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2016年4月23日 (土)

熊本地震の原因メカニズムについて

Dsc_1436
今日は、地震の原因について、現時点で分かっていることを整理しておくことにします。やや硬いテーマですが、できるだけ図版を用いて平明にお話します。 

図版だけ眺めるだけでも、なんとなく分かるようになっています(笑)。

1週間たって、まだ余震は続いています。まずそれから見ていきましょう。 

1気象庁HPhttp://www.jma.go.jp/jma/menu/h28_kumamoto_jishin_menu.html

さすがに震度7、6強はなくなりましたが、4月18日以降も震度5弱が3回、それ以下のものはご覧のとおり多発しています。

Photo(同)

 余震がきわめて多いのは、九州最長の101㎞に及ぶ、布田川(ふたがわ)断層帯と日奈久(ひなぐ)断層帯が交わるという複雑な地層に原因があるようです。 

下図を見ると確かに、布田川断層帯と日奈久断層帯が震源地の益城町の地点で交差しているのがわかります。 

Photo_2Wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/布田川・日奈久断層帯 

今回の熊本地震の原因について、政府の地震調査意委員会はこう述べています。

「政府の地震調査委員会は17日、熊本県で16日未明に起きたマグニチュード(M)7.3の地震は活断層の「布田川断層帯」が活動して起きたとの評価結果を発表した。
動いたのは同断層帯北東端の「布田川区間」を含む約27キロで、断層の東側は調査委が想定していなかった阿蘇山のカルデラ(くぼ地)に達していたと明らかにした。
調査委は布田川区間(長さ約19キロ)で起きる地震をM7.0程度と想定していた。今回の断層は同区間の長さと比べ東西に数キロずつ長く、地震の規模が大きくなった。」

(産経4月17日)
http://www.sankei.com/affairs/news/160417/afr1604170063-n1.html

調査委が指摘する、布田川断層帯北東端が動いた断層のズレが写真に撮影されています。 

Photo_5朝日4月21日より引用 http://www.asahi.com/articles/ASJ4M6DZPJ4MULBJ022.

近くに寄ってみましょう。 益城町陳(かみじん)の現場では、麦畑を横切るように2mほどの断層のズレが肉眼で確認できます。 

Photo_6産経4月18日より引用http://www.sankei.com/photo/story/news/160418/sty1604180016-n1.html

 これが九州を縦に走る「右横ズレ断層」です。断層が左右に水平にずれ、そこで力が発生し、それが地震になったといわれています。 

横ずれ断層には、右横ずれ断層と左横ずれ断層があります。 

Photo_9図 正断層、逆断層、横ずれ断層(右横ずれ、左横ずれ) 正断層は、上盤(傾いた断層の上側の部分)が相対的に下がる縦ずれ断層。 逆断層は、上盤が相対的に上がる縦ずれ断層。http://www.jishin.go.jp/main/yogo/d.htm

 つまり、断層面に向かって立った時に、断層面の奥の側が手前の側に対し、右にずれたときは右横ずれ断層、左側にずれたときは左横ずれ断層となります。 

ご存じのように、日本列島は地質学的に、糸魚川-静岡構造線と中央構造線という大構造によって区分されています。 

Photo_12図 赤線が中央構造線、青線に囲まれたオレンジ色の部分はフォッサマグナ Wikipedia
 

地質図中央を九州熊本から四国、近畿、中部、関東に伸び、霞ヶ浦の北浦で止まっているのが、中央構造線です。 

この九州部分を拡大したのがこの図です。 

Photo_10
出典不明

今回の大地震の震央で震度7を記録した益城町が、画像中央に見えますね。

この益城町の地層は複雑で、さきほど述べた布田川断層帯と日奈久断層帯がクロスしている地点です。

この2つの断層帯が連動するようにして、地震を引き起きたために、断層に沿って地震が発生しています。

下図は、熊本地震の防災科学技術研究所(NIED)が発表している4月14日のM6強の地震時のマップです。

赤点の強震地点が、中央構造線の断層に沿って分布しているのが分かります。

Photo_13平成28年(2016年)熊本地震 - Hi-net - 防災科学技術研究所

典型的な断層型地震で、東日本大震災のようなプレート型ではありません。

実は、米国地質研究所(USGS)は、熊本地震直後からセントロイド、モーメント・テンソル解(CMT)を公表しています。

CMTというのは聞き慣れない言葉ですので、押さえておきます。

「CMT解は長周期の地震波を解析して求めるため、規模がある程度大きな地震でしか用いられないが、セントロイド(地震で最もずれが大きかった部分のこと)での発震機構を算出するため、より実態に近い結果を算出することができ、また断層運動の規模も算出することができる。」発震機構 - Wikipedia

Photo_15

http://www.usgs.gov/blogs/features/usgs_top_story/magnitude-7-0-earthquake-in-japan/?from=title

上図右のplane(平面)NP1、NP2と書かれたのが、布田川断層帯と日奈久断層帯のことです。principal axesは主応力のことです。

DIP(沈降)の角度がNP1で76°、NP2で82°です。これをモデル化するとこうなります。

Photo_16

KAZU氏による。今回、USGSCMT解について、ご教示いただきました。感謝します。

このふたつの断層の南北方向の引っ張り応力と東西方向の圧縮応力によって地震が引き起こされ、さらに中央構造線の断層の方向に余震がぴったりとより沿うように伸びていったわけです。

このように、日本列島の大構造の中央構造線というマクロ・フレームの中で、益城町の下にいた眠っていた二つの断層というミクロの要素が相互に影響し合って、さらにそこに火山灰が堆積した南阿蘇が大雨で地滑りを起こして被害を広げたのが、今回熊本地震のようです。

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