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2016年6月16日 (木)

陶片追放で追い払われた舛添氏

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陶片追放によって舛添氏は辞任追に追い込まれたようです。 

陶片追放(オストラシズム)とは、前6世紀頃のギリシャで行われた権力者追放の仕組みです。

陶器のかけらで追放の決をとったので陶片追放と言います。 

まぁ、気に食わない権力者を政治的に抹殺する「民主的方法」ということになっていますが、かぎりなく村八分に酷似しています。 

Photo_7使われた追放者名が書かれた陶片(オストラコン)。6千集まると国外追放された。前回アップした絵は正確ではないので差し替えました。
http://415100.blog50.fc2.com/blog-entry-1774.html

現代で陶片追放に似た方法をとれば、法的に瑕疵があろうとなかろうと、司法が判断する以前に結論が出せてしまうというまことに便利にしてお手軽な、疑似直接民主主義です。 

ギリシャはこれで有能な政治家を追放しまくったために、衆愚政治に陥り、アテナイの衰退を招くことになります。

あらかじめ言っておきますが、私はこのネズミ男が大嫌いです。

こんな男をテレビでもっと見続けるくらいなら、寿司にジャムを塗って食べたほうがましだと思っています。 

さっさと辞めてくれて慶祝の至りです。カンさんのように、「私を辞めさせたかったらコレを呑め」ということを言い出したらどないするねん、と思っていました。

辞任自体は当然すぎるほど当然です。 

あの男は2年なんぼの任期で、全国一の待機児童問題に問題には手をつけず、やったことは都所有地を保育所にせずに韓国人学校に貸して、田舎大名旅行をしたことくらい。 

定冠詞つきゴチック活字のザ無能です。 

しかし、問題は辞任に追い込むやり方です。 

Photo_3

政治家としての能力には天地の差がありますが、前回の甘利大臣の時とそっくりです。

週刊文春が焚きつけて、それに取材力がないテレビ・新聞がダダ乗りし、世論が怒りだし、袋叩きに合って政治生命を断たれるという構図です。 
関連記事
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2016/01/post-a002.html
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2016/01/post-87a1.html

文春は甘利事件で味をしめましたね。 

情報ソースに一部不透明なところがあっても、取材方法に違法性があろうとなかろうと、暴いたら「正義」の勝ちなのです。 

その「正義」が告発する権力者が法に触れようが触れなかろうが、問題を法の外の道義的責任にすり替えてしまいます。

甘利氏の場合は、そもそもあの一色なる詐欺師が持ち込んだ情報を使って、詐欺のかたぶを担ぐようにして金銭疑惑に巨大化してみせたのです。 

今回は、家族旅行を政治資金で支払ったのではないかという、こういっちゃナンですか、まぁどーでもいいようなことです。 

そこに「元新聞記者の出版社社長」がいようといまいと、それと都政がどう関係があるのですか。 

そもそもこれは参議院時代のもので、こんな案件では百条委員会は設置できません。 

ともかくセンセーショナルにドカ~ンとぶっ放せば、狙った権力者はことごとく貝殻追放になります。 

与野党を問わずどんな政治家も、政治資金報告書などにはアラが沢山ありますから、叩けばクレヨンしんちゃんだの卵サンドだの、中国服などの(←それにしてもショボイ)ひとつはでてくるでしょうね。 

そもそも政治資金規制法自体が、穴だらけの欠陥法です。虚偽記載など日常茶飯事です。 

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舛添氏がこれほどまでズルズルと地位に拘泥したのは、事件発覚当初から法的に問題がないから乗りきれると判断したからです。

はい、法的にはそのとおりです。

政治資金規正法には使途の規定がありません。罰則規定があるのは唯一、不記載と虚偽記載だけでです。

そして政党助成法にに至っては、第4条で何と「使途を制限してはならない」とまで規定しています。押さえておきましょう。
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H06/H06HO005.html

「政党助成法(この法律の運用等)
第四条  国は、政党の政治活動の自由を尊重し、政党交付金の交付に当たっては、条件を付し、又はその使途について制限してはならない
 政党は、政党交付金が国民から徴収された税金その他の貴重な財源で賄われるものであることに特に留意し、その責任を自覚し、その組織及び運営については民主的かつ公正なものとするとともに、国民の信頼にもとることのないように、政党交付金を適切に使用しなければならない。 」

のように国民の税金が源泉である政党助成金について、無規制であることを堂々とうたい上げ、その縛りは政治家個人の「責任の自覚」だとしています。

ですから、それを知っている舛添氏は、ヤメケンの「マムシの善三」を第3者に仕立てて、「法的には問題ない」 と言わせて幕引きできる算段でした。

すべて「政治活動だ」といえば通ると知っていたからです。

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ですから臆面もなく、「美術品は日仏交流の材料」「競馬は国際関係の研究」「クレヨンしんちゃんは現代児童の言葉使いの研究」「チャイナ服は日中交流のための漢字の練習」、という国民の神経を逆撫でする発言を繰り返して墓穴を掘ったのでした。

まったく馬鹿か、こいつは。だから学歴エリートは嫌いだ。ちったぁ、おまえに投票してくれた汗水出して働いている都民の目線で考えろつうの。

さて「収支の帳尻合わせが秘書の仕事」というブラックな言いぐさが、政治秘書業界の通り相場だといいます。 

法定年間規制枠を越えそうになれば、翌年にまわすために、偽造領収書を作って報告書の帳簿をゴマかす、トンネル会社を作ってロンダリングすることなどは普通にやられています。

 献金先の企業の帳簿をみれば整合しないので、すぐにバレますが、報告書の提出先となる総務省や各都道府県選挙管理委員会の担当者は、こう言っているそうです。

「報告書の提出先である役所は、表面上の計算が正しいかどうかしか見ない。役人は政治家のあら探しは絶対しない」
「書式や記載の不備などは形式的にチェックするが、収支の適切性まで踏み込んで調べる権限はない」(産経2014年11月24日)

続出する不祥事のために、平成21年度分から弁護士、会計士の監査が義務づけられましたが、実態はいささかも変わりません。 

複数の政治団体の監査を請け負う弁護士は、こういいます。 

「収支の適切性まで確認する監査人は少ないはず。憲法で保障された『政治活動の自由』のため、帳簿と領収書が一致しているかを見ることだけを規正法が求めているからだ」(同)

また、先日書いたように、現代の政治家は政党支部、資金管理団体、後援会などを複数持つのが常識です。 

今回も舛添氏は、政党支部、グローバルなんじゃら研、泰山会など自分個人が仕切れる政治団体を複数持っていました。 

企業グループのようなもので、個別に会計処理をして監査しても、実はひとつのグループなのです。 この複数の政治団体間で政治資金をやりとりした場合、まったく実態は藪の中になります。 

本来は、グループ企業のように連結決算とすべきなのですが、その動きはありません。 政治家が変えたくないのです。 最大の利害享受者が政治家ですから、ドロボーが縄をなうというやつです。

こういう土壌から、「新党ころがし」と呼ばれた小沢一郎氏がやった新党を潰して、解散直前に自分の政治団体に政党助成金の残額を「献金」するという詐欺まがいの方法が定着しました。

舛添氏も額は600万と、この人の器に合わせてセコイですが、600万ほどやっています。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2016/06/post-679e.html 

問題は、この政治資金規制法と政党助成金のあり方なはずですが、そこまでいかずネズミ男の貝殻追放で幕を閉じたようです。

ごこで一句。大山鳴動、ネズミ男一匹。(字あまり)

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ですから、次なる標的を文春が誰につけるのか、選挙を前にして政界は戦々恐々でしょう。

今回の事件の最大の罪は、政治責任を極端に下げてしまったことです。

いまや、かつてのような田中角栄が関わったとされる信濃川河川敷疑惑やロッキード疑惑事件のような、巨額政治献金が動かなくてもいいのです。

クレヨンしんちゃんでも、回転寿司の支払いでも引っかけることが可能になりました。

テレビで、通行している都民がことごとく、「疑惑を晴らしてほしいよね」と言っていましたが、疑惑?

あんなチャッチな公金私物化が疑惑?冗談じゃない。晴らすも晴らさないも、みんな週刊誌に書いてあるとおりです。

文春は火をつけていますが、既にこんなミニミニ「疑惑」などとっくに解明しているのです。

チョイ出ししているのは、ネタ切れになるからにすぎません。

あのロッキード疑惑で、田中氏を失脚に追い込んだのが月刊文春だということをお忘れなきように。

文春の調査能力の高さは、テレビ、新聞の比ではありません。取材力は、おそらくメディア界随一です。

それにしても、「疑惑」の恐るべきハードルの低さです。

かくてイェローペーパー(※)と化した週刊文春は、この舛添事件で、簡単に政治家を失脚に追い込む手段を手にしたことになります
※個人や会社などの秘密や弱点を暴く ことなど、興味本位の低俗な記事が多い新聞。黄色(おうしょく)新聞。

今後、週刊文春編集長が、「次はこいつを潰す」と決意さえすれば、収支報告書を調べる専任バイトに(ほんとうに複数いるそうですが)、「次○○潰すから、調べておけ」と命じるだけで、その政治家は「おまえは既に死んでいる」(←北斗の剣)となるわけです。

おいおいです。

私は舛添氏の所業もさることながら、こういうイエロージャーナリズムに権力を与えてしまったことのほうが、憂鬱です。

政治資金規制法の改正を参院選の争点にすべきです。

ふざけたことに、中国海軍がこんどは戦闘艦でこそありませんが(情報収集艦)、領海侵犯をしました。これについては明日に。

 

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コメント

全く同意です。
私も舛添要一という人物は政治家になる前から生理的に大嫌いだった事もあり今回の舛添氏の対応には呆れ果てていました。ただ管理人様の仰る「おそるべきハードルの低さ」には背筋が凍る思いです。
当初から橋下徹氏がテレビ番組で「良い悪いは別にして政治資金規正で入ってくる金にはそれなりに厳しい規定があるが、出る金に関しては全く規制はない。領収書さえちゃんとしていれば公私混同など全く違法性はない。兵庫県の号泣議員が有罪になったがあれは領収書を偽造していたからであり今回の舛添氏も領収書偽造さえしていなければ法的には咎められない。」とわかり易く説明してくれていました。
私としては以前からカネに汚くてもちゃんとアウトプットを出す政治家であれば「違法行為でない政治とカネ問題」を批判するのはおかしいと思っていましたが、今回の舛添問題や山尾志桜里問題(これは山尾氏の言う通りであれば元秘書の明確な違法行為ですが)を見ていると政治資金規正法の改正が必要なのかな....?などと思うようになった今日この頃です。

 「ありんくりん」さんのおっしゃる通りです。陶片追放というのがありましたね。思い出しました。

 週刊誌はヒドイ面があると思っております。沖縄問題で左翼の内情を暴くみたいな記事は面白いと思うし、しかし、今回のような衆愚政治を招来する面もあるしで、どうなんでしょう。わたしは週刊誌を読まない方です。

 一辺倒の世論など大体間違っているという感じを持っておりますが、今日の記事は、冷静な見方を示してくれましたので良かった。

文春砲炸裂とか持て囃されてますが売れるネタをあらゆる手段を使い提供してるだけです。
また政治的意図で特定の政党議員を狙い撃ちも出来ますね。
俺たちは不正を糺す報道なんだ、うぇーい!(鮮魚売場で踊らないでしょうが)、正義の味方のつもりでやってるとしたら慢心に他なりません。

今回の件でしきりに都民の責任だとか叫ばれてます、政党や上っ面で投票するな、ネット社会なんだから候補者を自分で調べて投票しろって言って君らはどうなんだ?
政党で投票してる人は多いと思いますけどね。


ガソリーヌ山尾、セコ添と問題が起きても政治資金規制法の改正を叫ぶ声は少ないです。
マスコミはこれをしないですね。

最近カッカッしていたのですが、今日の記事で少し冷静さを取り戻しました。

都知事選では安倍さんも応援演説に駆けつけ、菅の親父も太鼓判を押していた舛添さんなのに残念でなりませんね。
まあ実務能力が高くて職員からの評判は良かったそうですが。

さて文春と言えば沖縄の元県知事、仲井真さんの失脚の原因になった「識名トンネル問題」をいち速く取り上げた週刊誌でもあります。
これが仲井真さんの辺野古移設反対の鼻っ柱をへし折り変節の原因になりましたから、中々どうして文春はいい仕事してますよ。

>あの男は2年なんぼの任期で、全国一の待機児童問題に問題には手をつけず、やったことは都所有地を保育所にせずに韓国人学校に貸して、田舎大名旅行をしたことくらい。
まだ口約束〜用地選定段階で貸しておらず、これは止められます。そして舛添辞任と同時に勝手に凍結されるのではないので、これからしつこく議会で凍結を迫らなければなりません。解散して選挙するとしてもその間に事務方がサクサク進めていい案件ではありませんね。
追求を右翼に乗っ取られてヘイトになるから作るしかないなんて流れにならないように、本当に保育施設や養護施設が優先だろうと言い続ける人数が必要です。

この「ペリクレスの時代」って、100年ぐらい前のフランスのスープ屋さんの広告では。

Thothさん。ありがとうございます。差し替えました。

菊彦さん、去年の秋に文春は編集長が替わったのです。おっしゃったトンネルは前の編集長の時のものです。

今の人はうってかわって部数主義者のようです。
私も長年文春は、月刊ともども愛読してきたのに、残念です。

文春は去年に編集長が代わっていたのですね。

雑誌などの紙メディアは部数によって社会に対する影響力が変わってきますし、その影響力を見越して甘利問題のような大ネタをぶっこむ人も現れますから「部数主義」がことさら悪いことだとは私には思えません。

私としても鼠男のセコセコ話よりも、追及の手が緩んできた頃に都合よく「不眠症」が治って表にでてきた薄気味悪い長頭のオバケのほうを退治してもらいたいものです。

舛添の件は民主主義と表現の自由が良い方に機能した結果だと思いますが。
彼が実績があり有権者から支持される政治家であれば、週刊誌の記事だけで引きずり降ろされることはなかった。

行き過ぎると週刊誌ネタひとつで誰もが辞めさせられる世界になってしまいますが、それは民主主義の悪い面ですね。
完璧なシステムなんてないので、それはある程度許容するしかない。

まあ有権者が馬鹿でなければ誰も彼も週刊誌ネタひとつで即死なんてことにはならないでしょう。

舛添には大馬鹿野郎ということばしか思い浮かびませんでした。ここまでクズだったとは。しかし、またこれで宇都宮健児や山本太郎がまたしゃしゃり出てくるでしょうね。もう今からめまいがします。

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