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2016年8月26日 (金)

私たち日本の眼前にある3ツの選択肢

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日本が「独立」してみたらどうか、というのは実に魅力的なテーマです。

もちろん外形的には、日本は立派な主権国家として独立しています。

いや、はずです。

日本に今まで強力なリーダーシップを持った政治家が出ずに、政権党は利権とポストの配分が仕事だと思っていました。

なぜなら、国際戦略などそもそも考えても仕方がなかったからです。

戦後、日本はいかに政治力がなくても、米国の出す方針に付き従っていけば済んだのです。

ですから、日本の政治に求められるのは米国の意図を読むということだけで充分だったと言ってよかったわけです。

したがって、国家を真実統治しているのは、政治家ではなく官僚層でした。

こんな中で外国と正面きって渡り合える政治家が出たら、そのほうが不思議です。

防衛力は西側有数といいながら、単独で動くように設計されていません。

掃海能力、対潜水艦作戦、航空機迎撃能力は、世界でもトップクラスに入りますが、他国攻撃力はないに等しく、長距離戦力投射能力に至っては皆無、長期戦に持ちこたえる継戦能力もゼロです。

トライアスロンでいえば、水泳だけはめちゃくちゃに速いが、ほかはさっぱりという選手のようなものです。

それは米軍がすべて担ってきたから、考えずに済んだのです。

このような偏った形の「軍隊」は、世界でも類例を見ません。

語弊がありますがあえて言えば、自衛隊は「従属国型軍隊」、「従属国」という言葉が勘にさわるのなら、「補完型軍隊」と呼んでもいいかもしれません。

さて、この米国の世界覇権が大きくほころびようとしているのは、敏感な日本人なら誰しも感じているはずです。

米国は今や焼きのまわった大国になってしまいました。

日本は好むと好まざるとにかかわらず、衰退していく米国に頼りきるのではなく、「独立」していかねばならないかもしれません。

では、米国の世界戦略とはどんなものなのでしょうか。そこから知っていきましょう。

4ツの類型があります。

①オフショア・バランシング。

オフショア(沖合)から船にでも乗って地域の様子をうかがいつつ、間接的にコントロールするやり方です。

これが戦前から一貫した米国の理想モデルです。

冷戦期にはヨーロッパではNATO、アジアでは日本がその相方の役割を務めました。

日本の属国根性とでもいうべき体質は、この時代に根を張ったものです。

しかし米国自身も現実には、なかなか意のままにいかずジグザグします。

②完全支配(プライマシー)

これは米国が自分の力が溢れていると、錯覚した時にやらかす戦略です。

直接に紛争地に乗り込み、軍事的・政治的に完全な支配下に置こうとします。

ブッシュ・ジュニアの頃のネオコンが大好きだった政策でしたが、実際に湾岸戦争・イラク戦争、アフガンとやった結果、米国はボロボロになりました。

そこで出てきたのが、選んで介入しようというやり方です。

③選択的関与(セレクティブ、エンゲージメント)

全面的関与ではなく、選んだ地域にピンポイントで介入するという方法です。

いまのイラク、アフガンなどがこれに入りますが、これすら米国にとって大変な負担になっているのは、ご承知のとおりです。

②③の流れの中で、米国は財政的にも重荷を作っただけではなく、「世界の警官」としての威信を喪失しました。

独仏が中東戦争に参戦を拒絶したように、かつてのように米国が「やるぞ」といえば、自由主義陣営がつき従う構図は瓦解してしまいました。

そこでちらつくのが、次のスタンド・アローン志向です。

④孤立主義(アイソレーショニズム)

読んで字のごとしです。すべての地域から米軍を撤退させ、自国が危なくなった時以外海外に米軍を展開することはしません。

太平洋では米国はグアムまで撤退し、陸では南北大陸の中に引きこもろうとします。

この流れを押さえた上で、中国に対しての米国の戦略を照応させてみましょう。

米国にとって、中国が自分で国内に引きこもって、文化大革命という内戦を繰り広げていた1970年代までは、中国に対して深く考える必要はありませんでした。

勝手に内ゲバに興じているのでから、①のオフョア・バランシングで充分だったからです。

熱い戦争になった朝鮮戦争すら、③の選択的関与で充分でした。

そして近年における中国の台頭です。

この時期は悪いことには、米国が中東戦争の傷から立ち直れずにいた時期で、しかも中国の台頭のきっかけは、自らの経済的失敗によるリーマショックに起因しています。

自信を喪失しかけ、しかも三流経済国だと思っていた中国にリーマンショックの尻ぬぐいまでしてもらうというダブルパンチに、米国の自尊心はいたく傷ついたはずです。

この時期に米国は、危うく中国を「盟友」にしかけてしまいました。

それが、第1期オバマ政権で強い影響力をもったズビグネフ・ブレンジンスキーの提唱したG2戦略でした。

G2とはガーバメント2、つまり2大国である米中で太平洋を仕切っていこうとする戦略です。

日本の位置はただ基地を提供している「従属国」にすぎず、すべての国際案件は頭越しに米中によって談合されることになりました。

ブレジンスキーはこう述べています。

「中国を自由主義経済圏に取り込んでしまえば、いずれ内部から民主化に向かうだろう」

この政策に基づいて、米国は中国に対して、積極的に経済的協力関係を結びました。

平たく言えば、13億のマーケット欲しさに甘い顔をし続けたわてです。

ブレジンスキーは経済発展の結果生じた数億人規模の中間層が民主化に向かうと考えていました。

そしてこの民主主義を渇望する中間層によって、中国を民主国家に変えていけると思っていたようです。

結果はご承知の通りです。

中国は、ダイヤつきスマホを操りながらBMWに乗る超富裕層と、ゴミ溜をあさる貧民層に二分解しました。

対外的には、清国版図の奪還を目指した中華帝国再興の熱狂が始まりました。

これがいま、私たちが毎日うんざりするほど見せつけられている「中国がいる風景」です。

米国は、上半身が共産主義、下半身が国家資本主義というキメラ怪獣を作り上げてしまったのです。

ここで出てきた新たな構図を確認しましょう。

それは、中国の台頭、米国の衰退です。

具体的には、中国の海洋軍事進出と米国のアジアからのフェードです。

まさに歴史の分岐点に、いま私たちは立たされています。

冒頭の問いに戻ります。

このような状況で日本はどうするべきなのでしょうか。

選択肢は三つです。

第1に、米国との同盟を継続したままでいけばよいとする考えです。

第2に、今やアジアの新たな覇者となろうとしている中国の経済圏に加わり、政治的にも中国の属国となればいいとする考えです。

第3に、独立を志向する、という考えです。

さて、私たち日本はどう生きていけばよいのでしょうか。

次回に続けます。

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コメント

体調はいかがでしょうか?
他に代わるものとてない、本ブログ。
ご自愛頂いて末永く、知識を分けていただきながら私達の頭を悩ませ、かつフル回転させるよう仕向けてください。(笑)

この問題も「核の傘」が無くなった時にどうすべきか、という問いに関連性も深い超難問です。

日本には第二の選択肢はありません。
昨日のブログにもありましたが伝統的な中共の日本観は変わっておらず、日本政府が言う「平和主義」と「経済大国」は両立しないものと見ています。
「日本の経済発展は自然、結果的に膨張主義を誘発する要因になる」という基本的な認識がまずあり、これはそのまま「中共の秩序の下では現在の日本経済の維持は困難だ」という事を意味します。

よって、日本は米国との同盟を強固な意志をもって維持しつつ、独立志向を持ちつづける他に選択肢はないと考えます。
今後、米国のアジア回帰政策がどう変化するのか予断を許さない状況下にあると考えられ、その危惧と軍事費削減問題はリンクしてくる可能性が大きいと考えられます。
日本の取るべき政策は、米国の国内事情による軍事的「穴」を埋める役割を果たすべきでありましょう。
さらに第三の実質的な「日本の独立」をも視野に入れるなら、米軍に対する金銭の供与では事足りません。
名実ともに米国の同盟者になる事が、米国民における日本認知の唯一の方策です。
日本の独立はすなわち、日米同盟の破棄を意味しません。

我々日本人は米国の政界がどれだけ中国に侵食されているかと言うことを認識する必要があります。これはヒラリーが大統領になっても、トランプが大統領になっても変わらないと思います。

理由は世界第二の経済大国となった中国の資金力と中国の巨大と思われている潜在的な市場力です。中国が世界中にお金をばらまき中華陣営に他国を巻き込む工作を進めていることは周知の事実です。これに幻惑されているのは新興国だけではありません。ヨーロッパや日本も中国からの裏金に汚染されています。また、ここに米国だけは別と考える理由はありません。

さて、管理人さんは3つの選択肢を示されていますが、日本が取るべき道はまだまだあると思います。

明治維新後に日本が日英同盟を結んだ後は、色々な意味で日本の利益に貢献しました。それは共通の敵であるロシア(ソビエト)の拡張主義を睨んだものでした。この日英同盟も強大化する日本を恐れた米国によって潰されてしまいましたが、国の安全を確保するには軍事同盟を考えることは大切です。スイスや北欧のように親戚国に囲まれたところでは非同盟中立もあり得るのでしょうが、周りが敵だらけの日本では実現性は低いと考えるべきです。

しかし組む相手によっては、かえって戦争に巻き込まれる危険性がありますので、慎重な国際情勢の分析の上で、同盟相手は考えるべきでしょう。

現在の同盟の相手国である米国ですが、戦略があるようで実際は無いと考えるべきです。これまでの場当たり的な外交政策でどれだけ世界を混乱に陥れて来たかを見れば明らかです。犠牲になったのは日本だけではありません。また、米国政界の中国による汚染の現状も考慮すべきです。

ここで結論めいた事を述べるのは避けますが、米国とは付かず離れずを保ちながら、その他の国や国々との軍事的な連携の道も探るべきでしょう。

話は変わりますが、昨日のNHKで苗字の番組がありましたが、その中で、ある言語学者が沖縄の言葉は古来から日本語だったと明言されていました。ただ、日本本土から離れていたため、独特の形態として残ったとのことです。参考までに。

山路さん、愛国命さんの、二大論客がいらっしゃると、記事を朝から3本読める感じですね(^^)。お題がこういう分野だと尚更濃厚で勉強になります。

3つの選択肢(山路さんは実質2つとして存在できると言い愛国命さんはもっとあると言う)、記事の分け方ならば
私は1で、米国の同盟国と国際的に認知されながらトライアスロンの水泳以外もお金と人をかけて増強するべきと考えます。つまり、個人的に安倍首相を好きかどうかは別として今の安倍政権スタンスです。
それが核武装まで走らなくても国土を守れる最も現実的なプランだと思えるからです。
これに関して美しさとか日本人らしさとか、正義や世界平和を被せるのは土台がしっかりしてる上に装ってこそ。と思います。
非同盟中立が立地的に無理、という愛国命さんのご意見同意です。


> 第3に、独立を志向する、という考えです。

 「ありんくりん」お示しの選択肢のうち、第3を選ぶべきであると私は思います。基本はそれしかないのだろうと思うのですよ。アメリカとの同盟は継続しつつ、そして中国とは対峙しつつも、選択は独立でしょう。すぐにこれが実現できるとは思いませんが、それを目指したいものです。

 そして、唐突ではありますが、日本が総合力で世界一の国家になることを夢想しますね。理想です。まずは、経済力から始めましょう。もう一度頑張って、バブル期のような経済の繁栄を実現したいものです。これは可能ではないでしょうか。 次に軍事力も充実して、国家の安全保障を万全にしましょう。核武装が必要ならそうすべきでしょう。 いろいろと方策は考えられるでしょう。

 「中国の夢」と胡錦濤は言いますね。それでは、日本の夢は何かということをみんなで考えてみませんか。

「中国の夢」というのは、大清国の版図を再現・拡大するという意味でしょうか。それもあるでしょうね。それに加え、中国の影響力を世界一にしたいという希望も込められていると思うのですね。

 日本に夢はありますか? 八紘一宇、大東亜という夢が戦前にはありましたね。しかし、それは敗戦により消し飛んでしまいました。それだから今は夢はもう持たなくていいのでしょうか。夢を持つのが悪いことなのかな。

 アメリカの夢というものもありますね。アメリカ民主主義と自由という価値観を世界に敷衍することなんでしょう。それも、今は暗礁に乗り上げた感じがあります。それでも、アメリカ人にはアメリカの夢を棄ててしまったとは言えないでしょう。

 ロシアにもドイツにも国家の夢というのはある筈です。ドイツは現在、ドイツ帝国の様相を呈してきたと言われますね。ドイツの夢の実現でしょうか。

 各国とも夢があるのでしょう。その中で、国力世界一を目指すという夢を持てるのは何か国あるのでしょうか。少ないでしょう。しかし、日本は、世界一を目指せる国であることは間違いないと思うのです。

 私は、若いころから、日本の理想について考えてまいりました。大東亜の平和を目指した大日本帝国が戦争に負けたことが悔しかったし、その反動で、日本嫌いにもなったことがあります。20代の頃に、ポ-ル リシャルという人の詩を読みました。内容は日本人の世界的使命を謳ったものです。この詩に感動し、影響されていると思うのですが、このブログにおいても、そのような日本至上主義的な観点から、だれかご意見を書いて下さる方はおりませんかね。反対意見でも構いません。

 、

ueyonabaruさん、興味深いご提案ですね。
現代から未来へ向けての国家の夢について、日本的な理想について考える事は私もあります。
世界一どうであるか、についてですね(^^)。

比較に出されている諸国は趣は少しずつ違えど覇権帝国志向の世界一だと考えます。
これから人口が激減すること間違いなしの日本の目指す世界一はそのような覇権志向ではなく、もっとスリムでスマートな、清貧で幸せかつ至便なものであって欲しいと、覇権ゲバゲバの大陸駐在をした者としては願ってしまいます。
コンパクトでギュッと詰まった清らかな美しさと勤勉さ、手先の器用さ国民の賢さ、ルールの尊守、国内の治安、全て今の時点で日本が既に持っている世界一のモノ達です。
私はこの天災だらけの列島でこの今持てる素晴らしさを今の時代に持続する事自体が地球への挑戦であり、人間社会の理想への挑戦だと思っています。大げさ?
国外へ向けてはダブスタで使い分けるべきですが、国内でお上(皇室)のお祈りのもと、人数を減らしながらも八百万神の国ニッポンとしてあり続けてくれれば、同じ八百万神を他国の者が崇拝してくれる事も望まないし、ミステリアスですげー国、真似できねーと思われるのが世界一で良いのではと、破茶滅茶な文になりましたが思っています。

私は迷うことなく、第3の完全独立です。

米国が、日本に大量のプルトニウムがあるのを嫌う理由
の一つが、多くの汚い爆弾を作れることです。コイツは
簡単に完成品にまで持って行けます。日本を攻撃した不
届きな蛮国の大都市上空でバラ撒くことが可能だと、警告
しておくのです。バラマキなら与党自民党も得意です。

あとはミサイル技術(正確な着弾)を「人工衛星の打上げ
ロケットの再利用技術の開発で~す」とか言って、進歩
させて実用化までこぎつけます。

可能なら、火薬でOKなので前から書いている地下施設を
ピンポイントで地下数キロまで完全に破壊するような兵器
(アニメのドリルミサイルみたいなヤツ)が持てれば、日本
攻撃を決定した蛮国指導者は何処に逃げようが、たとえ
生命が助かっても地下深くから出て来れないヨ~ン、と
忠告できます。

日本人は先送りが得意中の得意ですから、財政モンダイ
や年金モンダイも、今さらドナイもならないようにして
しまいました。先の大戦でもマリアナ諸島あたりの敗戦
で「ゴメンなさい」の決断をしていれば・・今を逃せば
永久にドコかの国の属国扱いになります。

もう、真っ当な核兵器を完成させるカネはありません。
汚い爆弾なら、ローコストで完全独立への道が開けます。
あっ、兵法の要であるJIA設立は必須です。優秀すぎる
外務省は解散とします。

書いていて、恥ずかしさ一杯ですわ。

 ふゆみさん

 ありがとうございました。日本人の夢というものを高く掲げたいものです。夢のない国には、国民に元気がでません。

 おっしゃる通りの日本世界一で結構だと思います。日米同盟で防衛はアメリカの主担当にして、時には米軍に自主性を見せつけるぐらいでもいいでしょう。防衛負担も十分に行いましょう。血を流す覚悟も当然必要でしょう。普通の国になればいいのです。

 私の友人の娘さんが今ウガンダに行っております。正式に現地のNPO団体に入るかどうかはまだ未定のようですが、このような方が身近にいるのですね。日本人のボランティア-活動をTVで見て、非常に心強く思いますね。

 日本人には、世間に貢献したい思いをお持ちの方々がおります。無論、外国にもおります。このような活動は
TVで見て、無性に感動しますね。

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