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HNさうざーさんにお答えして 安保問題で共産党と組めば必ず翁長氏のようになる

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シリーズの途中ですが、HNさうざーさんのコメントに一緒に考えていきましょう。 

既にお読みの方には、下からどうぞ。

「>彼は共産党という極左政党の力を借りて知事になりさえすれば、なんとかなると思っていたのでしょう。
私は、そうは思いませんね。
沖縄自民党は、かつて県外移設を掲げて、自民党本部と対立していましたが、選挙で当選するやいなや、県外移設の公約を翻して辺野古容認。
以後、県民の信頼を失い、衆議院選挙、参議院選挙、自民党はボロ負けです。
共産党が小選挙区で異例の当選を果たしたのも、そんな事が背景にある。
翁長知事は、辺野古移設阻止する為には、左翼と組む以外ないと思います、保革の垣根を超えた共闘に県民は共感したからこそ、翁長知事の高い支持につながっている。
宜野湾市長選挙の結果は、翁長知事の掲げる『辺野古新基地反対』よりも、より強い米軍基地拒否の意思の表れです。

現に佐喜真氏は、辺野古の争点を避けたこと、普天間基地の早期返還への強い思いは、宜野湾市民の支持につながった
目の前にある厄介者の普天間基地が無くなる事を優先するのは当然の心情でしょう
最近は、米大統領選挙でトランプ氏が話題になっているようですが、私は、個人的にあまり好きではありませんが。
県外移設には、よもやトランプ氏に望みをかけるしかないのかとも私は、思い始めています
トランプの発言をそのまま額面どおりに信じるのもどうかとは思いますけどね。」

う~ん、あなたの頭の中には、まず「辺野古移転阻止」という大命題があるんですよね。 

ここから演繹的に、「左翼と組む以外ない」みたいな選択が生まれるようです。  

しんどくないかな。だってこれって、政治選択でやっちゃいけないといわれる、二項対立ですよ。 

二項対立というのは、左翼の皆さんが大好きな構図です。 

本来選べるオプションを全部切ってしまって、ギューギューと煮詰めて、自分と相手を追い込んでいくわけです。

イエスかノーか、0か1です。「勝利か、死を!」みたいにヒロイックだしね。

もちろんこんな過激な交渉はうまくいきっこないから、最後には「悪玉政府を打倒せよ!」と叫ぶわけですが、実はそれをしたいからこういう手法を取る人たちがいます。

それが共産党です。

さうざー氏は「自民党が県外移設の公約を翻して辺野古容認したために県民の信頼を失った」と言います。まぁそのとおりです。

しかし、元々自民党は容認でした。条件闘争を延々と17年間積み重ねてきたので、この問題で本土政府が妥協できないことを知っていたからです。

しかし、ミスタールーピーが作ったあとの島の「気分」に逆らえませんでした。

なぜなら、当時の自民県連は容認の筋をたてるどころか、自分の足元が崩壊しかけていました。

那覇自民市議団「新風会」を手足に使った翁長氏のクーデターで、ガタガタだったからです。

だからできないことを承知で、「反対」を言わざるを得なかったのです。そして石破幹事長に東京に呼び出されて、ど叱られたわけです。まことに惨めです。
※関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2015/11/post-2dd2.html

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出所不明

それがさうざー氏の言う、「県外移設の公約を翻して辺野古容認。以後、県民の信頼を失い、衆議院選挙、参議院選挙、自民党はボロ負け」の背景です。

さうざーさん、表象を追うだけじゃなくて背景を考えてみましょうね。そうじゃないと、上面になります。

で、ここまではまるでNHKの大河ドラマばりに、翁長氏の裏切り劇がピタッと決まったのです。

翁長氏が側近に、「オレは自民を裏切って、共産党につく」と言った時に、周りは一瞬凍ったでしょうな(←たんなる想像)。

Photo_3出所不明

上の写真がさうざー氏の言う「保革の垣根を超えた共闘」だそうですが、「垣根を超えた」ですって、美化するのもいいかげんにしなさい。

あれは島の利権保守が、その政治的野心で共産党と野合しただけの図です。

先日来た翁長氏支持の人は、彼が「安保を認めているんだから、ただ移転を県外にしてくれればいいだけなのに」みたいなこと言っていました。

そこで、共産党と「島ぐるみ」だから組んだってわけですか。

甘いですね。共産党という政党だけは、他のいかなる政党とも違うことをご存じないようです。

あのね、安保問題で共産党と組んだら最後、「絶対反対」「すべての米軍基地撤去」、果ては「自衛隊解体」まで言い出しかねないのは常識でしょうに。

ぜなら共産党はただのリベラル政党ではなくて、れっきとした革命党なんですから。これは誹謗中傷ではなく、自分でそう言っていますから。

これが離島に橋をかけろ、託児所を増やせみたいな要求だったら別ですが、共産党と安全保障問題で組めば必然的にこうなるのはわかりきったはずでした。 

知事になった後の翁長さんは、「いかなる新基地にも反対」みたいな絶対反対主義者に変化していきました。

前知事公室の吉川由紀枝氏はこう述べています。
※http://business.nikkeibp.co.jp/article/person/20150514/281135/

「翁長知事は2014年11月の県知事選で圧勝したが、その基盤は盤石というわけではない。『オール沖縄』を標榜して当選しただけに、知事自身の可動範囲は、全基地閉鎖から基地容認まで様々ある沖縄の意見の最小公約数に狭められている。即ち、「辺野古反対」「オスプレイ反対」くらいしか、発言できる範囲がないのだ。特に現実的な妥協ラインはどこか?という話になると、「オール沖縄」では一切の合意はない。この可動範囲をちょっとでも越えれば、知事の支持基盤は分裂する
 とどのつまり、「沖縄県のいうことをすべて呑むか」「それとも、呑まないか」という、オール・オア・ナッシング以外の交渉ができないということだ。これでは、日米政府とのまともな交渉相手たりえない」
 (太字引用者)

翁長氏はかつてのいい悪いは別にして、基地を条件闘争の場にして、本土政府からなにかしらの譲歩を引き出すという伝統的手法を止めてしまい、極端に政治選択の幅の狭い隘路に自ら入っていったのです。

その瞬間、現実政治家としての翁長氏は死んだのです。

そして「いかなる新基地反対」から、やがて「全基地撤去」に少しずつ軸足を変化させていきます。 

Photohttp://kunimasa28.ti-da.net/e7251862.html 読谷村議クニヨシ氏のサイトより引用

この「全基地撤去」というスローガンは、「ただ移転先だけが問題じゃない。沖縄の米軍基地総体を許さない。米軍は出て行け」という主張です。 

確認したいのですが、これは日米同盟なんかいらない、潰せということと同義ですよね。 

移転先が問題だ、というだけならまだ分かります。

私もその「気分」は実現可能性は別にして、そのとおりだと思っていますから。

しかし「全基地撤去」は明確に共産党のスローガンそのものです。 

なぜなら、これではわが国の機軸的同盟そのものを全否定してしまうからで、この日米安保そのものを打倒することが共産党の長年の路線でした。

これも誹謗中傷ではなく、共産党か長年言ってきたことにすぎません。

もちろん「保守政治家」の翁長さんは、さすがにここまでは言っていません。 

しかし、逆にさうざー氏にお聞きしたいのですが、あなたが言うように、この「オール沖縄」が「保革の垣根を超えた共闘に県民は共感して」できたのならば、このような過激な立場は非常にまずいんじゃありませんか。 

だってそうでしょう。あなた方は日米同盟そのものをターゲットにして、それを全部をぶっ壊したいんですか? 

そうではなく、「また新しい基地を作るのかよ」という素朴な県民感情から始まったんじゃないですか。 

しかし今、この移転問題は日本の安全保障体制そのものを揺るがしかねないかところまで来ています。 

なぜなら、政府としては今またこれを許したら、ミスタールーピーがしでかしたように米国の日本への信頼が雲散霧消することを知っているからです。 

米国からすれば、はっきり言って、どこに行こうがどうでもいい部分はあります。あくまでも穏便に抵抗なくスムーズに移動したいだけです。 

それがうまくいかないなら、普天間にいてもまったくかまわないよ、というのが、米国の本音です。

しかし、これを反米闘争のシンボルにしないでほしい、というのが米国の要求です。 

しかし、そうなってしまいましたね。いまや全国どころか、世界中から反米主義者が辺野古に押しかけるありさまです。

Photo_2http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/blog/staff/blog/52067/グリーンピースのサイトより引用

こんな状態をそのままにしていたら、日本政府の威信というか、国家としての信頼性は地に堕ちてしまいます。 

いわば「面子」です。 

なに、古くさいことを言ってるんだ、と思われるでしょうが、国家間の外交関係では「面子」は未だ強く生きています。 

一「地方政府」(※)の反対で、国家間の取り決めが実行できないような政府はただのヘタレだと、外国政府に侮られます。 
※日本は連邦制ではないので、単なる地方自治体ですが、いまや翁長県政は独立志向がおありなようなので、あえてこう呼びます。

かったるい表現を使えば、国内統治のハンドリングに対するクレディビリティ(信頼性)が揺らぐわけです。

ですから一回、国際関係で侮られたら最後、あとは外国から何を無理無体言われてもヘイヘイと追従するしかありません。 

それは日本国民総体の利益に反します。

だから、国にとって、このまま移転をなしにするというオプションはありません。

さて今回、首相は大胆な賭に出ました。圧倒的に国に不利な裁判所の暫定案を呑んだのです
※関連記事
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2016/03/post-08d4.html

そしておそらくこの夏までの期間を、「和解」期間としました。言い換えれば、落とし所を相互に探ろう、ということです。

意外に思われるかもしれませんが、これは翁長氏に対する助け舟です。

翁長氏は政府に実現不可能な要求をつきつけて、「絶対反対」をしたために、ニッチもサッチもいかなくなっていました。

乱訴するしか戦術が残っていないんですから、どうにもならない。 そして一回でも県敗訴となったら、お終いです。

県は負けても、県民にはしこりが残るでしょう。

Photo_4http://nonukeschi.exblog.jp/i8/反原発ちがさきより引用 一坪反戦地主会で講演する伊波氏

そして「翁長氏はダメだ。ほんとうの戦うリーダーは伊波洋一さんだ」、ということになりかねません。これで次の県知事は決まったようなものです。

首相は「和解」提案をすることで、その期間あえて工事を止めてみせるという大技を繰り出しました。工事を半年以上止めることができるのは、保守の長期政権の時だけです。

こんな妥協は、日韓合意もそうでしたが、安倍氏以外がやったなら、自民の支持基盤の保守層が怒り狂います。

つまり、翁長氏の「面子」を立てることで、こう言ったのです。

「ねぇ、翁長さん、ここまで政府は妥協してあなたの面子を立てたんだから、なにか妥協点を探ってもいいんじゃないの。このまま行くと、あんたら伊波さんに主導権奪われるよ」

老獪そのものですね。ほんとうに、だんだん安倍氏は岸氏に似てきました。

私は、落とし所はあると思っています。落とし所なんていうとまた「軽い」といわれそうですが、カッコよくいえば出口戦略です。

私はそれをかみ砕いて「揉んでみたら」と言う表現を使いました。  

揉みようは狭い範囲ですが、あると思っています。 

何が問題なのか、煮詰めたらいいと思います。整理するために、箇条書きにします。

なお「全基地撤去」とかいうような、絶対反対要求は入れませんでした。具体案を揉む時に、話にならないからです。

①美しい海が埋め立てられるのがいやだ。
②米軍基地が増えるのがいやだ。
③以上の「民意」が踏みにじられたからいやだ。
④日米地位協定をなんとかしろ。
 

①を止めるには、地上部に作ることです。埋め立て予定地の後背地であるシュワブ基地内には広大な土地があります。 

②は、「新基地はいやだ」という考え方ですが、分からないではありませんが、ならば既存基地の「フェンスの内側」ならいかがでしょうか。 

③は、いろいろと揉めば新たな「民意」が生まれるんじゃありませんか。「民意」は流動的です。 

④は、私は断固やるべきだと思っています。
※関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2016/03/post-43d0.html

移転問題そのものには関係ありませんが、個別に交渉しないでパッケーシ化すれば、様々なしこりか溶けやすくなるでしょう。

というわけで、私の言いたいことは、せっかくの「和解」期間なんですから、いままでの立場はあっても、角突き合わさないで、一回じっくり話あったらどうなんでしょうかに尽きます。

あ、そうそう。トランプについてですが、さうざーさんはテレビのコメンテーターみたいなこと言っていますが 、あれは米国の本音の一部ですよ。

もし共産党が願うように安保がなくなるということは、ムキ出しで中国や北朝鮮の核の脅威にさらされるわけですから、必然的に「核武装」路線も選択肢の一つになりえてしまうのです。(私は懐疑的ですがね)

そこまで考えて「全基地撤去」「安保粉砕」と言っているなら、いい度胸です。

私は極左と極右の両極端はいわばロープの端で、くるりと回すとくっつくと思っていますもんで。

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沖縄問題」カテゴリの記事

コメント

>私は極左と極右の両極端はいわばロープの端で、くるりと回すとくっつくと思っていますもんで。
同感です。


トランプさんは面白いですが現実的じゃない。
在日米軍の一番の目的はアメリカの利益ためです。

投稿: 多摩っこ | 2016年4月 5日 (火) 20時47分

トランプ氏が責任はないけど影響がある位置から
「100をゼロにしてやるぜ!」と散々言ったあとなら
後に別人主導で60位に減らしても残してる感が醸せますから。
韓国と日本にグッドラックは米国人の本音ですよ。

投稿: ふゆみ | 2016年4月 5日 (火) 22時45分

震災の頃からいつも拝見させていたただいております。

こういう話題こそ以前のチベット関連の記事に登場した「沖縄独立派の友人」の意見が伺ってみたいところですね。

投稿: ローマ人 | 2016年4月 6日 (水) 01時29分

ローマ人様。あいつは今、自ら沈黙すると言ったきりです。
とくに翁長氏が登場して以来、彼が年来かんがえていた「琉球独立」とは似ても似つかないグロテスクなものになったのがショックだったようです。

彼は元々学生の時からヨーロッパの小邦独立を静かに研究していたような男だったのですが、沖縄が置かれた状況は17、8世紀のヨーロッパに似ているそうです。

今、沖縄が「独立」すれば自由を失う最短距離だというのが、何年か前の彼の意見でした。

投稿: 管理人 | 2016年4月 6日 (水) 03時47分

管理人様

お答えいただきありがとうございます。
なるほど、沖縄独立派の彼の思考にはそのような変遷があったのですね。

翁長氏は印象よりは沖縄独立を叫んでいる訳ではないと思いますけど、昨今のアジア情勢を見るに以前にもまして独立は困難でしょうね。

個人的には隣のずる賢い巨大帝国も気にはかかるのですが最近は少子化問題のほうが我が国にとっては大きな驚異に思えます。
攻められるより先に内側からくしゃりと潰れてしまいそうで怖いです。

投稿: ローマ人 | 2016年4月 6日 (水) 14時35分

はじめまして。
興味深く拝見させていただいています。
沖縄県民として、基地問題は、複雑な思いです。
そしてここのように、真摯にそして客観的に沖縄のことを考えてくれている方たちは非常にありがたいです。

もしよろしければ、管理人さんにうかがいたいことがあります。
普天間基地、海兵隊について。
米軍再編計画で、在沖海兵隊は大幅にグアム移転が決まっている、移転の予算も日米で組まれている、と防衛省は発表しています。
海兵隊は日本国防のためではない、というのはここでも管理人さんがおっしゃっています。
そして中国の脅威に対し、沖縄は中国に近すぎる、米軍海兵隊歩兵部隊はグァム移転したほうが戦略的にもよろしいと米国が判断した。
…じゃ移転する海兵隊の基地を、わざわざ辺野古につくるのはなぜ?
と思ってしまいます。
尖閣離島に対する中国の脅威に対しては、自衛隊の対応だと思っています。

私は未熟者です、間違ったことを言っているのかもしれません。でも基地周辺で生活している私にとって子供にとって、非常に大事な問題なのです。

投稿: ターム | 2016年4月27日 (水) 03時04分

タームさん、コメントありがとうございます。明日の記事でお答えします。

投稿: 管理人 | 2016年4月27日 (水) 03時23分

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