知事とは護民官です
明日、都知事選の投票日です。
私は沖縄参院選と違って、この人をという候補者がいないので、このままにしようかとも思ったのですが、やはり短く書いておきます。
今回の都知事選には3通りのタイプの候補者が登場しました。
ひとつは、国政選挙の「政局」で出たという伝統的な左翼文化人タイプです。
もうひとつは、官僚、あるいは行政マンとしてそれなりに実績を残してきた、官僚政治家のタイプです。
第3に、ミニ・ヒラリーとでもいうか、はっきりとした上昇志向の意志を持った女性の候補者です。
さてよく、「われわれの声を届けよう」という人が多くいますが、ちょっと違うと思います。
「声を届ける」のは都議会、あるいは国会という立法府であって、自治体行政府のトップを選ぶ基準たり得ません。
政局がらみで、「改憲の歯止めのために」などというのは、さらに変です。
そのようなことなら、国政選挙で大いに争って下さい。
都知事というのは地方行政府の首長なのです。
なるほど東京都ほど巨大になると、政局には無関係と言い切れない部分があるのは事実ですが、では、石原都政の時はもろに民主党政権と被っていましたが、国政になにか影響を与えたでしょうか。
石原氏は石原氏でしたね。尖閣の都所有などという、都政と無関係なことをして、日中関係をさらにややっこしくしてしまいました。
石原氏の危機感はわからないではありませんが、都知事が国政にくちばしを入れてはいけないという、いい教訓になりました。
先代の舛添氏も「都市外交」をやりたかったようですが、結局、パククネ氏に媚を売って、超豪華大名旅行しただけに終わりました。
これらの失敗を、都民は記憶にとどめるべきです。
新知事がどのような政治思想をもつのも自由ですが、あくまでも地方自治体首長以上の存在ではないのです。
都知事を選ぶのは首相を選ぶことではありません。
では、なにが選択のものさしになるでしょうか。
私は危機に際して、知事が私たちを守れるか、守れないかだと思っています。
危機とは、端的に直下型大震災です。
その時、消防、警察、自衛隊を強力な力で掌握し、政府と共に都民を守れるかどうかです。
指導者としての統治能力、政府との強力な連携を実現できる能力があるか、どうかです。
知事とは護民官です。
最悪の状況下で、冒頭に上げた3タイプのどれがもっとも知事にふさわしいか、お考えください。
そのことを念頭において、皆さんの護民官を選んでいただければ幸いです。
« 翁長氏が任命した「駐米沖縄大使」の顛末 | トップページ | 日曜写真館 蜜蜂の朝 »
村山首相の時に関西で大地震、菅首相の時に東北で大地震と不思議な巡り合わせだったと思います。いずれも自衛隊大嫌いな首相でしたので、自衛隊の出動が大幅に遅れました。菅首相の時は首相が決断しないために官邸の担当官が自衛隊の出動要請をしたようですが、そのことが首相の逆鱗に触れて、担当官はその後左遷されたとの事です。
幸い、熊本では自衛隊の派遣がスムーズに行って大事には至らなかったようですが、災害時にトップがどのような決断をするかで、その後の対応が全く違ってくるのです。
東京都で、もしも革新系の知事が誕生すれば、村山、菅の時の再来で、自衛隊の出動が遅れるのでしょうね。
それこそ悪夢です。
投稿: 愛国命 | 2016年7月30日 (土) 15時11分
>知事とは護民官
管理人さんと同感です。
私は知事、市長等の首長には防災時の危機管理能力、地元を売り込むセールス能力、どの様な町にするかの政策能力、そしてそれをスムーズに実行出来る様に対議員との議会運営能力が必要と考えています。
いつも地元の市長選や県知事選では、どの候補者も一長一短だなぁと、悩んでいます。
危機管理能力も首長たる重要な資質の一つだと思います。
私の住む街も、つい最近大雨で大規模な洪水や相当数の土砂崩れが発生しました。
しかし、被害の初期把握に20時間以上かかり、情報提供などうまくいかなかったと市長が会見しました。
報道ヘリコプターからのニュース映像で初めて水没地域を把握した等、防災機能がうまく働きませんでした。
また、私の住む市ではありませんが、2年前に死者74名を数えた大規模土砂災害が同じ県内で発生しました。
その当時、土砂災害が起きた市の市長が緊急事態にも関わらず、中々市役所に登庁せず、市議会で問題になりました。
田舎の様な地方と東京の様な中央、町長・市長・知事と、
首長に求める物はそれぞれ変わって来ますが、有権者の皆さんには、自分の中で「この人」と言う時が居ない時は、その辺りを見極めて投票してもらいたいです。
投稿: 三毛猫 | 2016年7月30日 (土) 16時21分
石原氏が都知事時代にやったこと。
・朝鮮総連への課税
・国旗と国歌強制
・黒字になるまで都職員を減らし自身も含め給料減額3年間ボーナスカット
・特定施設の税減免措置排除
・銀行税
・都バスの広告付与
・赤字第三セクターの売却
・都財政の黒字化(1兆円の貯金をつくる)
・日本で初めて公会計制度を取入
・風俗店の一斉撤去
・電気、ガス、水道工事の1本化
・害鳥の駆除
・夕張市へ都職員の派遣(副知事提案)
・尖閣諸島購入計画
・新銀行東京
・築地市場移転計画
・東京都青少年健全育成条例改正案
・排ガス規制
・東京オリンピック誘致計画
・東京水災害時(三宅島噴火、東北大震災の際の迅速な対応)
・災害対策費の備蓄
・羽田沖の拡張、第四滑走路の建設
・東京の治安回復
・新型インフルエンザの特効薬タミフル400万人分備蓄等危機管理
・東京マラソンの実施
・認証保育所の待機児童対策
・長寿医療に対する独自補助
・南鳥島の承認
・三環状整備
・横田空域一部返還
・羽田国際化
・都心再開発に伴う人口の都心回帰
・学区撤廃
・ビッグレスキュー
・緑地面積の拡大
・建物の耐震化促進
まあ国政に口出したことに比べれば、以上のことなんか取るに足らない事すかね?
投稿: 岸辺 | 2016年7月30日 (土) 17時43分
岸辺 さん
うん、その点私も同感だ。
知事が国政に口を出すことについて、アプリオリに間違いだとも思わない。
なにより石原知事による尖閣買収計画は、都民の税金を使わず、一切を国民の意思の現れである浄財・募金で賄う事にしたところが桝添韓国人学校問題とは全く質が異なります。
思いのほか国民の「尖閣を守れ」との意識が高かったので、その事で野田政権も国費での買収を決断し易くなった、野田総理や外務省の背中を押した、と見るべきでしょう。
巷間マスコミで言われるような、「石原元知事が尖閣問題をややこしくした」というのも本質を外した議論です。
いずれにせよ、当時の野田首相の判断は正しく、負債が嵩み相当の高齢にもなった地権者が尖閣を所有し続ける事は、合法的に中共の物になる可能性や幾多の不安定さを解消するうえでも、施政権を明確にしたという意味でも、大変に意味のあった行為だと考えます。
投稿: 山路 敬介(宮古) | 2016年7月30日 (土) 23時43分
初の女性都知事誕生。
インコーじゃなくて良かった。
天気も夕立程度の崩れで済み、恵まれました。
自民党、公明党、民進党、共産党、支持政党に縛られない投票だったようです。
都政の舵取りを薄化粧で頑張ってもらいたいです。
強い締め付けを発した自民党都連幹部のケジメの付け方、興味津々です。
投稿: 多摩っこ | 2016年7月31日 (日) 20時26分
ほっとしました。とはいえ、これで彼女に任せておけば万々歳なのでは決してなく、来年の都議会選までの動向注視です。
岡田氏の空気読まない砲が最後に炸裂した際は、アゴが外れそうになりました。とことん無責任に足を引っ張り合う、そういう党なんですね本当に。
投稿: ふゆみ | 2016年7月31日 (日) 22時47分