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« 大乱の一年が始まった | トップページ | 北朝鮮の「水爆実験」は「核物質を使わない核実験」だった »

2016年1月 8日 (金)

北朝鮮の核開発は止まらない

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北朝鮮の自称「水爆」実験について続けます。 

一斉にマスメディアを通じて、いろいろなことを言う人が現れました。 

典型的な意見は、「北朝鮮の目的は、米国との対話だ。米国が中東ばかりに気が行っているので、核実験を起こして振り返ってほしかったんだ」といいます。 

失礼ながら、思わず笑ってしまいました。北朝鮮は好きな女の子に振り向いてもらうために教室で騒ぐ中坊かって(笑)。 

もちろん違います。 一昔前まで、そのような説はありましたが、「対話を求める」というようなヤワなものではないことが、今回ハッキリしました。

確かに、金一族の「家業」としての北朝鮮という国の体制保証が、核武装の最終的な目的であることは確かです。 

だからといって、今の段階で仮に米国から、「そうか、金坊や、体制保証してほしいのか。もうこれ以上暴れないって約束するなら、考えてみてもいいかな」なんて言われて、北朝鮮が信じるものでしょうか。 

わけはありません。なぜなら、北は、しっかり自分の実力を知っているからです。そのていどには「正気」です。 

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(出所不明) 

あ、そうそう。ずっと気になっていたのですが、よく「狂気の独裁者」のような表現で金一族を表現しますが、ほんものだったらとっくに破綻しています。 

北朝鮮という国は、毒蛇のように聡く国際社会を国際社会をペテンにかけたり、メンドリのように神経質なくせに、雄山羊のように逆ギレのマネができる、器用な目的合理主義者なのです。 

もちろん褒めているわけじゃないですからね、念のため。 

その意味で、国家方針がグチャグチャな南の某国よりはるかにクリアな脳味噌を持っています。 

Photo_2(図 東京新聞2016年1月7日より参考のために引用) 

米国国務省の最初の反応は意外にも、「特に驚くことはない」という平然としたものでした。 

というのは、おそらく米国のみは数か月前から察知し、既に2週間前には北朝鮮上空に無人偵察機グローバルホークを飛ばしていたからです。 

このグローバルホークは、自衛隊すらなしえなかった、福島第1原発の事故直後の映像を真上から撮った機体です。

Photo_8(USAF)

「北朝鮮が水爆実験に成功したと表明したことについて、アメリカ・NBCニュースは、「アメリカは実験準備の兆候を2週間前から確認していて、空気のサンプルを得るため実験場近くで無人機を飛ばしていた」とのアメリカ軍の高官の話を伝えた。
 また、実験のあった6日にも無人機を飛ばしたということだが、どのような種類の核実験が行われたのかを知る手がかりとなる物質、三重水素が含まれていないかどうかを分析しているという」(NNN1月7日)
 

おそらく米国は去年の半ばから、4回目の核実験が行われることを察知していたはずです。

というのは、いままでもそうですが、核実験をするためには膨大な機材を動かさざるをえません。

米国は、核実験場を搬入車両の轍ひとつ見逃さない監視下に置いています。こんな米国が寝耳に水なわけがありません。

今回メディアは、米中もわからなかったと言いますが、中国はほんとうに寝耳に水だったようです。

それは情報統制国家の中国が、中国地震当局の発表をまんま流してしまったことでもわかります。

北朝鮮からの慣例となっている事前通告を受けていれば、そんな発表を許すはずがありません。

米国は一枚上手で、とうにその徴候に気がついていていました。そして、その危機的徴候を韓国と日本に伝えたはずです。

今のような日韓冷戦を続けていれば、朝鮮半島有事には、米軍は半身不随になるのはわかりきっているからです。

いや、有事にならずとも、それを食い止めるための日米韓のブロック体制すら組めなくなります。

これが、年末の慌ただしい中での、日韓の手打ちの背景です。

さてもちろん米国は、今回の核実験が「水爆」ではないのはとっくに見抜いています。

もし、水爆ならば、あの程度の爆発力では済まず、その数百倍から千倍に達したことでしょう。 

Photo

(写真 朝鮮中央テレビが公開した、水爆実験に関する文書に署名する金正恩第1書記 ironnaより) 

北朝鮮は嘘つきですが、根も葉もない嘘は言いません。根がちょとだけついた嘘のほうが真実味があるからです。 

5年前の2010年5月に北朝鮮は、既に「核融合に成功した」と発表していています。 

核融合とは、水素、リチウムなどの質量の小さい原子核を融合させて大きな原子にする現象のことですが、その際に巨大なエネルギーを放出させます。 

これは北朝鮮が核融合炉でも作るつもりなら別ですが、水素爆弾を作る以外に使い道がない技術です。 

同時期、米国のシンクタンク、科学・国際安全保障研究所(ISIS)は、北朝鮮が延辺の核団地でトリチウムを生産していた可能性を指摘していました。 

この高純度の液体トリチウムもまた、水素爆弾の原料のひとつです。 

つまり、水爆を作る気はムンムンで、実際に作ってはいるでしょうから、ただの嘘より迫真力があります。 

実際は、韓国も認めるようにブースト型強化原爆ではないかと見られています。ただし、それも失敗したと韓国はみています。 

この破壊力は広島型の6倍に達し、大都市を一発で破壊するだけの能力を持ちます。 

また重量は、約400㎏前後といわれており、米国にギリギリに到達するテッポドン2号に搭載可能です。 

では、現実に北朝鮮が米国まで射程に入れた核ミサイルを持っているのか、と言えば違います。 

それはあくまでも理論的にはていどで、昨日お話したように、現実には液体燃料型ミサイルなど飛ばす前に、発射基地ごと米国に破壊されるのがオチです。 

北朝鮮が欲しているのは、アジア域内に届く飛翔力と、必要充分な破壊力、そして秘匿性をもった核弾道ミサイルです。 

この三つの条件を満たすのは、テッポドンのような巨大なそれではなく、はるかに小型化された潜水艦発射型ミサイル(SLBM)しかありません。

ですから、今回の実験で問題なのは、水爆ではなく小型化だったのです。

長くなりそうなので、そのうちまとめて記事にしますが、これは「相互確証破壊」、英語略語でなんとMAD(Mutual Assured Destruction)と呼びます。 

名前からしてイカレていますが、これが、現代の核兵器に対する基本的な考え方ですから、がまんして下さい。 

核兵器を知る上で極めて重要な概念なので、定義を押えておきます。 

核戦略に関する概念・理論・戦略。核兵器を保有して対立する2か国のどちらか一方が、相手に対し核兵器を使用した場合、もう一方の国が先制核攻撃を受けても核戦力を生残させ核攻撃による報復を行う。
これにより、「一方が核兵器を先制的に使えば、最終的に双方が必ず核兵器により完全に破壊し合うことを互いに確証する」ものである。
理論上、相互確証破壊が成立した2か国間で核戦争を含む戦争は発生しないことになる。また歴史上も米国とソ連の間に相互確証破壊が成立した冷戦後期以降、この2カ国間で戦争は発生していない」Wikipedia
 

専門用語のばかりで難解ですが、要は子供のケンカを大きくしたものだと思って下さい。

米国や中国が、いたいけな北朝鮮坊やを捕まえて、「お前、言うこと聞かないと、核ミサイルブチこむぞ」と脅したとします。

その時に、北朝鮮が丸腰なら、言うことを聞くしかありません。

しかしこの時、北朝鮮がニタリと笑って、「なら、そっちが撃ったらこっちも撃ち返すもんね。うちは負けるだろうが、お前もひどい目に会うよなぁ」と言ったら、そうそう簡単に大国の脅しは効かなくなります。

第一撃は、もっとも危険な飛び道具である、敵の核ミサイル基地を標的にします。いくら地下に隠しても、核兵器の破壊力の前には無力だからです。

ではどうしたらいいのでしょうか。地球の7割を占める広大な海の中にミサイル発射基地を隠してしまうことです。

しかも移動できて、捕まえられないならいちばんいいわけです。これが潜水艦発射型弾道ミサイル(SLBM・submarine launched ballistic missile)です。

そしてそれを搭載する艦のことを、弾道ミサイル原子力潜水艦、略して戦略原潜といいます。

下図は、中国の戦略原潜「長城201」です。

Photo_7(出典 http://defence.pk/threads/the-jl-2-slbm-is-now-fully-revealed.322305/page-2

この仕組みが完成して、お互いに核兵器で縛りあった結果、先制核攻撃をしようと考えても、相手が核で報復するのが分かっていますから、皮肉にも核戦争は起きにくくなりました。

冷戦時代に米ソがあれほど緊張しても、ほんとうの熱戦である核戦争にならなかったのは、そのためです。

これは、今なお核保有国の恐怖の均衡として、維持されています。これが哀しい現実です。

これに割り込もうとしているのが、この北朝鮮という国だったわけです。

北朝鮮は、既に相互確証破壊(MAD)の初期の段階に達していると考えられます。 

Photo_5(出典 http://blogos.com/article/59583/

それが潜水艦から発射が可能なムスダンです。

ムスダンは、1990年代半ば以降に、北朝鮮が旧ソ連の技術者を招いて潜水艦発射型弾道ミサイル・R-27をベースにミサイル開発を進めたもので、既に地上発射実験は終了していると見られています。

最大のネックだったはずの海中発射も、自称「成功」したとしています。

このムスダンは、アジア全域とグアムにまで達します。 グアムこそが、米国のアジア戦略の要であることはご存じのとおりです。

Photo_6(出典 同上)

 このムスダンが現実に潜水艦に搭載されて、実戦配備につく時が、北朝鮮の核開発の一応の終点、というか中締めなのです。 

そこまで、北朝鮮はこの「狂気の正気」を突き進むはずです。

長くなりましたので、今日はここまでとします。

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コメント

あまり大きく扱われませんでしたが、昨年末に中谷大臣がTHAADの導入について突然言及したことがありました。
あれって、なんらかの情報があってのことだったのではないかと思います。
また、ポロリと言ったのは、いつまでも中国様の顔色を窺ってばかりでTHAAD(韓国の国土面積や距離を考えると最適)配備には言葉を濁してばかりだったパク政権へのアメリカからの牽制だったのかもしれません。
北に近いハンギョレ新聞は去年何度もTHAAD配備反対の記事を書いてましたね。中身はメチャクチャでしたが。
結局韓国は今日からまたスピーカー攻撃しか手がないようです。昨日の朝鮮日報や中央日報なんかはまたまた都合良く「アメリカのB-52やB-2・F-22を配備させればいい」などと勝手な事ばかり行ってますが…。どうなってんだか、あの国は。

日本も長距離はSM-3ですが、必要数の護衛艦が都合良くオン・ステーションにあるとは限りませんし、パトリオットPAC-3はあくまで拠点や都市防空用で射程が短いので打ち漏らした分の迎撃専用。となると、THAAD配備による3段構えは実に理にかなっています。またカネがかかるけど…。地上配備型SM-3というのもありますが、それこそ大掛かりでお高い。
どちらにしても水中発射で近くから核を撃たれたら、厄介極まりないですね。だから英仏は費用対効果で戦略原潜に核戦力を集中させてる訳ですが。。

ちなみにアメリカ本土はさらに大型のGBIを開発中です。

北朝鮮から核を買いたい国やテロ組織がいくつもありそうです。韓国も持ちたいとまた言い出してます。
朝日新聞は一面で昨日実験とともに韓国筋の懐疑的なコメントを載せていましたが、中で書いていた被爆地からの怒りの表明こそ一面に移動させれば良かったものを、とムカムカしました。冷戦後、今後が最も核が使用される可能性が高まってきているというのに。

北朝鮮は表現は不適切でしょうが、「一皮剥けた」ようですね。
もはや六カ国協議だとか、米朝対話には興味がないように見受けれます。
「狂った独裁者」などと言うのは簡単ですが、殲滅戦に打って出ようという固い意志を固めつつあるように思えます。
米は中共の責任云々にするのではなく、真正面から対峙する姿勢を余儀なくされるでしょう。


私はヒネクレモノですので、中共のワザとらしい
「えっ? し、知らなかったよ、けしからんゾー」
との反応には、眉に唾をつけて見つめていますわ。
まあ、諜報に強い米国は騙されるわけないですが。

近い未来に、中共と北朝共が電撃和解を発表。共に
米国などの西側諸国の核の脅威に対して密接な共同
行動をとる事に同意した。などと来るつもりじゃ?

やっぱり、実際の行動で見せてもらわないと・・
北朝鮮の景気は、巷間言われている程悪くないとの
話です、むしろ好転してるらしい。経済支援の理由
はどうとでもつけられますが、憎き敵対者にだった
ら、援助など飲まず食わずの最低限のものになるハズ
ですわ。曲がりなりにも水爆開発をする力は温存され
ているわけで、怪しい、怪しすぎるぞ。

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