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こういう時代だからこそ、空気に流されず、常識家でいましょう

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HNumigarsuさん。もっとも悪いコースは、民族対決になることですね。 

沖縄県民がまるで国内にいる「異民族」であるかのような言い方をして、翁長氏は当選してしました。いわゆる「オール沖縄」です。 

沖縄県民各層からくまなく票をまとめるには、本土に対する「憎悪」が力を持つと、翁長氏は考えたのでしょう。 

「憎悪と怨念」は、確かに強力に人々をまとめる力があります。なにか目の前の矛盾が、すべて憎悪の対象である本土政府にあると考えれば、スッキリします。 

「敵はあいつだ。だから殺せ!」という政治の論理です。

今回の裁判の陳述で、翁長氏はなんと海保を「銃剣とブル」の現代版だと言いました。 

海保の警備艇にシーシェパードよろしく激突して、あえて沈んでみせて溺れたと叫び、救助しようとすれば、わざわざしがみついて海保の救助員たちを道連れにしようとします。 

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 それを反対派が用意したマスコミ用ボートに乗っているメディアが、待ってましたとばかりに一面トップで、「海保が暴行!」と書き立てます。 

沈んだ活動家が救難隊員にしがみつくために、要救助者を一回海に沈めて、手をほどくのが救助手順ですが、その部分だけをとって、「海保が抗議団を沈めて殺そうとした」と報じるわけです。  

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上の写真についた、地元紙の記事がこうです。  「海上デモを行なう市民のカヌーに海保のボートが体当たりし、カヌーを転覆させ、海保職員が海に落ちた市民の首や顔を押さえつけ繰り返し海中に沈めた」(琉球新報2014年8月27日)

常識で考えて下さい。ここで「首を締めている」と言われているのは、映画『海猿』で名高い潜水員ですよ。
 

世界でもっとも優秀だと謳われる、人命救助のプロ中のプロです。彼らが、要救助者の首をどうして締めねばならないのですか。 

さきほどの写真もよく見れば、「海猿」の手は要救助者のライフジャケットのエリを掴んで、引き上げて救助しようとしているのです。 

事故を誘発するような違法な立入禁止区域に突入しようとする危険行為を働きながら、救助されれば、感謝するどころか、「オレは海保に首を締められた」というのですから、精神を病んでいるとしかいいようがありまけん。 

 こういう報道は、歪曲報道といって報道の名に値しません。 

報道の客観性を初めから投げ捨てて、ことあれかしと考える反対派の立場に立って、誇張して報じているのです。 

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 上の絵は、社会学でメディアのバイアスを説明したものです。これらの沖縄メディアの事例は、まさにこの図式のとおり意図的部分の誇張・拡大・歪曲による印象報道です。 

新聞が主張を持つことは必要ですが、その立場からあらかじめ歪曲して報道してはならない、というのが朝日新聞歴史的大誤報事件の教訓だったはずです。

しかしいまだ、沖縄のメディアはこういう歪曲報道こそが「主張を持つこと」だ、と勘違いしているようです。  

こういう言論空間しか存在しないのが沖縄県だというのは、残念ながら事実です。 

さて、こういう言論風土の中で、「オール沖縄」を叫んで当選したのが翁長氏でした。 

なんて心地よい言葉でしょう、「オール沖縄」。シマンチューはひとつ、シマンチューは団結する! 

郷土愛ほど、無条件に人の心を踊らせるものはありません。ただし、これは高校野球か、ケンミンショーていどにしてほしいものです。 

その「心地よさ」は、敵がすっきりしているから生れているのです。そしてその「敵」とは、本土政府、そしてさらにはそれを選んだ本土人たちです。 

翁長氏は、本来「敵」でもないものを敵に見立てることで、沖縄人のナショナリズムをくすぐり、その力で強引に接着しようとしています。 

翁長氏はとうとう、いままでの革新知事すらも成し得なかった禁断の領域に手をつけたのです。 

いままでの左翼陣営は、とりあえずまだ国内の保革の枠組みの内部にいました。 

ですが、「少数民族」、あるいは「沖縄差別」などと言い始めたら、その枠外、つまり民族対決に一歩足を踏み入れたことになります。

「沖縄差別」は、具体的県民に対する差別があったわけでもないのに、基地問題だけでそう言っているわけです。

県ブランドで4位の県が差別の対象なわけないでしょうに。(←どうせ茨城は3年連続最下位ですよ)

今、ヨーロッパを見てご覧なさい。EUが何で苦悶しているのでしょうか。 

国内に抱え込んだ大量の移民、つまり異民族社会が、テロリストの温床となり、今回のパリ同時テロのような事件を引き起したのも一面の事実なのです。ただし、それだけではないので念のため。 

政治というのは一種の力学のようなものです。 

ひとつのモーメントが極端に振れれば、そのモーメントを打ち消し中和するために逆のモーメントが発生します。

今のEUは、移民受け入れというモーメントから、パリ同時テロを経て真逆なモーメントが働こうとしています。

それが、EUすべての国で爆発寸前の移民反対の動きです。

現実に、次回のフランスの選挙では、移民阻止を掲げる国民戦線(FN)が大きな飛躍をすると思われています。

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上の写真はフランス国民戦線のデモですが、美人の党首に率いられて若い人たちに強い支持を得つつあります。

脱線しますが、国民戦線は日本では「極右」という言葉で一括りにされていますが、いまやフランスの第三勢力ですから、ネトウヨ扱いは正確ではありません。

彼らの政策で注目すべきは、「フランスの文化を尊重し、保護する移民は拒まない」という点です。

移民は全部帰れではなく、「移民二世・三世でも、犯罪を行った場合は出身国へ強制送還させる」という政策です。

嫌韓に凝り固まっている在特会とはえらい違いです。フランス国民戦線は、党内から在特会的な暴力的志向が強い連中を叩き出したために発展したのです。

それはさておき、話を戻します。

今やこういう、世界中が民族対立でピリピリしている時代だという認識が、翁長氏たちになさすぎます。

こんなデリケートな民族問題に安易に火を着けて回る、翁長氏や地元2紙には許し難いものを感じます。

そして、ヨーロッパと同じように、日本においてもその反対の方向のモーメントも生れました。

残念ですが、このような沖縄ナショナリズムvs本土ナショナリズムの流れはいっそう強くなるでしょう。 

このような沖縄ナショナリズムの高揚の中で、安易に「独立」を囃し立てる者が大量に生れました。

仲井真氏が述懐するように、「ちょっと前までは、そんなものは居酒屋政談だった」のです。

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ところが今や、現職知事が国連人権委に行ってこともあろうに、「少数民族の民族自決権」を唱えてくるようになってしまいました。

直ちに我那覇さんが、「私たち沖縄県民は日本人であって少数民族ではない。差別などされていない」と反論したのはグッドジョブでした。
※関連記事 http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2015/09/post-d7ca.html

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国際社会では「民族自決権」とは、「わが地域は本国から独立する」という言い換えとして理解されている概念なのですよ。

こういう危険なみずからの手も傷つけかねない台詞を、外国に行って、その覚悟も度胸もないくせに、言ってくるというのがたまらなくキライです。

もちろん、独立など空論です。経済基盤の脆弱な沖縄県が「民族独立」できるはずもないし、したとしても1国2制度の罠にかかって、20数年先には香港のようになっていることでしょう。 

ああ、いかん、気が滅入ってきたぞ(笑)。

こういう時代だからこそ、空気に流されず、常識家でいましょう。常識を持つということは、けっこう大変なことなのです。

若いときは、「角度がついた」意見のほうがカッコよく見えるし、第一深く考える必要も、資料を集める必要もないし、相手の立場などこれっぽっちも理解する必要がないので実にラクチンです。

ネットには左右のそんな意見が溢れています。

なんだそんなことかと思わないで、立ち止まって下さい。今、その「常識」が通用しなくなりかかっているのが、沖縄の一部の空気なのですよ。

解決が複雑で絶望的ならば、ひとつひとつ問題をほぐして、落ち着いて個別に解決に近づくしかないのではありませんか。

味噌もクソも一緒にして、「全部本土政府が悪い」、逆に「全部沖縄の左翼が悪い」といってもなんの解決にもなりません。 

ひとつひとつ問題を仕分けして、個別に考えていくことです。

たとえば、基地だったら基地で、一括して「すべての基地撤去」ではなく、具体的に今なにが基地縮小のネックになっているか、どうしたらいいのかを具体的に調べることです。

移転問題でも、なんでこんなにもつれたのかを知り、その解決がなにかを具体的に考えることです。

特効薬はありません。私たちがいくら「常識」で検討してみよう、といっても聞く耳すら持たないのが多くの反対派だからです。いたしかたがないことです。

あの人たちもここまでこじらせてしまっては、簡単に後戻りは難しいのでしょうし、政府にもいまやメンツがあります。

だからこそ、立ち止まって考える人が必要なのです。

具体的なことに絞って、ひとつひとつ具体的対案を考える中で、何か生れるものがあるかもしれません。 

私はそのためにこのブログがあるとすら思っています。

だから、反対派に荒らされながら、罵倒されながらも、彼らとの討論を継続しているつもりです。

最後のほうが長くなったので駆け足になりました。そのうちゆっくり論じます。今日はこのくらいで。

※関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2015/04/post-f380.html

 

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沖縄問題」カテゴリの記事

コメント

おはようございます。大阪育ちの私は沖縄の方とはまた違うニュアンスなのでしょうが居酒屋談義で若い頃大阪独立論を楽しみました。大阪は大阪流に好きにしたい故の独立願望が主で、勝手ですねf^_^;)
それはさておき、常識的である事はなにより大切だと思います。そうある為にもプラカードの感情に訴える文句や「気持ちにしっくりくる」「自分の中ですとんと納得した」などの寄り添って懐柔する落ちとセットになっている極端な事例を、一旦深呼吸して吟味する作業を日々心がけています。集まって運動するよりもずっと孤独で地味な作業ですので、連帯で癒されている層に受けないのでしょうね。

投稿: ふゆみ | 2015年12月 6日 (日) 08時33分

HN公平という荒らしがまたまたきています。粘着質にネチネチ絡んでくる、という類のものです。

このような人物とは、議論自体が成立しません。そもそもこの男は討論する気など初めからなく、けちつけをしたいだけだからです。
真面目に議論する気があるならいくらでもつきあいますし、何人かの方は、私と意見がちがっても、よくご意見を戴いています。

しかしこのHN公平のような、議論の作法を知らない無頼漢とは会話が成立しません。
初めから私に唾を吐きかけにくるような奴と議論するほど、私は時間があるわけではないのです。

二度と来ないで下さい。迷惑です。

投稿: 管理人 | 2015年12月 6日 (日) 12時43分

あらあら、ちょっとその公平の醜態みたかったわw
まともな議論などする気など全く無いんだから馬鹿馬鹿しい。どれだけ暇なんだか、どっかから金貰ってやってると断定していいでしょう。
以来を受けたか、病んだ精神で引っ掻きまわすだけの小物。
完全無視が当然ですね。

投稿: 山形 | 2015年12月 6日 (日) 13時08分

論旨に全面的に同意します。
現代社会において、政治的にナショナリズムを利用するような前時代的行為は中韓の指導者に似ていなくもありません。だから右派から中共の傀儡説まで飛び出すのでしょう。

ところで、一昨日ですが貴ブログで、(結果は見えているが)民意に配慮して裁判は長引くだろう、との見通しがされました。私は「秒殺」とは言わないが短期で片付くだろうとコメントさせて頂きました。
そのことに関して、辺野古と東京を始終行き来している旧来の左翼の友人との話ですが、(結果は国の全面勝訴で終わるものの)裁判は長引くだろう、との見通しをもっていました。
彼らのような上層部の筋金入りの左翼は、上の写真のように暴れる専門の下っ端の運動員と違い、翁長知事を全く信頼していません。
それは日米同盟を支持し那覇軍港の移設整備を推進しながら、辺野古反対を言っているので当然でしょう。
それとは別に政府と裏取引をしている証拠を掴んでいる、というのです。
その内容は、(条件付きですが)取り消しの聴聞を行なうかわりに、取り消しによって生じる膨大な賠償金を県に請求しない、というものだそうです。
周知のように聴聞を行なった事は県にとって決定的に不利な要因です。他にとる手段がなかったわけでもないのに全く解せない行動でした。
(なお、彼は証拠というものは有効につかうものだ、と嘯いていましたね。)
こんな話は俄かに信用できませんが、篠原章氏(同様にそのソースを明らかにしていませんが)も、この密約に関して同じ見方をしているんですね。
そのうえで、(県、国双方で)訴訟を長引かせ、その間も工事は進む。既成事実化していく事こそが、国および翁長氏の共通の利益の一致点だ、という見立てです。

翁長氏は生粋の左翼陣営と戦い、県民を騙し、かつ国を相手に裁判をするという、非常に愚かな知事であることはこのような事が事実であるかどうかによらずとも明らかですが、ワリを食うのは私達県民であり、国民です。
せっかく芽生え始めてきた県経済の自律的成長の萌芽も摘み取られました。
よく、沖縄県の経済は急成長していると言われますが、それは観光業における好況が寄与した数字であって自律的経済とは言えないんです。
好不況の影響を極力受けない強固な経済をつくる為には、国家の力を借りずに達成は不可能です。
沖縄には北部開発という資源がいまだに眠っており、仲井眞知事が提唱した鉄道敷設などのインフラはどうしても必要なのです。

投稿: 山路 敬介(宮古) | 2015年12月 6日 (日) 16時11分

常識って、ある意味難しいですよね。自分が常識だと思っていることが結構常識ではなかったりしますし、特に各県、各島の常識は他の所ではまったく通用しない場合も多いですから。

まあ、相手を気遣う気持ちを持った行動を取ることは日本人的には常識だと思いますので、そう言う意味では常識的に判断し行動したいものです。

山形様、正常な会話が成り立たない異常な精神の持ち主と、精神の病を持った方とを一緒にしては精神に病を持った方に失礼です。
鬱に近い病ならそんな病的なまでのエネルギーは逆に持ち合わせていませんし。私の身近にも精神的な病を持った方がいますが気遣いのできる、と言うより気を遣いすぎる人ばかりですから

投稿: 種子 | 2015年12月 6日 (日) 16時19分

HN山路様。貴重な情報に感謝します。

━「それとは別に政府と裏取引をしている証拠を掴んでいる、というのです。
その内容は、(条件付きですが)取り消しの聴聞を行なうかわりに、取り消しによって生じる膨大な賠償金を県に請求しない、というものだそうです。
周知のように聴聞を行なった事は県にとって決定的に不利な要因です。他にとる手段がなかったわけでもないのに全く解せない行動でした」
なるほど。そうか・・・。思わず膝を打ちました。それでつじつまが合います。

共産党はまったく翁長氏を信用していません。独自候補が難行していたために、なり行きで翁長氏に賭けてみた、ていどだと思います。
もちろんその目論見は、保守陣営の切り崩しです。それは、共産、労組もおどろくほどの大勝利につながったわけです。

おそらく、裏は取りようがありませんが、那覇軍港移設について共産党に「痛い腹」を握られていたのだと思います。
クルクル替わる浦添案に対する立場、那覇軍港跡地の不自然なかりゆしグループとのやりとりなど、翁長氏の痛い腹であることはまちがいないと思います。

でなければ、あれだけの寝業師が、知事になったとたん棒杭を飲んだような硬直ぶりです。解せません。

━「(県、国双方で)訴訟を長引かせ、その間も工事は進む。既成事実化していく事こそが、国および翁長氏の共通の利益の一致点だ、という見立てです」
う~む。そこまで考えていませんでした。馴れ合い密約ですか。ありそうだ・・・。
翁長氏は今でも自民党のどこか(おそらく旧経世会系。もっと特定すれば額賀氏か?)とチャンネルありますからね。

それを知っていて闘争の長期化による、左翼陣営の利益か・・・。ありそうだ。彼らにとって闘争の長期化こそが目的のすべてですから。

なるほど・・・。眼からうろこでした。ありがとうございます。

投稿: 管理人 | 2015年12月 6日 (日) 16時49分

山路さん、貴重なお話をありがとうございます。
裏取引か〜8月の菅さんとの会談がそれだったのかな。

やはり私利私欲の人であり、県民のことなど真剣に考えてないのでしょうね。
搾取する様は琉球王朝でやんすな〜琉球処分と騒ぐだけある

投稿: 多摩っこ | 2015年12月 6日 (日) 18時33分

公平さんとかいう人のコメント見ましたけど、本土に出てて少々酔ってましたのでコメントは遠慮しました。常識の定義とかなんとか言ってましたけど、論点のすり替えというか、まあなんともねぇ。


「常識」で考えて下さい。ここで「首を締めている」と言われているのは、映画『海猿』で名高い潜水員ですよ。

世界でもっとも優秀だと謳われる、人命救助のプロ中のプロです。彼らが、要救助者の首をどうして締めねばならないのですか。

常識ですね。


おそらく通常の日本では、味噌汁は右、ご飯は左的なものですね。

投稿: クラッシャー | 2015年12月 6日 (日) 23時38分

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