「テロ」を「ゲリラ」と呼ぶな! シリア難民からパリ同時テロ襲撃犯
人のいなそうなトイレを狙ったこと、新嘗祭を狙ったことなどから、おそらくは国内の愉快犯的な者による仕業だと思われます。
早急な逮捕が望まれますが、いつもながら日本のマスコミはこれを「ゲリラ」と報じています。
「ゲリラ戦(遊撃戦)と呼ばれる不正規戦闘を行う民兵またはその組織のことでパルチザンとも呼ばれる」(Wikipedia)
しかし日本ではこれを、警察まで含めて、下のような別の意味づけを与えてしまっています。
「施設などを攻撃する対物テロを「ゲリラ」、個人を標的とする対人テロを「テロ」と区分している」(同)
これでは、現在進行している施設を襲って市民を殺傷するパリ同時多発テロのようなテロは、どのように呼んだらよいのでしょうか。
今後、日本でもありえるのは、いままでのような施設と対人と分かれたテロではなく、施設もろとも市民を無差別に標的にする形態の残虐なテロです。
また「ゲリラ」には、語源がスペインにおけるナポレオン戦争の抵抗運動から生れたために、独裁者の圧政や外国軍隊の侵入に対して抵抗する「義人」といったニュアンスがあります。
一方「テロ」は、フランス革命のギロチン政治から誕生した血なまぐさい言葉です。
語源の意味はそのものズバリ、「恐怖政治」です。そこにいささかの肯定的ニュアンスのかけらもありません。
「テロ」ないしは「テロリズム」の定義を押えておきます。
「テロリズム(英: terrorism)とは、①事前に謀られ、政治的に動機付けられた暴力の行使を言う。
非戦闘員を標的として、右派、左派政党・活動家・民族・宗教グループ又は秘密工作員等様々な政治的意図を持つ者によって行われるもので、大衆に恐怖を与える意図のもとに行われる。
②恐怖又は不安の拡散により、政治目的の達成を狙い計画された組織グループによる暴力事件を言う」(テロリズム - Wikipediaa)
ただし、イリイチ・レーニンが、「赤色テロ」「白色テロ」と言うふうに、「良いテロ」と「悪いテロ」を区別してしまったために、おかしなことになりました。
※「1917年~22年のレーニンと赤色テロル」のデータと文献(上の3Dも同じ・左系のサイトですが、共産主義の暗部までよく調べています)
しかしそんなもんは、マルクスレーニン主義者(←懐古的響き)の、ご都合主義の産物にすぎません。
このML主義の影響の尻尾が残っているのが、日本の文化人です。
現在、世界各国で繰り広げられているのは、まさしく「テロ」であって、「ゲリラ」などではありません。
今さら言うまでもなく、いまや、いかなる意味でも現代においてテロを美化することはできないはずです。
一部日本文化人やマスコミの中の、「テロが起きることには道理がある」という造反有理的な思い込み肯定論が、ほのかに影響しているのが、この「ゲリラ」という用語ではないでしょうか。
いいかげん止めにしませんか、こんな自分の左翼幻想をテロリストにに投影するようなまねは。
今後、国際標準呼称で一括して「テロ」と呼ぶべき時期にきています。
パリ同時テロ事件以降も、「ゲリラ」という表現を平然と使い続ける神経を疑います。
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シリア難民をトロイの木馬にして、ISがテロリストをパリに送り込んだことが、ほぼ確実になったようです。
「フランス警察当局は22日、パリ同時テロの際に競技場で自爆した3人目の男の写真を公開した。AFP通信が捜査関係者の話として報じたところでは、男は10月3日にギリシャ南東レロス島で「モハンマド・マフモド」名義のシリア旅券を提示し、難民に紛れて欧州に侵入。仏当局は旅券が偽造だった疑いもあるとみて、身元につながる情報を求めている。 これまでの調べでは、競技場襲撃班は仏国籍のビラル・アドフィ容疑者(20)および他の2人の少なくとも3人で構成されていたことが分かっている。
2人目は「アフマド・モハンマド」名義のシリア旅券を所持し、3人目の男とともに10月3日にギリシャに入国していた。2人は10月8日にギリシャのピレウス港でフェリーに乗り、セルビアに向かったもようだ」
(時事 2015年11月23日)
上の記事に出てくギリシャ・ピレウス港は、ギリシャ最大の港で地中海クルーズの母港にもなっている所です。
このピレウス港が、今、シリア難民のヨーロッパへの玄関になっています。
テロリストは難民に紛れてここを難なく通過し、ヨーロッパに入っていき、そしてサンドニの球場で自爆したとみられています。
「カズヌーブ仏内相は、同時テロ首謀者とされるモロッコ系ベルギー人のアブデルハミド・アバウド容疑者(死亡)も、ギリシャを通過していた可能性があると指摘。これに対しギリシャ政府は20日、「現時点でその証拠はない」と否定している。
アムンジアス氏によれば、ギリシャの島に到達した難民希望者は、登録を済ませなければ本土へ渡る船の切符を買うことができない。だが実際には、暗躍する犯罪組織から偽造書類を入手してすり抜けることが可能。レスボス島では18日、偽造に関与した疑いで、パキスタン人を中心としたグループが摘発されている。
ギリシャのある警官は、難民申請の際は「自己申告に基づいて登録される」と指摘。「実際に通過するのが誰なのか、われわれは知らない」と明かした。
(AFP 2015年11月22日)
(写真 レロス島などのエーゲ海の島々からピレウス港に到着した難民を警戒するギリシャ警察官AFP)
今回の襲撃により、シリア難民を中心とする数十万人の難民の、ヨーロッパ受け入れは、絶望的な状況に立たされました。
既に、かねてから難民受け入れを拒否してきたポーランドなどの東欧諸国は、EUが割り当てた移住計画が実現不可能だと表明しています。
このような、巨大な難民の奔流を作り出したのは、シリア内戦です。
きっかけは、いつまでも治らないドイツの良い子ちゃん病が、またもや発揮され、「ドイツに来れば、移民として60万人受け入れる」と口走ってしまったからです。
※関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/post-94b4.html
これがシリア難民の史上空前の爆発的流入を起動してしまいました。
国外に出た難民が最も集中しているのは、シリアに隣接するトルコ(8月下旬現在194万人)、レバノン(9月末現在108万人)、ヨルダン(10月初め現在63万人)の3カ国です。
この3か国てシリア難民の90%を受け入れています。
特に、ヨルダンでは特定の難民キャンプより地域社会の中で受け入れるという方式に転換して、一定の成功をしていました。
その流れがいきなり、メルケルの呼びかけで、「ヨーロッパに来い。来れば移民として認めてやる」と煽られた結果、中東から押し出されるようにしてヨーロッパに向う100万人規模の難民移動を招いてしまいました。
では既にヨーロッパに入ってしまったシリア難民を追い返せるかといえば、限りなく無理です。
かくしてヨーロッパは、流入が止まらないシリア難民と、その中に紛れ込んだテロリストという二重の大問題を抱え込むことになりました。
■今日は眼の手術の当日です。さすがに鈍感な私も、なんか気持ちが集中できずに、はなはだ展開力のない記事になりました。
本来は今日アップした部分は単なる枕だったんですが、ダメダ~、根気が続かない(涙)。すいません。
明日は養生のために記事の更新はいたしませんが、写真くらいだそうかな。
たぶんあさってには、再開の予定です。
■前半テロ部分を大幅加筆し、タイトル名を変更しました。(11月25日)
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白内障の手術でしょうか?どうぞご自愛ください。
投稿: 一宮崎人 | 2015年11月24日 (火) 08時45分
今日手術なんですね、たまたま78歳の義父(妻の父)がリンパ腫で今日入院、抗がん剤治療を開始します。
日本の眼科の技術は世界でトップクラスですから安心出来ると思います。
ご本人としては不安がぬぐえませんね。
お大事に
投稿: 多摩っこ | 2015年11月24日 (火) 09時08分
モニタの光は目に負担がありますから、術後お大事に休まれて下さいね。
ドイツの大迷惑な良い子病発動。。。本人達は良い子ぶってるつもりでなく大真面目にというか、ああするのが当然だと思ってるんだなあと感じます。まず風呂敷を広げてから現実に合わせてたたみ出す手順は、例えば街のサッカーチームの運営や地域のコミュニティサークルでも同じで、ドイツ人同士だと畳み合い時に私達が思う程のがっかり感がないのかスムーズに事が縮小されてて不思議でした。
これを他国の難民受け入れに対してやったらどれだけ迷惑がかかるか、分からないんでしょうかね。
投稿: ふゆみ | 2015年11月24日 (火) 09時58分
手術の成功をお祈りしています。
目の手術というとレーシックしか経験がありません。
痛みはなかったものの恐怖感は相当なものでした。
お早い回復をお待ちしております。
投稿: おばさん社員 | 2015年11月24日 (火) 23時02分