• 20250122-034332
  • 20250122-034624
  • 20250121-022941
  • 20250121-025750
  • 20250119-145554
  • 20250119-142345
  • 20250119-142345_20250119150101
  • 20250119-150249
  • 20250119-152051
  • 20250117-013132

« 安倍氏は慰安婦財団支援を村山政権に学べ | トップページ | 日本がforced to as sex slavesしたのか明確にさせよう »

2016年1月12日 (火)

日韓合意文書の問題点

005
ものごとには功罪があるものです。
 

全面的勝利となることは希有であって、多くが代償を払うことになります。 

今回の代償は、昨日ふれたようにやり方次第では、今まで日本政府がとってきた「日韓基本条約によって請求権問題は解決済」という原則的立場が崩れかねないことです。 

ここが崩れると、後は応用問題ですので、韓国が次に準備しているといわれる「強制徴用」というカードに、利用される可能性があります。 

Photo外務省) 

では昨日、日本文で見ましたので、英訳を読んでみることにしましょう。 

まず、事実認識の部分です。これは外務省HPで読むことができます。※http://www.mofa.go.jp/mofaj/a_o/na/kr/page4_001667.html 

「岸田外務大臣による発表
ア 慰安婦問題は,当時の軍の関与の下に,多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題であり,かかる観点から,日本政府は責任を痛感している。
 安倍内閣総理大臣は,日本国の内閣総理大臣として改めて,慰安婦として数多の苦痛を経験され,心身にわたり癒しがたい傷を負われた全ての方々に対し,心からおわびと反省の気持ちを表明する。」

これに対しての英文訳も、外務省HPで見ることができます。(太字引用者)
※http://www.mofa.go.jp/a_o/na/kr/page4e_000365.html 

(i) The issue of comfort women, with an involvement of the Japanese military authorities at that time, was a grave affront to the honor and dignity of large numbers of women, and the Government of Japan is painfully aware of responsibilities from this perspective. As Prime Minister of Japan, Prime Minister Abe expresses anew his most sincere apologies and remorse to all the women who underwent immeasurable and painful experiences and suffered incurable physical and psychological wounds as comfort women.

う~ん、非常に問題のある訳文ですね。日本語ですっと読むと、単なる河野談話の焼き直しですが、英訳すると別の顔が浮かんできます。 

まず問題にせねばならないのは、゛the honor and dignity of large numbers of women゛の部分です。 

どうして゛large numbers゛ という表現にしたのでしょうか。これは研究社新和英辞典によれば、「巨大数」を表します。 

韓国政府は公式に、「20万人の韓国女性が、日本軍によって「挺身隊」という名で強制連行された」と言っているのです。 

これではこの韓国の言い分を、゛large numbers ゛という表現で、認めてしまったことになります。 

いくらでも替わりの表現はあります。゛Of most、でもいいし、゜a lot of゛でもよかったはずです。 

なにも最上級の表現に近い、゛large numbers ゛という訳文にすることはなかったはずです。 

弁護すれば、強制連行そのものも認めておらず、具体数を書き込んでないのが救いでしょうか。 

では、その強制連行を韓国が認めろと主張していた部分です。 

゛with an involvement of the Japanese military authorities at that time゛となっています。 

゛with an involvement゛は「関係で」ていどに訳しますから、「日本軍当局が関係して」、ないしは「日本軍当局が参加して」と訳すことができます。 

非常にまずい英訳です。これだとどのような方法で゛an involvement゛したのかわかりません。 

ですから、これを読む国際社会、言い換えれば欧米社会は、クマラスワミ報告のように日本軍が韓国女性のドレイ狩りに、゛with an involvement゛したととらえるでしょう。 

三番目に、゛the women who underwent immeasurable and painful experiences and suffered incurable physical and psychological wounds as comfort women.゛という部分です。

このセンテンスの肝は、゛immeasurable゛という表現です。この単語は「果てしない」「広大な」「計測できないほどの」という意味です。

したがって、直訳すれば、「計り知れなくつらい経験を経験して、どうしようもない身体的、かつ心因性傷を負った慰安婦にさせられた女性」という意味になります。

外務省和訳は、「慰安婦として数多の苦痛を経験され,心身にわたり癒しがたい傷を負われた全ての方々」ですから、英訳は大きく和訳から乖離して、まさに韓国政府の常套句である「性奴隷」゛Sex slave゛という表現に近いものになっています。

繰り返しますが、私はこの日韓合意について、今、それをせねばならない絶対的理由があったと思っています。

それは今まで何度か書いてきたように、対中国、対北朝鮮の最前線に位置する韓国を、これ以上あちら陣営に追いやらないために必要な合意でした。

この日韓合意によって、中国は対日歴史戦線から、韓国を失いました。また時同じくして起きた北朝鮮の核実験によって、彼らは舎弟を失いつつあります。

中国は、東アジアの国際的政治関係の中で孤立してしまったのです。

そして今回の合意は、崩壊寸前だった米国をブリッジとする日米韓同盟に新たな息を吹き込んだとも言えます。

これらは、とめどなく膨張しようとしている中国にとって、極めて不愉快な一撃となったはずです。

当分悔しい日々が続くでしょうが、その間にやれることだけはやって、目前の中国という巨大な脅威に備えるべき時期です。

■お断り 後半はややテーマがズレるこことと、長くなりすぎたためにカットして明日に回しました。毎度すいません。

« 安倍氏は慰安婦財団支援を村山政権に学べ | トップページ | 日本がforced to as sex slavesしたのか明確にさせよう »

コメント

今回の安倍総理の判断には賛否あるようですが、私自身の考えとしてはまだ判断がつきません。
ですが、短期的な情勢のために「将来あるべき」を売ったように思えるのも事実です。
「不可逆的な解決」とは(目的が達成されたとしても)慰安婦問題に関しての限定的な事であり、ご指摘のようにむしろ今後提出されるであろう問題に言質を与えてしまったのではないか、との疑念です。

今ここで、このような解決の仕方をするタイミングであったのかどうかは安倍内閣の高度な政治的判断でしょうが、そうであるとすれば中共の脅威、あるいは北朝鮮情勢が我々が知る以上に差し迫った状況であると内閣が認識している事にもなるのではないかとも思えます。
北の水爆実験もあり「然り!」と見えますが、しかし、そういう事ではないのではないでしょうか。
昨日はさっそく韓国の次期財務省首脳から「日韓スワップ協定の復活を検討」とのニュースが流れました。
おそらく日本政府はこれを一定程度受け入れるでしょう。
安倍さんという人は保守派の支持が厚い政治家なのでよく勘違いされますが、その本質は友好を重んじるリベラルな感覚が非常に強い政治家です。
岸のような天才的な雲上人ではなく、安倍晋太郎のごときオールドリベラリスト的要素のほうが強い。
友好関係を通じて物事を解決していこう、とするのは口当たりはいいですが、中韓北には通じません。
ですが、総じて言える事は誰が総理であろうと、今の日本に安倍総理以上の外交を望むのは無理でしょう。


山路さんの意見に賛成します。
今の我が国を率いるトップは誰か?ベストかどうかはともかく、現状他に思い当たりません。

ふゆみさん。
洞察力に感服しました。さすがは国際経験豊富ですね。
国内のマスコミ報道ばかり見ていては気付かない視点です。
で、こちらの記事を読んで「なんじゃこりゃ!」と。まともに仕事してるのか外務省。

これは、まだまだ揉めそうな事案ですな。
今後に注目です。

日本側は声明の英文表現を譲り、韓国側はそれを直ちに文書化しない事を譲った(韓国側は国内がこれでも収まらないからでもありますが)のだと考えています。
とにかく言ってしまったのですから、3月にこのまんまの文が合意文としてサインにもちこまれないように3か月和文英文での発信で応酬の上書きをして未来への希望の芽を少しでも残すべく、国会で民間で議題に挙げ続けるのが今うてる手でしょうか。もちろん同じ事を向こうも考えているのです。
外務省と官邸は、今回日本人の間でここまで広く迅速に英文表記の意訳が問題視されると予想できていたのか私には判りませんが、管理人さんの書かれるように今両国が合意で握手をする必要は、あると思います。
3月の合意英文を今の和文にもっと近づけて民間から10億を出す形に変え、しれっと笑顔でサインして握手してスワップには応じてあげる。が私の中での一旦着地点です。韓国は経済で一息つかないと今もたないのでは。

害務省と言われるのも分かるような…どうなってしまうのか。

山形さん、全然ダメダメですよ私なんて。ただ数年駐妻やってただけで語学も苦手ですが、ここで書き連ねたら演説は壺でやれとアク禁になる位色々見たりあったりしました。ネットとカーナビが無かったら命が無かったですf^_^;)。
今は英文の辞書検索やBeing翻訳で語意だけならオンタイムでチェックできるので英語が苦手でも解りようがありますね。

欧州のニューイヤーレイプの件もありますし、本来は人道的問題への合意文書の主題に大きく「今の女性と子供へのあらゆる性的虐待行為を許さない」メッセージが組み込まれるべきなのですが。ドイツ人も真っ青な位に綺麗事良い子ちゃんな「レイプ誘拐反対」を「世界中の今」に集中して名指しはせずに書き連ねて過去を枕にしてしまう事です。
管理人さん、冒頭のお写真はハボタンの赤ちゃんに朝露ですか?綺麗な紫色と緑です。

英語の微妙なニュアンスの違いは難しいですね。
お恥ずかしい話ですが、私は英文も読んでいましたが、違いを感じず、そのままスルーしていました。

以前、"forced to work"と"forced labor"の違いについて、ケビン・メア氏がTVで、「どちらも大した違いはない。外務省の日本国民に対する言い訳だ。」という内容のことを言っていましたが、外務省は海外向けの顔と国内向けの顔を使い分けているのでしょうね。

英文表現の書き換えについてですが、不用意にやると、「極右勢力の圧力により表現を書き換えた」的な報道をされる可能性があるので慎重にやる必要があると思います。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 安倍氏は慰安婦財団支援を村山政権に学べ | トップページ | 日本がforced to as sex slavesしたのか明確にさせよう »