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「中国ルール」を許すCOP21で、なにも決まるはずがない

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時もあろうに、COP21の真っ最中に、北京がまた「核の冬」状況になってしまったようです。
※北京のリアルタイム大気汚染情報はこちらからhttp://aqicn.org/city/beijing/jp/

「【北京時事】中国・北京市政府は7日午後、深刻な大気汚染が続くと予想される際に出す4段階の警報のうち、最高レベルの「赤色警報」を発令した。8日朝から10日昼まで交通規制の強化で車両の通行量を半減させるなど緊急対策措置を実施する。北京市で赤色警報の発令は初めて。
 北京市政府は2013年10月、深刻な汚染が続く予測日数に応じて「青色」「黄色」「オレンジ色」「赤色」の4段階に分け、72時間以上続くと予想される際、赤色警報を発令すると定めた。車のナンバープレート末尾が奇数か偶数かによって1日置きに通行禁止にするほか、工事現場の作業も停止させる。小中学校や幼稚園に対して休校・休園などを求める。
 北京市では7日夜、微小粒子状物質PM2.5の濃度は1立方メートル当たり270マイクログラムを超え、深刻な汚染となっている。7日午前0時に発令した「オレンジ色警報」を7日午後6時半(日本時間同7時半)に赤色警報に引き上げた」(時事2015年11月7日)
 

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これについて中国のCOP21代表団は、こう述べています。 

「【パリ時事】パリ郊外で開催中の国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で、中国政府代表団の蘇偉副団長が5日、時事通信などの取材に応じた。2020年以降の地球温暖化対策の新たな国際枠組みに関し、途上国グループに所属する立場から「歴史的責任に基づき、(各国が取り組む対策に)差をつけることが必要だ」と強調。過去に温室効果ガスを大量に排出してきた先進国が、より重い責任を負うべきだと改めて主張した。
 気候変動枠組み条約には、先進国の責任をより重くみる「共通だが差異ある責任」原則が明記されている。
これについて、蘇氏は「根本的な原則だ」と指摘。温室ガス削減や資金支援といった新枠組みの重要な論点で、この原則を反映させる必要があるとの認識を示した」(時事2015年12月5日 太字引用者)
 

わ、はは!いつもながら、中国は痛快なまでの悪い冗談をかましています。

中国が世界最大の大気汚染国、すなわちCO2にとどまらず、ありとあらゆる公害物質の排出国であることは明白です。

「温暖化の最大の原因とされている二酸化炭素(CO2)排出量は世界全体で2012年は317億トンだった。最も多い中国が26%、2位アメリカ16%、3位インド6・2%だ。この3か国がダントツに多く、京都議定書にもとづき削減が義務づけたれていたEU(15か国)8・9%、ロシア5・2%、日本3・9%、その他4・6%となっている」(J-CAST2015年11月27日)

しかし中国はCOP21を前にして、もうひとつの排出大国米国と個別に交渉を進めて「合意」してしまいます。

「昨年11月には、世界1、2位の経済大国である米国と中国が、新たな目標で合意した。オバマ米大統領と習近平国家主席が首脳会談を行い、米国は「2025年までに2005年比で26~28%削減」。中国は「2030年ごろまでに排出量がピークを迎えるようにし、その後は排出量を減少させる」という内容であった。現時点におけるCO2排出量は米中2か国で世界の4割を占める「排出量大国」であり、両国の目標は大いに注目を集めたが、他の諸国からは「不十分ではないか」との指摘が浮上していた」(日本エネルギー会議3月2日)
※http://enercon.jp/topics/8615/?list=focal

常日頃は世界第2位の経済大国を鼓吹し、南シナ海で覇を唱え、途上国に金と武器をバラ撒き、米国と太平洋を2分割しようという「超大国」中国が、こと環境問題となるといきなり、「オレはいたいけな発展途上国だかんね。悪いのは全部先進国だかんね。日米欧は、金、出せや」、というわけです。 

見事なまでのダブスタぶりで、ある時は世界を二分割する超大国、ある時は可哀相な発展途上国ときたもんだ、です。

まぁこんな空母艦隊など作る金ほど金がダブついているなら、国民の健康と環境に金を出しなさい。

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さて下の衛星写真は、2013年冬にNASAが撮ったものですが、画面中央右の白いスモッグ帯に小さな白字でBeijingとあるのが北京です。スモッグの海底に完全に沈んでいるのが分かります。 

これは金星の地表の衛星写真だと言われても、信じちゃいそうです。 

中国国民にとっては、もはや温暖化うんぬんという50年、100年先の話ではなく、ただ今現在をどう生き抜くのかという類の話になっています。 

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「世界保健機関(WHO)が2014年に発表した報告書では、世界中の大気汚染に関連する死者は年間約700万人。そのうち約23%を中国が占めている計算になる。
 研究チームによると、13億人を超える中国の人口の38%が、米環境保護局(EPA)の基準で「不健康」とされる大気レベルの地域に居住している。状況が最も深刻なのは北京の南西部という。頻繁に基準値を大幅に超える汚染が報告される河北省石家荘市などが該当するとみられる」(産経2015年.8月.14日)

この大気汚染は、昨日今日に始まったものではなく、2013年ころから隠しきれないものとなっていました。

「環境省によると、10日夜から北京市を中心に中国東部で大気汚染が発生、14日まで主要都市で汚染が確認された。同市内の濃度は多い時には大気1立方メートルあたり約500マイクロ・グラムで日本国内の基準(1日平均35マイクロ・グラム以下)の十数倍にあたる。」(読売新聞2013年1月30日)  

この分厚い雲の下はこうなっています。 

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 この写真は2013年冬の真昼に撮影されたものです。もう一回繰り返しますが、夕暮れではなく昼間です。 

撮影した共同の特派員は、10数メートル先も見えないと書いています。 

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この分厚いスモッグが晴れるのは、オリンピックと、抗日70周年なんじゃら軍事パレードの時だけです。北京周辺の工場を止めたり、車の乗り入れ規制をするからです。

私も何回か中国に行きましたが、北京に入るとまず気づかされるのは、空気の妙な匂いです。  

コークスを焼く匂いに、排気ガスを加えたような臭いとでもいうのでしょうか。これが大気汚染の主原因である硫酸塩エアロゾルです。 

エアロゾルとは大気中浮遊物質のことで、工場や自動車などから排出される二酸化硫黄が、大気中で化合・吸着した微小粉塵(エアロゾル)のことです。 

粒子の大きさはPM2.5ですから、粒径25μm以下という超微細なものです。 

おお、放射能問題の時にさんざん登場したμ(マイクロ)という単位が出ました。これは100万分の1を表す単位のことです。 

この硫酸塩エアロゾルは、普通の風邪引きマスクていどは簡単に透過して、気管支、肺にまで達しあらゆる気管支系の病気の原因となります。

「専門家によると、霧には多くの有害物質のほか病原菌も付着。気管支炎やのどの炎症、結膜炎などのほか、お年寄りや疾患を抱えた人だと高血圧や脳疾患を誘発する危険があると指摘した。」(ロイター)

マスクでブロックする気なら、N95仕様のマスクが必要です。 

Photo_3この有害ガスの「濃霧」は、北は長春、瀋陽、珠江デルタ、東は済南、西は西安まで、中国の広域に広がっています。  

この汚染地域は、中国の7分の1に相当する130万平方キロ日本の3倍という途方もない面積に達します。大げさな表現ではなく、まさに空前絶後の汚染規模だと言えます。  

この中国からの硫酸塩エアロゾルは、日本に偏西風で到達しています。 

これは国立環境研究所の環境展望台というサイトで、簡単に見ることができます。
※http://www-gis5.nies.go.jp/eastasia/ConcentrationMap1.php 

最新の2015年12月7日の分布図です。 

Photo_6
この中国からの硫酸塩エアロゾルの到達は、既に10月頃から観測されています。 

下の分布図は10月4日のものですが、沖縄、九州、四国、東北を除く本州のほぼ全域が入っています。 

このセシウムなどよりはるかに危険な硫酸塩エアロゾルは、沖縄まで包んでいますから、自主避難者の皆さん、今度は北海道に逃げなくてよろしいのでしょうか。

Photo_8
もう一枚、濃度の予測分布図も掲載しておきましょう。同じく国立環境研究所です。
※http://www-cfors.nies.go.jp/~cfors/index-j.htmlPhoto_9
私はCOP21などで何も決まらないと思います。

その理由は簡単です。世界最大のCO2排出国、公害のデパートのような国を、国際社会が何ひとつ規制できないからです。

他のほんとうの途上国が、この「中国ルール」を手本とするのは言うまでもないことです。

かくて、こんな会議では何ひとつ決まりません。

そしてかの国が、内部から変わっていく可能性が限りなくゼロな以上、手つかずのまま「核の冬」が続き、世界は中国の汚染物質によって金星化していくのでしょうか。

※改題しました。どーしてオレって、こう改題か好きなんだろう。反省しています。

 

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コメント

「地球温暖化対策というのは排出権取引で儲けるためにやっているので、べつに環境の事を思っている賢人がやっているわけではない」というのが民主党政権が原発を推進して25%削減とぶちあげて大うけして以来のかんそうです。

投稿: 仙 | 2015年12月 8日 (火) 12時52分

私は、中共がチョットやソコラでは崩壊しそうに
ない、と思っています。北朝鮮も同じ理由で崩壊
しそうにない。

共産主義は「神」を否定した思想ですが、旧東欧共
産諸国などキリスト教圏では、神を否定しても歴史
の繋がりから人々の心の中には常に「一神教」的な
思考プラットフォームがあって、共産思想より上位
なので「共産主義なんてクソじゃん、や~めた」と
いう転換が効くのです。

中国の影響圏では、儒教的というか宦官的というか
元々現世における悪い意味の人治による世俗思考が
あって、「賢き者が問答無用にバカを治めてナニも
悪い事はない、モンクあっか?あるなら殺すよ」と
いう思考プラットフォームです。共産思想と親和性が
非常に高くて「中国四千年の歴史はオール共産主義
だわさ」とうそぶいても、人々は「あ~そうですか、
ありがとさん」と言うだけです。

私より、東アジアの共産国は長生きすると思うと、
まだまだ死ぬまで散々な報道を聞くハメになりそう
ですわ。PM2.5も飛んで来てるし。

投稿: アホンダラ | 2015年12月 8日 (火) 14時51分

HN山路敬介(宮古)様。ご相談したいことがあります。
あくまでもよろしければのお願いですが、プロフィールのメールから、私に直接コンタクトをお願いします。よろしくどうぞ。

投稿: 管理人 | 2015年12月 8日 (火) 15時05分

今もですが、秋には花粉症の症状が出ていました。みんなPM2.5ですね。
燃料が安くなって遠慮無く燃やしているのでしょう。

日本が中国に100億円の援助なんて、何の役にも立ちませんね。
「中国の」環境団体を援助した方が効果がありそうでs。

投稿: プー | 2015年12月 8日 (火) 19時19分

PM2.5ですが:

1時期の平均値では次のようなデータもありました。
北京 77μg/m3
ロンドン 79μg/m3
ベルリン 81μg/m3
パリ 147μg/m3

ヨーロッパの大気汚染もかなり深刻ですし、
実際にパリに行くと、さもありなんという感じがします。
ディーゼルエンジンの普及率も関係しているのでしょうか。

北京は上記の数字の3倍にいま、なっているようですが。

投稿: ヒデミ | 2015年12月 9日 (水) 08時01分

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