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2015年10月 2日 (金)

シリア難民とドイツの偽善

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メルケル首相がノーベル平和賞候補だそうです。それも最有力とのことです。 

その受賞候補理由は、難民の受け入れに積極的に門戸を開いた、ということのようです。

もし、ほんとうならば、これはノルウェイ人の皮肉かと思ってしまいます。 

ご存じのように、もはや民族移動と表現すべき難民がEUに押し寄せています。そのゴールはドイツとイギリスですが、途中のルートに当たる国々は恐慌状態です。 

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東欧諸国は通過するルートだけ開放して、国境を閉じています。ハンガリーでは非常事態を宣言し、難民に催涙弾を使ったと非難されています。 

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この難民と呼ばれる人々は、シリア内戦から発生しています。

いまやシリアは自国民の頭上にナパーム弾を落すアサドと、ISなどのテロリスト勢力によって分断されてしまっています。

自己解決能力はとうに失われていますし、国際社会は利害対立を起こして腰が引けています。おそらく解決は不可能でしょう。

国民は、狂った独裁者とISから逃れるために必死で国外に出ようとしています。

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シリアは、あんがい知られていないのですが中東の大国で、人口は2300万人ほどいます。 

そのうちほぼ半数の1100万ていどが、難民化しているのではないか、と国連は見ています。

ハフィントンポスト(2015年9月8日)はこう述べています。
※http://www.huffingtonpost.jp/japan-association-for-refugees/syrian-refugees_b_8098966.html

「シリア内戦がはじまって4年半、戦乱を逃れて国内外に避難したシリア人は全国民(2240万人)の実に半数以上にのぼる。逃れる手段がないために国内にとどまる人(国内避難民)は760万人。
国外に避難した人(難民)は408万9千人だが、9割以上はトルコ、レバノン、ヨルダンなどの周辺国にあって、大多数が難民キャンプに入ることもできず劣悪な環境で困窮を極めている。
シリア難民のうち欧州にたどり着いたのはわずか36万人、全体の6%に過ぎない。周辺国とUNHCRは、欧州をはじめとする各国政府に受け入れを増やすよう要請している。(数字は2015年8月末現在、国連高等弁務官事務所〔UNHCR〕の統計)」

ハンガリーの人口は990万人ですから、東欧2ヶ国分の人口が難民化しているという想像を超えた事態になります。 

さらに、これに政情不安のエジプトやリビアといった北アフリカ難民が加わると、1億人近い難民のヨーロッパへの流入が開始されることになります。 

というか、それは既に始まっているとみるべきでしょう。 

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そのきっかけを作ったのが、他ならぬメルケルです。

「メルケル首相は今年、80万人と予測される難民のうち半分は定住するとの見通しを述べた。ドイツが債務危機を乗り越え、脱原発を実現した実績をあげ、難民の受け入れを「成し遂げる」と決意を語った。
一方、難民への攻撃や収容施設への焼き打ちには「国家として厳しく対応する」として「人間の尊厳を傷つけるものは容赦しない」と極右ネオナチなどの難民排除の動きを批判した」(毎日新聞9月1日)
 

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メルケルの思惑は、難民を好景気のドイツで不足する60万人程度、移民労働者として受け入れようというものでしたが、蓋を開けてみれば1000万単位の難民が我先にとドイツを目指すことになってしまいました。 

メルケルがやったことは、シリア難民の大群の前で、60万枚の当たりくじをヒラヒラさせたようなものでした。

彼女はこの「理想」も、脱原発のようにうまくいくと確信していたのです。

これは戦後ドイツが、ナチス犯罪に対して行なってきた「弁明」に対する、いかにもドイツらしい論理的結末でもありました。 

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上のユダヤ人狩りの光景を、笑いながら楽しげなショーのように見ている子供や一般市民の姿に注目ください。クリックすると大きくなって、右端の子供の笑い顔まで見えます。

これが、ホロコースト(ユダヤ民族絶滅政策)の真の姿でした。 

ホロコーストはひと握りのSSがした悪行ではなく、社会から隣人たるユダヤ人を狩りたてて、強制収容所に送り込んでいった「一般ドイツ国民」が背後にいたのです。 

こここそが、戦後ドイツが全力で隠蔽したい事実でした。そのために作り出したのが、ヴァイツゼッカーによる「謝罪神話」でした。 

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この余りに有名な1985年5月のドイツ連邦議会における大統領演説で、ヴァイツゼッカーはこう述べています。 

「過去に目を閉ざすものは結局のところ現在にも盲目となる。非人間的な行為を心に刻もうとしない者は、またそうした危険にも陥りやすいのだ。
 若い人たちにかつて起こったことの責任はないが、その後の歴史の中でそうした出来事から生じてきたことに対しては責任がある。若い人たちにお願いしたい。他の人々に対する敵意や憎悪に駆り立てられることのないように。敵対するのではなく、たがいに手を取り合って生きていくことを学んでほしい」

実はこの言葉には、大きなトリックが隠されていました。後のパラレルにはこうあります。 

「しかし日一日とすぎていくにつれ、5月8日(※ドイツ降伏の日)が解放の日であることがはっきりしてきました。(略)ナチズムの暴力支配という人間蔑視の体制からわれわれ全員が解放されたのであります」

 ヴァイツゼッカーは、単純な第2次世界大戦への謝罪を述べたのではなく、巧妙にドイツ民族、あるいは国民一般もまた、ナチスの被害者だったのだと言っているのです。 

このようにドイツ人は「歴史の罪は背負う」と言いながら、「集団の罪」は否認し続けて、一切の罪をナチスにのみ被せました。

ドイツ人にとって、歴史の流れは1945年5月8日で断絶しており、 それ以前は<巨悪のナチスが支配する暗黒社会>であり、敗戦以降は<ナチスから解放された善良なドイツ人が住む明るい社会>なのです。 

このようにでも意識操作しないことには、ドイツ人の存在自体を世界が許さなくなるからです。それほどまでに巨大な「悪」でした。

この自己欺瞞を、ドイツ人はえんえんと70年間後生大事に持ち続けてきました。

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そしてこのドイツの良い子ちゃん病が、シリア難民の爆発的流入を前に、前代未聞の形で起動してしまったというわけです。

本来なら、こうなる前に難民を局所化する方法もあったでしょうし、難民キャンプの生活を向上させていくことに力を注ぐべきでした。

しかし、メルケルが良い子ちゃん病を発症し、「ドツイに来れば移民として受け入れる」と言ってしまったばかりに、もはや収拾のつかない事態にまで発展してしまいました。

この難民の流入による破滅的事態の責任は、メルケルにあることは明らかです。

そしてこれは、メルケル自慢のEUという名の「第四帝国」を、最終的解体に追い込む序曲になるはずです。 

 

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コメント

メルケルさん、白い鳩なんでしょうか。
後先考えずにカッコいいことぶち上げるところとか。
わずか1週間で撤回、東欧諸国には大迷惑ですね。
難民は総勢1億人ですか。失神しそうです。
ノーベル平和賞って、西欧キリスト教文明崩壊へ舵を切った人物、逆にイスラム教徒は拍手喝采なんでしょうね。

日本は金だけ出しますね。
緒方貞子さんが朝日新聞で批判していました。「積極的平和主義」って難民を受け入れる事でしょって。
意味が分かりません。難民を受け入れたら平和になるんですか。
真の難民、渡航費用も捻出できずに国内に止まっている人達こそ支援すべきで、金と軍隊で難民キャンプを保護できて初めて「積極的平和主義」でしょう。日本にはまだ不可能ですね。

肝腎のシリアは、アサド政権にロシア、反政府勢力にアメリカが付き、さらにISIL(最近はISと言われますが、国と認められたのですかね?)も加わって泥沼、対ISILで共闘も出来ない。日本の提唱した「自由と繁栄の弧」は無力でした。
これらを全部解決して世界平和、なんて無理なんだな、せめて自分達が巻き込まれないように努力しなくては、と思うようになりました。

政治家へのノーベル平和賞授与はやめた方がいいんじゃないでしょうか。
アウンサンスーチー氏やネルソン・マンデラ氏のこともあるので
政治家と十把一絡げで物を言うのは良くないかも知れませんが、
少なくとも、時の宰相や元首はその対象から外すべきだと思いますがね。
佐藤栄作、金大中、バラク・オバマなど、どう考えてもおかしいでしょ。
平和のために地道に努力されている市井の方々を対象にすべきだと思います。

何だかVWの不正問題も同根な感じがしてきました。クリーンディーゼルとかええかっこしいしてたのが不正してたわけで、しかも国をあげての不正が疑われる始末ですし。

クラッシャーさん。

ずっとモヤモヤしていたんですが、正にそれ。
辞任したVW会長は「わずか数十名の愚か者のせいで60万人の従業員の生活を壊すわけにはいかない」との発言。

これこそ、かつてナチに罪を押し付けて胸を張って見せたヴァイツゼッカーと同じ論理構築。
これが戦後ドイチェフォルクスのやり方そのものです。

金大中やオバマに次いでメルケルにノーベル平和賞(本気か?)とかもうねえ、ああいうのはマザー・テレサのような方に贈る賞でしょうに…。
これなら、核も持たず金だけは出し、さらに国際平和貢献活動を拡大したいとする安倍総理なんか最適任になっちゃうとおもうのですが。

この問題に関しては、いろいろな記事が出てますが、池内恵氏のフェイスブックの記事が一番納得しました。

一部抜粋~
「難民問題は、遠い外国がむやみに受け入れればいいわけではない。だから、受け入れの数を競うことはない。ただ、受け入れ競争をして見せないのであれば、しないことの根拠となる理念は示す必要がある。日本に支配的な規範からいっても、「シリア人はシリアで暮らすのが一番幸せなのだから、シリア周辺国へ逃れた難民や、(場合によっては)シリア内部での避難民に、これまでもやってきた援助を手厚くする。その間に政治的解決に全力を挙げる。難民がヨーロッパに逃げて来なくていいようにすることが解決である」と、すらっと言っていたら何の問題も起こらないし、日本からある種の批判的な提言をすることにもなる。「何人受け入れたか」という欧米メディアがつくった見せかけの論点に、別の理念を提示して対峙するのである。」

テレビじゃ日本も受け入れるべきだ、先進国なんだからとか世界の常識のようなコメントがあります。
安倍は金だけ出して受け入れをしない、金だけ出せばいいのかと安倍叩きの材料にまで。
ヨーロッパの騒ぎを日本に持ち込ませたいのかと勘繰りたくなる。

言葉、生活習慣、風土、宗教、価値観など違いすぎるし日本は日本人の国。
差別主義と言われようが、在日の連中も不要です。

多摩っこさんのご意見に概ね賛成ですが、在日の問題は分けて考える必要があるかと思います。

中東の混沌を生み出した当事者であるヨーロッパと、当事者ではなく、むしろ中東の発展に貢献してきた日本では、やはり果たすべき責任は違うと思いますが、
在日朝鮮人の問題に関しては日本は思い切り当事者なので、排除してお終いという訳にはいかないですよね。

山口さん

混同はしてませんが書き方が悪かったです。
在日は中学生の頃から色々とあるもので感情的に。

感情的に書かないでください。
まともな意見だと思って読んでいる人にとっては迷惑かもしれません。

多摩っこさんへさん。

私も多摩っこさんの最後の1行はちょっと違う別問題だろうと思いましたが、その前は同意できます。

多摩っこさんは「感情的になった」と撤回を示しているのですが、あなたは何様?
それこそ感情的になって「感情的に書くな」とは。
いくら必死になってもそんな中傷と幼稚な言葉狩りなど全く意味がありませんよ。
「読んでいる人に迷惑かもしれない」などと一見逃げを打ってますが、ここにはそんな浅はかな人はいませんね。むしろ山口さんのように諌めるコメントが先に出ているでしょうに。
必死にあら探ししたのでしょうが、半月前に終わった議論に難癖付けるあなたこそ感情的で衝動に任せた荒し行為であり、あまりにも思慮が足りないですね。

>差別主義と言われようが、在日の連中も不要です。

この一行は感情的な蛇足でした、しかし過去記事を読んでくださいがここにくるとは、いやはや…

ややこしいハンネ使ってる君、この記事に対する君の意見を忘れてますよ。


山形さん、代弁ありがとうございます。

はじめまして。
原発関連の情報検索中にこちらのブログを見つけ、読ませていただいております。
世界や政治について大変勉強になります。

ところで、今回の内容で「脱原発のようにうまくいくと確信していた」という一文がありますが、これはメルケル首相は「脱原発政策は成功した」と考えている、ということでしょうか?
もしそうであれば、管理人さんの意見として脱原発政策はどのような状況にあるとお考えですか?
毎日お忙しいことと思います。
もし気が向いたら、お返事いただけると幸いです。

エントランスさん。う~ん、ドイツの脱原発については大量に書きましたんで、かえってひとつというと困る(笑)。
結論から言えば、メルケル氏は「成功した」と思っているが、国民や経済界、そして周辺国はそう思っていないということでしょうか。

これがまとまってコンパクトかな。
※関連記事
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2014/01/post-4adf.html
あとは「ドイツ脱原発は隣の家の青い芝」①~⑪シリーズがあります。
まぁお暇なら。長いですよ。
※http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/post-4c56.html

早々のお返事、ありがとうございます。
読ませていただきますね。

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