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2015年12月18日 (金)

中国大気汚染黙示録 その4 越境汚染

014

越境してくる中国からのPM2.5は、地球の自転が逆にならない限り、防ぐ術はないから困ります。川下国民の哀しさです。

川上でどんちゃん騒ぎをして、その祭のあとのゴミや汚物が流れてくる水を飲み、空気を吸って暮らすのが、私たちです。

おまけに他人様の敷地にまで車を乗り入れて、オレのもんだといってくる。なんともかとも迷惑この上ない・・・。

今回の大気汚染の影響は既にでています。直ちに影響がでるのは、沖縄、奄美、北九州、山陰、北陸地方などです。

下の写真は、沖縄県那覇首里崎山町の情景16日の情景です。うっすらとかすんでいるのがPM2.5です。

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(写真 環境基準値を超えるPM2・5が観測され、もやがかかったようにかすむ那覇市内=16日午前9時50分ごろ、那覇市首里崎山町から県庁方面をのぞむ。沖タイ2015年12月16日)

沖縄県では、既に日本の基準値35マイクロ/㎡を上回っています。

●沖縄県大気汚染常時監視テレメーターシステム・12月16日午後9時~10時
・沖縄市・・・37
・宮古市・・・36
・石垣市・・・39

同日の中国からの拡散状況をリアルタイムマップで見てみましょう。
※http://pm25.jp/
Photo_6

沖縄県から奄美にかけて「影響が多い」に分類されているのが分かります。

次に詳細な日時は明らかになっていませんが、NASAの気象衛星が撮影した写真です。

大陸から沖縄方向に向けて、汚染された大気が流れているのが分かります。シミュレーションマップではなく、実際のものを見るとなんとも言えぬ不愉快な気分になります。

Photo_2

次に、環境省の注意喚起のための暫定的な指針の判断方法の改善について(第2次)[500KB]によれば、現在の沖縄県の観測値は基準値35を少し上回った程度なので、特別な制約がかかる状況ではありませんので、ご安心下さい。

ただし、専門家は外出時のマスク着用や、屋外での激しい運動を控えるように呼びかけています。

マスクは、N95と書いてあるもののほうが有効です。

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ちなみに、中国の基準値は75超で、日本ではレベルⅡに相当し、屋外活動に制限がかかる状況ですが、そこが中国の基準値のボトムです。 

まぁ、200、300ていどであたり前、500、600がザラの国ですから、75程度だと「おお、なんてキレイな空気」と思うんでしょうかね。 

ちなみに、訪日中国人旅行者が、東京に来ていちばんタマゲルのは、「首都で深呼吸できるなんて・・・!」ということのようです。 

ハフィントンポスト(2015年08月18日)にはこう報じています。 

「中国の人口約14億人の3分の1以上が、定期的に「健康を害する」大気で呼吸している。新しい研究によると、中国では大気汚染で毎日約4400人が死んでいる。
カリフォルニアを拠点とする気候調査団体「
バークレイ・アース」によると、中国では毎年約160万人死んでいると推定した。死因は地方の大気汚染による健康被害だ。
研究によれば、中国の人口のうち3分の1以上の人が、日常的にアメリカの基準で「健康を害する」と考えられる大気の環境で呼吸しているという。
『これは大きな数値です』と研究グループのリーダー、ロバート・ローデ氏はAP通信の取材に答えた。『ちょっと理解しがたい数字ですね』」

まさにこの研究者の言うように「理解しがたい数値」です。 

グリーンピースが4月に報告したデータによれば、2015年第1四半期で中国が定める環境大気質基準に達した都市は360都市、全国土の10%だけだったといいます。 

またWHOは2014年に、年間700万人が大気汚染にさらされて死んでいると報告しています。 

さて去年5月、米国やスペイン、日本が参加する国際研究チームは、日本の代表的な呼吸器病である川崎病が、中国との関係があると『米国科学アカデミー紀要』に発表しました。 

日本で研究に当たった自治医科大学公衆衛生学教室・中村好一教授らの研究チームは、1970~2010年の日本の川崎病調査のデータにおける、発症日と気流との関係を調べた結果、過去3回の流行期では、中国北東部からの風が強く吹き込んでいたことがわかりました。

「日本で川崎病が大流行した1979年以降、発症者が多かった日の気流を調べたところ、いずれも中国北東部の穀倉地帯付近から流れだしてきたと推測されたという。風の到達から6時間から2.5日以内に発症者がでていたことも判明した。」(産経2014年10月11日)

Photo_3

《川崎病全国調査からみた川崎病疫学の特徴とその変遷》より)

この流行期の風が運んで きた微粒子を分析したところ、マウスの実験で川崎病との関連が指摘されているカビの一種のカンジダ菌などが含まれていました。

上図の川崎病罹患推移グラフを見ると全国規模の川崎病のピークが3回出ています。1979年、1982年、1986年です。

そこで同年に中国でなにがあったのかを調べてみましょう。いずれも、このカンジタ菌を含む風の震源地である中国穀倉地帯に大きな変化が現れた年です。

●中国農業の変化
・1979年・・・中国政府生産刺激策、農産物買付価格を18年ぶりに大幅に引き上げ
・1982年・・・1月より個別農家への請負制を認める。集団営農だった人民公社制度急速に解体される
・1986年・・・生産の自由化。農産物と副産物の統一買付けと割当買付け制度廃止

このような、中国農業の自由化⇒生産量飛躍的増加の節目節目に、日本の川崎病の全国的ピークが合致することが分かりました。

この後、このような顕著なピークはなくなった代わりに、ご覧のように右肩上がりで小児人口10万人当たり罹患率は上がって行く一方で、1982年のピーク時を凌いで、まだ上がり続けています。

というのは、中国共産党は2004年から2008年にかけて、再び農業刺激策を毎年打ち出すようになったためだと考えられます。

中国環境科学研究院のGao Jixi生態学研究所長はこう述べています。
China's agriculture causing environmental deterioration,xinhua
.net,7.5

「化学肥料と農薬の大量使用は厳しい土壌・水・大気汚染をもたらしてきた。中国農民は毎年、4124万トンの化学肥料を使っており、これは農地1ha当たりでは400kgになる。これは先進国の1ha当たり225kgという安全限界をはるかに上回る。
中国で大量に使われる化学肥料である窒素肥料は、40%が有効に利用されているにすぎない。ほとんど半分が作物に吸収される前に蒸発するか、流れ出し、水・土壌・大気汚染を引き起こしている。」
(2006年7月5日新華報英語版)

化学肥料は土を豊かにしません。単に作物に成長栄養を与えるだけです。

むしろ過剰な窒素は、作物をひ弱にし、植物が利用しきれなかった窒素は硝酸態窒素として、土壌に沈下し、そして水系に流れ込みます。

1985年から2000年の間に、1億4100万トン、1年当たりにして900万トンの窒素肥料が流出し、土壌や水系を汚染しました。

病虫害を抑え、見てくれをよくして商品価値を高める化学肥料を過剰に使用すれば、作物を化学汚染させていくばかりか、天敵生物を滅亡に追い込み生態系を破壊し、畑の外にまで汚染を拡げます。

Dscn0051

また中国の農薬使用量は年間120万トンにのぼり、年々増加する一方です。

これは、日本も経験したことですが、害虫には農薬に対して耐性を持つようになるからです。

仮に100匹の害虫がいたとして、それに農薬散布して、仮に百回に一度農薬耐性を持つ個体が発生した場合、以後農薬の効果は急速に衰えていき、やがてまるで効かなくなります。

農薬耐性を持つ害虫は繁殖力も強いからです。人間は毎年より濃度を上げた農薬を散布するしかなくなり、その無限地獄が始まります。

現在の中国は、農業外からの工場排水に冒される前に、内在的に大きな問題を抱えていたのです。それは化学肥料と化学農薬の過剰投入という問題です。

結果、中国の湖沼の75%、地下水の50%が汚染されています。その原因の一部に農業であることは疑い得ないでしょう。

そして、今や、中国農業は、越境する大気汚染の原因にまでなってしまったようです。

※関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2013/05/post-f114.html

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コメント

「川崎病は、全身の血管の炎症の病気で、ウイルスが関わっているかもしれないが原因は不明。早期治療しないと心臓血管に異常が残り心臓病の原因になりえる。川崎ぜんそくなどの公害病とは無関係」というふうに、子供が罹患したときに医者から説明を受けました。
川崎病は川崎のかつての大気汚染とは無関係、勘違いしないようにと強調されてきましたけど、実は公害と関係あるのかもしれないですね? しかし大気汚染、農薬、カンジダの関係って何なんでしょうか。
中国原因説が広まったら、日本のママたちの中国のイメージをすごく変えることでしょう。すでに印象悪いにしても、日本政府から中国への働きかけを世論がずっと強く望むようになるんじゃないでしょうか。
でも何も変わらないかもしれませんけど。

川崎病は治癒後も不安が拭えず原因も不明ならばどうしていいのか先が見えないと友人が言っていました。もう一歩特定出来れば予防の道も開けてくるのか、期待したいです。
リアルタイムマップを見ると、中国の後を追うようにインドもほぼ全土を黄色く染めています。人口も12億を超えて工業地帯は大変な事になっているようです。が、民主国家ならば何かしら論理的な改善策を採用できる希望があるのだと思えます。共産党独裁、、、これから群雄割拠されてもまた困るのですが。
私達に出来るのは買わない食べないなるべくマスク、位からでしょうか。週末は空気清浄機を買う予定です。

中国の一般人民は、歴史上からも虫けら同然であり続
けています。「民」の語源も目をツブした奴隷の意ら
しいし、元々から民はどうでもよい存在なのです。

昔の武蔵野は、放牧しておけば人手も不要で、家畜や
馬が自然に増えたそうです。マルボロのCMのように、
昔のテキサスでは、放牧しておけば人手も無しで、牛
が勝手に増えていたそうです。

中原では、勝手に人が増えたので、人の価値が需給の
関係で極端に低かったのだと思います。一人っ子政策
を実施したつい最近まで、人口は爆発していました。

砂漠の民が、一神教をもって「産めよ、増やせよ、地
に満ちよ」と人口を増やしたのに比べると、中原は恵
まれていて、神の意など無くとも良かったのです。が、
その代わり、神の恩寵である神の前での平等は与えら
れずに、儒教でもって宦官が支配する事大主義の社会
が、中国四千年の歴史になってしまいました・・

日本は幸い、朝鮮と違い、中途半端に中国の影響を受
けた為に、仁徳天皇の例を始め厩戸皇子の唱えた「和」
などの観念があり、爺婆を山へ捨てたり嬰児を間引き
したりしても「後ろめたさ」感がつきまとっていたのでした。
ああー、良かったねぇ。

そんな、自国民を虫けら同然に扱う中国共産党王朝です
から、日本国民が中共王朝の公害で困ろうが、知ったこ
っちゃない事なのは自明です。敵の敵とすみやかにスク
ラムを組んで、力で対抗するしかありません。中共相手
に「和」など通用しないのは、サヨクに合理性を求めて
も理解できないのと同じです。

>川崎病
簡単に言うと、「異常な免疫反応によって自分の身体の組織を攻撃してしまった」というものです。
異物が体内に侵入した時に殆どの場合、免疫反応という異物を攻撃する機構が働きます。
その異物にくっついて無効化する抗体を作るのですが、たまたま似た分子構造を持つ体組織も一緒に攻撃して炎症を起こしてしまうのです。
その結果、(大した害の無い)異物そのものの害よりも大きな症状を呈してしまいます。

例えとして適切か分かりませんが、テロ組織掃討戦で一般市民も巻き込んでしまった、というと分かりやすいでしょうか。
当然、未経験の異物に多く晒されるほど発症のリスクは増します。

標的臓器の違いはあれど、その手の病気は意外と多いです。
川崎病の標的は血管です。
他、アナフィラキシーショック(血管・気管支等)、リウマチ(関節)、ウイルス性肝炎(肝臓)、潰瘍性大腸炎(大腸)、1型糖尿病(膵臓)他、たくさんあります。

原因が大方判明し、治療法も確立してきた現在、病気さえ分かれば対策は容易ですが、診断が遅れたり、後遺症(川崎病では特に冠動脈瘤、将来の突然死の原因になる)が残るなどの問題の解決は難しいです。

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