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2016年3月 7日 (月)

ひとつひとつ具体的に解決に向かっていきませんか

Img_3061
政府の「和解」提案を受けて、いろいろなことを言う人がいます。 

典型的なものは、「参院選対策だ」というものです。民主党の反応がこれでしたが、いわゆる政界の玄人筋の発想です。 

すべてを政局でしかとらえられないのです。哀しくはないでしょうか、こういうふうにしか考えられないことって。 

今回最長で1年間もの「休戦」期間が到来したのです。今まで頭に血が昇って怒っていた人も、一回どうやったらこの紛争を解決できるのか、真剣に考えてみませんか。 

まず、とりあえず、お前が悪い、なにをお前のほうが悪い、というのはやめましょう。勝った負けたもよしにしましょう。

今までの歴史に遡り始めると、言い分はお互いに山ほどあるでしょうから。 

アベなんか信用できないという人も共産党周辺には大勢いるようですが、ならば誰を対話の相手にしたらいいのでしょうか。

そもそもこの「休戦」を呼びかけたのは安倍氏で、保守層内部には「なぜ勝てる裁判を和解したんだ」という声も多いのですよ。

一回好き嫌いの感情から離れないと、何ひとつ進みません。

大事なことは終わりを見つけることです。永久闘争なんてありえませんから。 

妥協して納めることです。打ち負かすのではなく、歩み寄ることです。

私は下のような雰囲気が苦手です。全員で揃いのプラカードを出すってダサくないですか。

だって、ひとりひとりが考えて、考え抜いてこの場にいるってかんじじゃありません。ただ「空気」で叫んでいるみたいに見えてしまいます。

Photo_3

もし、真剣に島の現状を考えるなら、もっと他にやりようはありそうなものです。 

これをニュースで見させられる他県民は、正直辟易しています。

最新のNHKの世論調査(2015年11月10日)を見てみましょう。

「NHKの世論調査で沖縄のアメリカ軍普天間基地を名護市辺野古に移す計画を進めるという政府の方針への賛否を聞いたところ、「賛成」が29%、「反対」が25%、「どちらともいえない」が39%でした」

ご覧のとおり、賛成が反対をひっくり返しました。「わからない」か40%です。そうです。分からないのですよ。

だって、普天間基地が動かせというのに、移転反対だなんて、普通は何を言っているのか意味かわかりません。いわば「動かせ、動かすな」と言っているようなものですから。

ょっと前までは、メディアが回れ左でしたから、なんとなく「地元は反対なんだろうな。沖縄は苦労しているからな」ていどで反対運動に与していた本土人も、宜野湾市長選以降は、賛成か、あるいは「分からない」になってしまいました。

合わせて今や7割です。宜野湾市長選以後はもっと増えたでしょう。

このような、「もういいかげんにしないか」というのが、偽らざる本土の気分なのです。

ちょっと前に本土のラジオにひさしぶりに登場した仲井真さんが、「沖縄を嫌いにならないで、遊びにきてください」と訴えていました。

仲井真さんはなにを心配しているのでしょうか。

本土人の沖縄離れです。

今まで沖縄県は、ケンミンショーでよく取り上げられる魅力度ランキングで常に3位以内に入る恐ろしく強力な地域ブランドでした。

たとえば、2013年は北海道、京都、そして沖縄でした。4位がなんと東京です。東京に勝っているんですから、なんともスゴイ。

ところが去年2015年は、ひとつ落として3位から4位です。
http://tiiki.jp/news/wp-content/uploads/2015/09/15pref_ranking.pdf

この2年間になにがあったのでしょうか。

ひとつ考えられるのは、仲井真知事の穏健な県政から、闘争至上主義の翁長氏に政権交代したことです。

本土のニュースで、沖縄が取り上げられるのは、常に下の画像のような風景ばかりです。

数えたことはありませんが、沖縄のいいニュースなんて報じられるのは皆無で、沖縄といえば条件反射みたいにこれです。

Photo
この座り込む老人たちの平和を祈る気持ちは痛いほどわかりますが、糸数女史と島袋のオバーだけが、島人の気持ちのすべてではないはずです。

ところが、地元紙も本土のメディアも、反対派を押し潰して進む基地建設というふうにしか報道しませんでした。

観光地の沖縄県にとって、こういう「闘争の島」というイメージはマイナス以外何者でもありません。

「怒号の島」に行くのなら、ハワイや台湾に行くわ、という本土の人が増えているのです。

逆に中国、台湾、韓国からの訪沖者は激増しています。彼らは沖縄が「闘争の島」だと知りませんからね。Photo_2

本土の国民にとって、沖縄は既に「癒しの島」ではなく、荒れたてすさんだ怒号の地になりつつあります。

だから同じ沖縄でも本島は素通りして、初めから離島にいく人が増えているようです。

もうこんなことは終わりにしませんか。まじめに「解決」を模索しませんか。元の癒しの島に戻りませんか。

永久に戦っていることなどありえないのです。

一回、今までのいきさつを離れて、どうしたら解決できるのか、じっくり話あってみませんか。

いくつか、ポインがあるはずです。

ひとつめはこれが最大の問題ですが、今ある普天間基地をどうするか、です。

これは二つしか選択肢がありません。移転するか、このまま居るかです。これについては先日の宜野湾市長選で、地元の意志が明確にされました。

「出ていってほしい」です。

ではその行き先です。政府が言う辺野古の海でなくてはならないのか、どうか。

こういう時に、共産党のように「すべての基地反対」というのはやめましょうね。そういうオール・オア・ナッシング的発想だと、絶対に解決しませんから。

1か0ではなく、お互いが納得できることを探らねば、「解決」に近づきません。

私はシュアブ陸上案もありえると思っています。これは小川和久氏が提案したものですが、惜しいことには、名護市と建築業界の御家の事情で立ち消えて、現行案になってしまいました。

この小川プランについては近々詳述します。

そして三番目に、日米地位協定第17条5項Cの改定です。この米軍人のみに日本の司法権が完全に及ばない取り決めはぜったいに変えないとダメです。

今回はいいチャンスです。この地位協定改定も、県からテーブルに乗せたらいかがでしょうか。

他にも、基地がらみではいいたいことはいくつもあるはずです。

「安保粉砕、すべての基地撤去」では、言われた方の政府は答えようがありません。

県民の皆さん、ひとつひとつ具体的に解決に向かっていきませんか。

 

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コメント

政治家は全てを政局化しますね。それは選挙の仕組み上仕方がない部分があるのですが、私達は法には従い税金は払っても政局に付き合う義務は一切ないのです。考察する為に知っておく必要はもちろんありますが。
今政局がこうだからどうこう云々なんて、基地や住民の危険とは関係ないですね。まっとうすぎて書くのをためらう程当たり前の事なのに現実は絡まっているんですね…。

ブログ主様らしい、沖縄に好意的な目線で県民に呼びかけられた記事と拝見しました。

ブログ主様は、観光業の視点から本土における沖縄のイメージ低下を心配されています。もっともな事です。
ただ、それとは別に沖縄県民自身にとって「沖縄とはどんなものか」、県民自身がもっと考える必要がありましょう。
家族や親戚関係、燐保といった強い紐帯は個々に「癒し」を満たすものでしょうが、「癒しの島」といった程の概念が県民にとっての沖縄にかって存在したのかどうか、私には疑問です。
言い換えれば、家族や親戚関係、燐保といった強い紐帯が、もっと大きい県単位、島単位への責任感や意識と結びついて行かないのが沖縄です。
で、沖縄県内における政治的対立抗争は、以前に比べればこれでもずいぶんマシになった方だと思いますよ。
保革の争いにかぎらず、選挙のたびに地区と地区、あるいは一族親戚単位で、利権絡みの激しい闘争を一般人も加わってやって来たのも事実です。
選挙中は部落の入り口にかがり火を焚き侵入者を物理的に制限したり、車のフロントバンパーにリボンを着けその色によって支持候補をはっきりさせるなど、ついこの間まで当然の事でした。
これを県民同士の戦いから、国と県との戦いに振り向けた翁長氏の慧眼はさすがでしょうね。
ちなみに宜野湾市長選においてNHKで選挙違反の戸別訪問を流した事が問題になりましたが、あんな事は今でも普通の事のような感覚でしかありません。

私は、他県に比した沖縄県民の特徴として、サイレントマジョリティー層が未熟で流動的である事が欠点、と考えています。
自民党国会議員たちは基地問題にしても煮え切らない回答しかしませんが、彼らが優柔不断なのだという事もあるでしょうが、多くはここに原因があります。
本音を言えば、私は新聞のせいにも出来ないと考えています。
沖縄二紙はたえず県民を煽動しますが、「笛吹けど踊らず」なので、さらに必死になっているんじゃないでしょうか。

シュワブ陸上案は現行案よりも欠点が少ないという事は私も同意しますが、方向転換すれば30年は普天間はそのままです。
だからこそブログ主様は、県民(あるいは県側)から政府に能動的に条件を突きつけろ、とおっしゃってくれているのだと理解します。
しかし、基地問題の本質(5項Cでしょう)を理解するマジョリティーは存在しませんし、これだけ毎日大騒ぎの報道がされるにもかかわらず、大勢は単発的事件の発生した一時期をのぞき基地問題には無関心です。
この無関心は基地容認を意味しませんが、中国への警戒心をも喚起しません。
「県民性」云々、という問題提議の仕方はたぶんブログ主様の嫌いな方向とは思いますが、翁長氏はここをフル活用して今日にいたっているのが事実でしょう。


久しぶりのコメント欄への書き込みになりますが、記事の内容に対して批判的な内容になることをお許しください。
もちろん、このコメントは削除して頂いても構いません。

まず、「県民の皆さん」とは個人のブログで滅多に目にすることのない呼び掛けなので面食らいました。
仮に内閣総理大臣が「県民の皆さん、もうこんなことは終わりにしませんか」と呼びかけたとしても、少なくとも 「上から目線」という批判は免れ得ないでしょうね。
ましてや、茨城県の一県民に過ぎない管理人さん(他意はないので悪しからず)が他県民に対して「元の癒しの島の戻りませんか」とは幾ら何でも傲岸に過ぎやしませんか。
もちろん、沖縄県に「癒し」を求めていらっしゃる方を否定はしませんし、県内で観光を生業にする方も沖縄の「癒し」を重視している人は多いです。
しかし県民の全てが観光業や「癒し」を飯の種にしている訳ではないことは管理人さんもよくご存知のことでしょう。
沖縄は観光県であっても、そこに住まう人々の生活の場であることに変わりなく、当然のことながら県民は来訪者の「癒し」に奉仕するために存在している訳ではないのです。

管理人さんが主張されるように「反基地運動が沖縄県の魅力を損ねている」というのは確かに一つの意見です。
では、おもろまちや県庁前、いずれも観光客の目に付きやすい所を狙って「支那人の侵略が、反日勢力の手先が」と爆音でがなりたてる街宣車や、県庁前で攻撃的な言葉を尽くして県内二紙を非難する保守系の運動は観光客の目に魅力的に映るのでしょうか。
私見ながら、様々な人々が訪れる観光県の沖縄にとって、攻撃的かつ多分に差別的な彼らの保守系運動は、反基地運動よりも似つかわしくないと思われます。

日米地位協定だって、沖縄県以外で理不尽が目立たなくなっただけであり、今まで私たち「日本国民」は米軍とその地位協定に散々泣かされてきたじゃないですか。
「この地位協定改定も、県からテーブルに乗せたらいかがでしょうか」だなんて、私には他人行儀に聞こえて寂しく感じられました。

話は変わりますが、前県知事の仲井真氏をして「理解不能」とまで言わしめた陸上シュアブ案や、同じく拒絶された勝連案に、管理人さんがそこまでこだわるのか不思議です。
いつか記事にして下さることを楽しみにしています。

長文失礼いたしました。

蒲焼さん。記事でお答えします。

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