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2016年5月16日 (月)

迷惑な「ドイツ的憂鬱」

Dsc_1706_3

もう少しドイツについて書いていきます。 

このブログに長くおつきあい頂いた方はご存じだと思いますが、私が本格的にドイツと向き合ったのは再生可能エネルギーの検証の時でした。 

当時、社会を覆い尽くした脱原発運動の人たちは、メルケル・ドイツをことのほかお気に入りで、あれほど「ドイツに学べ」の大合唱がかまびすしかったことはなかったほどです。 

Photo_2http://globe.asahi.com/feature/article/2013013100007.html

再生可能エネルギーについては、我ながらよーやるよと思うほど論じたものです。 

2013年頃に私のブログと出会った方は、ここが反・反原発運動のサイトだと思ったかもしれません。別にそういうわけじゃないんですがね(笑)。 

右脇下のカテゴリー「原発を真面目に終わらせる方法」をご覧ください。ごっそり過去記事が出てきます。
10回シリーズ「ドイツの脱原発は隣の家の青い芝」
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/post-4c56.html 

私は、ドイツの精神不安定な民族体質が目一杯出たのが、この福島事故直後の脱原発・再生可能エネルギー問題だと考えています。 

私は当時、このドイツ人の日本人以上のパニくりぶりを、「ドイツ的憂鬱」(ジャーマン・アングスト German Angst )と評したところ、直接私の記事に対してではありませんが、ドイツ大使館が否定する記事をアップしてきました。
私たちは150年の日独関係から何を学べるか - ドイツ大使館 ドイツ総領事館 

東日本大震災から福島事故緒後に至る欧米の諸国の反応は、そのままその後のエネルギー政策決定を象徴しています。 

たとえば、ドイツの尻を追っていち早く脱原発を決めたイタリアは当時、「渋谷では放射能で死んだ死体が山積みになっている」という見てきたようなトンデモ報道で煽りまくりました。 

バカですねぇ。まぁイタリアならばチョイ悪オヤジの国なんだから、ぬるく見守ってあげようかという気になりますが、さすがドイツだと笑えません。眼がつり上がっています。

Photo_3(2011年3月16日ドイツ紙「ヴェルト」1面 三好範英『ドイツリスク』より引用) 

上の写真は、事故直後のドイツ紙のものです。1面タイトルは、「死の不安にある東京」です。

確かに日本においても、一部に放射能パニックが発生したのは事実です。しかし、ほんとうに首都が「死の不安」にありましたか?

冗談ではない。私たち東日本の住民は、この危機に際してどうにか持ちこたえようと勇気を振り絞っていた時期です。

この写真のマスクも、日本人なら珍しくもない花粉症対策にすぎません。

「南ドイツ新聞」は、同じく2011年3月16日付け1面トップでこう書いています。

「数百万の人口の首都が放射能汚染を恐れている。制御不能となった原発-東京は不安の中にある。
高い放射線量のため、東電は作業員を避難。外国企業は首都から避難した。」
「多くの住民が東京を離れようとしている。成田空港には避難者が殺到しており、多くの駅で乗車券を買い求める長い行列ができている。」
「これだけは確かだ。東京からの逃走か始まったのだ。」(三好範英『ドイツリスク』)

見てきたようなウソをつき、です。「東京からの逃走」?なんです、それは。

そりゃ確かに震災の影響で、帰宅困難者の大群がでましたが、別に「東京から逃走」していたわけじゃないのは、日本人なら分かりきった話です。

ただ面白いのは、こんな極初期から「原発作業員避難」誤報が、ドイツで流されていたことです。

ひょっとすると、朝日の誤報はドイツが原型だったのかもしれませんね。
※吉田調書関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/post-9f0f.html

その後にドイツ・メディアは、福島第1が再爆発すると報じました。

ARDはドイツの3番目の公共放送ですが、2011年3月30日の報道番組はこう伝えています。(前掲)

「炉心融解の結果、圧力容器から落下した核燃料が水と接触して、新たな大爆発を起こすかもしれない」としてCGによってその状況を見せた後に、東京が核物質の雲に覆われる様子を生々しく報道した。」(前掲)

またARDはこの番組の中で、チェルノブイリの甲状腺ガンの治療を受ける子供たちと、福島の避難所で遊ぶ子供を思わせぶりでカットバックでつなぐことで、それを強く示唆しました。

日本のメディアもそうとうにおかしかったが、さずがここまでイッてはいませんでした。

そして、状況が落ち着いてきた2012年10月11日には、お定まりの定番である「奇形の発生」が報じられます。

ARDは特集番組の中で、

「福島近辺のシジミチョウに奇形が発生していると、琉球大学の研究者が発表した」として、「福島の人々にはまだ影響は出ていないが、蝶には現れた」とコメントしています。」(前掲)

こんな情報は日本の有名なトンデモサイトである「NAVERまとめ」などに行かなければ、決してお眼にかかれないようなヨタ情報です。

ドイツメディアの情報源は、どうやら、岩上安身や武田邦彦のような職業的デマッターか、「NAVERまとめ」などのようですね。

この「蝶の奇形」を発表したのは琉大の大瀧准教授ですが、これに対して他の生物学者から厳しい批判が続出しました。
チョウの羽や目に異常=被ばくで遺伝子に傷か−琉球大: 時事ドットコム

この大瀧氏は福島事故の2年前から、北方の蝶類に奇形が多く発生すると言っていた当人で、それがなぜ、福島事故の後になって原子力事故との因果性があるかのような言い方に変化するのだという疑問です。

もし比較するならば、放射能の影響がなかった青森の蝶と、福島の蝶を比較するべきです。

しかし、当然のここととして、ドイツ・メディアはこんなディテールは省略して、「フクシマに奇形発生」と印象報道に徹しています。

そして、2013年3月11日の震災2周年に対して、「同盟90/緑の党」は悲痛に満ちた表情でこうご託宣を垂れます。

「2年前の今日、フクシマの壊滅的な原発事故か起きた。この大事故において、1万6千名が死亡し、2700名が行方不明である。
フクシマの原発事故は、非常に危険な原子力がいかに制御不能で、命に関わるものであるかを示した。
したがって我々はドイツだけではなく、ヨーロッパ、そして世界中でできるだけ速く脱原発を実現し、エネルギー政策の転換を前進させねばならない。」(前掲)

この表現だとまるで、福島事故で1万8千名の死者・行方不明者がでたような書き方です。

さすがに日本の脱原発派も、この彼らの師匠筋の緑の党のようなことは書きませんでした。

これがドイツ人の一般的な福島事故に対する認識です。

「ニューズ・ウィーク」(2013年10月30日)によれば、今でもドイツでは福島事故で日本人が数千人死んだということをまともに信じている人が大勢いるそうです。

このようにドイツメディアは、東日本大震災の報道より、福島原発事故報道のほうが圧倒的に多く、震災に立ち向かう被災者への共感が大きく欠落している反面、ドギつい煽り報道が主体でした。

これに対して英仏メディアは、被災者の勇気に対する賛辞と冷静な事故報道をしています。

英国は、大使館がいち早く在日英国人に対して安全情報を伝達し、避難する必要はないと冷静な対応に徹しました。

フランスもまた、同じく在日の民間人に退避勧告は出しませんでした。

一方ドイツ人の在留者のほとんどは放射能に恐怖して尻に帆をかけて成田空港に殺到し、そのまま再来日しない人も多かったそうです。

Photo_4ドイツの原子力発電所

ちなみに、福島事故後にドイツとイタリアは脱原発に走りましたが、かつて脱原発を唱えたスウェーデンは同調せず、フランスは現状維持(社会党政権は漸減)、英国は増設です。

まさに「ドイツの憂鬱」が全開、というところでしょうか。

ドイツ人は環境保護や自然愛好の精神が高いことを自慢していますが、それが故に環境や健康の保護に過度にナイーブな側面も持っています。

ナイーブというのは、神経過敏で情緒不安定、すぐに悲観的心理に陥りやすい行動パターンに陥るということです。

その結果、当人たちはリスクを最小限にするために行動しているつもりでも、それが極端なためにかえって大きな悲惨を招く結果になりがちなドイツ人気質を生みました。

しかも、ドイツ人はこれを絶対的真理だと勘違いしているために、周辺国のみならず、世界にモーゼの十戒よろしく普遍化しようとするからタチが悪い。

Photo_7
このモーゼが敬うヤハウェ神は旧約聖書の絶対神ですが、極端に短気で怒りっぽいのですからたまりません。

民が崇拝していた黄金の子牛像を粉砕して水に撒き、「子牛を求めた者は、この水を飲め。飲まぬ者は、私の杖にかかって死ぬ」と脅迫するんですから、スゴイ。

このような無茶苦茶な暴言を吐く神がいること自体に、温和な神々しかしらない日本人は驚きますが、ドイツ人はこのような過激なキャラをよく生み出しました。

古くは宗教改革で、ヨーロッパを宗教戦争の血の海に叩き込んだルターはドイツ人。

20世紀を革命と戦争の世紀にして、数億人殺害したマルクスもドイツ人。

そして第1次大戦後のハイパーインフレから生まれ出たのが、あのヒトラーでした。

これは何かの偶然でしょうか。

そして現代。「ドイツ帝国」を復活させたメルケル女帝は、フクシマ事故で脱原発に急旋回したわけです。

他のヨーロッパ人は、慎重にリスク評価を行い、原発を維持するリスクと原発ゼロの場合 のリスクを比較しました。

そしてこの両端の間に、いくつものシナリオを用意して対応していきます。

それが大人の政治というもので、思春期の子供ではあるまいに、「生か死か」なんて、フツー立てませんよ。

ドイツ人は、「原発のリスクが不明なほど大きい」と設定して、「人類絶滅か、廃棄するか」だという方向に突っ走ってしまうことになります。

かつてこの国から人類史上最大の怪物であるアドルフ・ヒトラーが誕生し、ドイツ人が足並みを揃えて雪崩をうって崖から海へ飛び込んでいった姿を、いまのドイツに重ねてしまうのは、失礼というものでしょうか。

 

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コメント

なるほど、納得。

私はドイツ紙のいかさま報道の原因は、日本における特派員の質が下がったせい、と考えました。
そして、ドイツ紙のある種のイデオロギーに塗れた部分が日本のそれと呼応して、ドイツに誤った政策をもたらした主要因となった、と考えたんです。
つまり、総じて「マスコミの問題」だと。

私、3.11よりかなり以前の事になりますが、日独友好協会に十年ばかり入っていた事があります。
といって、文学や音楽をのぞけば取り立ててドイツファンだったわけでもなく、知り合いの医師に誘われてだけの動機で、一度フランクフルト行きにお付き合いした以外、一年に一度のクリスマス会に出席する程度のお付き合いでしたが。

そこである領事の方が、
「日本人の楽天性にくらべ、ドイツ人はペシミスト(悲観論者)が多い」、というのですね。
それがドイツ独特の文化を作った、という文脈だったと思いますが、それとは別に「追い詰められた、と感じるハードルが低い」ので、「そういう状況を作らないようにする事が、政治の課題だ」というのです。

これをもって国民性云々と言えるかどうかわかりませんが、ブログ主様が言われる事と妙に平仄が合ってるんですね。
誤解をおそれずに言えば、今のドイツにも脈々と受け継がれている、こういったメンタリティがヒトラー当時のドイツに全体主義をもたらした、とも考えられる。
さらに言えば、日本に破滅をもたらしたあの帝国陸軍の統制派の心情も出自を同じくするものだったんだろう、と思いますね。


3.11当時、都内に住んでいた子育て世代の私の周囲でドイツメディアが煽ったような避難大パニックが無かったのは勿論です。ただし。
知人の中で家族をいち早く実家や親戚の元に送った日本人家庭はありました。その親の業種内訳は、NHK含むテレビ局職員、大手航空会社、電通、大手新聞社記者、音楽業界関係者。
何のことはない、避難パニックを起こしていたのはメディア関係者です。外国人記者は彼等と連動してますね。

まあ、春休み帰省を早めれば夫の杞憂のリスクヘッジを取れる訳であり、彼女達は周りを煽りたてるでもなくサクッと姿を消し、4月に学校幼稚園が始まる頃にストレスをいっぱい溜めて戻ってきました。
避難の際に西へ流れるプルームの真下にいたり、帰省先で親戚へ気兼ねしたり。東京は家が殆ど壊れてない上に断水停電も殆ど無かったので何でまだ居るの戻れば?みたいに扱われた人もいたそうです。

ドイツ的には、政府が原発事故を隠している!メディアは家族を逃し始めている!何て聞くともうこの先は1つしか道はない。
東京からもっと続々逃げる者が出るぞ!日本から難民が出るぞ!誰も原発をコントロールしなくなる!
と、なるのでしょう。よもやこんな風に収まり計画しては頓挫しても現場の努力で壊れかけの原発を5年も暴走させず保つとは思わなかったはずです。
その短絡思考こそがドイツ的愚かしさですね。

彼等の中で生まれた思想体系やルール、そして未来予測が、この世で暮らす人間への温かみを持たないという点で、今朝の記事のドイツへの危惧に同意します。

今回また難民問題で、東部の難民キャンプへの放火が増えています。
私は火をつけていないけれど難民が減れば嬉しい。燃やされたくなければドイツから去れば良い。そう思っていても口には絶対出さない彼等の顔は、冷酷極まりないです。

福島の子供の甲状腺癌の比率は他県に比べて高いと聞いて、あるグループの人達は放射能のせいで甲状腺癌が増えたのだと決めつけ大騒ぎします。

甲状腺癌が増えたかどうかは、以前の統計や測定方法、他県の統計や測定方法を比較し、有意に甲状腺癌が増えていると言うところを出発点とするのが科学的な姿勢です。全国の県別の甲状腺癌の発生率を調べるには、サンプリングの仕方や測定方法を統一して初めて比較が可能になります。

これに対して、放射能の害をアピールしたい人達はそのような点を無視し、自分達の信じたいことを事実として主張します。

福島直後の東京の放射線レベルをその他の都市の比較した記事がありましたが、東京が特別に高いと言うデータは見つからなかったようです。

国際都市香港ですが、中国の広東省に隣接しています。この広東省では原発が多数稼働していますが、杜撰な管理で放射能漏れ事故が多発していることが疑われます。発表はされないので真実は闇の中ですが。現実に香港の放射能レベルは東京も比較にならない程、高いのです。でもドイツ人が逃げ出したと言う話は聞きませんね。

報道されないものは無い、見えないものは無い、見たく無いものは見ない、人間の勝手な心理の前には科学も事実も無力ですね。

間違った情報を刷り込まれると修正がきかないですね。

南京事件や従軍慰安婦なども世界中が信じてる。


ドイツは度を越してますね。

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