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2015年10月15日 (木)

翁長知事、とうとう承認取り消しに追い込まれる

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とうとう翁長氏がやってしまいましたね。承認取り消しです。 

翁長雄志知事は13日午前、県庁で記者会見し名護市辺野古沿岸部の埋め立て承認を取り消したと発表した。前県政の承認の手続きに「瑕疵(かし)がある」と判断した。翁長知事は「承認は取り消すべき瑕疵があると判断した。今後も辺野古に新基地は造らせないという公約実現に向け、全力で取り組む」と述べ、新基地建設を阻止すると強調した。承認取り消しで、沖縄防衛局は埋め立ての根拠を失い、辺野古沖での作業ができなくなる」(沖縄タイムス10月13日号外)
※https://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=136905 

Photo_2(こちらは琉新号外)

これを聞いて反対派はこんな檄を飛ばしてはしゃいでいます。

「遂にその日がやって来た! 感無量! そして 身が引き締まる。奮い立とう、いざ! これから更なる一歩。一歩、一歩、ひるむことなく、階梯を登り詰めよう!」http://blog.goo.ne.jp/takashien/e/b809bbc87a78d8bb4529f222a0e1ab10

「遂にこの日がやってきた」ときたもんだ。おお。大東亜に朝が来る!まるで、開戦の詔を聞いた当時の国民みたいね。

それとも「奮い立て、いざ」はインターナショナルの一節だったっけか。まぁ、どっちでもいいや(笑)。

せっかく盛り上がっているのに水を差して申し訳ないですが、承認取り消しは、翁長氏が袋小路に自分で飛び込んだってことですよ。

あれはやるぞやるぞ、という示威だから効果があるんで、実際やってしまえば竹光なことがすぐにバレるようなしろものです。 

翁長氏は沖縄県の政治家なのに、「抑止」ということをまじめに勉強しないからこういうことをしてしまうのです。

私は、翁長氏が承認取り消しをバックにして、なんらかの妥協を政府から引き出すつもりかと思っていましたが、とんだ買いかぶりだったようです。

Photo_3
政府はわざわざそれを察して、1か月の休戦を申し出て、毎週菅氏を沖縄現地に通わせるという譲歩をしました。

それまでの翁長氏の言い方には含みがあって、「新しい基地建設は認めない」という表現をしていたはずです。

じゃあ、「新しくなけりゃいいんだな」と、政府も首をひねったでしょう。ひょっとしたら、「既存の基地内なら、考えてもいいぞ」と取れなくもありませんものね。

これは翁長氏の政治的シグナルなのか、とも考えたはずです。

ならば、やりようは残っています。シュアブ基地内部に陸上案を復活させることです。

しかし呆れたことには、首相が官邸内でもっとも沖縄県に同情的な菅氏を派遣しているのに、翁長氏ときたら棒を呑んだような顔をして、「いかなる基地建設も認めない」と言い出したのには呆れました。

たぶんいかなる妥協も許さない、と叫ぶ硬直した左翼陣営を説得するだけの力量がなかったからでしょう。

知事になる直前、翁長氏は朝日(2012年11月24日)とのインタビューでこんなことを言っていました。
※http://www.geocities.jp/oohira181/onaga_okinawa.htm

「苦渋の選択というのがあんた方にはわからないんだよ。国と交渉するのがいかに難しいか。
革新勢力は、全身全霊を運動に費やせば満足できる。でも政治は結果だ。嫌だ嫌だで押し切られちゃったではすまない」

そのとおりです、翁長さん。あなたは革新陣営と長い間戦ってきた保守政治家として、「全身全霊を運動に費やして満足」を得ることが、政治の役割じゃないと喝破していました。 

そして翁長氏は、「政治は結果を出すことだ」と大見得を切って、知事になったわけです。

彼がもっと強力なカリスマ的指導者だったなら、この貴重な休戦期間にもっと柔軟な手段を繰り出したはずで、そのほうが政府にとっても難題だったと思います。

たとえば先に述べたシュアブ陸上案などを翁長氏が、チラっとほのめかせたら、今まで進行してきた辺野古埋め立て方針が全部ひっくり返ってしまいます。

渡してしまった漁協への補償金はどうする、埋め立て案で納得していた県内土木業はどうやってなだめる、名護市の稲嶺市長は認めないぞと、難題山積です。

しかしせっかく県が歩み寄ったのに、コレを捨てていいのかと、政府は混乱するはずでした。

しかも、シュアブ陸上案を交渉テーブルに乗せてしまえば、現況の埋め立て工事は一時凍結のやむなしになります。

別案があるのに、工事していたら政府の誠意が疑われるからです。翁長氏にこのようなクセ球をなげられると、政府はそうとうに困ったはずです。

ムゲに突っぱねれば、「なんだ歩み寄ったのに」と言われ、本気でやろうとすると、今度は名護市長が狂信的に反対します。

どっちにころんでも、翁長氏にとっておいしい話になった可能性があったのです。

しかし、そんな高等戦術を理解するほど、左翼陣営は頭が廻らなかったようです。あの人たちの脳味噌には「闘争」だけしかなくて、他に何も入っていないようだからです。

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翁長氏もがいみじくも言うように、「全身全霊運動に費やせば満足」するような人たちにとって、解決しないほうがいいのです。

解決は日和見であり、許しがたい妥協だからです。イエスかノーか、これ以外ありません。

まるで駄々っ子ですが、先日の「戦争法案」反対運動を見ていて、憑依されたような人たちの怖さを感じませんでしたか。

ズっと反対運動をしていたい、ズっと死ぬまで闘争していたい、解決されれば組織とともに生き甲斐がなくなっちゃうじゃないか、というのが左翼陣営の本音なのです。

なんかスゴイね。翁長氏は左翼陣営に片足を置いてまで、仲井真さんに勝ちたかったわけで、その報いを受けるですな。

これで政府と翁長氏の話し合いの段階は事実上終わった、ということになります。政府は翁長氏を見切りました。これは菅氏の口ぶりにも現れています。

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もはや辛抱強い菅氏も、今まで控えていた翁長氏に対する怒りを隠しません。

「『県議当時、一日も早く県内移設をしてほしいと(当時の)首相と官房長官宛ての要請決議をしていた…』
 菅義偉官房長官は13日の記者会見で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設をめぐり、かつては県内移設の旗振り役だった翁長雄志知事が、移設反対に転向した“変節”ぶりを暴露した」(産経10月13日)

翁長氏は、最後のカードを屑籠に捨て、とうとう本心はやりたくなかったはずの承認取り消しに入ったのです。

これは島の左翼陣営が与党づらしてヤレヤレとうるさかったものですが、一回やると後戻りできません。

対話による交渉はできなくなり、交渉ができねば政府は撤回など絶対にしないからです。

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そしていったん承認取り消しをしてしまえば、「闘争」の場は法廷に移り、その間は沖縄県は何もできなくなってしまいます。

つまり、最高裁まで争うのは勝手ですが、裁判で争いながら、県民投票などすれば、裁判所無視と受けとられても仕方がありません。

結果、翁長氏は裁判で不利になるでしょう。

したがって、最高裁判決が出るまでどれだけ時間がかかるかわかりませんが、その間にも、工事はまったく止まりません。

11月の本体着工は予定どおり行なわれるし、22年完成まで淡々と工事は進むだけです。

サジを投げた政府は、さっそく第1の手を打ってきました。

「承認を取り消したことへの対抗措置として、同法を所管する石井啓一国土交通相に取り消し処分の効力停止と処分の取り消しを求める行政不服審査を申し立てた。
石井氏は沖縄県の意見を聞いた上で防衛省の主張通り効力停止を認める公算が大きい。早ければ1週間程度で結論を出す見通しだ。
 防衛省は、申し立ての理由として(1)仲井真弘多前知事による承認に不合理な点はない(2)嘉手納基地(嘉手納町など)以南の返還など基地負担軽減を着実に実施(3)ウミガメやジュゴンなどの保全に万全を期している-と主張。翁長氏の取り消し処分は違法だとした」(産経2015年10月15日)
 

追い詰められた翁長氏は、総務省の「国地方係争処理委員会」に駆け込むしか手はなくなります。

「防衛省は石井氏が効力停止を認め次第、移設作業を再開し、工事にも着手する方針。一方、翁長氏は効力が停止されれば、総務省が設ける国地方係争処理委員会への不服申し立てなどをする見通しだ」(同)

ここでも100%翁長氏の言い分は、蹴られます。

というわけで、翁長氏側は後は地裁に訴え出るしか方法がなくなりました。しかも工事は止まりません。どんどん既成事実は積み上がる一方です。

もはや翁長陣営に残された手は、唯一法廷闘争しかありません。

あえて他にあるとすれば、辺野古で外人部隊と平和センターに暴れさせて、流血事件を引き起こすていどです。

しかしこれも今や県警と海保によって、完全に封じ込められつつあります。

まさにかつて自分が言っていた最悪の負けパターンである、「嫌だ嫌だで押し切られ」つつあるのです。

というわけで、承認取り消しが、実に悪手(あくしゅ)だとお分かりになったでしょうか。 これで翁長氏は、鼠取りに自分から飛び込んでしまったというわけです。

 

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コメント

次は経済支援や税制優遇など断わるから沖縄から基地を無くせ宣言でしょうか。
共産党などの反対派に寝返り知事になったんだから進む道は決ってますよね。

沖縄二紙によると、法廷闘争なのに世論が頼みらしいので、まあ、無理筋なのはわかっているんでしょうね。ここのところ雲行きが少し変わってきたように感じます。相変わらずの新聞二紙はともかく、ローカルテレビですら扱いが以前ほどでない。特にNHK。承認取り消しを発表した13日はこちらで視聴できる全国放送のニュースでトップで取り上げていたのはTBSのみで、報ステですらマイナンバーに関する収賄事件の次。今朝7:50頃の福岡局発「九州沖縄のニュース」では全く取り上げていませんでした。NHKとしてはあまり触れたくない案件になってたりして。

連投失礼します。琉球新報にこんな記事が。

「OCVB事務局長解任へ 平良会長と方針で溝」
http://ryukyushimpo.jp/news/entry-154222.html
現在の県産業支援センター2階にある事務所が業務拡大とともに人員過密で手狭となる中、屋良氏が上階の別室を新たに使用できるようとりまとめたのに対し、平良会長は別室の使用手続きを取り消し、那覇市内の別の商業ビル内に第2事務所を構えることを指示。この方針をめぐり屋良氏が譜久山常務に激しく抗議する場面が見られたという。

「別那覇市内の別の商業ビル内の商業施設」というのが気になります。まさか「とまりん」なんてオチじゃなかろうなと(すみませんテキトーです)。なんかやりたい放題し始めてきたんですかね。翁長知事一派って自分で自分の首を絞める行為してるような気がします。

またまた失礼しました。

「別那覇市内の別の商業ビル内の商業施設」
 ↓
「那覇市内の別の商業ビル内」

わかるとは思いますが。間抜けで申し訳ありません。

クラッシャーさん。貴重な情報をありがとう。OCVBは典型的な翁長氏の情実人事です。
そもそも上原良幸会長を、県が勝手に辞めさせて、平良氏が座ったわけで、初めからもめていました。
その時に自民県連として、上原さんから話を聞いたのが、島尻さんです。

地元紙が黙っていることをいいことに、翁長氏の利権政治がはびこっていますが、その強引な方法は早くも軋んできているようです。

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