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2016年3月 3日 (木)

電波利権をなくせば、放送法はいらなくなる

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昨日、今の電波の独占状況に乗って、「正義」のジャーナリスト諸氏が、「統制反対」を叫ぶのはお笑い草だと書いてきました。今日はその続きです。 

さて、一見方向違いなことからみていきましょう。 

去年の9月のことでしたか、首相は経済諮問会議で、「携帯料金が高いから安くしてほしい」というようなことを述べています。 

アベさん、無理いいなさんな。 携帯各社も、冗談じゃないという反応だったようです。

なるほど日本の携帯料金が、世界でも高いクラスなのは事実です。各国の料金比較見てみましょう。 

あらかじめお断りしておきますが、料金体系は日本でも各社かなり違う上に、国によっても違いがありますので、あくまで目安です。

Photo_2OECD調査における携帯電話料金の国際比較(出典:OECD「Digital Economy Outlook 2015」)
https://www.icr.co.jp/newsletter/icte20150811-kubota.html

上図はOECD各国の料金です。日本は高い方から3番目に入っています。 

このグラフを出した情報通信総研も、この比較は日本に不利な条件でなされていると断っていますが、それでもなおロンドンやソウルよりかなり高い水準にあることは事実です。 

この携帯の高い料金は、首相が指摘しているように家計を大きく圧迫しています。 

総務省家計調査によると、2人以上世帯の通信費は2014年が年間18万8000円で、家計支出に占める割合は10年前と比べて、約2割上昇しているそうです。 

Photo_6http://www.garbagenews.net/archives/2065470.html

電話通信料の金額の消費支出に対する比率がここまで高いと、家計に対するプレッシャーが大きくかかるのも無理がないところです。 

では、この携帯料金の高止まりの原因はなんでしょうか。 

この首相の要請は、テレビ局各社が報道しましたが、絶対に言わなかったことがひとつあります。 

それは携帯の国に支払う電波利用料が、もっとも高いということです。 

最近ようやく知られて来ましたが、日本の電波は国(総務省)が割り当てをしています。

テレビ局や携帯各社はその電波利用料を国に支払っているわけですが、その額には大きな差があります。 

Photo_7

上のグラフは総務省の資料から作られたものですが、携帯各社で実に85.7%を負担していることに対して、テレビ局(放送事業者)はたった5.8%しか負担していません。 

この図より去年13年度はさらに増えて、携帯各社の負担率は歳入額は約806億円のうち87%にも達しています。 

こんな極端な隔たりがあると、携帯会社が電波を支えているのに、「冗談じゃねぇや。オレにいうな」という携帯各社の気分も大いにわかりましす。 

具体的に電波料金を比較してみましょう。

●2013年度の携帯・PHS等の通信事業者8社の電波利用料支払総額・・・約700億円

一方テレビ局の電波使用料はといえば、下図をご覧ください。 

Photo_8週刊ポストより

携帯会社は大手のドコモだけで、電波利用料として実に244億支払っています。NHKの10倍以上、民放各社の実に平均60倍です。

そして電波利用料に対して事業収入が占める比率も、民放各社わずかに0.1~0.5%にすぎません。

●2013年度のテレビ局放送事業者の電波使用料支払い総額
・NHKも含めた全国128局の電波使用料の総額・・・約56億6200万円(7%)

テレビ局の売り上げを見てみます。全体で約2兆8490億円あります。 

Photo_92010年度テレビ局売り上げhttp://www.geocities.jp/yamamrhr/ProIKE0911-122.html

つまり、テレビ局は約2.8兆円売り上げて、その電波の仕入れ値はたった60億ていどなのです。

原価でもっとも大きな割合を占めるべき電波利用料がたった0.2%!もうこりゃ、論評以前にヘナヘナしてきますな。 

これなら古館氏には年俸12億、テレビ局社員は新人でも1000万やるのは軽いはずです。

ちなみに、テレビ局員の年収は、フジテレビの社員の平均年収は軽く1500万円を超え、TBSも1500万円弱、テレ朝、日テレも1300万円超えでいます。

世界に誇る日本のハイテク・メーカーの社員の年収は、テレビ局の社員の半分にも達していません。

こうなるともうひがんでいると思われてもしかたありませんが、フジの会長は年収1億7千万ですぜ。ははは。まさに電波貴族です。

Photo_11出所: 会社四季報 2010年04月号年収プロ

民放がタダなのは当然。NHK、受信料返せ。

ああ、だんだんむかっ腹が立ってきたゾ。どこの世界に原価のうち最大を占める要素が、たった0.2%などという馬鹿にしたようなことがあるもんですか。 

こういうハッチャメチャな安値を世間では、「ただ同然」とか「持ってけドロボー」、あるいはそのままズバリで「暴利を貪る」と呼びます。 

ちなみに同じメディアの出版社の利益率と比較してみましょう。 

Photo_10
もうバカバカしくて涙も出ませんが、出版社がわずか1割の粗利で食っていることがわかります。 

同じメディアでも、出版社は原価率90%、方やテレビ局は0.2%です。もちろん番組制作費や管理費などもあるでしょうが、ケタが違いすぎて比較になりません。

テレビがいかに優遇されたメディアであるか分かります。

こういうベラボーな安値の秘密は、その発信局のカウントの仕方にあります。

なんとわが国では電波利用料は、各社が保有する無線・中継局の数によって決めているのです。 

携帯の末端1台でも一局とカウントされますから、な、なんと原理的にはテレビ局一局も携帯1台も、一台は一台なのです。わ、はは!もう笑うっきゃないぜ。

これに携帯各社は200円の電波使用料を支払っています。これがさきほど掲げた円グラフで、携帯の電波使用料だけで85%にもなってしまう最大原因です。

そしてさらにこのテレビ局の「持ってけ、ドロボー」状態はまだあります。

あざといことには、テレビ局はこの2.8兆円売り上げて、60億で主要原価が納まってしまう「電波利権」を、わずか7局で独占していることです。

電波の専門家によれば、このUHFだけで30局は軽く取れる帯域を競売制にすれば、数十局が入るといいます。

現実に米国はそのような競売制にして、その代わりに日本の放送法のようなものは一切ありません。

これが普通の電波のあり方で、日本のような戦時中の電波統制の名残のような電波行政を根本から改めるべき時なのです。

そうすれば、巨額な電波利用料が国庫に入りますから、消費増税の必要もありません。

おまけに携帯料金はグッと安くなり、視聴者はさらに多くのコンテンツを安く見られるようになります。

6時のニュースで、くだらないラーメン特集や名物女将の奮闘記なんか見なくてもよくなります。(ああいうのを「ニュース」と呼ばないでね)

CNNのような報道専門局が地上波にあってもいいのです。

はたまた、怒りの青山繁春氏がキャスターをするニュース番組が、岸井成格氏のニュース23の裏番にあったりすると、視聴者の選択の自由の幅が拡がるというものです。

何か競売制にすることによる不都合があったら、逆に教えてほしいほどです。

なに?放送法をなくしたら、国が放送内容をチェックできなくなるって。だから、そんなことは国民がやることなの。放送法そのものが不要なの。

もっとも電波貴族、失礼、「正義」のテレビ言論人諸氏には、困った事態でしたか。

そうなったら彼らは、「政府は放送法を守れ」という記者会見でもするのでしょうか(苦笑)。

 

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コメント

渋すぎる(>_<)印刷物利益10%
気を取り直して。電波使用料については私はまだ理解が浅いのですが携帯電話が普及して20年弱、こんなに支払額が増えていたのですね。集めた使用料は何の維持にどれ位使われて加入者が増えるとコストダウンするものなのか?探してみます。

日本の地上波、既存の7局すら変わり映えしない上、最近NHKもバラエティとご当地拝見番組ばかりで本当にニュースが観られない!テレ東以外ため息が出ます。

暴利を喰ってるのに、受信者がその番組を録ってネット
で流すと、著作権法違反!だとか言ってくるそうな。
勝手にタダ同然の電波に載せて空中に撒き散らしておき
ながら、盗っ人猛々しい。いや、盗人に追い銭だわ。

米国ではオンデマンド型のネットフリックスが伸びて
いるのに、日本のコンテンツ界は又もやガラパゴス島
に閉じこもるんでしょうねぇ。

そりゃ、こんな暴利な既得権をのさばらしておいては、
日本のGDPは逆噴射するままですわ。規制緩和が聞いて
呆れるわい。

私は最近、意地でもTV地上波は見ないし大手新聞を自腹
で読みません。決してケチな訳ではありませんよ、兵糧
攻めしているつもりです。報ステなど見てしまった時に
はムカムカして、観ている当人に無断でスイッチを切っ
てやります。他人のマスかきを見るなんて下品な事は
してはいけない。w

放送法の解釈は内閣法3条等により当該個別法(放送法)の事務を分担管理する主任の大臣(高市総務大臣)、又はその分担管理のもとに権限を行使する行政庁(総務省)にあるので、高市大臣及び総務省が放送法の解釈を示すのは職務でもあり、一義的な法文(放送法)の解釈権を有するものと言えます。
しかも民主党時代を含め、従来の解釈は全く変更されていないのです。

また、田原氏らが主張する「高市氏の発言は憲法で保証する表現の自由の精神に反する」というのは間違いです。
憲法は表現の自由を保証していますが、同時に憲法12条では「これを濫用してはならず、国民は常に公共の福祉のためにこれを利用するのでなくてはならない」のであって、公共放送での言論の自由は、ひとりコメンテーター個人の表現の自由に資するためのものではない事は明らかです。

ここで言う「公共の福祉」についての解釈は種々学説が存在しますが、その解釈如何にかかわらず高市大臣解釈は、岸井氏や田原氏個々の表現の自由をいささかも蝕むものではなく、単に「反対の意見も表記しましょうよ」程度のきわめて穏当で妥当性のある限定的なものです。
数値的に示されている安保法案における激しい偏りでさえも、行政処分の対象とされていない事で明らかです。

また、仮にテレビ出演のさい、局から田原氏らの持論が封じられたとしても、それが直ちに言論の自由、表現の自由が奪われた事になるハズもありません。
テレビ局は免許された条件の範囲内での経営(利益追求)が第一で、それであれば視聴率至上主義がその本質です。
田原氏らの言論が正しいか云々ではなく、視聴率に貢献するかどうか、が彼らの値打ちです。
貢献できなくなった場合、苦情が多すぎてスポンサー等に評判が悪い場合はテレビ局は彼らを容赦なくクビにします。
これを普通、「言論の自由の侵害」とは言いません。
その意味において田原氏であろうが岸井氏であろうが、一介の芸人と同様です。
また、「言論の自由」や「表現の自由」など憲法で保証された権利は基本的には国民等しくあるべきで、「反対意見も取上げよ」とする放送法の解釈はそこに根拠があります。
双方の意見を代表する意見を取上げてこそ、権利の享受は「国民等しくあるべき」となり得るのです。
また、テレビにおける田原氏ら左派の言説は一方の意見を代表したものであったとしても、そのまま垂れ流したのでは彼ら言説の正しさが証明されたとは言えません。
田原氏等にしても必要な一定の反対意見にさらされる経過を経たうえで、始めて言論の成果を得るのです。
以上、田原氏らの主張は失当であり、同時に「放送法は不要である」という主張は根拠がなく、当たらないと考えます。

山路敬介さん、そのような解釈を私も漠然とですがしていたのです。それに輿石氏の止めちゃうぞ発言に比べたら今回の高市氏のは恫喝には全く見えないし。
今回最も驚いたのは放送局自身の法解釈と行政の法解釈の違いが大きすぎる事です。テレビ朝日が自局の番組内で高市氏が述べた従来通りの政府の見解を「違憲であり法解釈が間違いだ」と憲法と放送法の学者に取材して主張しました。他にも断定口調で同様の解釈を載せた記事がネットにアップされています。
こんな、運転免許を取得したドライバー達が勝手に決めたルールで道を走っているような現状だとは知らず驚きました。だったら車道自体大型車両が通れないように変えて欲しいです。
どうも一部で炎上したか自粛したか?で、そもそも総研の公式ページではこの回だけ削除されています。異端解釈を拡散しようとした、という事なのでしょうかね。

山路さん、ふゆみさん。
まったくたまらない自己欺瞞です。民放はどこまで腐っているんだと思います。

ならば、放送法の法解釈の白黒をつけるために、むしろテレ朝には高市さんを憲法違反として裁判所に訴えてほしいものです。
白黒つけましょう。
つけた上で、放送の免許制度の抜本的改革をするべきです。

こういう反権力を気取って、結局は自分の既得権益をまもろうとする電波貴族がほんとうにイヤダ。

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