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2016年4月16日 (土)

米国の超格差社会が生んだ「トランプ・サンダース現象」

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「トランプ現象」には、大きな背景があります。いや、正確には「トランプ・サンダース現象」と呼ぶのが公平でしょう。 

この10年以上続いている、米国国内の中間層の没落です。 

たとえば大統領候補を見てみましょう。「トランプ現象」はただの馬鹿が暴れているわけではないことが分かります。 

PhotoCNNより引用http://www.cnn.co.jp/usa/35077668.html

民主党第2位の大統領候補であるバーニー・サンダースと、ドナルド・トランプは、言い方こそ違いますが、ある部分でほとんど同じことを言っています。

それは1%の富を独占する富者への糾弾と、中間層の貧困からの解放です。 

ただし、サンダースは「自由・社会主義者」らしく、ヒスパニックやムスリムへのトランプの攻撃を、強く批判している点だけが大きく違います。 

逆に、トランプはオバマによって進んだ米国の弱体化を「リベラルのクズ共のせいだ」としているのは、ライトウイングだからです。 

しかし、支持層は非常に近いと言われています。

強いていえば、サンダースは都市のインテリ青年層であることに対して、トランプは地方の脂の乗った中高年層です。

サンダースの支持層を1月27日に発表されたキニピアッグ大学の調査で見てみましょう。 

サンダース候補の支持者をめぐって、以下のポイントが浮かび上がってきます。

①18~44歳層がメイン
②高所得者層の支持は低い
③大卒者は比較的少ない

一方トランプは、急激に富裕層にも支持を延ばしてはいますが、元来の基盤は没落した中産階級、いわゆるプア・ホワイト層です。

「いち早くトランプ氏の「勝利確実」が出たジョージア州では、高卒以下の半数近くを固めたほか、大卒以上でも首位を獲得。年収10万ドル(約1100万円)以上の富裕層はマルコ・ルビオ上院議員(44)とほぼ同率だったものの、それ以下の中低所得層は約半数の圧倒的な支持を得た。
 トランプ氏の支援者は高卒以下で低所得層の白人男性が中心とされてきたが、ジョージア州では幅広く票を得た。トランプ氏が従来よりも支持層を広げている様子がうかがえる。」(日経3月2日)

つまり、左右の主張の違いはあっても、トランプとバーニーは共に没落した中間層を基盤としていることにおいて、好一対というわけです。 

トランプにとってサンダースは視野の外のようですが、サンダースは、「トランプに勝てるのは私だけだ」と言っています。 

このような背景には、「アメリカの夢」を支えていた幅の広い中間層の没落かあります。彼らは、米国の人口の6割を占め、地域社会の中核を担い、米国経済の基盤を作り、最も多くの戦死者を出して来た階層です。 

この米国中間階層が、どれほど没落したのかがわかるデータがあります。

01_4図 藤井巌喜氏による 下も同じ

これは2011年10月に、米国議会予算局(CBO)が作成したもので、1979年と2007年の28年間の米国所帯別所得分布を比較したグラフです。

左端はもっとも所得が低い層で、順に高くなっていき、もっとも右端がもっとも所得が高い層です。 

これを見ると、米国所帯がどのように推移しているのかわかります。

・最富裕層(人口の1%)                 ・・・1979年43%⇒2007年53%
・中間層(人口の60%)                   ・・・同     17%⇒           14%

人口の1%しかいない最富裕層は10%も伸び、一方中間層は3%減りました。

最も所得の高い右端の2本の棒グラフをご注目ください。「トップ1%」と示されたグレイの部分です。 

・最富裕層トップ1%の全所得に対する比率推移 ・・・1979年8%⇒2007年17%
・トップ20%の残り19%の同                             ・・・         35%⇒         36%

 つまり、最富裕層1%のトップ・オブ・ザ・トップス、フォーブスの長者番付に出てくるような階層は2倍に増えたが、全体の所帯の所得は、中間層は落ち込み、富裕層内部ですら停滞が続いているということです。

中間層だけではなく、富裕層内部でも分裂が起きていたのです。 

次に、実質所得の伸びを見てみましょう。 

01_3

このグラフは、わかりやすく米国の格差社会ぶりを現しています。

・最富裕層1%の1979年から2007年までの伸び率・・・275%
・上位20%のうち残り19%                                 ・・・65%
・中間層 (人口の60%)                                     ・・・40%
・最貧困層                                                     ・・・18%

同じCBOのソースを、折れ線グラフにしたのが下図です。

Photo_3この30年から40年のうちに、人口の1%が富を独占し、彼らはその富をさらに倍まで膨らませているのに対して、中間層は没落するか、停滞したままで、その格差は天文学的に開いているのがわかります。

これについて米国で准教授をした経験のある日本人研究者は、こう述べています。※http://kbooks.hatenablog.com/entry/2016/02/08/上の図も同じ



「トップ1%は、1979年から2007年まで、富を急上昇させましたが、残り99%の人はほぼ変わらない生活を過ごしています。
またアメリカは「自由と平等の国」で、自身を「中流階級」と考える国民が大多数を占めていましたが、現在は、アメリカのトップ1%の裕福層が、アメリカ全土の富の40%を独占し、残りの80%の人が全体の富の7%を分け合う状況になっています。
トップ1%や9%のお金持ちが大部分を独占する一方で、貧困層の40%で、赤の小さな点の部分を奪い合っています。」

Photo_2http://www.mdsweb.jp/doc/1203/1203_03u.html

上の写真は、「私たちは99%だ」というプラカードを掲げたオキュパイド・ウォールストリート(OWS)運動のひとこまです。

彼らが言う「99%」とは、上図でもわかるように1%の最富裕層のみが富の9割を独占する米国社会の分裂を強く批判しています。

やや誇張されていますが、そのとおりの実態のようです。

同時期に米国に現れたのが、保守層のティパーティ運動でした。

このように見てくると、トランプやサンダースが偶然に生まれたわけではなく、米国社会の分裂の狭間から噴出した中間層の怒りがエネルギー源となっているのがわかります。

したがって、抜本的改革がなされない限り、米国はこの超絶格差を修復するために、いっそう内向きになっていくことでしょう。

このような中長期トレンドが背景にあって、でてきたのがトランプだったということを、私たちは念頭において見ていく必要があります。

これは来週じっくりやりたいテーマですので、続けます。

 

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コメント

>サンダースは、「トランプに勝てるのは私だけだ」と言っています。

サンダースは、ヒラリーよりも当選可能性が高い、と訴えているわけですね。
それと共和党くらべ、党員より代議員重視(エリート主義)の民主党の制度にも強烈な不満を持っているようでもありますね。
この選挙戦の現象はもはや、大きな止められない流れと見ている事も確かでしょう。
ヒラリーとトランプの決戦になった場合、自身の票はすべてヒラリーに流れるとは限らない、と言いたいのかも知れません。

オバマが掲げた目玉政策の国民皆保険は馬鹿高い保険料を保険会社に毎月支払わなければならず、結局のところ大資本をさらに肥やすだけ。
こういう事に失望した元祖オバマ支持者がたどり着いた先が行き過ぎた「自由主義」に問題の根本を見て、サンダースに投票しているのでしょうね。
しかし、サンダースの大学無償化なんぞの政策は予算的に可能性は全く無いし、トランプはメキシコからの流入を防ぐため、国境に万里の長城を築くなどと言っていますね。これなんか明らかに無知で、現在メキシコ人は、メキシコから米国への流入より、米国からメキシコへの流出の方が多いという調査結果がちゃんとある。

こうした無鉄砲な主張を展開する両候補を支持する層は記事のように不満を持つ、元中間層が中心なのでしょう。
彼らの大半はリーマンショックで躓きました。
そして政府は、戦犯であるウオール街の金融機関のみ幇助し、脱落した中間層を手助けする事はありませんでした。それがウォール街デモにつながりました。
ただ、私の知り得る周辺だけかも知れませんが、これらの人達には最初から中間層たる能力に欠けていたのだと思うんです。
もっとも、能力云々じゃなく、もともと伝統的に中間層に位置していた人達すら有り金はたき金融商品や不動産に手を出してましたが。
中共政府に騙されて、株で大損した中国人とそうは変わらないのではないかと。
同じくバブル崩壊後、金融機関に対し自由経済の原則に反した措置を取った日本においては、大きな混乱も遺恨も残さなかったのに比べると興味深い点です。

米経済の先行きを読むのは非常にむずかしく、去年あたりは「完全復活」、金利引き上げ傾向は進むだろうと大方の経済評論家は言っていました。
ですが、今年になって経済成長率は目標の2,5%を大幅に下回り0,7%との結果が出るや、こぞって総員「先行き暗し」に方向転換しました。
ただ、失業率だけは改善の方向を示し続けています。
ここを頼りにヒラリーさんは、オバマ路線の継承を言っているんですね。
今はまだ、米国民の約半分が、悪い夢から覚めるのを待って居る、というスタンスを続けていますが、追い詰められて、お得意の口先三寸の転換を余儀なくされる日も近いかも。
本当のところ、民主党にも共和党主流派にもあいそをつかしたんであって、さらに米国民のマグマがたまった原因は複雑で多伎に渡るもので、今回の大統領選では修復不可能かも知れません。

私の希望は、ここまで来たら共和党主流派とトランプが和解して、党が教育もしたうえで方針を理解、尊重しながらトランプが大統領職ととる、というものですが、まあ無理でしょうかね。しかし、トランプさんが第三党から出馬して当選、なんて事になったら最悪の事態でしょう。

「行き過ぎた自由主義」はよく使われるコトバですが、
実は、権力側が自由にエコ贔屓する社会の事です。お仲間
自由主義=一種の独善社会主義です。自由主義とは全然
違う。自由が行き過ぎる事はありません、自由なんだから。

先進国の中間層が凋落しているのは、国境を超えた経済
活動で、新興国の下層民が中間層に成り上がっている為
です。比較すると、先進国の中間層のコスパが悪くて、
新興国の中間層に成りかけ層のほうが、安い賃金で文句
も少なくよく働くからです。60年代の高成長期に日本が
欧米をやっつけた現象と同じです。イナカから大都会へ
人が移り、農民のセガレが都市で中間層になる。

それが現代日本では、台湾籍メーカー(工場はほぼ中国
にある)にシャープが買収されて、「で、デジャヴじゃ」
と言われるハズが、「中間層の没落でタイヘンだー!」
と騒がれてる。自分達が、かつてどう中間層になったか
忘れてる。

テクノロジーの進化は止まらない。ムーアの法則はまだ
健在です。大昔なら、一人の百姓がいくら努力したところ
で、人の2倍3倍の収穫を上げるのはムリ。だけど、今は
優秀な知能があれば、コンピューターで原発を制御して
莫大なエネルギーを取り出せるし、ウェブで世界へと繋がる
ネットワークも構築できる。当然、私にはムリな話。

優秀な人材はテクノロジーを使って、人の10000倍以上
の仕事だってこなせる。低能なテクノロジーを使えない
ような人材は、マックジョブ程度の仕事しかこなせない。
当然、収入は10000倍超の差がつく。

以上の事実は厳然として存在する。私だって「そんな!
アホは没落していくのみか?アホは常に貧しく、幸福に
なる資格もなく、死ぬまでルーティーンワークを嫌々続
けるだけなのかーーー」と言いたい。が、現実は現実。

暗記ツメコミをやめて、サラリーマンじゃなくて事業主
として生き残れるような学校教育をする。小さな政府と
して(当然、法人税など無い、タックスヘイブンなんか
使う必要もない)、エコ贔屓は厳禁の、自由な競争社会を
作る。そうすれば、今よりはマシな、世界を舞台に戦え
る人材が育つ。「格差ハンタイー」なんて言っても、育った
新興国の中間層達が、後から抜いて行くだけですわ。

どこからの情報でしょうか?

>サンダース支持者③大卒者は比較的少ない

大卒者が多いのがサンダース支持者ですよ。
"So it should be expected that the vast majority of today’s college students and college-educated youth would embrace the candidacy of Bernie Sanders. Most of them have been educated to see the world as Sanders sees it,"
(バーニー支持者に高学歴が多いことを批判しているおバカな記事。よくよく調査して世間の問題を知るとサンダース氏を支持する人が増えるのは当たり前だと思いますが。)
http://dailycaller.com/2016/02/09/why-young-people-like-bernie-sanders/


逆に低学歴が多いのがトランプ支持者です。
"Across all the states with data available, Trump was supported by 35 percent of college graduates, sharply off his 47 percent of those with a high school education or less. Still, in many states Trump has led even among the college-educated."
http://www.pbs.org/newshour/rundown/trump-overwhelmingly-leads-rivals-in-support-from-less-educated-americans/

サラさん。私のソースは安田佐和子氏のMy Big Apple NY です。http://mybigappleny.com/2016/02/05/sanders-millennials/

1月27日に発表されたキニピアッグ大学の世論調査によっています。
その結果は以下です。
▽学歴
大卒
・サンダース 43%
・クリントン 52%
・オマリー 3%

大卒以下
・サンダース 53%
・クリントン 40%
・オマリー 4%

あなたがおっしゃるように、サンダース支持者に大卒が多いというほうがシックリきますが、いちおう同大の調査ではこのようなことになっているようです。

>サンダース支持者③大卒者は比較的少ない
記事中のこの囲み部分、読み飛ばしていました。これはちがいますね。

借金してまで大学を出ても未来がない大卒者がサンダース票へ、
借金も出来ないし学歴を積む意欲もない層がトランプ票へ
ということだと認識しているのですがそれを数字で出しているソースは私は知りません。あくまで感じです。

前回オバマ大統領の選挙の際に人種的マイノリティが多数選挙登録をしました。彼等は民主党ならサンダース候補に票を投じる率が高いと思います。あくまで予備選で、という話です。

今回はサンダース候補に入れたい大卒貧困層とトランプ候補に入れたい白人貧困層が新たに登録しているのですが、本選迄にどれくらい増えるのか、私にはちょっと想像がつきません。
住んでいるだけで国民になっていない人達も結構な数いますが、英語さえマスターしていれば今からシチズンになって選挙登録するのも何とかギリ間に合うはずです。
こうやって分母が変わる選挙分析は難しいですね。順不同で人種、性別、学歴、資産、、、後は宇宙人ファイルに興味があるか?


コメント書いている間に管理人さんがソースをあげてくれていました。
キニピアックのデータは民主党支持者内での学歴比較ですね。
世代別内訳でクリントン(トランプとの比較はこれでは出来ない)が上に立つ年齢層を見ると納得できるデータでした。

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