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都知事候補に求められるのは防災都市計画のビジョンだ

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私は降ろすのかなと思って見ていましたが、野党4党は鳥越氏を担いで完走するつもりのようです。

岡田氏も志位氏も、内心しまった、宇都宮氏を力ずくで降ろさねばよかったとホゾを噛んでいるはずです。
「小池氏優勢、増田氏追う 鳥越氏苦戦」

あのまま宇都宮氏の出馬を妨害せずにおけば、鳥越氏に替わって宇都宮氏に票を集中することも可能でしたからね。

同じ反アベ候補でも、宇都宮氏のほうがはるかに優秀だったのに、野党4党統一候補にこだわったために馬鹿なことをしました。 

鳥越氏も文春もなんのその、かえってお元気におなりのようで、街頭演説もいままでに増して、というか今までは一回40秒程度でしたが、一気に長時間の演説へとパワーアップしました。
【東京都知事選】鳥越俊太郎氏演説詳報(24日)「何として .

まぁ言っていることは、「反アベ」と「陰謀でやられた」ということくらいです。

小沢一郎氏の「国策捜査」と、自分の下半身スキャンダルを重ねています。

はいはい、ミラーマン植草も痴漢行為がバレると、同じことを言っていた記憶がありますが、特に論評しません。 

この鳥越完走をもっとも喜んでいるのは,小池陣営でしょう。 

ここで鳥越氏に降りられた場合、増田候補との一騎討ちの構図になりますから、票を分散させる意味でもありがたいことです。 

民進党支持層の反自民票は、この小池氏が吸収した形になってしまいました。

官邸としては、かまわないのではないでしょうか。 

官邸は政策的にも理念的にも、あるいは党内政治的にも、小池氏との親和性がもっとも高いはずです。

小池氏が脱党するならともかく、第1次安倍内閣で閣僚だった人ですからね。自ら脱党する可能性は低いはずです。 

増田氏を候補にしてしまったのは、自民都連が小池氏の「都議会解散」に反発したからです。 

もちろん、解散権など知事にはありませんが、都議会の最大与党の自民党都議団に対する露骨な挑戦状なわけで、それに対する反発から都連に従順な増田氏を擁立したというだけの話です。 

まことにオールド自民党の体質そのものの、こちらも野党4党に優るとも劣らないみっともない話です。

小池氏が当選すれば、自民党内部ですら問題視されてきた、腐敗した自民都連の浄化にも手をつけられます。

そもそも、小池氏の独自出馬を止められなかった、都連会長の石原ジュニアが無能なのです。つ

いでに、親父も晩節汚しています。

増田敗戦の責任を取らせて、「タカが生んだトンビ」こと石原ジュニアという無能政治家にも、きっちりとダメを押せることになります。

これで二度と総裁選に出馬するなどという、馬鹿げた野望は持たないことでしょう。 

一方、官邸としては小池知事誕生は、都連とは違ってむしろ歓迎すべきことです。

女性議員としては珍しく安全保障や危機管理に強い人ですから、政権との齟齬は生まれないと読んでいるでしょう。

ところで、都知事に求められられるのは一体なんでしょうか?

もちろん護憲・反アベではなく、首都外交でもありません。外交・安全保障は国の専管項で、争点とすること自体が無意味です。

もちろん、候補者の下半身スキャンダルでもありません。

私は、メディアがまったく触れない、防災都市作りと地震時の緊急対応だと思っています。

迫り来る東京直下型地震に、いかに都民を守ることのできる防災都市作りができるのかが真の争点でなければなりません。

鳥越陣営応援団は、「行政経験がなくても、地震が起きても政府がなんとかしてくれる」という馬鹿なことを言っているようですが、あの~、都市防災は自治体の仕事なんですがね。

東京都防災会議は2012年4月18日、地震被害想定を6年ぶりに更新し、首都直下地震が起これば、都内の建物の約1割に相当する30万棟が全壊・焼失し、約9千700人が死亡するとの予測を発表しました。(2012年4月18日毎日「首都直下地震:最大死者9700人 都防災会議想定見直し」)

東京の防災上の最大の弱点が、「火災」であることは明らかです。

江戸の頃より東京は再三大火に見舞われ、今、直下型地震が起きた場合、その死者の4割強、建物被害の6割強を、火災被害が占めるとされています。

その理由は、23区西部や南西部、東部の下町を中心に、約1万6千ヘクタールの家屋がひしめく「木造住宅密集地」、略して「木密」(もくみつ)地域が広大に広がっていることにあります。

この「木密」地域に、実に150万世帯が暮らしています。

鳥取県の人口が約57万人ですので、鳥取の3倍弱の人口が「木密」地域にひしめいていることになります。

これは戦後、東京の都市整備がなされないまま、急激な人口増加に伴う敷地の細分化、建物の高密度化などが一気に進んだのが原因です。

「木密」地域で直下型地震が発生した場合、まず家屋が倒壊し、そして2次的に火災が発生します。

木造建築が多いために、一旦、火の手が上がれば、火は一気に燃え広がります。

そして「木密」地域特有の狭い道路や行き止まりの袋小路によって、平時ですら消防車が駆けつけにくいところに、道路は倒れた電信柱などで寸断されます。

こうなった場合、どうしますか?

誰が指揮をとるのでしょうか?

そう、この大災害時の総指揮は都知事の任務です。

東京都知事は、メガロポリスの大災害という事態に対して、その総指揮がとれる人物であらねばならないのです。

失礼ながら、「反アベ」が唯一の公約であるような鳥越氏は論外です。なぜなら、初めから政府を敵と見なしているようでは、話にならないからです。

増田氏も怪しいものです。おそらく3択の候補者の中では小池氏しかこの任を負えない気がします。

もちろんこのような事態にならないために、消防庁、警察と共に強力な防災都市計画を立てねばなりません。

細分化された土地の交換、防火帯づくりなど、東京都による災害に対処できる強いインフラ整備をするわけです。

これは既に石原都政の頃から始まっていますが、立ち退きを要求された住民や商店には大変に不評なために、説得に難渋しています。

しかし、反対を押し切ってやるのが、知事の仕事です。

また、東京消防庁、警視庁、自衛隊と協力して、統合された緊急時対応計画をつくらねばなりません。

これも今は統合された計画がなく、個々バラバラに策定している状況です。

いくらなんでもありえないとは思いますが、護憲派の鳥越氏が自衛隊の出動や、米軍の救援を拒否した場合、東京都民は大火災の中で放置されることになります。

東京都の防災対策に関わってきた小川和久氏は、こう述べています。

「大災害時の消防体制と、消防を補完する自衛隊や警察の組織のあり方について、災害時における自衛隊の位置づけや、消防・警察・自衛隊の整合性の議論を踏まえ、3組織を一元統括するような中核機関が必要だ。」

このような中央防災機関を一元統括し、緊急時防災計画を立てきる力量が、知事候補に求められているのです。

あと1週間の間に、この東京直下型地震対応について実りある議論がなされることを祈ります。

真の争点は、都民の生命と財産をいかに保護するのかです。 

すなわち、都知事とは都民の護民官のことなのです。

運動家でも官僚でもありません。

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コメント

まさに知事の仕事とは住民の生命と財産を守ることであり、地域の防災力を高め住民福祉を向上させることですね。

ところが便宜を受けるはずの住民の我儘は目に余ります。一度災害が発生すれば被災を免れないことが判っているのに、敢えて崩落危険地域に家を建てたり、狭小地に木造住宅を建てたりしています。

待機児童を減らせ、老人施設を増やせと言いながら、保育所建設や老人施設の計画が持ち上がると住民総出で大反対運動を起こします。防災力ゼロのミニ開発に代わりマンションを建てようとしても必ず反対運動が起こります。

地域の問題解決とはかくも難しく、規制や税制、私権の制限等を含めた思い切った施策が欠かせません。そのためには、強いリーダーシップと共に中央との太いパイプも要求されます。

知事の仕事は、派手なパーフォーマンスを見せたり、外遊を繰り返したり、外交の真似事をしたりすることではありません。知事は地道で献身的な実行力が試されるのです。

管理人さんが指摘されるように、今、東京に求められることは防災都市の実現です。一体、誰がこの喫緊で最も困難な課題に指導力、実行力を発揮してくれるのでしょうか。

投稿: 愛国命 | 2016年7月25日 (月) 09時15分

東京の機能がマヒすれば、影響は日本全国に及びますね。確実に来ると言われていますので危急な課題です。
また、東京には相続はされたが人が住んでいない空き家も沢山あります。空き家のままなのは取り壊す費用が無い、更地にすると固定資産税が上がるなどです。
そんな空き家が約80万個。これも何とかしたいですね。
ひとたび首都直下型地震が来れば大惨事は免れません。
国と密接に連携を取っていかないとまず無理ですね。
その意味でも、国との対決姿勢をとる鳥越氏には無理です。

投稿: karakuchi | 2016年7月25日 (月) 10時09分

空き家を取り壊し出来ない理由の一つである固定資産税の増加(正確には免税の適用から除外される)については危険な空き家を撤去する場合に免税出来るように法制化できたら良いんですけどね。
空き家の管理されていない建物がなくなれば火災延焼の危険性や不審者の住み着きなどの治安対策になります。
解体撤去してから年限を定めての免税でも良いと思いますけど。
解体撤去費用関係は自治体での条例による助成等になるかな?
放置住宅、放置建造物は東京都だけの問題では無いですからねぇ

投稿: 種子 | 2016年7月25日 (月) 12時22分

世田谷区の木密地域の我が家の周りにも空き家が何件もあります。その予備群、独居老人宅も…。
相続対策に同居&改築を進める家々もあり、過渡期だと日々感じています。戦略的に整備し直すチャンスでもあるという事で、今朝の記事と愛国命さん、karakuchiさんにも同意です。

過去記事で、人口4000万台に減少の前に東京一極集中というのがありましたよね。集中しながらも減少していく中での都市の防災再構築。
町会レベルで顔役達はとっくに危機感を募らせていて、若い衆も、ここ数十年の中では最も地域に帰属意識が戻ってきているように感じます。
向こう10年が鍵ですよね。東京防災の基礎は舛添か作ってますから、もっと発展させていかねばなりません。

投稿: ふゆみ | 2016年7月25日 (月) 12時34分

東京都の防災対策はやはり東日本大震災から石原氏→猪瀬氏→舛添氏と受け継がれてきてます。
興味ないことは調べもしないという鳥越氏が知事の仕事なんぞ3日で理解すると豪語。
地震などによる災害時、阪神の教訓から消防の仕事は消火活動に優先され、要救助者を発見しても後回しにすることくらいは現時点で知ってるかな。

昨日は銀座で蓮舫氏が応援演説したり、夜はガソリンプリカ疑惑の山里氏なども演説会に参加し文春の影響も落ち着き取り戻したかにみえますね…。


女性票が6ポイントダウンした候補がいるとかで小池氏が優勢、2番手増田氏、次が鳥越氏となったようです。

自民党本部は小池氏でも増田氏でも当選すれば自民党の知事となるようにしてますので狡猾です。
菅官房長官は小池氏を倒せと増田陣営にカツを入れてましたが、安倍総理がどちらも応援演説しないのがその証でしょうか。
集票力のある小泉進次郎氏も逃げてますね。

いや〜投票先を誰にするか悩みます、誰がなっても叩けば埃がでるだろうし前回よりも悩みます。
我が家で鳥越氏に入れる者はいないことだけは断言しますけど(笑)

投稿: 多摩っこ | 2016年7月25日 (月) 22時36分

ちょっと用事で東京~横浜に出掛けて、さきほど帰ってきました。

まさにおっしゃる通りで、行く度に街の変化に驚かされますがこんな密集した都市で巨大地震が直撃したらどうなるんだか…。とため息ものでした。(それにしても超高層建築がやたら増えましたね)

karakuchiさん。
空き家問題は地方都市でも深刻です。近所でも似たようなケースが増えてます。
相続したけど放置されたり、1人残って暮らしていたお年寄りがホームに入居してそのままだったりです。

数年前に東京在住の出身者の実家が「借り暮らしの〇〇ヤッティ」 になっていた事件は米沢市の市街地でした。

投稿: 山形 | 2016年7月25日 (月) 22時47分

東京では防災のため空き家や木密地域に行政が関わり、沖縄では県知事の意向で、那覇市民会館を久茂地小学校跡地に移転させたいがために、道路を拡張する。工事車両が入れないから。

投稿: 那覇市民 | 2016年7月26日 (火) 08時45分

早速、木造密集地や災害対策に触れていましたね。

投稿: クラッシャー | 2016年7月31日 (日) 20時25分

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