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2015年12月23日 (水)

定義なきままにヘイトスピーチ規制始まる

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ハフィントンポスト(2015年12月22日)によれば、在特会の前代表が法務省から違法行為として違法行為としての注意を受けたそうです。

「法務省人権擁護局は12月22日、東京都小平市の朝鮮大学校前でヘイトスピーチを行ったとして、右派団体「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の桜井誠(本名:高田誠)前代表に対し、今後同様の行為を行わないよう文書で勧告した。違法なものと認識して反省するよう求めている。
桜井氏は2008年〜2011年にかけて3回にわたり、同大学校前で「朝鮮人を日本からたたき出せ」「殺してやるから出てこいよ」などと、繰り返し怒号を浴びせ、被害者側が東京法務局に申し立てていた。YouTubeに投稿されている当時の動画には、「朝鮮大学校を更地にしろ」「朝鮮人を東京湾に叩きこめ」などと叫ぶ様子が写っていた。
法務省がヘイトスピーチで勧告を行うのは
初めて。勧告は、「在日朝鮮人は犯罪者と決めつけ、憎悪、敵意をあおり、人間としての尊厳を傷つけるものだ」と指摘している。ただし、勧告には法的な強制力はなく、従わなかったとしても罰則はない」

なんか気分が悪いニュースです。モヤモヤします。なぜモヤモヤとするのか、考えてみましょう。 

あ、そうそう念のために先に言っておきますが、私はこの在特会の「デモ」は、ヘイトスピーチの範疇に入ってしまうと思います。

弁護の余地なく、彼らのこの行動は私の眼からみても、立派な人種差別主義者のそれです。 

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彼らが国旗や海軍旗を振り回すのを見ると、寒イボが出ます。お願いだから、こういうところで日章旗を使わんでほしいものです。 

振り回すなら、自分の部屋でやって、電球を壊すていどにしてほしいな。 

ですから私には、彼らの所業を弁護する気はさらさらありません。 

リーダー格のせと氏は「外国人犯罪者は出て行け」と言っていると反論(※)していますが、今は自主規制しているようですが、過去彼らのデモや演説などで「朝鮮人殺せ」といった表現が氾濫したことは多くの証拠があります。
※http://blog.livedoor.jp/the_radical_right/archives/53066994.html 

もちろん彼らは日本社会をまったく代表していませんし、飛び跳ねた希有な例にすぎません。 

その彼らが「勧告」という名の「摘発」第1号になったということは、非常にいや~な感じがします。 

というのは、これが官僚や法律において、後々、前例として踏襲され、拡大解釈される可能性が高いからです。 

つまり、在日朝鮮人・韓国人に対する人権侵害事例が、「ヘイトスピーチ」のすべてであるかのような拡大解釈が生れるでしょう。 

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というのは、「勧告」をした主体の法務省自身も、よく分からないままに「ヘイトスピーチ」を未定義で使用してしまっているからです。 

「ヘイトスピーチに焦点を当てた啓発活動」というパンフレットには、このようにあります。
※http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken04_00108.html

「法務省の人権擁護機関では,これまでの「外国人の人権」をテーマにした啓発(「外国人の人権を尊重しましょう」)に加え,下記の手法により,こうしたヘイトスピーチがあってはならないということを,御理解いただきやすい形で表した,より効果的な各種啓発・広報活動等に積極的に取り組んでいます」

う~ん、よく分かりませんね。 

そりゃ分かるはずがないのです。なぜなら、法務省は法秩序の擁護者として最初に、「ヘイトスピーチ」という概念自体をしっかりと定義していないからです。 

この定義があいまいなものを、いきなり現実に適用しようとするからおかしくなります。 

おそらく、この法務省「ヘイトスピーチ勧告」は今後も定義がなされないままに拡大解釈を重ねて、「外国人の人権を尊重する規制」一般として社会に定着することになるでしょう。

法務省は規制するならするで、どのようなことか規制対象になるのかを明らかに明示すべきでした。

今回の法務省のヘイトスピーチ規制の最大の問題点は、「人権」という立場によってどうにでもとれることを普遍化して、しかもそれを在日「外国人」の一部でしかない在日朝鮮人・韓国人を最初の保護対象としてしまったことです。

ヘイトスピーチ規制の対象となるのは、人種なのか、出自なのか、宗教なのか、あるいは粗暴な言動なのか、はたまた差別語なのかを、明確にするべきだったのです。

肝心なその部分があいまいになったまま「規制」だけ先行すると、ある特定の政治勢力にとって気に食わなかったら全部まとめて「規制」だということになりかねません。

今の段階ではただの罰則規定なき「勧告」にすぎませんが、今後、アンチヘイトスピーチ運動の有田芳生議員が主張するような、罰則つき規制法に発展していく可能性があります。

Photo_10(写真 有田議員のしばき隊とのワンショット。有田さん、これも立派なヘイトスピーチだよね)

となると、結局、2011年に民主党政権が作ろうとして失敗した「人権擁護法」(人権救済機関設置法)のリバイバルとなります。 

この民主党案は、人権委員の資格に国籍条項が欠落していたりして、外国人に日本国民の取り締まり権限を与えることが可能なものでした。 

また、「不当な差別的取扱い」も、今回の法務省「勧告」と同じく、いくらでも拡大解釈によってどうとでも解釈可能なものでした。 

ですから、国民が国益を主張する行為をしても、それは「差別助長行為」と認定されて処罰の対象となる危険性もあると、法律家から指摘されてきました。
※「人権侵害救済法案(新法案)の問題点」
百地章 日本大学教授 論文

http://hiranuma.org/files/zhinken_download05.pdf

たとえば、今回、法務省がヘイトスピーチの被害者として「認定」した朝鮮学校は、朝鮮総連によって経営され、北朝鮮の管理下にある学校です。 

これに対しての公的補助金に異議申し立てたり、あるいは朝鮮総連に対して「拉致被害者を返せ」とデモをしただけで、「人種差別的」として逮捕される可能性があるわけです。 

しかもその摘発に当たる人権擁護局の審問官が、朝鮮総連や部落解放同盟だったりする可能性もあるのですから、たまったもんじゃありません。

ちなみに共産党は、この法案に対して解同が関わっているとして強く反対しています。

このように「批判」と「ヘイトスピーチ」は、どこで区別するのか微妙な問題を多く含んでいます。

また、今回のような「摘発」がつづけば、事実上在日朝鮮人・韓国人のみが保護対象となり、他の多くの事例が不問に付されることになります。

たとえば、普天間基地や辺野古ゲート前で毎日行われている米兵や、周辺住民に対する反対運動と称する粗暴な言動は、まさに「ヘイトスピーチ」そのものです。

Photo_9

あるいは、諸外国のように、「地域の安寧を乱す」や「暴力的脅迫行為」などの基準も盛り込むべきです。

となると、このようなデモはどのように解釈したらいいのでしょうか。

Photo_11

このような共産党のデモのように、為政者の首をブルで引き潰したりすることは「ヘイトスピーチ」に当たらないのでしょうか。

ですから、このような言論の自由と抵触する可能性がある「法規制」は、一部のノイジーマイノリティの主張に偏ることなく、もっと議論を深めていく必要があるのです。

このような法務省の軽さがたまりません。

 

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コメント

ヘイトスピーチの定義はウィキでは
人種、宗教、性的指向、性別、思想、職業、障害などの要素に起因する憎悪(ヘイト)を表す表現行為とされる
となっています。言葉だけでなく落書きや看板、シンボルを燃やす行為も含まれます。
日本人やメディアがよく誤解しているのは、その定義の中に"少数派や弱者"であるか否かは含まれていないという事です。
安倍政権や米軍基地が力を持っているからあのデモはヘイトでない、とはならない訳です。管理人さんの言うように在特会もしばき隊も辺野古ゲート前のも等しくヘイト認定です。
知恵蔵にある
「人種や宗教、性別、性的指向など自ら能動的に変えることが不可能な、あるいは困難な特質を理由に、特定の個人や集団をおとしめ、暴力や差別をあおるような主張をすることが特徴」
という表記は具体的には、そのヘイトスピーチがヘイトクライムを呼びかけるものか否か、が喧嘩や悪口とヘイトスピーチの境界線だと私は理解しています。この部分を公でもっと話し合うべきですね。
正義だから言っていいんだとか少数派だから暴力的主張が許される、という概念とはヘイトスピーチヘイトクライムの問題は共存できないのだと思います。

事なかれ主義の官僚が、又やってくれましたね。事態を
放っておけなくなったので、大岡越前守ぶりを発揮した
つもりなんでしょう。立法行為がなされないまま、お上
が勝手に判断して行動した訳ですから。100%の安全が
保証されな~い!と、個人の意見で原発認めない判決
出したのに似てる。

私は、ヘイトスピーチは個人の自由なので、人様の直接
の迷惑にならない限り、管理人さんの言う通り自室で叫
んでいればモンダイは無いし、同好の志が彼等の集会で
親のカタキのような為政者のマネキン首を撥ねてもモン
ダイ無い、と思っています。好きにしたらいい。

が、人様のところへワザワザ出掛けて、面と向かって、
「お前はクズだ、バカだ、劣等人種だ」と大声で言うの
はヘイトスピーチなんたら以前の、恫喝や騒音やらの
法の違反であり、それで取り締まるべきです。中共じゃ
ないのだから、人治主義なぞもってのほかです。

ヘイトスピーチについては、立法機関がまず動かないと・・
司法は、それに基づいて機械的に法に照らし合わせる
だけです。法官僚組織風情になんの権限があるんだ?
と言いたいですわ。まあ、彼等は「アンタ達がロクな
先生を選ばないから、ワシらが僭越ながら仕方なく・・」
と言うんでしょうけど。

法務省が規定する「へイトスピーチ」は上記HNふゆみさんがいうような、一般的概念のヘイトスピーチなのか、あるいは国連人権理事会が定義するヘイトスピーチなのか、法務省のHPを見ても判然としません。

国連の勧告内容を掲載しているところをみると、国連定義を受け入れているようにも見えますが、このような人権行政の方向性を決定する微妙にして大きな問題を法務官僚が省として単独解釈すべきではない事は言うまでもありません。
また、公明党はともかく自民党内のコンセンサスは間違いなく得ていないはずです。
法務省発表の文言からだけみると「外国人一般の人権に配慮」となっており、対象の(国連的概念の)マイノリティー性は謳われていません。
定義曖昧のままヘイトスピーチとして桜井某に適用するのは質問者様同様に「少なくとも、あれはヘイトスピーチだった」という国民的了解を得られるだろう事を見越しているのでしょう。

しかし小生が不可解なのは、桜井某は既に報道等により多大の社会的制裁を受けていると考えられ、かつ日本ではめずらしい懲罰的な高額の損害賠償額の判決をも受けています。
朝鮮学校支援者から法務省へ告発が行なわれて今日まで、相当の時間が経ているのに、なぜ今なんだろう、という疑問はぬぐえません。
一昨日産経支社長の無罪判決があり、今日は韓国の憲法裁判所では「審議になじまない」旨の日本政府にとって好ましい判決がありました。
こういった事象と無関係には思えません。
雪解けムードは結構な事だし、桜井某には同情する気もありませんが、今回言葉の定義すら曖昧のまま、拙速に行政処分をした事は、必ずや後日の憂いになるでしょう。
一体、何度同じ事を繰り返せばいいのやら。

HNふゆみさん、HN山路さん。どうやら、国連人権委のほうの「外国人に対する排外主義」のほうみたいですね。
官僚は、国連などから何か外圧を食うと、すぐにこういう短慮・短絡をするから困ります。
おそらく、次には有田センセなどが、「罰則つき法律化」を要求して通れば、事実上の「人権擁護法」の外枠はできたことになります。

HNアホンダラさん。まったくおっしゃとおり。他人の家の前で言うなよ、常識だろ、というレベルです。
こういう誰も弁解できない馬鹿者たちの事例を、突破口にするのが、これまたイヤダ。

本当に胸の悪くなる突破口の選び方と曖昧さです。
そもそも「外国人」というフレーズ自体をどう法務省がくくって使っているのかも気持ち悪い。
国籍なのか人種なのか民族なのか。朝鮮大学に通う帰化人もいるはずで彼らは法律上日本人です。在特会は帰化人もまとめてヘイトしていますが法務省は在籍する外国籍者だけの分をとりあげていることになってしまいます。
人権擁護部門が自国民の帰化人が子供の頃からうけている有形無形の無意識な差別発言への取り組みが足りないまま特定の国籍者を優遇するならば、日本で育ち、日本を愛する帰化2世3世の中の常識的な層の反感を買うでしょう。彼らはずっと「日本語上手ですねーすごいですねー」と言われながら育ち菊のマークのパスポートを持っていて日本を好きでいたいと大多数が思っていますし中韓系よりもずっとヘイトスピーチに敏感です。

今回のようなもやもやした動きに気付いた者が順に問題提起するのは個人的にとても大事だと思っているので、長々細かいことをかいてしまいすみません。有田氏周辺の動きは要注視です…。

ちょっと遅くなりましたが、ちょうどこの記事が出た日の夕方に「朝鮮大学校」からのJリーグ選手獲得発表がありまして…「外国人枠」についてそちらのスレッドで揉めてたので。

Jリーグ規約で外国人はチームに原則3人まで。
さらにAFC加盟国からならば「アジア枠」として1人追加できる。
現在ブラジル人3人、韓国人1人で埋まっていたはず。

この辺までは理解していたのですが、
さらに「在日枠」というものがありまして、『日本生まれで日本の義務教育を修了している』という条件を満たしていれば、外国籍(南北朝鮮とは限らない)選手をもう1人追加できる。
というわけで、在日枠ということでした。
仙台のリャン・ヨンギや清水のチョン・テセと同じ扱いです。


と、こんなことを書いて何が言いたいのかというと、
『とにかく定義付けはしっかり決めて明文化しておくこと』が大切だと思った次第。
何に対してのどんな行為が「ヘイト」に当たるのか?プロである法務省がうやむやにしてはいけません。やはり役人のやっつけ仕事感がハンパないですね。

大相撲で日本出身力士に対してがんばれと応援することをヘイトスピーチだといってる人がいました。恐れていたことが起き始めてしまいました。

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