北朝鮮潜水艦発射弾道ミサイル実験を実施 誰にとって一番脅威なのか?
来週になるとのびたラーメン状態になりそうなので、こちらから先にいきます。
北朝鮮が潜水艦発射型ミサイル(SLBM)らしきものを実験しました。これを伝える朝鮮日報です。
「北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は24日に実施した潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験について、「成功中の成功、勝利中の勝利」と述べた。朝鮮中央通信が25日、伝えた。
金委員長は発射実験を参観し、「きょう発射した弾道弾の実験結果を通じ、われわれが核攻撃能力を完璧に保有した軍事大国入りを果たしたことが証明された」と発言した。
韓国軍合同参謀本部によると、北朝鮮は24日午前5時半ごろ、東部の咸鏡南道・新浦付近の海上から潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)1発を発射した。東海を500キロ飛行し、日本の防空識別圏を80キロほど入った海上に落下したもようだ。」(連合8月26日)
上の写真は失敗した7月のものですが、今回は成功したようです。
発射されたミサイルは潜水艦発射弾道ミサイル『北極星』(KN11)で、撃った潜水艦は新浦級(2000トン級)だとみられています。
「デイリーNK」によれば、これはロシアから北朝鮮に「くず鉄」名目で輸出されたくず鉄潜水艦をコピーしたものです。
http://dailynk.jp/archives/30868
中国はくず鉄再生空母を作り、昔の舎弟は舎弟で、くず鉄再生潜水艦からミサイルをぶっ放すというのもなかなか渋い光景ではあります。
このくず鉄再生潜水艦の元はロシアのゴルフ級潜水艦で、リバースエンジニアリングして、セイルを大きくして日本の発射筒を備えつけました。
北極星1号 - Wikipedia
この輸出に関わったのは、杉並区の東園商事という在日韓国人経営の小さな商社のようです。
当然ココム違反ですが、経済産業省から差し止めが来る前に出してしまったそうです、司直の捜査が待たれます。
ちなみに、日本国内にはこのような北朝鮮が絡んだ商社は無数にあって、総連によって北朝鮮へ向けて秘かに核爆弾製造装置が輸出されていたのは公然の秘密です。
それはさておき、北朝鮮は「相互確証破壊」の最後のステップである、潜水艦発射弾道ミサイルの保有に足をかけたようです。
もちろん完成してはいませんが、北朝鮮は国際社会がなんと言おうと、このペースで実験を続けるでしょうから、数年後にはコンパクトながらほぼ完全な「相互確証破壊」を手に入れることになります。
現在の試射では500㎞ですが、今回は角度を高くしたために射程を制限しています。
本来の角度なら1000㎞以上に射程を延ばすことが可能です。
いまでも、北朝鮮の核ミサイル実験が、米国を交渉テーブルに引き出すことが目的だという人がいて驚きますが、もちろん間違いです。
このていどの飛距離では、米本国はおろかグアムすら狙えませんから、米国の脅威にはなりえません。
飛距離が足りない場合は、目標に接近するために太平洋に出て目標に接近するしかありません。
かつてのソ連戦略原潜や、今の中国戦略原潜が、なにかといえば太平洋に進出したがるのはミサイルの射程が不足しているからです。
もちろん、こんなクズ鉄潜水艦から作ったような代物で、宮古海峡を通過することは不可能ですから、北朝鮮はこの虎の子のミサイル発射潜水艦を、常に浅い北朝鮮本土周辺の水域に潜らせておきます。
となると、このミサイルが狙える目標は、二つしかありません。
いうまでもなく、日本と中国です。
日本にとっては、いまさらいうまでもない脅威です。
発射された咸鏡南道・新浦野市を確認します。新浦は日本の対岸に当たります。
日本本土の九州、関西、関東圏全域までが射程に入ります。
一方、中国にとっては首筋に刃物を当てられたような気分になったはずです。
というのは、中国にとってはこれで北京が、北朝鮮の核ミサイルの射程にすっぽり納まってしまったからです。
仮に中国が北朝鮮を核で脅迫しようとしても、正恩はニヤリと笑ってこう言うでしょう。
「習同志、撃ってみたら。けどボク、まじに報復しちゃうからね」
これが、この間にふれてきた「相互確証破壊」というやつです。
この関係に入ると、名称どおり「相互」に「確証」をもって相手国を「破壊」できるわけですから、ある種の「対等」な関係になってしまいます。
「なにが対等だ。100年早い」と、習さんはさぞかし荒れたことでしょう。
逆にいえば、国際関係においての「対等」とは、核による相互確証破壊をもちあっている関係のことだとも言えるのです。
もちろんまだ潜水艦発射ミサイルの技術は完全ではありませんから、それが完成するまで北朝鮮はミサイルにアホンダラ1号さんのコメントにもありました、核のゴミを詰めたダーティボムを取り付けるだけで、立派な「相互確証破壊」が成立します。
こんな恥ずかしいものなど先進国は使いませんが、かの国なら別です。
最初の一発は絶対に阻止できませんから、ミサイル迎撃技術が完成していない中国は、確実に最初の一撃を首都に浴びることになります。
また、事前に潜水艦を発見して沈めてしまいたいと考えても、中国海軍には対潜水艦作戦の能力が欠落しています。
かくて、今後中国は北朝鮮のせびられるがままに食料や燃料を供給することになるでしょう。
« 私たち日本の眼前にある3ツの選択肢 | トップページ | 日曜写真館 嵐のあとの空と水田 »
相互確証破壊の前提になるのは、保有する弾頭の数と相手国の国土の広さがポイントになります。米国、ロシア、中国の3カ国は核兵器保有国ですが、その国土の広さから限られた核弾頭では相互確証破壊が十分に効きにくい面があります。
この前提に立って北朝鮮を見てみましょう。数少ない核ミサイルを例えば中国相手に先制使用したとしましょう。中国はちょっとは痛いかも知れませんが、国が滅びてしまうような影響は無いでしょう。人命など何とも思っていない中国です。北朝鮮は、むしろ中国からの核反撃を心配するべきでしょう。それこそ国土の狭い北朝鮮は国の存亡がかかってきます。つまり中国相手の核使用にはためらいがあるでしょうし、実際に使用することも無いでしょう。
そうすると残るは韓国と日本です。この2カ国は国土も狭く、核攻撃に対しては極めて脆弱です。ましてやSLBMなどを使われた日には事前探知も難しく、迎撃はほとんど不可能と言えましょう。韓国は北朝鮮の核ミサイルの脅威を心底心配しています。当然でしょう。米韓軍事同盟も一時は危うい状況でしたが、いかにも韓国らしく元サヤに収まろうとしています。
ところが日本はどうでしょうか。本当に呑気なものです。無神経にも北朝鮮に対して最先端の電子部品等を輸出したり、送金したりしてシレッとしている連中がわんさかいます。危機感のかけらも無く、狭い日本で平和を満喫しているようです。
北朝鮮の無法行為に対しては、国連安保理に訴えようが、そこでどんな決議をしようが、北朝鮮への経済制裁がせいぜいでしょう。北朝鮮は痛くもかゆくもありません。どこかの反日政治家が国連中心主義などと言っていましたが、今や国連は利権の温床であり、実効的な力は持ち合わせていません。
さて、日本はどうするべきでしょうか。国土の狭い日本はたとえ核兵器を保有したとしても相互確証破壊と言う戦略は取れません。できることは核ミサイル搭載潜水艦の先制撃沈と言うことになります。日本の対潜水艦能力から言えば、十分に可能なことですが、残念なことに今の憲法や自衛隊法ではそれもできません。
今の日本は、北朝鮮のミサイルが真っ先に韓国や日本に向けられること、そして金一族の支配体制が崩れそうになった時にやけくそでミサイルをぶっ放す可能性があることを十分に自覚するべきでしょう。反日日本人で溢れかえる日本に、今できることは「繰り返しません過ちは」と書かれた石碑を準備しておくことだけになりそうです。
投稿: 愛国命 | 2016年8月27日 (土) 10時21分
やはり核装備の準備をスタ-トすべきだと思いますね。
北朝鮮は核兵器を特殊な目的で使いかねません。特殊な目的とは、目先の利益を得るため、隣国を恐喝するために使うのです。核保有国であるとの自信も得たいのでしょう。
中国の毛沢東はアメリカやソ連の圧力をはねのけるために核開発に死に物狂いでした。今の北朝鮮と基本的に全く同じだったのでしょう。中国は経済的にも大成長することが出来ましたが、北朝鮮はいまだに貧しいままです。
貧しい北朝鮮は核を保有してどのようなメリットがあるのでしょうか。中国から幾分か自由にはなれるでしょう。日本を恐喝して援助金を得ることが出来るのでしょうかね。これは現時点では考えられませんが、安倍首相はもしかすると北朝鮮の恐喝に屈するかもしれません。分かりませんよ。時間がたって北朝鮮が水爆を開発したらさらに日本への圧力は強まるでしょうね。時間をかければ水爆の開発もできるだろうと考えるべきでしょう。
これに対抗するためには、日本が独自の核保有をする必要はないでしょうか。アメリカが守ってくれるの信頼だけでいいのでしょうか。
原爆が日本で炸裂したとします。日本はどうするのでしょうか。アメリカさんお願いしますと言えばアメリカはハイ分かりましたと言い、北朝鮮向けて原爆を発射してくれるのでしょうか。やはり、分からないですよ。
ですから、自前の核は必要なんです。実に単純な理屈を申しましたが、皆さんのご意見を伺いたいですね。
原爆が日本で炸裂したら、自衛隊は全力挙げて北朝鮮へ反撃するのでしょうか? 同胞が10万人原爆の炸裂で殺されたとします、その時自衛隊はどうするのかということです。これは恐怖心を煽るとかいうものではありません。現実に起こり得ることであります。
わたしは、核で撃たれてからではもう遅いぐらいだと思うのです。撃たれる前に、核抑止力を備えるべきでしょうし、自衛隊が北朝鮮へ進撃できるような体制は今取っておくべきだと思います。これは、法律を変えねばなりませんね。現行憲法のもとでは自衛隊の反撃は十分には行えませんね。
憲法学者たちの議論など無用になる事態が現出するでしょう。原爆が落とされてから日本人が目覚める、憲法学者たちが現憲法の改正に同意するという悠長なことを言っている暇はありません。
喫緊の課題は、北朝鮮の核兵器を日本に向けて撃たせないようにするにはどうすべきかを考えるべきなんです。
投稿: ueyonabaru | 2016年8月27日 (土) 12時13分
極論です。また自分の本意でもないですが、北の核を日本に向けさせない様にするには、将軍様?バカ息子?のご機嫌を取るのが一番ですね。
アメリカ様が何と言おうと、北への経済援助バンバンして、あちら様が決して餓えないようにすること。もちろん、彼の国が嫌がる拉致問題云々など以ての外です。
それが、今現在の日本で一番の危機回避。って、どこぞの政党様とかが言ってる事そのもですか?
ある意味、かの政党って意外と愛国的なのかもしれませんね。
と自虐ネタはこれ位にして、今現在の日本の置かれている位置では、やはり日米同盟の強化が、最善の選択肢では ないでしょうか?
米国が東アジアから引く事の不利益をいかにアメリカに理解させるか?
究極、日本が中国側につく事で、アメリカが如何にアジアでの利益を失うか、その辺りを硬軟使い分けて理解させるか必要があるのではないかと思います。
投稿: 一宮崎人 | 2016年8月27日 (土) 19時21分