。「第三者の有識者のご意見によれば」という体裁を整えたかっただけです。
※関連記事http:/arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2015/07/post-03a3.html

デッチ上げと言われたくなければ、その人選も賛成反対、各分野からバランスよく集めるべきだからです。

As20150716001102_comml(写真 お手盛り答申を受けとる翁長知事)

ところが、実際は翁長氏の顔色を伺う茶坊主ばかり、反対派一色で固めて「第三者」もないもんです。

その上、本来この第三者委員会は、かつて仲井真リンチ事件で使ったような「百条委員会」とは異なり、あくまでも翁長氏の「私的諮問組織」にすぎません。

百条委員会は、県民によって選ばれた県議会議員によるものでしたが、今回の「第三者委員会」は選挙という民主的手続によらない「諮問機関」にすぎないのです。

こんな翁長氏のイエスマンで出来た私的諮問機関の答申なるものは、初めから結論があってから作ったもので、まったく合法性を持ちません。

そして、恥ずかしくて公開できないので、一時は議事録の公開を拒みました。

産経に暴露されて、担当した県職員が会議において「不本意である」とまで述べたことがバレて、慌てて公表したのです。

このような「法的瑕疵はない」とする県担当職員の声を無視して、作ったのがこの第三者委員会答申なるものです。

そしてこの土木科職員の「瑕疵がなかった」という意見は、県職員個人のものではなく、沖縄県の正式な見解なのです。

「県の意見」たる職員の陳述を、県の最高責任者自らが否定しているのです。

いったい、沖縄県という自治体のガバナンスはどうなっているのですか。呆れてものが言えません。

沖縄に「普通の県」のガバナンスが戻ることを祈ります。 

■写真 わからないでしょう。バナナです。

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コメント

すごいですねえ、もはや翁長独裁国家!

昨夜のNHKニュースウェブ。
もともとアホな視聴者ツイートが画面下に流れる番組ですから、観るときは適当に眺めながらなんですが、昨日のは出色でした。
『首長が決める。それが民主主義だ!』
というのがありました。たまたま飯を食いながら観てて本当に噴飯!
このごく短い一行に、どれだけ出鱈目と矛盾を凝縮したんだよ!
書いたヤツはホント、頭おかしいだろ。


バナナ!うわー、全く分からなかった。
風景とは対照的ですが、こういうマクロのブツ撮りって、意外性があって楽しいですね。

自分は「新基地」阻止のためにできうる限りのことは全てやったがこれ以上抗うことは不可能、とばかりに弁明して、今後は県民の利益になる様に国と交渉していくとでも言うんでしょう。

植草一秀の『知られざる真実』
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2015/09/post-20ce.html
なかなか興味深い見解を示していますね。

私は、翁長知事が、本体工事着手の条件を国に献上したうえで埋立承認取消に進むと予測してきたが、現在の流れはその通りのものである。


この場合、埋立承認取り消しは


「辺野古に基地を造らせない」


公約に沿うものとは言えない。


逆に


「辺野古に基地を造らせる」


ことをサポートする行動ということになる。


なぜなら、埋立承認取消は、いまよりもはるかに早い段階で実行することが可能な選択肢であったのであり、それを実行していれば、国による本体工事着手阻止は確実に実現できたからである。(補注:「着手阻止」の「阻止」が脱落しておりましたので書き加えました)


実際に着手阻止が可能だったかはともかくとして、対立している様で、予定調和なのではないかと疑っているようです。知事選前から翁長知事については胡散臭さを感じてたようですし。

クラッシャーさん。う~ん、植草さんですか。この人の読みは当たったことがないからなぁ。

うさん臭いのは確かですが、いまの翁長氏はそんな器用なことができる人ではないです。
そのへんについては明日書こうかな。

管理人様、お目汚し失礼致しました。私も植草氏の読者というわけではありません。沖縄のマスコミ(特に沖縄二紙)をみてると沖縄中で翁長知事頑張れ!と声をあげている人々で満ち溢れているかのようでうんざりなんです(重々御存じでしょうが)。この翁長知事の発表をみて絶対なんか書いてるだろうなと思って覗いてみたら上記の記事でして。アッチ側の人でこういう見方をする方もいるんだなと改めて思った次第です。本当に菅官房長官らと予定通りのプロレスをしているのなら大した腹芸ですが、違った意味で植草氏は翁長知事を買いかぶっているんでしょうね。
 
話は変わりますが沖縄二紙がこの件で号外を配っているところを友人が見たそうですが、通行人が号外を求めて我先に殺到…はしてなかったそうです。

明日の記事楽しみにしています。そう言えば、来年早々に宜野湾市長選挙ですね。

度々失礼します。↑書き込みに名前入れるの忘れてました。

バナナも作ってるんですね。


防衛局の意見聴取はアリバイ作りと裁判での国の出方を探る意図があるんでしょうか?

最終的にやれることは全てやったが国が銃剣とブルトーザーで強引に造ったと言い逃れしそうです。
仲井眞さんをひとり悪者にして知事になった裏切り者、一般的にこの手の人間は保身と欲望のためなら何度でも平気で裏切ります。

どうしても辺野古移設するならば、憲法95条による
住民投票を得て特別法を制定すべきである。
日本政府は、それを避けてきた。
それでは、民意はどうか?選挙で辺野古移設反対の結果は明らかである。
辺野古移設の過程は紆余曲折があり、日本政府と沖縄の合意は既に破たんしている。
日本政府にその責任がないとは言わせない。
国の決めた事だから問答無用というなら、中国政府と変わらない。
国の辺野古工事の着工理由も、県民の民意に関係のない県知事の承認が根拠だというのだから
沖縄は、例え、なんと言われても民意を無視する国家権力から辺野古移設を阻止するには、承認取消しかない。
これは、当然の成り行き。

承認取り消し当然さん。
素朴な質問です。

①素天間基地は住宅密集地にあると言われていますが、その移転の必要はあると思いますか?移転しなくてもいいというなら、以下の質問に答えは不要です。

②移転先に「国外・最低でも県外」を掲げた鳩山政権が必死に代替地を探しました。国外はもとより、県内にすら見つかりませんでしたが、このことを覚えておられますか?

③代替地なくしては普天間基地は移転できませんが、移転先を教えて下さい。

④翁長氏は県内の代替地すら拒否していますが、それは普天間基地が固定化してもいいということなのでしょうか?

以上 

毎日愛読しています。
第三者委員会の答申の写真のキャプションで、委員長はこの当真弁護士、となっていますが、委員長は大城浩弁護士で、写真も大城弁護士のようですので、よろしければご訂正くださいませ。

管理人さんへの個人的な意見と回答
①普天間の危険性除去は当然である
②鳩山政権時代の代替地検討は、ものすごく短時間
全国知事会で誰も受け入れを表明しない時点で、そんな短時間で地方との合意を取り付けることも不可能。
③元防衛大臣である森本、石破が言うように西日本のどこか。
④普天間の固定化というのは脅しでしかない、危険性を除去しないのは国の責任、再検討の時間は止む無し。
辺野古を受け入れれば、辺野古固定化は数百年、目先の利益にとらわれない、それが沖縄県民の結論。

結局のところ、民意と公約に背いた前知事の判断が今の混乱を招いたという事だと思います。辺野古賛成では直近の選挙では沖縄ではまず、勝てませんでしたからね。 小さな離島の沖縄県では普天間だろうが辺野古だろうがどこにあろうと素行の悪い海兵隊が何処にいようと沖縄県として被害や迷惑を被るわけですから、これ程に反対意見が多いのだと思います。

これまで、普天間基地 辺野古移設に関して、私の発言して来た事を よくよく考えました所、県外に移設したとしても 辺野古同様、引き受けて下さった地域の皆様への危険は同じ事であり、辺野古移設とは違い 新基地建設になる事が大であります。選挙で応援して貰った革新の皆さんへの手前、アメリカまでは行って参りましたが、元々保守である私としては 糸数さん始め革新の皆様との日米安保に関する考えはまるで違うものであります。第三者委員会による生態系への影響に瑕疵があると言うなら、県の埋め立て全てに瑕疵がある事になり矛盾します。1日でも早く普天間の危険を除去し固定化を避ける為には、辺野古移設が実現的である事を、これまでの政府との長年の交渉で私は熟知しております。仲井真前知事へは大変申し訳ないが 、前知事同様、苦渋の選択ではありますが 移設容認いたします。

と、 翁長知事に言って欲しいものです。

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