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2016年5月22日 (日)

日曜雑感 95年の事件と今回の事件の違いについて

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おはようございます。

なにやら遠泳から上がったような気分で、日曜日を迎えています。

いや~、忙しかった。仕事が重なって疲労困憊。その上、寝不足でヘロヘロなところに、うるま市女性殺人事件が重なりました。

ひさしぶりに、こみかめから血がピュっと出たかと思うくらい怒ってしまいました。

私の中の普段は飼い馴らしてあるはずの、「反米の血」が猛然と鎌首をもたげてしまったようです。

一気呵成に金曜日の記事を書いてしまい、土曜日に読み返して愕然となりました。

シンザトという男が許せないのは当然として、私は怒りのあまり95年9月の少女暴行事件と今回の事件を重ね合わせてしまっています。

これは正しくはありません。

あの事件は現役の3名の海兵隊員が主犯でしたが、今回は地位協定上の公務中の不逮捕特権が行使できない「基地出入り業者に雇われた米国人」が容疑者でした。

地元紙が言いたげな、「米兵犯罪」ではないのです。

ですから、本質的に95年の事件とは異ります。

たしかに米軍の4軍調整官と在沖米国領事が県に謝罪に来ていますが、それはあくまでも道義上の罪を認めたのです。

92年のような現役の複数の米兵が「アニマル」(当時の米国大使の表現)と化したことに関して、直接の監督責任がある米軍司令官の謝罪とは違うことに留意してください。

95年の事件は、米側が1次裁判権特権の枠を一杯に使って、米兵の基地内への「逃亡」を許し、米側が身柄を「保護」しました。

これは日米同盟の信頼を根本から揺るがすものだったからこそ、駐日大使、国防長官、国防次官補、統合参謀本部議長、そしてクリントン大統領までもが謝罪しています。

今回の事件で米国側が行った謝罪は、あくまでも道義的、あるいは政治的謝罪であって、95年とは本質的に別なものです。

ただし、県民意識の根っこの部分において、本質的に「基地があるからだ」という意識があるために(それはそれとして間違っていないと思いますが)、米側は素早くそれ相応のポジションの人物を県に謝罪に行かせたのでしょう。

図式化すれば、「責任」には3種類あります。

①法的責任
②道義的責任
③政治的責任

95年の事件は、日本政府が「容疑者を引き渡せ」と主張した場合、それを素早く米軍が「保護」してしまった①の法的責任が問われてしまいます。

すると、②の道義的責任はもとより、③の政治的責任まで問われて、日米地位協定の改訂交渉に入らねばなりません。

一方、今回の事件は米軍の①法的責任を問うことは無理で、②と③の間で謝罪したということです。

これが昨日の記事で書いた軍の直接雇用者である米国公務員(ジェネラル・スケジュール)だったのならば、すっきりと「軍属」ですから、軍の直接責任が生じて、前回の事件と同じになります。

しかしそうではなく、かといって勤め先が基地である点がやや違うグレイゾーンに容疑者が入っていたために、ややっこしくなりました。

地元紙は何がなんでも「軍」性悪説ですから、「軍属」と一括りにして、さらに「元海兵隊員」などという職業差別的呼び方まで引っ張りだして、「全基地撤去」の方向に持っていきたかったようです。

「全基地撤去」とは、とりもなおさず日米同盟の一方的廃棄しろ、という主張です。

こんなことを本気で実現してしまったら、今の日本は核武装も含む重武装国家になるしか道はなくなります。

こういう短絡した政治主張を、悲劇の政治的利用といいます。

「元米兵」は、中部を中心にたくさん居住しています。まったく屈託なく地域社会の中で生きています。

大方は沖縄人の奥さんをもらって、サンシンなどを爪弾き、子供もウチナーグチでしゃべっています。

彼らもなにかあるごとに、「元米兵が。このヒージャーミーが」と蔑んだような視線を浴びねばならないとしたら不憫です。

この事件の傷は長く残るでしょう。

私ができるのは、せいぜいができるだけ客観的に整理することていどですが、今回、私自身が熱くなりすぎました。反省しています。

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沖縄問題」カテゴリの記事

コメント

95年といえば阪神淡路の地震があり、今回の被害者が生まれた年ですね。
何の因果か昨日東京の小金井市でストーカーにメッタ刺しされたアイドルも95年生まれ。


横田ベースの周辺も日本人女性と結婚し居住してる軍属がいますね、元同僚の女性もその一人でアメリカ人の客が来たときは英会話ができるので助かってました。
旦那さんが極度のホームシックになり彼女を連れてアメリカへ帰国しちゃいましたけど。


管理人さんの沖縄愛・熱き心を読者の皆さんは理解されてると思いますよ。
毎日の記事アップご苦労様です。

地元新聞で、被害者のお母様が直ぐにお嬢様のマブイを探しに行かれたと読み、苦しくなるくらい胸が締め付けられました。
被害にあわれた女性のご冥福を心から祈ります。

逮捕後、迅速に行われた一連の謝罪に、誰が誰に何の為に謝っているのかモヤモヤ感がありましたが、本日の管理人さんの説明で腑に落ちました。
ありがとうございました。

今日、御遺体発見現場へ行って、ウートートして来ました。
たくさんの花束が捧げられていました。
泣けて泣けてしょうがなかったです。

豊原区民さん。いいことをなさいました。私もぜひ花をたむけたいです。

ふゆみさん、今、資料を集めていますので、もうちょっと待ってね。

おはようございます。
管理人さん、私も色々資料を探しています。
本業と、お身体第一でm(__)m

オバマに会えるよう仲介せよと安倍総理に話したのだとかで、
いよいよ翁長さんは琉球国の王様にでもなったような振る舞いをみせてますね。
今回の傷ましい事件を格好の道具として使っているようにしか見えません。
一方政府側にも不可解としか思えない動きがあるようです。
亡くなられた女性の葬儀に中谷防衛大臣が出席されたのだとか。
正直意味が分かりません。
海兵隊時代の上官が責任を感じて葬儀に出ると言うんなら理解も出来ますが、
なんで故人と縁もゆかりもないであろう防衛大臣が出席するのでしょう。
事件が明るみになるにつれ、岸田外務大臣や安倍総理、中谷防衛大臣から
米軍を批判するコメントが矢継ぎ早に飛びだしてきましたが、
いずれもとってつけたようなパフォーマンスにしか思えませんでした。

結局の所、翁長にしろ政府側にしろ、ベクトルの向きが違うだけで
一人のかけがえのない命を踏みにじっている事に変わりが無いように思えます。

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