« 日米地位協定第17条5項Cを改定せよ | トップページ | 国はなぜ沖縄県と「和解」したのか »

速報 国、県と「和解」へ 慰安婦日韓「和解」の沖縄版か?

048
正直、驚きました。

なるほどね・・・。本当にうちの国の首相は、私のような凡人の考え及ばぬ手を打ってくるご仁だ。

これが今回の「和解」の報道に接しての率直な感想です。おそらく翁長氏もびっくりしているはずです。

まずはもっとも的確なNHKからみます。

「■首相 辺野古埋め立て巡る裁判で和解案受け入れる方針
沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設計画を巡って、国と沖縄県双方が訴えた裁判で、安倍総理大臣は、工事の中止を含む裁判所が示した和解案を受け入れる意向を固め、関係閣僚に伝えました。沖縄県側は、和解案を受け入れる方針をすでに裁判所に伝えていることから、国と県との和解が成立する見通しとなりました。
沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設計画を巡って、国と沖縄県との間では3つの裁判が行われていて、このうち沖縄県の翁長知事が、移設先の名護市辺野古沖の埋め立て承認を取り消したことに対し、国が知事の代わりに取り消しを撤回する代執行を求めた行政訴訟で、裁判所は先に和解案を示しました。
裁判所の和解案は当初、暫定的なものと根本的なものの2案がありましたが、裁判所はその後、先月29日の弁論に合わせて、沖縄県側が前向きに検討するとしてきた暫定案を修正した新たな和解案を示しました。
新たな和解案では、国と沖縄県の間で行われている裁判をすべて取り下げ、工事を中止したうえで、国が、翁長知事が行った埋め立て承認の取り消しの是正を指示するよう求めています。そして、沖縄県側がこれを不服とする場合には、国の是正指示を取り消す裁判を起こし、この裁判の結果に双方とも従うとしています。あわせてこの裁判の判決までに、国と沖縄県は、円満な解決に向けた協議を行うことなどが盛り込まれています。
政府は当初、工事の中止は受け入れられないとしてきましたが、安倍総理大臣は、国と県とのいわば訴訟合戦が続くような事態は好ましくなく、対立が長引けば普天間基地の危険性の除去や移設計画の実現も危うくなりかねないとして、新たな和解案を受け入れる意向を固めました。
そして安倍総理大臣は4日昼すぎ、総理大臣官邸で、岸田外務大臣や中谷防衛大臣ら関係閣僚らに対し、こうした方針を伝えました。
また政府は、外交ルートを通じてアメリカ政府に対し、この方針を伝えました。
関係者によりますと、工事の中止を盛り込んだ新たな和解案について、沖縄県側は受け入れる方針をすでに裁判所に伝えていることから、国と県との和解が成立する見通しとなりました。

 一方、沖縄県の安慶田光男副知事は「辺野古に新基地を造らせないという姿勢は変わらない」と表明。翁長知事は、辺野古移設が唯一の解決策と首相が繰り返したことに対し、「大変残念な発言だ」と述べた。 」(NHK3月4日)

「■辺野古訴訟が和解=普天間移設工事は中止-国と沖縄、主張変わらず
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設をめぐる代執行訴訟で、国と県の和解が4日、成立した。移設工事を中止した上で、国と県が問題解決に向けて協議するとした福岡高裁那覇支部の和解案を双方が受け入れた。政府は県との訴訟合戦の長期化回避を重視し、従来の強硬姿勢を改めた。ただ、辺野古に移設する現行計画が「唯一の解決策」との立場は崩しておらず、移設阻止を掲げる県側との協議は展望が開けているわけではない。
 和解を受け、安倍晋三首相は4日、移設工事の中止を中谷元防衛相に指示した。この後、沖縄県の翁長雄志知事と首相官邸で会談。工事の中止を伝えた上で、移設計画に関する政府の立場を説明、接点を探るとみられる。
 和解に当たり、首相は記者団に「国と県が延々と訴訟合戦を繰り広げる関係が続けば、結果として普天間の現状が何年も固定化されかねない」と理由を説明。「司法判断が下された場合には、国も沖縄県もその判断に従い、互いに協力して誠実に対応する」と述べた。
 ただ、首相は同時に「辺野古移設が唯一の選択肢であるとの国の考え方に何ら変わりはない」とも明言。米政府当局者も、現行の移設計画が「唯一の解決策だ」と重ねて強調した。」(時事3月4日)

「■沖縄県、国交相に対する抗告訴訟を取り下げへ
沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設を巡り、埋め立て承認取り消し処分の効力を一時停止した国土交通相の決定は違法として、県が決定の取り消しを求めた訴訟の第1回口頭弁論が4日午後、那覇地裁で開かれた。
 辺野古移設を巡る代執行訴訟の和解が同日成立したことを受け、県側が今後、今回の訴訟を取り下げる意向を表明した。
 原告の県側は代執行訴訟の和解内容に基づき、防衛省が行政不服審査法に基づく効力停止の申し立てを取り下げ次第、追って訴訟を取り下げるという。」(読売3月4日)

                         ~~~~~~

Photo_2
詳しい分析は明日にまわしますが、国が新たに出した「修正案」です。

●「根本案」
・県・・・承認取り消しを撤回する
・国・・・辺野古建設後30年で軍民共用空港にすることを米軍と協議する

●「暫定案」
国に対して
①代執行訴訟を取り下げる
②県の違法性を確認する裁判を提起する
③工事は一時中止となる
県はこの判決に従う
●「修正案」

国と沖縄県の間で行われている裁判をすべて取り下げ、工事を中止したうえで、国が、翁長知事が行った埋め立て承認の取り消しの是正を指示する
沖縄県側がこれを不服とする場合には、国の是正指示を取り消す裁判を起こし、この裁判の結果に双方とも従う

私はこの段階で根本案以外国が呑むことはありえないと考えていたので、大きく私の予想ははずれたことになりました。

一見、暫定案に近い内容で、翁長側に「一時的勝利」の顔をたてさせながら、巧みに完全解決へと導こうとしています。

県も無理やり「顔を立てさせられた」ということを分かっていると見えて、「不服」だそうです。何を言っているのか。

諸君らが永続的反基地闘争をしたいという魂胆は、見え透いているのですよ。

おそらくこの人たちは、次の県議会選、参院選までドロドロネチネチといくつもの訴訟が並行して続き、その都度知事が反権力のヒーロー然として登場する絵図を描いていたはずです。

強権を押しつける国家権力=安倍vs戦う沖縄のヒーロー=翁長という図式を県民のみならず、国民全部に見せるのが戦略だったはずです。

勝ち負けとは関係なく、これこそが最大の反基地・反安保のプロパガンダになるパン種のはずでした。

この国の「和解」で、その夢は半分吹き飛んだわけです。

国は約1年間の工事中止と引き換えにして、県にこの新たな訴訟による判決以降、二度と文句を言わせない道を選んだわけです。

もちろん、この訴訟で完全に合法性を獲得することが目的であると同時に、二度と金輪際、未来永劫、県に移設計画で横やりを入れさせていための選択です。

大変に似た首相の決断に、昨年末の韓国との慰安婦問題和解があります。

ここでも首相は、大きく譲って、その見返りとして、二度と蒸し返さないという確約を韓国から取り付けています。

韓国との「和解」の場合、国際社会、すなわち米国が保証人となりましたが、今回の場合、この役割は裁判所となります。

おそらく、今回の国の決断は、韓国を沖縄県に置き換えれば、そのまま通用するでしょう。

これで、いったんは振り出しに戻ります。

国がこの決断をしたことは、県が乱訴と呼ぶにふさわしい訴訟の飽和攻撃をしかけていることを、いったんは整理して、一本に絞ることです。

従来どおりだと、仮に国が緒戦で勝利したとしても、数年先、最高裁までだとさらに先までずるずると泥沼化し、反基地闘争の温床となることが予想されていました。

この危惧が、これで消滅します。

翁長側が不服としているように、国は根本的には従来の移設計画を放棄したわけではない以上、承認拒否に対する違法訴訟が提起されることになるでしょう。

これで17日の判決を待たずして、違法訴訟に決戦の場が移ることになります。

 

 

|

« 日米地位協定第17条5項Cを改定せよ | トップページ | 国はなぜ沖縄県と「和解」したのか »

沖縄問題」カテゴリの記事

コメント

県側にとっては一時的にも国に(表向き)妥協させたということになるのでしょうか。少しづつ羽を毟られて気がついたら飛べなくなってたなんてことになるのですかね。裁判も一本化される時点で詰んでるように思えますが。とりあえず休戦状態となって和解案を話し合う時間もできたのですから、この際、地位協定についても深く掘り下げて欲しいです。常々、地位協定の改定について政府が本気を出して強くアメリカに働きかければ基地問題に対しての一般県民の感情はかなり和らぐと考えていましたので。

投稿: クラッシャー | 2016年3月 4日 (金) 19時02分

私も本当におどろきました。

そして、
>なるほどね・・・。本当にうちの国の首相は、私のような凡人の考え及ばぬ手を打ってくるご仁だ。

私も、こう言うブログ主様と全く寸分違わぬ印象を受けました。
嘆息しつつ、ニヤリとしてしまいましたね。
あざやかというか、まさに安倍総理大臣の本領発揮です。

私としては、国が高裁で万一負けがあるとしてもどのみち最高裁は避けられず、そうなれば国の負けは100%ないのであるから積極的に判決を得るべき、と強く考えていました。
しかし、安倍さんは迂回してでも翁長氏にもう一度訴えかける方を選んだ。

残念ながら翁長氏の行動に当面の変化はないでしょうが、長く保守政治家をやってきた氏なればこそ、自ら恥ずかしさは感じているでしょう。
人間の「格」のちがいが明らかです。
「横綱相撲」と言ってもいい。

それだけじゃなく、緻密にマキャベリスト的完全性もそなえつつ、多方面への効果をも有する決断です。
我々の首相は、トランプも言うように恐ろしく切れる男です。

一方の考えに盲執したり、一時の事にしか考えの及ばない、自分の立場に汲々としている不自由な「大地守」さんのような方は、決して今日のこの事件の本質を理解しないでしょうね。

投稿: 山路 敬介(宮古) | 2016年3月 4日 (金) 23時15分

アレですわ。徳川家康公を思い出しました。「鳴かぬ
なら 鳴くまで待とう 時鳥」 野党は、あの共産党
を軸に展開するという、資本主義国にあるまじき体た
らくぶり。ジミンは、まず普通の仕事をしていれば良
い。消去法的に票は必ずジミンに集まってくる。

なら、今ガチンコでアタマの変な知事と争う意味は無
い。相手はすでに多くの矛盾を抱かえており、長期的
には持たないのはガチ。次の知事選で再選される可能
性も低い。

中国も難しい国内問題を抱かえていて、スグに尖閣や
沖縄に侵略出来ない。まだ少しは時間がある。

安倍さんにとって、急がなくても失うモノは何も無い。


投稿: アホンダラ1号 | 2016年3月 4日 (金) 23時33分

しかし、また知事が変わった時に手の平を返すとか、これは合意とは関係が無いとか、韓国的な言動にならなければいいのですが。

投稿: 宜野湾市民N | 2016年3月 7日 (月) 09時24分

宜野湾市民Nさん。コメントありがとうございます。
次の知事より先に、おそらくですが、翁長氏が手のひら返しをします。

明日書きますが、翁長氏が自分の「県権力」維持のために「いかなる判決がでようとも戦う」とやるでしょうね。
実際、県議会でそう言ったそうですね。
やれやれ、バカかと思いますが、彼も必死なのです。。

その「判決後」のための予防線で、今、盛んに翁長陣営は、「国が事前協議なしで是正措置を一方的通告をしてきた」とやりたいのでしょうね。

翁長氏個人はもう納め時だと思っているはずですが、彼の神輿を担ぐ「国民連合政府」が許しません。

もはや、翁長氏は悲惨な立場ですね。

投稿: 管理人 | 2016年3月 8日 (火) 17時32分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 日米地位協定第17条5項Cを改定せよ | トップページ | 国はなぜ沖縄県と「和解」したのか »