増税包囲網と「麻生の乱」
今回の消費増税をめぐっての攻防は、前回の増税攻防より緊迫したものでした。
それは、政権の重鎮である麻生氏が反乱を企画したからです。
メディアは初めから出来レースのように伝えていましたし、増税回避は既に決まっているかのような妙に白けた空気がマスコミによって作られていました。
メディアには朝日、毎日などのように財政規律派が多く、首相の増税回避にあがく姿を、苦々しく見ていたようです。
しかし、現実には増税回避派は、政権内部においても極小派でした。
よく誤解がありますが、増税回避派は自民党内でも異端なのです。
前々回は安倍氏はこの増税派の包囲網を突破仕切れなかったのですが、今回もまた参院選間際までもつれ込んだ攻防となりました。
※前々回の増税についての関連記事
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/8-7c37.html
前回の増税回避について
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2014/12/post-db86.html
今回の攻防で特徴的なことは、安倍政権始まって以来、初の政権中枢の亀裂だったことです。それが「麻生の乱」です。
政権は外部の圧力では簡単に崩壊しません。崩壊するのは、政権内部が割れる場合です。
今の安倍政権は、ご承知のように安倍氏と菅氏による、いわゆる「官邸」と呼ばれる力がきわめて強力なことが特徴です。
自民党サイドは、多数の力で「官邸」を包囲し、意志を押しつけることが出来ないのです。
今回の消費増税もそうです。谷垣幹事長、稲田政調会長たち自民党サイドは揃って財政規律派、別名、増税派です。
例の「将来にツケを回すことなく、国の借金を返しましょう」という、財務省がまき散らしたドグマにまだ犯されています。
お二人とも弁護士ですが、どうも法律家出身は経済が分かっておられない。今、増税したら日本はデフレから永久に離陸するチャンスを逸します。
今までの弱い首相ならば、与党幹部からこう出られたら、これでお終いです。
首相といっても従来は、派閥力学から生まれた雇われマダムのようなものでした。
ほんとうのオーナーの派閥のボスたちの談合で、政権は運営されていたのです。この自民党独特のすえたような風土が一掃されたのが、今回の安倍政権でした。
彼は、日本できわめて珍しい大統領型首相です。
彼以前に類例を探すとすれば、安倍氏の政治の師匠だった小泉氏しか存在しません。
さて今回は、この自民党増税派以外に、政権中枢と中央銀行からふたりの増税派が加わりました。
麻生財務大臣と、黒田日銀総裁です。
方や財務の最高責任者、方や金融政策の最高責任者。これで勝負ありです。
麻生氏は理念的にも、政策選択の上でも「増税断行」派です。
麻生氏は5月2日から、黒田総裁とドイツで開かれたアジア開発銀行年次総会に出席しました。
そこで麻生氏が述べたのはこうです。
「(消費税増税をしなければ)世界で最も進んだ社会保障制度は維持できない」「改革(=増税)には痛みが伴う。反対があるのは当然のことだ」
この麻生氏の発言は、典型的な増税派の意見で、財務省の意志でもあります。
一国の財務大臣が外国の公的場で、増税断行を明言したのです。黒田氏が横にいたのですから、彼も同じ考えでしょう。
黒田氏は前回の増税時にも首相に増税するように進言していますしね。
黒田氏は、一見リフレ派ですが、ああ見えても財務官僚出身、財務省マインドは大いに残っているのです。
このような麻生氏の発言は、首相の了解を得てしたものではありませんでした。
麻生氏の「オレは筋を通しただけた。文句あっか」という、筑豊炭鉱気質が丸出しになったのです。
もし首相が麻生氏の発言内容を事前に相談されていれば、当然意見の相違が対立となり、この時点で「麻生の乱」が開始されたはずです。
そして続いてサミット本番前段の、5月21日に仙台で開催されたG7財務相・中央銀行総裁会議でも重ねてこう言っています。
「消費税増税は予定通り実施する」
そしてしつこいことには、三度目は5月29日、自民党富山県連政経文化セミナーでの発言です。
「今の状況でわれわれとしてはもう一回消費税を延ばす延ばさないという話をするんであれば、(2014年11月の衆院解散で)延ばすということで信を問うているから、今回は必ず上げるとはっきり申し上げて選挙を当選してきたんだから、延ばすならもう一回選挙して信を問わないと筋が通らんのではないかというのが、私や谷垣さん(禎一自民党幹事長)の言い分だ。」
この発言も衆参ダブル選挙への布石と、メディアは伝えましたが、違います。
実はこの前日の28日に首相公邸で行われた安倍、麻生、谷垣、菅の4者会談で、麻生氏は消費増税の予定通りの実施を求め、さらに延期する場合には衆院解散に踏み切るよう進言していました。
ですから、翌29日の富山県の講演は、政権中枢の秘密会談の内容を暴露したものだったのです。
このように副総理兼財務大臣にして、安倍政権の生みの親を自認する麻生氏が3回に渡って、「増税断行」と言っている重みが、ただの政局アドバルーンなはずがありません。
麻生氏が、増税せねばダブル選挙をして安倍氏を敗北に追い込み、「その後はオレだ。アベが2回目なら、オレだって不完全燃焼だったんだ。もう一回やらせろ」と思っていてもなんの不思議もありません。
というのは、この時点で官邸に上がっていた自民党の独自調査によれば、ダブル選挙をすれば大敗すると出ていたからです。
麻生氏は、公明の反対も知っていて、自民党サイドも消極的なことを知って、ダブル選挙で安倍氏を壁際まで追い込む腹づもりだったのです。
かくして消費増税に反対する安倍氏の包囲網の環は、完全に閉じたかに見えました。
実は官邸サイドにもうひとり、甘利氏という増税反対派がいたのですが、彼は謀略じみた事件で、半ば政治生命を絶たれて不在でした。
世間は妙に「増税なし」という空気が常識化していましたが、私はこの時点で、苦渋の表情を浮かべて増税を発表する首相の記者会見の様を、脳裏に浮かべたものです。
この両者の決着の場は、5月30日夜の、東京・永田町ザ・キャピトルホテル東急内のレストランに持ち込まれました。
時事通信・田崎史郎氏によれば、この「対決」はこのようなものであったようです。
実に延々3時間メシを食っていたそうですが、当然お二方ともいける口ですから、酒も入っていたことでしょう。
田崎氏によれば、3時間の会談で、消費再増税や解散について話し合われたのは初め30分程度だったそうです。
首相は丁寧な口調で増税延期を説明したした後に、ダブル選はしないと、麻生氏に伝えたそうです。
そして首相は、「私たち二人の関係があって初めて、安倍政権は成り立っているんです。最初からそうじゃないですか。総裁選に出た時から」という、憎いひとことを麻生氏に語りかけます。
この言葉は、「麻生さん、あなたはこの政権の生みの親です。今までもそうだし、これからもこの3人でやっていきませんか」という意味でした。
この言葉に麻生はホロリとなったようです。麻生氏は胸襟を開きます。
後の2時間半はこのふたりにしか出来ない、祖父の吉田茂と岸信介の話になったそうです。
こうしてあまりにもアッサリと麻生氏と首相が仲直りしたために、一部ではやらせという声が上がりましたか、たぶんこの流れを見ると違うでしょう。
本来、増税は延期ではなく、凍結とするか、むしろ5%に戻すべきです。
ただし、このような理想論が通じるほど状況は甘くはなかった、ということです。
消費増税派は、ほぼ勝利を掌中にしていて、9回の裏の安倍-麻生会談の動向次第では、増税で決着がついたのです。
※改題し、別に首相を称賛することがテーマではないので、冒頭部分を削除し、大幅に書き換えました。(午前11時)
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現在の政界を見ていると、与野党全部を眺めまわして見てみても、安倍さん以外に総理に適任な人は見当たりません。財務省からのご説明を根拠に横柄な喋り口で増税反対を述べる麻生さんには二度と総理にはなって欲しくありません。
安倍総理は国内外の経済界の方々の意見を聞き、自身の経済政策を見直し、自身で判断して増税延期を決めました。財務省一辺倒で無いことは大いに評価できます。これで消費税増税延期を提案しようとしていた民進党は争点を失い、今やアベノミクスの失敗に争点を移しました。歓迎の意を表明する位の余裕はなかったのでしょうか。つくづく馬鹿な政党だと思います。
マスコミも同じです。今の日本経済経済は危機では無く、社会保障財源に充てるべき消費税増税延期は社会保障の後退になる、と言うキャンペーンを張り、安倍政権を非難しています。あー言えばこう言う、と言う典型です。ただただ安倍政権憎しを露骨に表しているだけです。マスコミの記者やデスクの不勉強とおつむの中身が空っぽだと言うことが良くわかります。
ところで日本の国家財政は単式簿記の形式で記録され発表されます。単式簿記とは家計簿や小遣い帳レベルの会計方式です。しかし、これは財務状況を複式簿記の形で表すと言う会計常識から逸脱したやり方です。企業会計の現場では貸借対照表や損益計算書が無ければ企業実態は把握できません。頭の良い財務官僚がそのことを知らないはずはありません。
何故でしょうか。これは財務官僚が国家財政の中身を明らかにしたくないために意図的にやっているとしか考えられません。国の借金が何千兆円と言われても、国民はただビックリするだけです。大切なのは中身なのですが、これは絶対に明らかにされません。
外国との比較も良くなされ、各国と比較して日本の借金は突出していると言われます。しかし比較の中身が異なれば何とでも表現できるのです。IMFなどの国際機関に財務官僚が多数出向していますが、彼らは今や日本に外圧をかけるための工作員でしかありません。
財務官僚は国内向けには何十年も前から、今に財政破綻すると言い続けています。ところが海外向けには日本の財政破綻はあり得ないと言っているのです。二枚舌も良いところです。日本の財政状況については海外では良く知られています。その証拠に日本円は暴落もせず、国債も世界一の低金利で安定しています。
消費税は導入時、それからこれを増税する度に、経済は落ち込んでいます。同時に、全体の税収も減っているのです。当然です。経済が落ち込めば税収が落ち込むのは当然です。財務官僚にとっては新しい税収源ができて権限が強化できれば、税収が落ち込もうが、日本経済がどうなろうが知ったこっちゃ無いようです。
消費税増税はしないと言うマニフェストを掲げて政権を奪った民主党は、その舌の根も乾かないうちに増税を決めました。財務官僚からのご説明が効いたのでしょうが、今の民進党に税金のことや経済を語る資格はありません。
安倍総理は隙あらば足を引っ張ろうと狙っている魑魅魍魎の政界で、良く頑張っていると思います。安倍総理のリーダーとして優れた資質に期待したいと思います。
投稿: 愛国命 | 2016年6月 8日 (水) 09時08分
> 安倍総理は国内外の経済界の方々の意見を聞き、自身の経済政策を見直し、自身で判断して増税延期を決めました。財務省一辺倒で無いことは大いに評価できます。
この点、確かに評価できます。消費税は景気を後退させるという理論を私は支持します。消費税を上げることが景気を失速させることは、橋本政権時の5%と8%増税の今回の事例で明らかです。橋本氏は、増税は失敗であったと明言し、国民に謝罪したのではなかったでしょうか。安倍さんも、8%増税の失敗を、同様に謝罪をしても良いのではないでしょうか。外国で消費税が高いので日本でも高くできるという論調がありますが、それは違っていて、日本では消費税増税が景気に悪影響を及ぼすという特殊なクセがあるのかもしれませんね。
ところで、1000兆円の財政赤字はどうしてそこまで膨らんだのかという点が、私はこれまで実にアイマイなままでありました。昨晩、幸福実現党の番組を見ていて、この1000兆円の発生の原因が議論されており、かなり説得性はありましたのでご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=vR4tkE8hvZA
複式簿記で国家財政を見てゆくというのは愛国命さんのおっしゃる通りだと思いますね。これは、石原慎太郎氏がかねてから主張しているものでもあります。
さて、私にも年来の疑問だがあるのですよ。それは、国の単年度会計主義のことなんです。何故、歳入を単年度ですべて使い切る(歳出)するという原則があるのでしょうか。景気がよくて歳入が多ければ、その年度で予算を使い切るのではなくて余剰はは積み立てておくという手がある筈です。もったいないことです。
また、公務員をしていての経験ですが、予算は必ず使い切ることが至上命令でした。入札残ですらかき集めて年度内に執行しようとするのですね。おかしいです。年度末の道路の工事などの集中はこれが原因なんです。道路補修などに使うので予算は適正に執行されていると役所の職員は弁明するでしょうが、そのときの役人(工事担当者)は予算の執行だけに忙しくて、肝心の工事の監督はおろそかになりがちです。驚ろくことには、補償費すら全額執行が至上命令です。補償交渉で安く仕上がれば国側の利益になるのでしょうに、それをせず完全執行を目指すのです。おかしい、おかしい。
私は、今の国のシステムはチェック(見直し)されるべきだといつも考えているのです。改善点は多いのです。
投稿: ueyonabaru | 2016年6月 8日 (水) 10時38分
消費税元年、当時の社会党土井たかこ氏が騒いでいた頃、日本の借金は無くさないと駄目だろと国民の大多数は思っていた。
3%〜5%〜8%で今回10%でっ国民はふと思い出す。俺も思い出す💡 どれくらい借金は、減ったのだろうと何故か何倍にも脹れあがってるもうそろそろ国民は、怒った方がいい。
愛国命さん。今回のコメントも素晴らしいい。
有難う御座いますm(__)m。
投稿: 元本部町民 | 2016年6月 8日 (水) 11時18分
> 消費増税派は、ほぼ勝利を掌中にしていて、9回の裏の安倍-麻生会談の動向次第では、増税で決着がついたのです。
怖いですね。安倍さんは従来増税をしたくない考えがあったのでしょうが、副総理の麻生さんを説得しやっと増税延期に持ち込めた。これって、人間関係の好転でやっと総理の政策実行できるという綱渡りのようにも思えますね。
首相公選制にするか大統領制にでもしなければ、抜本的な首相の政策実行はできそうにありません。オバマでも朴大統領でも、人気が落ちても大統領の地位から放逐されることはありません。これぐらいの権限を国の最高責任者には付与してもいいのではないでしょうか。
今回の場合、副総理の意向が通ったかもしれないなんて、薄氷を踏むような思いがします。日本の政治形態は脆弱なように思えますね。国民の世論調査、新聞の論調、党内人間関係(力関係)で政治が左右され過ぎるのはないでしょうか。
投稿: ueyonabaru | 2016年6月 8日 (水) 11時30分
消費税初導入の89年の3%(それ以前に中曽根さんは「売上税5%」を目指してましたが)、当時はバブル真っ最中でしたから『タクシー業界やらスーパーで混乱が生じた 程度 』でした。
スーパーはちょうどPOS導入時期でしたしね。私、バイトしてましたからよく分かります。
橋本の5%アップは、とにかく時期がわるかった!たかが2%上げるだけで日本経済大騒ぎ!
そういえば細川が消えたのは7%導入を小沢に潰されたからでしたね。
今回は民主党野田前総理との「約束」もあるのでビミョーながら、『今、上げる時ではない!』と思います。
政権にはとにかく丁寧な説明が必要でしょうね。選挙はそこが焦点になるはずですが…なんですぅ?民進の岡田や枝野の情けない反論(?)、お前らが上げろと言いながら「福祉充実」などという『夢』を語りながらなんの成果も出せずに、結局は『アベ政治を許さない!』とかいってよりによって共産党と共闘!壊滅への道をネコまっしぐらですね。
ネコに失礼か。ゴキブリホイホイですね。
勿論財政健全化が必要なのもわかるんですよ。
サミット直前に「国債格下げするぞ!」とおどされたりしましたし。しかし今では無いでしょう。
投稿: 山形 | 2016年6月 8日 (水) 13時17分
私はほとんど経済ネタはかかないのですが、増税だけには注目してきました。
民主党政権末期に、野田-谷垣-山口の増税の惑星直列が出来た時には恐怖の大魔王が降ってくると観念しました。
その後アベノミクスで好転した景気は、わずか3%の増税で一気に打ち砕かれ、延々とその後遺症に日本は苦しむことになります。
これは日本人は、ヨーロッパとは違う税に対しての特有のメンタリティが存在するとしかいいようがありません。
そもそも景気については機動的に、その時の景気動向と、中央銀行の目標とするインフレ率、あるいは雇用指標などで考えるべきなのです。
それを何年何月まで何%にというたぐいのものではなかったにもかかわらず、3党合意で決めたから、これは国際公約だから、という馬鹿な理屈がまかり通るのが永田町なのです。
ですから、山形さんのいう「約束」=三党合意などは無意味、かつ有害なのです。
これは政権の経済運営の手足を縛る拘束衣となります。
これがいい機会ですから、廃棄して仕切り直ししたほうがいいでしょう。
「国の借金」、あるいは「国民ひとりあたりウン万の借金」という言い方自体が財務省の悪しきプロパガンダで、国家財政はバランスシートで見るべきです。
これの解説はそのうちやってもいいけど、退屈なんだよなぁ。
仮にその「国の借金」(誤った表現ですが)が問題としても、増税で景気を冷やして、国民からむしりとるのではなく、景気の向上による税収の自然増で返済すべきです。
ueyonabaru さん。ブログ拝見しました。がんばっていますね。
さて、初回の増税の回避失敗ですが、いちおう記事にはなっていますので、よろしければごらん下さい。リンクを貼っておきました。
私としても、今後をにらむ上で、安易な3党合意に基づいた増税はまちがっていましたと謝罪してほしい気分はあるのですが、麻生さんとの絡みがありますからね。
財務大臣のメンツを丸潰しにしてしまい、麻生さんとまた険悪な仲に戻っちゃいますよ。
大統領制か。私もあまりにも短命内閣ばかり見すぎたので、大統領制にはひかれるものがありますが、大統領は議員内閣制の首相とは違って、辞めさせられませんよ。
今の舛添氏のようなもんです。
一時的人気でハトカンを大統領にしたら最後、4年間は地獄ですぜ(苦笑)。
また大統領は元首となるために、日本国憲法では明示されていないですが、天皇とバッティングしてしまいます。
あ、その前に大統領制にするには改憲せにゃならんか(笑)。
今日の記事は寝不足で書いたので、出来が悪くてすいません。
投稿: 管理人 | 2016年6月 8日 (水) 13時57分
私は増税派です。少し古いけど「いつするの?今で
しょ」 財務省は特A級戦犯ですから解体し、OB等
含めて公職永久追放です。ジミン含むセンセイ達
は、私達が選んだので無罪で仕方ありませんね。
多分、ひっくりコケルのは黒字倒産型です。バランス
シート上には「のれん(国債発行権)代」やら「固定
資産(道路等国有地など)」「現金(民間のお金)」が
載ってくるので、そうは債務超過にはなりません。
上記はオールジャパンのBSの話で、政府単体ではあり
ません。現在はガイジンに対する債務は増えています
が、まだ微々たるものです。
民間預金<政府債務となる時、ガイジンにしか買って
もらえなくなります。さらにある時に国債が暴落して
(ガイジンが損するのが怖くて投げる)、年金・公務員
給与・健康保険などが支払い出来なくなります(当然、
これらは現在の半分未満の額に削られていますが)。
窮余の政府は日銀に直接国債を買わせるというよりも、
「いくらでも口約束で通貨を発行できる」法を作り、
キャッシュを自由に際限なくバラ撒いてその場をシノギ
ます。
これで、先の大戦後の再現となります。紙幣に信用が
なくなるので、闇市の地下経済となります。物々交換
が当然で、農作物などが異常に値上がりします。
困った政府は、預金封鎖してデノミ政策を押し切り
ます。事実上の民間資産の国庫への吸い上げです。
ガイジンから債務を確約させられた上で、ガラポン
で新生ニッポンは蘇るのです。よかった、よかった?
この過程で、私はヒドイ目に合わされる側としか思え
ないので、増税にシブシブ賛成です。まだ、間に合う
かも知れないからです。もう世代間格差が目に見えて
実感できる世代が増えている中で、将来の大増税から
ギリギリ逃げ切ろうとする団塊以上世代が多いようで
は、日本の景気は良くならない。若い人に希望が持て
ないような世間の景気が良くなるわけない。
投稿: アホンダラ1号 | 2016年6月 8日 (水) 17時30分
センテンスクリア氏のコメントはなんで消えたのですか?
>「約束」=三党合意などは無意味、かつ有害なのです。
これは政権の経済運営の手足を縛る拘束衣となります。
これがいい機会ですから、廃棄して仕切り直ししたほうがいいでしょう。
そのとおりですよね。増税という手段が目的となったらだめですよ。
経済運営は政権に出来る限りのフリーハンドを与えないと。
で、野党がマトモならなお良しなのですが…
投稿: やす | 2016年6月 8日 (水) 17時48分
国会議員や野党がリフレ派の主張(景気の上昇を前提にして、それにともなう税収増を国債の償還にあてる)をしても一向に差し支えないでしょうが、民主党政権であれ自民党政権であれ、国民に直接的な責任を負う政府が、かような主張をするワケにはいかないでしょう。
そもそも「景気を良くするにはどうしたらよいか?」という問いに対する公式的解答はなく、コントロール出来ない不確定要因をもとに財政再建政策の柱とする事は出来ないからです。
ただ、安倍総理にとって今回の延期は、財政再建とは別次元の問題なのではないでしょうか。
少子高齢化、先進国経済伸び悩みの構造的問題、伸び続ける社会保障費に対処しながら財政再建を行うには、景気浮揚策と同時に消費税増税はかかせない、というのは麻生さんも安倍さんも一致しています。
しかし、来年4月に増税すれば今ですら首の皮二枚でつながっているだけの「アべノミクス」は完全に死にます。
それに対し麻生さんは、財務省流に「一定の財政出動で対処出来る」と考えているようです。
安倍さんと麻生氏他の財政規律派が決定的に違うのは、中国経済の先行きに対する認識でしょう。
ここを安倍さんは、他のG7首脳などよりも非常に重くとらえています。
私は、アべノミクスの成功は「財政健全化の道筋をつけるため」というよりも重大な要請があると考え、今デフレを脱却しておかないと、来るべき中共経済の破綻が顕在化した時に対処不能となる事からの延期、と理解しています。
投稿: 山路 敬介(宮古) | 2016年6月 8日 (水) 19時58分
それにしても民進党の出鱈目ぶりは目を覆うばかりですね。
あれだけ三党合意、三党合意とお題目のように唱えながら、
いつの間にやら増税延期法案提出ってもうね、いい加減にもほどがある。
共産党等との選挙協力絡みだと思いますが、まあその変わり身の早いこと。
そのくせ自民党には延期するならアベノミクス失敗を認めろとごねる始末。
お前らは小学生かといいたくなります。
自民党に伍する勢力をと、かつては肩入れしていたこともあったのですが、
我が見る目の無さに今は内心忸怩たる思いがしております。
投稿: 右翼も左翼も大嫌い | 2016年6月 8日 (水) 20時13分