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2015年11月27日 (金)

「日本版オリーブの木」とは

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もう少し政治がらみの話を続けます。あまり好きじゃないんですけどね。すいません、しばらく辛抱を。 

おそらく来年の選挙は、かなりの確率で「衆参ダブル選挙」となるでしょう。 

というのは、ここが国民にとって、再来年の春の消費税率の10%への引き上げに対する最終判断の場だからです。 

安倍氏は、土壇場まで再増税について明言しないでしょうが、それは単に今それを表明すれば、3党合意を破棄するのかと袋叩きに合って、潰されるのが目に見えているからです。

財務省の長い手は、政界のそこここに張りめぐらされています。もちろん、自民党の中にもしっかりと。

前回の野田聖子オバさんの不発の反乱もそのひとつで、本来はもっと大規模にやりたかったはずです。

ですから、安倍氏は間合いを慎重に観察しています。 

前回の増税の打撃からすら立ち直れないのに、いままた再増税したら、日本経済はこのまま地獄へと直滑降していくことでしょう。 

8%でも重税感があるのに、それを切りのいい10%になどしたら個人消費は冷えきり、設備投資も壊滅状態になります。 

軽減税率はなんの助けにもなりません。こんな増税後に参院選をやれば、結果は見えています。 

元来反増税・成長論者だった安倍氏は、公明との関係があるために三党合意路線を大事にするそぶりを見せながら、これをホゴにしようとしています。 

そのためには、前回の参院選と同じ方法を、もっと大仕掛けに踏襲するでしょう。それが衆参同日選挙です。これ以上インパクトのある「民意」は、日本には存在しないからです。 

この前には、野党の叫ぶ「戦争法案廃案のための政府」などということは、瞬時で消し飛ぶと安倍氏は見ているはずです。 

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一方、野党もいっせいに野党再編という選挙モードに入りました。 

選挙直後の朝日新聞(2015年11月26日)の報道です。 

民主党維新の党生活の党山本太郎となかまたち、社民党の野党4党の超党派議員が25日、「立憲主義」を旗印に野党間の協力を深めるための勉強会を立ちあげた。当初は30人ほどの出席が予定されていたが、代理を含めて約100人が参加。出席議員の一部には、将来的に新党結成を目指す際に勉強会を母体にしたいとの考えもある。
憲政の常道を取り戻す議員有志の会」と冠した勉強会には、新党結成に前向きな民主の細野豪志政調会長前原誠司元代表、維新の江田憲司前代表も出席。「安倍政権憲法を無視している。歯止めをかけないといけない」との方針で一致した。
安倍政権による集団的自衛権の行使容認を「違憲」と批判する4党の議員にとって、「立憲主義を守れ」というスローガンは結集軸にしやすい。出席した民主議員の一人は、会の趣旨について「新党立ちあげに腰が重い民主執行部を動かすことが目的だ」と述べた」

はい、ここで集まったメンツにご注目ください。民主、東京維新、生活、社民の議員たちです。 

民主の前原誠司、細野豪志両氏が来ているのは、このふたりが維新の前代表・江田憲司氏と11日に会談して、民主解党⇒新党結成で合意した仲だからです。 

この新党は、おそらく小沢一郎氏の念頭にある「日本版オリーブの木」構想に近いものだと考えられます。 

小沢氏の構想はこうです。

野党は結集せねば巨大与党に勝てないのだから本来は合流するべきだが難しいのなら、既存の政党とは別に、選挙の届け出をする受け皿政党を作って、そこに各野党の政治家が個人参加したらどうなのか、というものです。 

すると、あら不思議。バラバラだった野党が、「日本版オリーブの木」vs自民党という2極対決の構造に見えて来る、という仕掛けです。 

Photo_3(写真 オリーブの木の発案者のブローディ氏。首相の後に欧州委員会委員長にまでなった)

 では、いちおう本家イタリアの「本家版オリーブの木」も押えておきましょう。 定義から入るのが、私の流儀なもんで。

時は1990年代末。ベルルスコーニ首相が、イタリア名物の汚職でヒックリかえると、少数政党乱立のイタリア政局はなにがなんだかわからない状況になってしまいました。 

この時に、経済学者ロマーノ・ブローディ先生の言い出しっぺで作られたのが「オリーブの木」です。 

「オリーブの木」というステキなネーミングは、オリーブオイルなくしては飯を食ったことにならないイタリア人らしく、痩せ地にも育つ頑丈さと豊穣のシンボルとされたためです。 

まぁ、ネーミングとアイデアの勝利だね。 

ブローディ先生自身は保守リベラル派で、中道左派の政治グループの結集を考えていたようですが、実態は違ったのです。 

少数野党で、イタリア最強の政党がいたからです。もちろんそう、あのトリアッチ、グラムシを生んだイタリア共産党です。 

当時既に、ヨーロッパ最大と謳われたイタリア共産党は解党していましたが、その後継の左翼民主党は野党で大きな力をもっていました。

彼ら共産党残党がこの「オリーブの木」に着目し、その中心になっていきます。 

この「オリーブの木」は、混乱に嫌気がさしていたイタリア国民の支持を集めて、勝利しました。 

できあがった「オリーブの木」政権は、ブローディ先生を首相にして共産党(左翼民主党)まで入れた連立内閣になり、この後1996年から2001年まで4年間ほど政権の座にありました。 

というわけで、この「本家オリーブ゙の木」の最大の特徴は、共産党まで閣内に入れた選挙用寄り合い所帯だということです。 

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小沢氏は表面的には、「共産党自身は一緒になる気はない。選挙協力のところまでやるだけで、そんなにヒステリックに心配することはない」とTBSラジオ(11月17日)で言っているようですが、もちろん本心ではありません。 

小沢氏が民主党代表で勝利した後に作られた民主党政権には、社民党の福島瑞穂氏までが入閣していました。 

勝利の暁には、小沢氏が盟友にして最大の功労者である志位氏を見捨てるわけはありません。 

しかし、痩せても枯れても保守政治家を自認する前原氏などの抵抗感は強いでしょう。 

彼は「共産党はシロアリだ」と放言して、枝野氏があわてて共産党に菓子折り持って陳謝しに行っています(笑)。 

要は、共産党カラーをいかに隠すかです。「本家オリーブの木」はこのようにしました。 

「『オリーブの木』は旧イタリア共産党系のPdSが中核であるものの、プローディを首相候補にしたことから共産主義の色彩を抑えることに成功した。1996年第13回総選挙ではベルルスコーニ率いる右派連合を抑え、議会最大勢力に躍進した」(Wikipedia)

共産党の存在をカモフラージュするには、「オリーブの木」ほどいい構想はないのがお分かりいただけたでしょうか。

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さて、小沢氏が考える「日本版オリーブの木」構想はこうです。 

すべての参加する野党は、「オールニッポン」(仮称ですよ、もちろん)を名乗ります。 

この結集軸には、「戦争法案反対」がいいでしょう。来年夏までには、そうとうに出がらしに なっていても、あの熱気は忘れられませんものね。

賛同する野党は、この「オールニッポン」に個人加盟します。新党でないところがミソです。 

参加野党は解党の必要がありませんから、抱え込んだ巨額の政治資金もあって民主党という看板をはずしたくない岡田氏や枝野氏にとっては、たまらなく魅力的なはずです。 

おまけに、この「オールニッポン」は、野党全部の選挙協力が大前提ですから、勝つ可能性も飛躍的に高まります。

なぜでしょうか? 

どうせ民主には前回の参院選のように全選挙区候補を擁立できる力量はないし、他のミニ野党などもっと悲惨ですから、悪くない話です。 

問題は一に懸かって共産党です。東京維新や社民などはハッキリ言って鼻くそのようなもので、共産党なくしては、この「オールニッポン」は成立しません。 

共産党はいままで都々浦々すべての選挙区に立てていた候補者を、「オールニッポン」に加わることで、全選挙区で惜しみない選挙協力をします。 

これによって、「オールニッポン」の選挙マシーンは、極めて強力になるでしょう。 

労組は、いつもは犬猿の仲の連合と全労連が手を握り、共産党は「鉄の団結」を誇る下部組織と、星の数ほどある大衆団体をフル稼働させることになります。 

この見返りとして他の野党は、共産党に一定議席と、勝利した後の小切手を発行してやるだけでいいのです。 

なるほどこれは、落ち目の野党にとって悪くない話しだと思いませんか。特に民主党にとって。 

このように見て来ると、民主党がなぜあれだけ身も世もなく「戦争法案反対」で共産党と手を組んだのか、おのずと分かろうというものです。

一方、共産党は、天皇制反対、自衛隊反対、安保反対、政府のやること全部反対、といういままでの主張を全部凍結して、選挙協力するのですが、果たしていかがなりますか。

 

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コメント

せっかくの詳細な解説なのに、雑感のようなコメントですいません。

「日本版オリーブの木」や「オール日本」なんて言うとソフトで平和なイメージですが、実際に同じ内容でも「全日本〇〇連合」とか「大日本〇〇連絡会」と命名すると、途端に物凄い真っ黒いバイオレンスな臭いになりますね…。
とにかく野党がマトモに対自民を目指すなら、いくら議席が欲しくても共産党だけは絶対に組んではダメでしょう。
山形市長選挙でよく分かりました。自民が共産と共闘した大阪なんて論外です。

元祖のイタリア共産党のお話、ありがとうございます。大抵の人は知らないことでしょう。

余談になりますが名作映画「ニュー・シネマ・パラダイス」のトルナトーレ監督。数年前に撮ったより自伝的な映画「ITALIA!ITALIA!」で、若い頃に共産運動に身を投じてマフィアに蹴散らされるというシーンが出てきます。


ブログ主様は右翼ではないか、などという完全に的を外したコメントがかつてありました。
人様を思想的にカテゴライズするなどという僭越なことをする愚をあえて冒すとすれば、ブログ主様はオールドリベラリストであり、かつリアリストですね。
今回の記事での見通しは、事実を見据えたリアリストの思考そのもので小生もまったく同意見です。

来年は衆参ダブル選挙となり、争点は「消費税凍結」VS「立憲主義、民主主義」(この主張は実は空疎なものですが、オリーブの木構想で補強出来ると小沢は踏んでますね。この場合、もちろん主役は小沢と志位です。)
問題は選挙までに民主党の前原グループや長島・松原氏などの保守派が何処の位置にいるか、政権が公明党をどう丸め込めるか、という事くらいでしょう。

民主党の起死回生の再生のためには岡田自ら「消費税凍結」を自民党より先に言い出せば結構な勝負になるでしょうが、あそこは最も愚かな党で岡田党首はじめ、財務省に恩義があるし下々まで完全に絡め取られているため、先陣切って反対を言えないんですね。

一方、大阪のダブル選などで阿部さんが度々している党に対する譲歩の甲斐あって、自民党の分裂も考えにくい。

阿部さん→安倍さん(訂正でした)

これは日本の政治風土が劣化しているのでしょうか?
それとも何か歴史的必然に導かれた過程なのでしょうか?

「消費増税先送り」の信を問う衆参ダブル選については東京新聞・中日新聞論説副主幹の長谷川幸洋氏も8月の段階で予想してましたね。
氏は昨年末の解散総選挙もかなり早い段階から予想していました(野党は不意打ちだと言っていましたが)。

http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/44837

オリーブは大好物ですが、この日本オリーブの木になる実は小豆島のオリーブ農家が怒りそうな味がしそうです。
10%再先送りは無いときっぱり昔言った安倍氏はどう理をつけて演説するのか、上げて欲しく無い私としてはこれに関しては熱く見守りたいです。
小沢氏が妖気を放ちながらイキイキ出来ないような政治の場に変えていくには、何が必要なんでしょうか。悩みがつきません。

あなたの読み、最高だよ。今のとこほぼ当たってる。
2017年9月28日からコメントしています。

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