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2016年2月24日 (水)

1ミリシーベルトに根拠があるのか? その6 間違った「除染」と真の除染

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丸川大臣が標的になっているようで、今度は「環境の日を間違えた」という、前回よりもっとどーでもいいようなことのようです。 

猛烈な既視感。次はおおかた、漢字の読み方かカップ麺の値段クイズといったところでしょうね(失笑)。バカか。

毎回こればかりです。偏向報道というのもおこがましい、それ以前のただのガキのイジメにすぎません。 しかも女性ばかり標的にするたちの悪さ。

キャスターがしたり顔で、「1ミリシーベルト失言の丸川大臣がまたまた失言の嵐です」みたいなことを言っているのをみると、心底げんなりします。 

丸川さんの1ミリシーベルト問題は「失言」ではなく、除染のあり方に対する「意見」です。

出し方の問題は私も指摘しましたが、言っていることの内容は間違っていません。むしろ簡単に謝るなよ、といいたいくらいです。

福島の避難区域の復興が遅れています。その最大の原因は民主党政権が決めた除染が遅々として進まないことです。

除染の目標を、1ミリシーベルトなどという「最適化」を忘れた非現実的目標にしてしまったからです。

Photo
環境省HP

上図を見ると川俣町、浪江町、大隈町などの浜通りの一帯が手つかず、飯館村ですら4%ていどです。

この状況が続けばこれらの地域は、事実上の永久立ち入り禁止地域になる危険性すら出てきました。

カナダ経済紙のフィナンシャルポスト(2012年9月22日)は、ローレンス・ソロモン氏の論評を掲載して、こう述べています。
http://www.gepr.org/ja/contents/20121015-01/

「東日本大震災で失われた人命は1万6000人、行方不明は3500人と災害の中でも最悪の結果となったが、加えて16万人(原文9万)もの人々の避難の問題が今も続いている。この死者の大半は、出してはならないものであった。」

このようにソロモン氏は、事故そのものより、むしろ避難したことによる強度のストレスによって多くの人か亡くなったと指摘しています。

避難者の関連死亡者数は既に700人を超えて、このままだと再び故郷を見ることなく亡くなる人々が急増すると考えられています。

Hqdefaulthttps://www.youtube.com/watch?v=tcOQ_dowufc

思えば、ダッシュ村の三瓶さんも、避難先で亡くなられてています。どんなにか双葉の里に戻りたかったことか・・・。

京都女子大水野義之氏による、福島事故も含む避難者の死亡原因は以下です。http://www.gepr.org/ja/contents/20121210-02/20121126-u.ppt.pdf

避難者の死亡原因
・避難所における精神的肉体的疲労   ・・・30%
・避難所への移動によるストレス      ・・・20%
・病院の機能停止による初期治療の欠落・・・20%

Photo_2チェルノブイリ原発を囲む新シェルターの半分部分      Agence France-Presse/Getty Images       

実はこれとまったく同じことが、既にチェルノブイリ事故の後に出ていました。

チェルノブイリ事故の後に出たガンによる死亡者数は、事故による被曝ではなく、その後の避難民に多く出ています。
※http://www.cnic.jp/modules/news/article.php?storyid=412

チェルノブイリ・フォーラムによる総死者4000人の内訳(原子力資料情報室による)
【これまでに確認された死者:約60人】
・放射線急性性障害134人のうちの死亡       ・・・28人
・急性障害回復者106人のその後の死亡       ・・・19人
・小児甲状腺ガン約4000人のうちの死亡        ・・・9人
【ガン死者:3940人】
・1986-87年のリクビダートル(※)20万人から・・・2200人
・事故直後30km圏避難民11.6万人から       ・・・140人
・高汚染地域居住者27万人から           ・・・1600人

※現場に投入されて闘った隊員(軍人・民間人技術者)たち

チェルノブイリ事故では約40万人が住んでいた家を追われ、汚染地域では産業が衰退し、社会インフラの崩壊が進行しています。

また、汚染地域からは、被曝による健康障害ではなくIAEA専門家によれば、避難による「精神的ストレス」が人々を大量に蝕んでいます。

福島県の除染の遅れによる避難の長期化は、もはや終わりが見えないまでになっています。

私は1ミリシーベルトなどという「平時」の基準を強引に当てはめたために、かえって真の「除染」が遅れたと思っています。

というのは、人が活動することこそが、もっとも大きな「除染」効果を生むからです。

たとえば、この浜通り後域に多く拡がる農村地帯は、耕すという農作業で、確実に放射線量を下げることが可能です。

私たちの地域での調査によれば、2011年3月中旬に400ベクレル/㎏以上あった土壌は、耕耘を重ねるごとに急激に線量を下げていき、数回の耕耘することによって8分の1から10分の1の40ベクレル以下にまで減少することが分かっています。

また、作物への移行も、当初予想されたよりはるかに限定的で、移行率は1000分の1程度であり、それも回を重ねるごとに急速に減少し、わずか数回の収穫で放射性物質は検出限界値以下になりました。

これが私たち農業者が感謝の念と共に言う、土の遮蔽効果、別名、「土の神様の力」です。 

農地は都市のマスコミの無責任な流言蜚語をよそに、急速に放射能の影響下から逃れ始めていきました。

一方、多くの山林が被曝したわけですが、そちらは耕すことができないわけですが、どのようになったでしょうか。 

わが県の山林汚染のデータは下図にあるとおりです。

Photo_3常陸太田市在住・布施氏計測による

この測定結果は2012年に計測された、福島県との県境の茨城県北部のものです。

セシウムはおもに地表面にある去年の落ち葉に付着しており、平均4800ベクレルていどです。 

一方、今年の落ち葉は最大値で270ベクレル、平均で129ベクレルと30分の1でした。

これは3.11後の放射性降下(フォールアウト)による、落ち葉の外部被曝が山林の落ち葉に付着したものの、新たな落ち葉には影響が少なかったことを現しています。

森林は毎年落ちる落ち葉が堆積していき、放射性物質を含んだ層は、いまや1メートルほど下に入ってしまっています。 

もちろんわずかですが、この汚染層を通過する水が沢水に流れ込んだ結果、谷津田の沢水取り入れ口周辺を汚染することが観測されています。 

2011年に大量に発生した福島県の暫定規制値超えした米は、この落ち葉が水田に流れ込む沢口周辺で起きています。

しかしむしろ、流出するより、汚染物質を食い止める働きのほうが強いことが分かっています。 

下の写真をご覧下さい。山林の空間線量は1~2マイクロシーベルトですが、下の耕耘した農地は半分以下の0.5マイクロシーベルトにまて落ちています。

Photo茨城大学農学部小松崎教授による

これは放射能が、農地や住宅地に達する前に山林がブロックして、そこで食い止められていることを示しています。

まさに山が守ってくれたわけです。

したがって山林はむしろ除染などを考えずに(技術的にも困難ですが)、このまま農地や宅地の障壁として機能してもらったほうがいいようです。 

このように「耕す」という人のあたりまえの営みや、山林の自然の働きがこそが、土壌中のセシウムを有機質や粘土質に固定化させ閉じ込めてしまうことが分かりました。

このような人間と自然の営みの中での「除染」こそが、真の放射能との戦いのはずです。

現在行われている除染は、逆に人間の社会的活動を追放し、その関与を草刈りていどの除染に限定してしまうことで真の「除染」を妨害してしまっています。

ICRP「勧告111」に従って、収束過程である5年内は20ミリシーベルトていどを目標としていれば、今頃はそうとうに浄化がすすんだはずでした。

拙速に「民意」にひれ伏した民主党政権のホピュリズムの毒が、今、このような形で復興に祟っているのです。

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コメント

「民意」といいますが、これは単に「厚かましく声の大きい者が勝ち」ということでしょう。

丸川さんを擁護する気は無いですが、細野は「テメエが20mSvと言い出して、そのままでいいのに説明責任を放棄し日和って1ミリとか変節した尻拭いだろうに!」と、怒りを込めて思います。昨日は「とにかく政権を再びとらなければ」とか言ってましたが…ごめん被りたい!

「耕す」=「カルチャー」
人類の文化とはなんなのか、一見大袈裟で実感できないようなことですが、ものすごい根本的な事を示唆してきるような言葉ですよね。

管理人さんがいみじくも「既視感」と仰ってますが、私も同様の思いをしました。
麻生政権の際、首相の漢字の読み違いをあげつらい(これはこれで問題ですが)
わざわざ予算委員会の場に大きなボードに書かれた漢字のテストを持ち出して、
麻生総理に読めるかどうか確かめるなんてことがありました。
あのあたりでこの党はダメだと見限った記憶があります。
今回は今回で環境の日は何日かなんて下らない質問。
最近の野党(主に民主党)はほとんど小姑化してますな。

とはいえ、丸川氏が大臣の任に相応しいかと問われれば
否と答えざるを得ません。
ヤジ将軍としてはなかなか見所があるようですが、
東大出身の元アナウンサーという肩書きだけでつとまるはずもありません。
結局、女性閣僚の割合を増やすべきなんて馬鹿な発想が大間違いなわけです。
適任であれば性別を問わないのが本来あるべき姿で、
こんなつまらないやり方は逆に性差別を助長しているだけだと思いますが。

1mSvの規定のおかげで、避難したままで帰れない人が居て健康を害したり、町が崩壊したりしている事実をどう思うのか。 マスコミは1mSvのような驚くほど低い線量を想定した事をどこも問題視していない。 放射線被曝の影響など昔からどの専門書にも書いてあり調べるぐらいわけは無いのだけれど、日本人の放射線についての知識の低さはマスコミの科学性の無い政治的な記事に責任があると思う。 放射線医学会や他にも関係する学会がまともな意見を出して欲しい。管理人さんの山林がブロックするという意見には目に鱗でした。ありがとうございます。

私もRIを扱っていて手指を汚染したことが何度かありますが、イオン化して吸着すると簡単には落ちません。
皮膚ごと剥ぎ取らねばならないのですが、当然そんなことはできませんし、半減期が短いので落とせるとこまで落としたら放置します。

降下した放射性物質も、同様にイオン化して吸着したものは取れなくなります。
そのため表土ごと剥ぎ取るのですが、逆に沈んでしまえばもう浮き上がってくることも、水に流れ出すこともほとんど無いということですね。
今回の福島原発の事故は多くの被害をもたらしましたが、世界的にみても貴重なデータが得られたと思います。

安全を立証するため総理府及び国会議事堂、東京電力のお偉いさん方及び安部信者の方々が原発10km圏内に居住し人体実験をすることをお勧めします。

低線量被ばくであればある程、晩成型として健康被害がある事は認められた事実です。
これから健康被害が出るというのに、今この時期で結論付けるのは素人だけです。

認められた事実?欧州でもそんな話はスタンダードではありませんよ。
晩成って言ってる人達、震災年には3年5年してバタバタ死に始めるどんどん癌患者が出ると言ってましたね。丁度今ココですよ。どこにそんなにドサドサ居ますか?晩成って寿命の最期が癌だった人全員カウントするんでしょうか?

ふゆみさん。
深夜におバカさんのお相手お疲れ様です。夜型の私も気付いたんですが、あまりにもバカバカしくてスルーしてました(苦笑)。
だって『当時』はこんなもんじゃない酷さでしたから。

基地外さんはHN通りなのでしょうけど、被爆と阿倍信者なんてどう関係するのやら。全く関係無いでしょう。阿倍信者なら放射能耐性があるわけでもなきですから。
そのようなことを仰るのなら、立証責任は基地外さんにありますね。是非ともあなた方が現地に住んで独自のデータを収集して証明して下さいな。

名無しさんは、「認められた事実」とやらのエビデンスをちゃんと呈示しなきゃダメですよ。そんなものあるの?あるなら出してから発言してみなさいな。精査してあげるから。

こちらの記事では事故後の除染についてのことしか書いてないんですが、どうしたらそんな短絡思考に陥るのやら…。
反原発と阿倍憎し(阿倍ヒトラー?そんなこと習近平、金正恩、ムガベ)

ふゆみさん。
深夜におバカさんのお相手お疲れ様です。夜型の私も気付いたんですが、あまりにもバカバカしくてスルーしてました(苦笑)。
だって『当時』はこんなもんじゃない酷さでしたから。

基地外さんはHN通りなのでしょうけど、被爆と阿倍信者なんてどう関係するのやら。全く関係無いでしょう。阿倍信者なら放射能耐性があるわけでもなきですから。
そのようなことを仰るのなら、立証責任は基地外さんにありますね。是非ともあなた方が現地に住んで独自のデータを収集して証明して下さいな。

名無しさんは、「認められた事実」とやらのエビデンスをちゃんと呈示しなきゃダメですよ。そんなものあるの?あるなら出してから発言してみなさいな。精査してあげるから。

こちらの記事では事故後の除染についてのことしか書いてないんですが、どうしたらそんな短絡思考に陥るのやら…。
反原発と阿倍憎し(阿倍ヒトラー?そんなこと習近平、金正恩、ムガベにでも言ってやりなさいな)
全く馬鹿馬鹿しいことです。イデオロギーの問題ではなく個別の話ですね。

管理人さんも、かつての集団リンチに乗っかるだけのバカ相手にお疲れ様です。

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