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2016年9月30日 (金)

豊洲伏魔殿と安全性評価は別だ 

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豊洲問題で小池知事が燃えているようです。 

おおむね彼女には期待はしているんですが、あの人のパーフォーマンス政治家の側面が強く出てしまっているのが心配です。 

行政官は煽ってはいけない、クールダウンして正しい情報を取捨選択すべきです。 

まず、区別しなければいけないことは、東京都のガバナンス(統治)のあり方と、豊洲の安全性問題を一回分けて考えるべきことです。 

例の「盛り土」がなかったと糺弾を受けています。 

高速道路や卸売市場など、大規模開発事業は環境に対する影響を報告することが義務づけられています。いわゆる「環境アセス」というやつですね。

これが、でたらめだったので大騒ぎになりました。 

事前環境アセスでは「盛り土」を行うという条件だったのに施行しておらず、実態とは違う虚偽の設計図で趣旨説明していたのですから、誰が見てもヘルプレスです。 

当然のこととして、今提出されている環境アセスは全部パー。新たに安全評価をし直さねばなりません。 

ただし、ここで区別していただきたいのは、このような相互無責任、利権の巣窟のようになっているらしい豊洲伏魔殿と、その科学的安全性とは別枠で考えるべきだということです。 

まず、例によって例のごとく、この豊洲の安全性に火を点けたのは共産党でした。 

しんぶん赤旗9月17日はこう述べています。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik16/2016-09-17/2016091701_03_1.html 

「日本共産党都議団は16日、青果棟地下の空間で採取したたまり水の水質検査結果を発表し、猛毒のヒ素が土壌汚染対策法にもとづく溶出量基準(1リットル当たり0・01ミリグラム)の4割に当たる同0・004ミリグラム検出され、たまり水が地下水由来であることを明らかにしました。」 

この「豊洲の地下空間から猛毒ヒ素が基準値4割検出」という共産党発表に、すべての報道機関が追随して、今回の豊洲問題に発展していきます。 

Photo_4
毎度おなじみの共産党の手法です。毛沢東風にいえば、「一点の火が燎原を焼き尽くす」という戦術ですね。

まずはショッキングな情報を叩きつけて、それを火種にして政治ショー化して延焼させ、自分がその主導権を握ろうとします。

かつて原発事故の風評問題で、これでもかとばかりに農民や漁民をいじめまくったのがこのやり口でした。

私はこれと丸々1年間戦う羽目になりました。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-3.html

オスプレイも同じで、「落ちてくるぞ」と煽りまくり、とうとう沖縄反基地運動のネタにしてしまいました。

高江の反社会的狂乱も、元はといえばこのオスプレイ・デマが元です。 
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2016/07/post-d31a-1.html

話を戻します。

当然のことながら、「基準値の4割」なら安全と評価します。

それ以外、どう評価しようがあるのでしょうか。 

そもそも共産党は、「基準値」の意味を理解していません。

基準値は種々の判断の基準となる数値のことです。(あたりまえだ)

たとえば、かつての放射能問題の時に100ベクレルを食品基準値にしました。

ならば99ベクレルは安全で、101ベクレルは危険なのかと言えば、実際は測定の際の器材や手法によるブレの範囲内です。

しかし、いったん100と数値基準を決めたら、そこが食品の安全基準値になります。

100以上は食品ならば流通できませんし、環境基準ならば再度測定をして同じように基準値越えをするなら、是正措置をとらねばなりません。

逆に「基準値4割」なら、問題とするほうがおかしいのです。

29日の豊洲の新たな環境測定で、基準値の1.1~1.4倍のベンゼンが2カ所で、1.9倍のヒ素が1カ所で検出されたそうですから、その原因の特定と、その対策を明らかにする必要があります。

しかし、共産党が騒いだのは「基準値4割」です。

共産党は何か深い誤解があるようですが、ヒ素もカドミウムウなどを「猛毒」と呼ぶからおかしくなるのです。

確かに過剰に摂取すれば「猛毒」となりえますが、環境中にはごくあたりまえに存在している物質です。

確かにヒ素(As)は、IRAC(国際がん研究機関)が発がん性物質であるグループ1に指定されています。

これは「人体に対して発がん性が認められる」物質で、長期間ヒ素が体内に入るとガンの発生リスクが高くなるといわれています。

ただし条件があります。

病気になるには、「基準値を越える量を長期間、あるいは一気に大量に摂取する」という条件がついています。

だから、その目安として基準値が意味を持つのです。

たとえば俗に食品の焦げはヘテロサイクリックアミンという発癌物質を含有しますが、イワシの干物に当てはめてみると、体重60kgの人に毎日76トンの干物を食べさせてグループ2のリスク量に達します。

「基準値の4割だぁ」と悲鳴を上げている皆さん、ひとつやってみたらいかがでしょうか。

土壌、地下水、海水にもヒ素は含まれています。

たとえば、地下の岩石から湧きだす天然水には、ヒ素が含有されています。

市販のミネラルウォーターの数値を見てみましょう。
ライフアップオンライン:支笏の秘水』と主な市販ミネラルウォーターの成分値

・ボルビック      ・・・0.009mg/ℓ
・六甲のおいしい水 ・・・0.003mg
・エビアン       ・・・0.002mg
cf. 豊洲地下施設 ・・・0.004mg

ちなみに日常的に飲む水と、たまに飲む清涼飲料水の基準値は異なっています。

・清涼飲料水のヒ素の規格値・・・0.05mg/ℓ
※厚生労働省食品、添加物等の規格基準
水道水、地下水のヒ素規格値・・・ 0.01mg/ℓ
環境省「地下水の水質汚濁に係る環境基準について

よく報道で使われる基準値は2番目の水道水の基準値で、ミネラルウォーターは1番目の清涼飲料水に入れられています。

それは使用頻度でわけているからです。

ですから、ボルビックに「基準値の9割じゃないか」と抗議したら、「なにをおっしゃっているんですか。そういうのを安全と言うんですよ」とたしなめられるでしょう。

ボルビックを毎日飲んだり、炊飯に使っていると2番目に入ってしまい、オソロシヤと思う人もいるでしょうが、食品基準は100倍のマージンを持って定められています。

基準値設定は動物実験でやっていますが、さらに人間と動物では身体の大きさや感受性が違うということで、それを10倍にし、そのうえに人間は個体差があるのでそれをまた10倍にしています。

え~、本当に危険だと思われる基準値の、とれだけになりましたか。ざっと100倍ですね。

いわば崖の数百m先を基準値にしているわけです。

だから勝手に「基準値の4割だからキケンだぁ」などというと、自分の非科学ぶりがバレてしまうことになります。

海水や地下水、土壌にも一定量含まれていますから、人体にも食物の形で移行します。

長くなるので略しますが、米にも海産物にもヒ素は含有されています。
農林水産省 食品中のヒ素に関する基礎情報 

・精米のヒ素含有量・・・0.14mg/kg(平均値)
・ひじき(乾物)     ・・・93
・のり(乾物)       ・・・25

もし共産党が言うように、「猛毒」ヒ素を食べた瞬間死んでしまったり病気になったら、日本民族はとっくの昔に滅亡しています。

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ましてや、打って間もないコンクリートタタキの上で測定したら、石灰の強アルカリが出るのはあたりまえです。

それを「うわ~、強アルカリでリトマス試験紙が真っ青です.」とやるマスコミの頭は、ホントに大丈夫なのでしょうか。

このような一人歩きしたプロパガンダに乗って、「もはや豊洲に移転する大義はなくなった」と言っているキャスターがいたのには驚きました。

小池さんが豊洲伏魔殿の扉をこじ開けたことは拍手を送ります。

今までの都政の歪みは眼を覆うばかりなのは確かなようですから、大いに戦って下さい。

しかし、その武器に共産党やマスコミの科学的誠実さがかけらもない、悪質な政治プロパガンダに乗らないでいただきたいと思います。

それにしても、共産党のプロパガンダにまんまと乗ってしまったマスコミは、ちっとも原発事故から進歩していませんね。

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コメント

共産党の最初のヒ素の件ですが、『4割』と発表したのがまた小狡いなと感じていました。 『4割』をああいう風に発表すると、聞いた人は『危険なの?』と感じるのでは無いでしょうか? 一瞬、『4倍?』と感じますし。 余計な不安を煽るつもりが無ければ『40%』と発表すべきだったと思います。 まあ、不安を煽りたかったんでしょうけど。
昨日の基準値を僅かに超えた件に関しても、200カ所以上調べて3カ所程度の話だったはずですが、鬼のクビを取ったように報道する姿勢に辟易とします。

アルカリ性の報道にしても、ちょっと考えたらセメントのアルカリだと解りますよね。 特に砕石は環境対策でコンクリートを破砕した再生砕石を使用している可能性が高いですし、そうなるとセメントの粉が大量に付着している可能性が高いと思いますのでなおさらだと思います。
建築物はコンクリート内部鉄筋の錆進行防止のために、中性化を防止する意味でもアルカリ性を持っていますから、普通の話ですし。

全く同感ですね。

共産党は毎度の煽り手法ですし、マスコミは今日のNHKも含めてとにかくセンセーショナルなことばかり流したがってて、全く非科学的。
新潮なんか豊洲移転とアキバ再開発での石原慎太郎の疑惑とか、いやいや、それ全く別問題だろうに…。という有り様。

小池さんが都庁伏魔殿に斬り込むのは大歓迎なんですけど、豊洲移転は別問題であって対案も出さずに「出汁」に使って下さんなと私は思いますね。
築地の老朽化とアスベスト問題があるのをマスコミは報じませんね。一部のブロガーさんだけです。

一番被害を受けているのは築地の業者さん達です!賛否ありながら移転でとりあえず纏めてきたわけですから。今更こんな政治的ゴタゴタをされると大迷惑ですし、下手すりゃ分裂闘争にもなりかねない局面ですね。ああ、共産党が仕込みそうな話だなぁ。

それにしても東京都職員、ちゃんとやれよ!!

マスコミの報道は都議会共産党の拾ってきた無価値なネタに寄りすぎている。
くどい毎日の豊洲のどうでも良い報道ぶりは「何が問題か」を視聴者・国民の目からあえて隠しているように見える。
問題の本丸は建物本体請負工事にまつわる選定・金額の多寡の問題と認識していたが、そっちの方は全く出て来ない。

選挙で世話になったマスコミにいくらかの恩返しのつもりかもしれないが、小池知事はこうした瑣末の問題で自身の豊かな政治的資産を使うのは避けるべき。
前知事までの「負」の部分はサンクコストとしてさっさと切り捨てて、東京の抱える本来の問題に早く立ち返るべき。

全く以って同感です。
環境基準に安全性付け加えて、例の盛り土が実際にはコンクリートのピット構造になっている事。
メディアでは謎の地下空間!、盛り土でなければ建物の安全性に全く駄目!な勢いで報道がなされていますが、
コンクリートのピット構造でもその点は全く問題なく、むしろ今回の水質検査も、もし盛り土で全て埋まっていたら行う事も出来なかったでしょう。
建設前の提案書の段階でも盛り土と共に、コンクリートピット構造についても触れていました。
盛り土かコンクリートかなんて大した問題ではありません。
言ってしまえば、東京のいちローカルニュースをいつまで全国ニュースで大々的にしてるんだ、と私みたいな地方に住む人間からしたら此処まで騒ぐことに正直どうでもいいとさえ思っています。
何故地下水がこんなに溜まってる?と、騒いでいる地下水も、従来通り地下の排水ポンプを稼働させ浄化させたら、全く問題ないと思います。

やはり問題なのは、計画から設計建設に至る詳細な経緯が不透明なのと、関係者への説明が虚偽の説明になっていた事でしょう。
新国立競技場問題と一緒です。
外に向けて発表されてる事とは別に、内部で物事が勝手にすすんでいました。
あれもザハ案からA案に決まって落ち着いたかに見えますが、A案こそが本当の癌でした。ザハさんもザハ案で問題有りなのですが、ザハさんも被害者と言っても良いと思います。
あの時のメディアの騒ぎ方もウンザリしたなぁ。

因みに、嘘か真か判りませんが、例の蓮舫さんの二重国籍問題にメディアは余り触れたくないから同時期に出てきたこの豊洲問題に飛び付いたとツイッターにありました。
あまりにも眉唾物なのですが、昨今のメディアを見ていると、あながち間違いでも無いかも、と思えてしまう自分自身に情け無いです。

豊洲の建物自体に問題が無くても、此処まで騒ぎになった事、昨日地下水で極僅かながら基準値より高く検出された事、これらを丁寧に説明する必要がありますね。
当初の11月開場より延期される事はもはや致し方ありません。
しかしそれはそれで移転に向けて動いている市場関係者への莫大な保証が…。
小池さんは難しい舵取りになりそうです。

連投失礼しました。

ヒ素は毒性が有るのは事実ですが、本来只の元素であり自然界に不通に存在するものです。あくまで規定値を越えて体内に取り込むと危険なので有り、逆に自然界に存在する物を全く含まないなど事実上不可能。
一昔前、ヒ素が水道水から検出されない事が基準にはなってましたが、これは当時の計測器の精度が緩く現在報道されてる様な微量な値は読めなかったからに過ぎず、〇〇の名水ってのもヒ素の様な天然物質は普通に検出され得ますし、脂溶性のビタミンなど過剰摂取は却って健康を害します。
分析化学の細かい内容など知らない人には検出されたって事だけで脅し上げる効果は抜群ですね。(原発報道でも似た話はわんさかあった)
個人的には何か化学物質等で揉める時、原子番号が20のCaカルシウムまでと、21のScスカンジウムからでは後者の方が実態に尾ひれ付いた派手な騒ぎになり易いと感じますが(鉄、銅等の有名?な元素は除く)高校化学で周期表を20のCa迄しか教えてない(と思われる)から、専門外の方にとって何やら得体の知れない怪しげな物質が出たでって感じでしょうか?

本来只の元素であり自然界に不通に存在 誤
 ↓ 訂正
本来只の元素であり自然界に普通に存在 正

失礼しました。

この問題に関しては、なんと言うか馬鹿らしいことばかりで嫌になります。

膨らんだ予算、ホウレンソウのなってない関係者たち、談合したとしか思えない落札率……それらは確かに問題で、追求しなければいけないことですが、そういうのは犯罪を捜査する部署に任せれば良いのであって、小池都知事はもっと基本的なことを調査してもらいたい。

豊洲の建物は、建築基準を満たしているのか?
そちらの方が、ずっと重要なことです。
建物の設計図を調査し、その設計図には無い「現場での仕様変更」にどういうものがあるかを確認し、公表して安全性を知ってもらう。それが必要なこと。

問題の「水」の汚染度など、対策できるように建物を設計し直していると言うのなら、ソレに沿って対策すれば良い話です。
汚染を封じ込める事を目的として設計変更したのですから、その設計どおりに対策すれば封じ込めるでしょう。
封じ込め出来なければ問題になりますが、その場合は設計者や建築会社の責任でしょうから、それはまた別の話になります。


嘗て、耐震偽装問題で日本を賑わせた事件がありました。
その記憶が今でも濃く残っているから、日本人は建築関係の偽装には敏感です。
だからこそ、偽装は偽装で犯罪として捜査し、建築物とは切り離して考えなければいけません。
捜査はじっくり時間をかけてやっても構いませんが、豊洲市場が使えるか使えないかは、早急に結論を出さねばならないことなのですから。

昭和九年築の老朽化した建物、アスベスト、海水使用による腐食、排気ガス、交通事故、落下物による事故、下水の逆流、被爆した鮪なども埋めてある、築地の地下水も色々と含まれてると思います。

山形さんのおっしゃる報道されない築地の危険性、些細なことまで報道される豊洲の危険性、ドングリの背比べでしょうかね〜

豊洲以外に候補地があったらとうの昔にそちらで動いたでしょう。
東京の埋め立て地はどこもゴミの島ですから地中には色々なものが埋まってます。

犯人探しより地下水や耐震の問題をクリアするにはどうすればいいかの議論を始めて欲しいです。

なんだか科学系ジョークのDHMOの話しみたいですね。

DHMOとは、
水酸と呼ばれ、酸性雨の主成分である。
温室効果を引き起こす。
重篤なやけどの原因となりうる。
地形の侵食を引き起こす。
多くの材料の腐食を進行させ、さび付かせる。
電気事故の原因となり、自動車のブレーキの効果を低下させる。
末期がん患者の悪性腫瘍から検出される。

その危険性に反して、DHMOは頻繁に用いられている。
工業用の溶媒、冷却剤として用いられる。
原子力発電所で用いられる。
発泡スチロールの製造に用いられる。
防火剤として用いられる。
各種の残酷な動物実験に用いられる。
防虫剤の散布に用いられる。洗浄した後も産物はDHMOによる汚染状態のままである。
各種のジャンクフードや、その他の食品に添加されている。
(Wikipediaより)

DHMO=Dihydrogen Monoxide(ジハイドロジェン・モノオキサイド)=一酸化二水素(H2O)、ただの「水」ってオチですが。

沖縄のマスコミや政治家がいつもやる手法なので冷静に見てましたが
知り合いの関東在住の建築士までもがマスコミ報道を鵜呑みにしてました。
そもそも建物の地下ピットの下までもが汚染処理された土壌だと知らなかったようです。
扇動されやすいのは沖縄県民だけじゃなく都民も変わらないもんだと思いましたよ(笑)

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