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移転問題解決には政治の「説明力」が必要だ

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この間、沖縄の方からいくつかコメントを頂いていますが、共通した沖縄の人達の気持ちはよく伝わってきます。 

今回頂戴したコメントは、このようなものです。 

「沖縄出身者です。嫌沖感が強まることをとても懸念します。
政府の説明は
①普天間基地の危険性排除
②中国の脅威に対する抑止力
この2点に集約されなぜ辺野古なのか、なぜ県外移設が不可能なのか示されません。
説明できるのは「地理的決定論」となりますが、これは否定されているという意見もあり、政府が理由に挙げないところをみると根拠になりにくいとも思われます。
「本土で引き受けられる基地は引き受けています。
どうしても沖縄でなければ機能しない基地だけお願いしているのです。」
の根拠をご教示いただけるとありがたいです。
本土に基地があることも理解していますが、これでは沖縄への基地の偏りを説明できません」

コメントについて具体的に解説するのは、次回にさせていただいて、この間、私が沖縄問題について感じていたことを少し書きます。

大変にもっともなご意見だと思います。「なぜいつも沖縄なんだ」という素朴な疑問が県民にあって当然です。

たしかに「新基地」が本土で作られることは絶えてなく、今回の埋め立てをそう呼ぶなら、「またもや沖縄だけか」という感情が湧くのも理解できます。

さらに、「本土がなぜもっと負担を分担していないのか」、という気持ちが常に県民の心にくすぶり続けているのもよく分かっています。

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安倍政権が今までの17年ものしがらみの上で苦悶し、決着すべき時と決意しているのはわかるのですが、政治に求められる「説明力」に欠けているように見えてなりません。

政府が、真正面から沖縄基地の安全保障上の意味を説明しないために、県民には負担感のみが蓄積されていきます。

常に強権で押し切られているという被害者意識が、気分の中にどんどんと溜まっていくことになります。

この鬱憤の混合気に、可燃物が投下されれば、一気に県民の怒りの爆発へと変わります。その光景もまた、何度も見てきました。

Sockpuppet
そして本土の人間は日常的に、延々と「沖縄差別」という怨嗟の声を聞かされることになります。

沖縄出身の芸能人に憧れ、本土から「癒しの島」へと毎年大量に渡る本土人が絶えないのに、「沖縄差別」とは!

聞かされた本土人は、いつどこで、誰が?と大いに首をひねったものです。

しかもその理由が、具体的な県民に対する差別事件によるものではなく、基地問題だと言われては、私たち一般国民にはどうしようもないじゃありませんか。

このような身に覚えのない「沖縄差別」の糾弾の声をぶつけられ続けた結果、本土人の中に「いいかげんにしろ」という反感が募り、対抗的に「嫌沖感情」が誕生しました。

このまま行くと沖縄は、反日に精出した結果、日本人の多くを修復不可能な嫌韓に追いやった韓国の轍を踏みかねません。

私は、このような国民の分断を招きかねない域にまで達した移転問題に対して、政府が責任をもって解決することを望みます。

私がいう「解決」とは、基地の移転を遂行するということではなく、それに至った安全保障上の原因を分かりやすく沖縄県民のみならず全国民に説明することです。

政府は責任をもって、いまからでも遅くはないので、県民に対してこのようなことをキッチリと説明すべきです。

「日本とアジアが直面している脅威は何か」
「沖縄基地はどのような役割を果たしているのか」
「沖縄を守るためにはどうしたらいいのか」
「なぜいま辺野古移転しかないのか」
「なぜ本土移転が不可能なのか」
「なぜ段階的縮小案で対応するしかないのか」
「負担軽減策としてなにを用意しているのか」

この政治の「説明力」がないために、とかく那覇の料亭の密室で展開される金と利権構造だけが浮き上がるというのが自民党政治の悪しき体質でした。

残念ながら、安倍政権もまた、その例外ではありませんでした。

今までに投じた移転費用は3千億円。そして今後投じられるであろう税金もまたそれに倍する以上、累計1兆円に登ろうとするコストをかけてやる政府事業ならば、その理由と展望を明示すべきなのです。

一方、沖縄左翼陣営の硬直した姿勢も目に余ります。聞く耳を持たないのですから絶望的になります。

彼らにとって対話とはただの糾弾集会のことであり、抗議行動とは海保との「海戦」のことでした。

Oonagasugafacebook
たとえば、先日行なわれた菅官房長官との「休戦会談」においても、翁長陣営は初めから「県内移設はいかなる形でも拒否」と打ち出してしまっています。

これでは話になりません。唯一可能性が残っていたシュアブ陸上案も、改めて検討すらされたふしすらないようです。

ただひたすら相互に建前だけぶつけているようでは、揉みようがないではないですか。

なぜ翁長氏は、政府中枢の人間が1カ月間、工事を止めて休戦講和をしようと言っているのですから、この機会を最大限使わないのでしょうか。逆に不思議なほどです。

こんなガチガチの姿勢しかできないならば、いっそ県知事には高良鉄美氏のような伝統的左翼人士で十分でした。

翁長氏に期待されてものは、いまやメビウスの輪のようになってしまった移転問題に、なんらかの折り合いを本土政府とつけることでした。

落し所を見つけて着地させること、それが翁長氏の仕事だったはずです。こういう芸当は、高良氏には無理ですが、翁長氏ならあるいは、と思わせたのも事実です。

しかし、買いかぶりでした。腹芸のできない翁長氏などは、ただのハッタリ好きの利権漁り屋にすぎません。

かくして、説明力が欠落した政府は休戦を活かせず、現地に金をバラまくという策に走り、翁長氏は国連で誰も聞いていない演説を2分間やるというパーフォーマンスで人気取りをしているだけとなりました。

これで、再び工事が再開されるならば、また見飽きた衝突の光景が繰り返されることでしょう。

心底、不毛だと思います。

次回は、冒頭のご質問に具体的にお答えします。これも本来なら政府の仕事ですぞ。  

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コメント

翁長知事は、県議時代 議会で こう発言しています。「沖縄の基地問題の解決には、訪米要請もないよりはいいでしょうが、むしろ訪米のエネルギーを日本政府にぶつけることによって大きな進展がはかられるのではないでしょうか」また、太田革新知事時代には こう発言しています。平成11年10月の県議会の定例会で、普天間飛行場の移設問題を取り上げ、「私たちがなにゆえにこの県内移設を早期にやらきゃならぬかという見地に立ったのは、県全体の立場に立っての危険性の軽減であります」と強調していたのです。今、左翼二紙では 来年の宜野湾市長選と参院選に翁長が反保守候補を決めました。私達 宜野湾市民は何としても 佐喜真市長を再選させなければなりません。直近の選挙では、移設反対派が上回り 前回選挙で、佐喜真さん僅差で勝ったのが気になります。宜野湾市は、長い間 革新地盤だったのです。

投稿: 宜野湾市民 | 2015年9月24日 (木) 17時46分

真摯なコメントに感謝します。
まったくおっしゃるとおりだと感じます。
挙げていただいた事項に関して、政府からは全く納得のいく説明がなされません。

2012年12月25日の森本大臣の有名な発言、
「軍事的には沖縄でなくても良いが、政治的に考えると沖縄が最適の地域である」
いずれの自治体も抵抗が大きくて米軍基地を引き受けないと中谷大臣も発言しています。
この発言が正しいのであれば、
誰も引き受けないから沖縄へ押しつける→差別である、という図式となります。

基地問題が差別問題にすり替われば解決は絶望的になります。
それにしても、ここでまた地元に金をばらまくという政府のやり方は最低です。なぜここでまた沖縄県民を分断し、逆撫でするのでしょうか?


投稿: ある沖縄人 | 2015年9月24日 (木) 21時38分

那覇在住のウチナーンチュです。
よく使われる「差別」という言葉にはとても違和感があります。
地上戦を経験し、長いアメリカ統治の中で積み重ねられた怒り、情けなさ、惨めさ、40代になったばかりの自分でも本土に対するルサンチマン的な思いが潜在的に眠っている事は事実です。だからといってそれを利用し、必要以上に対決姿勢を煽り立てる沖縄マスコミ、またそれを政権基盤にして究極のポピリュズム政治を行う翁長知事。沖縄マスコミ、知事が吹く笛に踊り狂う沖縄。その先を考えるとなんか気持ちが塞ぎます。

投稿: 那覇市民 | 2015年9月24日 (木) 22時47分

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