北朝鮮が目標とする核兵器の「パキスタン化」とは
夏休みと宣言したとたん北朝鮮がミサイルを撃つは、核実験までするという狂態ぶりです。
休みですが、書かないわけにはいかなくなりました。
狂態は狂態ですが、計算できる狂人の仕業なので困ります。
まず、初めの弾道ミサイルですが3発発射し、非常に狭い範囲に着弾しています。
発射した弾道ミサイルの種類は、ノドンとスカッドERで、すべて日本に対してのものです。
狭い範囲で弾着するという技術は、ミサイル誘導技術としては高度なものに属します。
現実に北朝鮮は弾道ミサイルをひとつの目標に対して何発か打ち込んで来ると予想されますが、このバラツキが少ないほど、被害は甚大になります。
私たちから見れば防ぎにくくなります。
下図は散布界の大小を表した概念図ですが、左の小さな円が散布界が狭いものですが、当然こちらのほうが精度が高く、私たちにとって脅威度は高まります。
散布界の大小概念図 http://obiekt.seesaa.net/article/392722272.html
このように北朝鮮はこのところぐんぐんとミサイル誘導技術を向上させていて、あなどることが出来ない脅威に急成長しています。
次に、今回の5回目の核実験についてです。
当人は水爆と称していますが、真偽は定かではありませんし、かの国が体制崩壊して内部情報が出てないかぎり、ほんとうのところはわかりません。
では、なぜこのタイミングで、何が狙いなのでしょうか?そこを押さえておきましょう。
よくマスコミ人士は、北朝鮮のことを「狂気の金正恩体制」と冠をつけて呼びたがりますが、決して彼は発狂しているわけでも、錯乱しているわけでもありません。
単なるイっちゃっている国ならそれなりに対処しようがありますが、大まじめに狂っているからかえって始末に負えません。
彼らはいたって正気で、計算づくでこの弾道ミサイルと核兵器のステップアップをしてます。
先代は狂人まがいの瀬戸際外交で国際社会を脅しつけて、さんざん支援を搾り取り、その隙に乗じてとうとう核兵器を作る段取りをしてしまいましたが、若殿はとうとうほんとうに作ってしまいました。
結論から言えば、私は北朝鮮が国際社会の中のボジションとして、インドとパキスタンの地位にもぐり込みたいのではないかと思っています。
特に、具体的にミサイル技術の共同開発をしてきたパキスタンが、北朝鮮のモデルとなっています。
1998年にパキスタンは、仮想敵国であるインドに対抗して核武装を強行しました。
その原因の根源には、アジア地域で真っ先に核武装した国があったからです。もちろん中国です。
インドはこの中国の核の恫喝に、核武装せざるをえなかったわけです。
そしてインドと2回の戦争を経験したパキスタンも、また然りでした。
このように核兵器と言う代物は非常にやっかいなもので、連鎖するという性格を持っています。
隣国が持てば、持たざる国はその脅威を深刻に受け止めねばなりません。
この<核の連鎖>という悪しき現象は、印パのみならず、イスラエルと旧イラク、イランの関係にも現れています。
そしてこのパキスタンもインドも、NPT(核拡散防止条約)とCTBT(包括的核実験禁止条約)を批准していません。
国際社会は印パの核武装で、一回持ってしまった核兵器を手放させることがいかに大変なことなのか、そして手ずっているうちに「なし崩し核保有国」というおかしな存在の国になってしまうかということを経験しました。
金正恩が狙っているのは、パキスタンがやったように既成事実を強引に積み上げ、核抑止力を完全に保有したと宣言することです。
正恩は、米国と中国に対して相互確証破壊の関係に入り、「援助は威張ってもらうが、口は突っ込ませない」という実に図々しい立場になろうと考えています。
理由は簡単です。通常兵器がサビて使い物にならず、兵士は腹ペコであり、戦車も戦闘機も燃料がなくて、単なる鉄の箱だからです。
こんなていたらくの国が、まともな通常兵器での戦争をやったら、自殺街道まっしぐらです。
皮肉にも、正常な判断力が正恩に残っているからこそ、核兵器を選択したのです。
また北朝鮮は、よく知られているように徹底した相互監視・密告・管理による兵営国家です。
恐怖と死によってのみ国民を押さえ込んでいます。
中国と比較すると、一党独裁という似た部分はありますが、北朝鮮の場合その独裁の重しは中国のような「登り龍の経済」ではなく、「米国と張り合える強大な軍事力」です。
北朝鮮はこれを「先軍政治」と呼んで、国家方針の根幹に据えています。
先軍政治 - Wikipedia
しかし軍事力の基幹である通常戦力が事実上崩壊したために、今や核兵器しかしがみつくものがないのです。
さて、現在の北朝鮮は、国際社会から核保有国とは認められていません。
いくら正恩が「オレは核保有国だもんね」と喚いても、国際社会は認知していないのです。
そして、やればやるほど国連の制裁決議は締めつけられる一方でした。
まぁ、中露というデカイぬけ穴があった上に、ミサイルの販売で潤っていましたから、北朝鮮にとってこんなハンパな国際制裁なんぞ痛くもかゆくもなかったわけですが。
ならばなおさら、完全な核保有国として認知するまでやってやるぜ、というのがこのカリアゲ君の決意なのです。
今年3月上旬から毎年恒例の米韓軍事演習が行われましたが、これには正恩をピンポイントで排除するというメッセージが含まれていました。
中国も同時期に、正恩の排除に乗り出したという噂が、飛び交いました。
正恩が挑発行為のエスカレーションを開始したのが、この時期だということに注目してください。
正恩は、こう言っているのです。
「これ以上北朝鮮の現人神たるボクを排除しようと米中が考えるなら、核兵器のボタンをほんとうに押しちゃうからね」
つまり、核兵器による独裁体制の崩壊の抑止です。
よくテレビのコメンテーターたちは、北朝鮮の意図は米国を交渉テーブルに引き出すことだ、と解説してきました。
違います。
今、「交渉テーブルに引き出した」としても、米国から出る言葉は唯一、核兵器の放棄と核兵器工場の稼働停止です。
ならば、そんなものやっても、北朝鮮にとってなんのメリットもありません。
あくまでも北朝鮮の国家目標は、独裁体制の護持と、その担保だと彼らが考えている核戦力だからです。
これはワッセットであって、どちらかを失うことになる「米国との平和交渉」などありえないのです。
もし北朝鮮が米国との平和交渉テーブルに乗るとしたら、唯一それは、北朝鮮が相互確証破壊を手にしたと確信した時に限られるでしょう。
不勉強なコメンテーターたちは、核兵器の相互確証破壊というロジックをまったく理解していないようです。
そう考えてくると、北朝鮮はこの核武装強化の危険な道を、誰がなんと言おうと突き進み、米国に対しての大陸間弾道ミサイル(ICBM)を保有するところまで行くことでしょう。
それが、北朝鮮が目標とする核兵器の「パキスタン化」というゴールです。
かつて北朝鮮の核を脅威だと言うと、「北には核開発能力などない。そういうことを言うこと自体が、北の狙いに乗せられているのだ」と言われた時期がありました。
あれから10年、北朝鮮は今や本格的な核の脅威として私たちの国のしかかってこようとしています。
ひとつ付け加えておくなら、核兵器というのは簡単に使用できません。
何度か書いて来ましたが、一回使用すれば報復を受けて自国もまた滅びるからです。
いわば、究極の「刺し違い兵器」だからです。
北朝鮮は今後ますます「交渉」において恫喝の道具として核を使用することでしょうが、北朝鮮がほんとうに核を使用するとすれば、それは体制崩壊を起こした時です。
ですから、それを知っている周辺国は、皮肉にも北朝鮮が不安定化しないためにやくたいもない「寸止め制裁」を繰り返すことになります。
残念ですが、今回もまた国連の制裁は北朝鮮に逃げ道を与えた上での、表向きのものになるはずです。
これが北朝鮮流「核抑止」なのです。
金正恩の高笑いが聞こえてきそうです。
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コメント
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北朝鮮の現体制を終わらせることを、大真面目に検討する時期に突入したのではないでしょうか?アメリカは、既に北朝鮮を終わらせることを検討していませんか?日本政府の中枢もそのことを意識していませんか。だとすると中国政府はどうするのでしょうか?これまでは、防波堤にしていた北朝鮮という飼い犬がいつのまにか強大化し、飼い主を脅すまでに成長しました。核兵器を保持する北朝鮮へは中国は簡単には手は出せないでしょうから、普通に考えれば、暗殺だと思いますが、キムはそのことを最も警戒していますよね。かといって中国はアメリカが行動にでる前に先に行動に出るでしょうから、いずれによせ、中国と北朝鮮との間で紛争が起きるのではないでしょうか?
投稿: 町衆 | 2016年9月10日 (土) 12時30分
> 残念ですが、今回もまた国連の制裁は北朝鮮に逃げ道を与えた上での、表向きのものになるはずです。
> これが北朝鮮流「核抑止」なのです。
どうでしょうか。 北朝鮮が核を持つのは、敵国からの核攻撃抑止のためだけでしょうか。北朝鮮が核保有をしているからといって、必ずしも敵国は核兵器で攻撃するともかぎりません。 通常兵器の集中で金体制を崩壊させることも可能でしょう。 とすると、北朝鮮の核保有は正確な表現としては、敵国のすべての北朝鮮への攻撃を抑止するためということになるでしょう。金正恩体制を維持するため核兵器を保有しているのですね。
一番の問題は。北朝鮮が日本へ恫喝をしてこないかということではないですか。恫喝された日本はこれに耐えられるのでしょうか? そこが不安なのです。安倍首相は慰安婦問題、靖国問題などで外国の圧力に屈しているだけです。正当な主張ができないのです。こんな首相は、北朝鮮がホントに恫喝してきたときに、耐えられないだろうと思うのですよ。慰安婦問題も靖国問題もまだ観念の問題でした。核ミサイルの問題は、それ以上に現実的なもの深刻なものです。
私が、核保有論を唱えるのは、敵性国からの不当な圧力を排除したいがためなのです。全くの正当防衛を主張したいのです。皆さんのご意見をいただきたく思います。
投稿: ueyonabaru | 2016年9月10日 (土) 15時42分
私は従来から、中共と北メタボ将軍はグルだと思って
きました。今でもそうです。「役者やのう~」です。
中共の態度もワザとらしくて、追い込まれたフリをして
いるように見えます。何故なら米国が困る事が共通の
利益なので、二人して陰謀の上、大根役者を演じている
のです。日本の外務省筋は、自ら一次情報を取る努力が
キライなので、日本政府は米国経由の情報しか持ってい
なくて、独自調査などはムリです。これは、いつもの事
なのですが・・
日本が核武装するのは、事実上ムリです。お金無いし、
時間無いし、改憲すらできない根性無しだし、米国を
納得させるタフなネゴが出来る外交スキル無しだし。
国内のサヨク脳さえ、どうにも出来ない。
この期に及んでは、日本が核兵器使用のサードポイント
とならぬよう(1,2,3ではシャレにもならん)神様と米国様
に拝むほか無くなりましたねぇ。
日本は、米国の暗殺作戦を望むほかなく、暗殺後の朝鮮
半島の権益分配による中共の大進出(暗殺黙認の交換条件)
を只見ているだけになりそう。働かぬもの喰うべからず、
です。
一縷の望みで、メタボ将軍が健康上の理由でポックリと
逝く(側近による毒殺含む)とか、ほとんど無いけど人類
愛に目覚めて人民を解放して民主国に生まれ変わるとか、
に希望を見出すしかないですね。
投稿: アホンダラ1号 | 2016年9月10日 (土) 17時06分
初めて書き込みさせていただきます。
常連のueyonabaruさんに反対するようで申し訳ありませんが、保守は慰安婦問題や靖国などで安倍首相に中韓に強く出ることを望みすぎているのではないでしょうか。
慰安婦合意などで失望した結果、反安倍のようになってSNSで足を引っ張るような発言をしている方などもよく見かけます。
安倍首相の立場はマスコミが言うほど盤石ではありません。
国内でも色々な意見があるなか、左派や右派、またどちらにも属さない多くの層の支持を得ないことには仕様がありません。その点この前の合意は、うまくやった(保守としてはガッカリでも)と言えそうです。
慰安婦合意は韓国を中国から引きはがし、日米韓の枠組みに戻すうえで重要な役割を果たしたと見るのが妥当だと思います。現に韓国は直後、THAADを配備することが決定しました。
国民に危機感がなく防衛の強化もままならないなかで、米国との緊密化や中国を取り囲む国々との連携を図るなど、誰より現実を見据えて行動してこられたのが安倍首相だと思うのですが。
ところで、北朝鮮が弾道ミサイル3発を発射した3時間後、米国により大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射テストが行われたそうですね。日本では報道されなかったようですが東亜日報や中央日報が伝えたようです。
投稿: タツノオトシゴ | 2016年9月10日 (土) 18時37分
確たるイデオロギーを持たない自分ですが、歴代内閣の中で、確たる信念の中で行動している首相が、今の安倍さんの様な気がします。アフリカ、ロシア、インド、中共が一番嫌がるピンポイントに外交で圧力をかけている気がしています。ただ、国内の経済状況や諸々の事情で、右左の各方面から批判を受けていますが、歴代内閣のなかでは、極めて奇異なリアリズムな内閣な気がするのですが?最初失敗した事が、今の安倍さんを作っている気がします。と、記事とは無関係なコメント失礼しました。
北の核に関しては、何とも言えないですね。今日の記事で、お坊ちゃんが正気な上での行動なら、日本に核が落ちて来る事はあり得ないとは思います。本当に正気なら。例え相互ナンチャラ確証を北が望んでも、中共ですら、戦略原潜を深海に配備出来ない現状において、北がそれを出来るとは到底思えないのですが。戦略核は、幾つかのパーツが揃って、初めて機能するのであれば、単発の核は唯の脅しでしかないのではないでしょうあ?
投稿: 一宮崎人 | 2016年9月10日 (土) 20時34分
皆様のご意見ありがとうございました。
アホンダラ一号さん
いつものアホンダラ節絶好調。そんな気持ちは良くわかります。なんとか、主体的な国家運営はできないでしょうかね。
タツノトシゴさん
> 保守は慰安婦問題や靖国などで安倍首相に中韓に強く出ることを望みすぎているのではないでしょうか。
だれでも望むでしょう。
> 安倍首相の立場はマスコミが言うほど盤石ではありません。
盤石ではないようですね。
> 国民に危機感がなく防衛の強化もままならないなかで、米国との緊密化や中国を取り囲む国々との連携を図るなど、誰より現実を見据えて行動してこられたのが安倍首相だと思うのですが。
そうだとは思いますよね。
> 米国により大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射テストが行われたそうですね。日本では報道されなかったようですが東亜日報や中央日報が伝えたようです。
日本の報道機関はなぜ報道しないのでしょうか?
一宮崎人さん
> お坊ちゃんが正気な上での行動なら、日本に核が落ちて来る事はあり得ないとは思います。本当に正気なら。
追いつめられると、ホントに打つかもしれませんよ。
> 単発の核は唯の脅しでしかないのではないでしょうあ?
脅かすことで何か得ようとしないでしょうかね。
日本が核を持つことは、単発ということではなくて、もう少し多い数でなければなりませんね。少なくても、30発ぐらいでしょうか。足りない分は友好国から買えばよいのです。売ってってくれないでしょうか? 日本が中国から核攻撃を受けそうになった時に、アメリカが売ってくれないのなら、何のための同盟でしょうか。心配するのは、日本が核攻撃を受ける事態が迫ったときに、アメリカは中国に対し自国への危険も顧みずアメリカの潜水艦やアメリカ国内の発射基地から中国へ核弾頭を発射するのかという一点です。
投稿: ueyonabaru | 2016年9月10日 (土) 22時57分
軍事的戦略に疎い私ですが、当ブログ
で 管理人さんや、コメントに書き込む
皆さんの解りやすい説明や、コメント
で色々勉強しております。
単純に沖縄に住んでいる私は、安保が
抑止力となり 有事の際は、アメリカが
必ず守ってくれる物だと疑いませんで
した。
昨今の近隣情勢と、当ブログ内容から
アメリカは、必ずしも助けてくれない
かも知れないとなると、果たして北朝鮮
の核の標的は何処かと考えた場合、左翼
が良く言う 基地が有るから攻撃されると
言っているのが理解出来る様な気がしま
す。私は、抑止力で日本の平和が維持さ
れて来たと思っていますので、アメリカ
が助けてくれない、独自で核武装も出来
ない日本なら、沖縄に基地がある事自体
子や孫達を、危険に晒す事にはなら無い
でしょうか。
皆さんの議論はとても高度で、勉強にな
りますが、本当の話 私の考えは揺らいで
います。
投稿: 宜野湾市民 | 2016年9月11日 (日) 08時02分
おはようございます。
タツノオトシゴさんと一宮崎さんのコメントには私も同意します。
北の話からかなりずれるコメントになるので申し訳ないのですが^^;
ます、昨年十二月末の日韓慰安婦合意について、あのときの日本国内の、保守といわれる方々の批判には正直驚いていました。
あれって大雑把?にいうと、韓国側が困る合意なんですよ。アメリカが立会いになって、日韓双方の外務大臣が合意後すぐその場で世界中に向けて共同記者会見しましたからね。
1.日韓基本条約で韓国との賠償問題は完全に解決。
2、その上で韓国政府が行う慰安婦基金を支援する。つまり、韓国人および韓国人以外の元慰安婦さんたちのためにも基金をだしました。今後慰安婦関係の支援が欲しければ韓国政府へどうぞってことです。
3、国際社会への公約であり、韓国政府は二度と持ち出さないと明言させた。
合意形成までハラハラしていましたが、これまでの約束なんて何?な口約束ではなく、アメリカを第三者にして世界中に中身を公表しての日韓合意です。それによりこれ以降はまたこの問題が蒸し返された場合は、日本側の韓国批判のカードになったのです。当然、お金おかわりも出来ない。安倍さんってすごーい岸田さんすごーいと素直に思いました。
投稿: やもり | 2016年9月11日 (日) 08時39分
北朝鮮の話となると中国と比べての話になることが多いですが、ロシアの事はどう考えているのでしょうかね……。
勿論ロシアも、外相が北朝鮮に「懸念」を表明しましたが、プーチン大統領は北朝鮮の核保有を認めないと安倍総理に言う一方で。
プーチン政権内で影響力を持つコモエドフ下院国防委員長は、北朝鮮を「核クラブ」に迎えたうえで説得しよう、と主張しています。
つまり、管理人さんの言う「カリアゲ君の目的は完全な核保有国として認知するまでやってやる事」と言うのが、まさに北朝鮮のバックであるロシア側から発信されているわけです。
かつてロシアのネットニュースで「北朝鮮の17歳の宇宙飛行士が太陽への着陸に成功し、無事地球に戻ってきた」という記事が話題になりました。記事は2014年11月の事だそうです。
ちょろっと調べると分かると思いますが、これは「太陽への着陸=水爆開発に必要な核融合技術」の成功という寓話だったのではないか、と言われています。
悪意的に考えるならば、2016年の北朝鮮公式発表「水素爆弾の実験に成功」より前に、それを阻止することができる情報を持っていながら、あえて見逃したとも取れるのです。
北朝鮮問題に対する中国の方針は、あえて北朝鮮の脅威を残すことで、北朝鮮に影響力のある中国の立場を国際社会で強くし、その力でもってアジア圏での「世界の警察」の立場をアメリカから分捕る……「アジアの警察」を名乗ることだと思います。ヤクザと癒着する警察なんてろくなもんじゃないですが。
では、ロシアはどうなのでしょう?
ロシアはアジアの警察にはなれません。ユーラシアの警察でしょうか? そうなると、中国とも真向から対立しかねません。
ロシアの行き先は何処に有るのか。それを考えるのが、北朝鮮に対する打開策になるかもしれませんね。
投稿: 青竹ふみ | 2016年9月11日 (日) 09時15分
やもりさん
> あれって大雑把?にいうと、韓国側が困る合意なんですよ。アメリカが立会いになって、日韓双方の外務大臣が合意後すぐその場で世界中に向けて共同記者会見しましたからね。
いわゆる政治的な決着方法でした。韓国を黙らせるには非常に効果的だったと私も思いました。
問題点は、事実ではないことを事実として認めたことなんです。河野談話の方向を定着させるのですよ。
目先の政治上の解決を図ったのでしょうが、日本軍人の名誉を貶めることになり、これで、世界に広まってしまっている「性奴隷」の制度を日本軍は取っていたというウワサを訂正することが難しくなりましたね。
韓国とのホントの和解はしたいのですが、それには、お互いに事実、真実の歴史を基にしなければならないと私は思います。 そして、韓国は再度蒸し返す筈だと思っております。あ-、難儀な隣国さんだ。
投稿: ueyonabaru | 2016年9月11日 (日) 11時17分
青竹さん
> プーチン政権内で影響力を持つコモエドフ下院国防委員長は、北朝鮮を「核クラブ」に迎えたうえで説得しよう、と主張しています。
いろいろな動きがあるのですね。可能性を探ることはいいことだと思いますね。ロシアのできる役割もありそうな感じです。私も、予定されている安倍-プーチン会談に期待しております。
投稿: ueyonabaru | 2016年9月11日 (日) 11時25分
宜野湾市民さん
アメリカ軍の沖縄の基地を攻撃すれば、反撃を受けるのですから、中国は沖縄にミサイルを撃ち込めないと思いますよ。怖いのは、アメリカ軍が撤退するという事態になったときです。
沖縄、日本の安全のためには、海兵隊もぜひ沖縄駐留を継続してもらいたいと思っております。
投稿: ueyonabaru | 2016年9月11日 (日) 11時34分
宜野湾市民さん
私もueyonabaruの見方に同意します。
ラッセル国務次官補が日本を守るとか言ってますが、その事態になれば結局、米政府は米国民しか見ないはずです。
しかし、沖縄の米基地が被害を受けたりその可能性がある状況が生じれば、米国民は真珠湾攻撃と同じ衝撃を受けることになると思います。
投稿: ume | 2016年9月11日 (日) 14時59分
今日の記事の、北朝鮮がパキスタン・インドの地位を目論んでいるとの指摘に賛同するとともに、そうであって欲しいと強く思います。
インドなどは完全に平和国家としてのイメージを定着させることが出来ていて、世界経済への貢献も期待されていますから。
ただ、二カ国に比べ民主化されていませんから、北朝鮮が政治の透明化をどう進めようとしているのか。透明化が本当に進むようであれば、あながち不可能ではないような気もするのですが。
ただ、北朝鮮から攻撃を受けた場合に、日本が自ら北朝鮮に反撃する事ができる(私の理解では通常兵器すら)装備を何も持たない状況は早急に見直して欲しいと思います。
投稿: ume | 2016年9月11日 (日) 15時33分
ueyonabaruさん、さきのコメント敬称略になってしまってました。すみません。
投稿: ume | 2016年9月11日 (日) 15時34分
今の米国の現状からすると、米国は結局のところ北朝鮮の核を「表向き」にはともかくも、実質的にはサンクコストとして処理、印パ同様に追加的認知せざるを得ないようになる、としか思えません。
つまり、韓国や日本に対するに「二枚舌」を用いながら、その実「北の核」の排除を実力もって行なう事は無いと思われます。
米国の戦略は「北の核を取り除く」というものから、「北が核を持っている」という前提のもとに「現状をどうやって維持して行くか」という局面にすでに移行しているものと思います。
ヒラリーが大統領になっても、これは変わる事がないでしょう。
これを察知している日本政府の焦燥が、ほとんど効果なき、「独自制裁」発令に現れていると言ってもいいでしょう。
慰安婦問題合意の事
この事について、安倍首相には特に忸怩たる思いがあったに違いない、と推察します。
平成9年の「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」の事務局長時代以来の経歴と言動から、今回の合意が将来的にどのような問題を引き起こすのか、理解出来ない安倍首相ではありません。
(岸田さんのへらへら会見には寒気が走りましたが、印象として彼には事の重大さが理解出来ていないようです)
保守派の言う懸念はもっともな事で、最大の懸念は日本を除くほぼ全世界から、「国家として個人賠償をした」と理解されている事です。
外務省は「財団に資金を提供した」という詭弁的な言い回しをしていますが、どこからどうみても「個人賠償」であり、「国家賠償」です。
これは「日韓基本条約」の「完全かつ、最終的に」という文言、条約の「基本的な精神」を日本国自らスポイルしたに等しい行為です。
とりわけ、「韓国憲法裁判所の判決を裏書してしまった」と言っていい。
確かに国家間の約束をする事自体は果たしましたが、こと慰安婦問題に関しては韓国政府には統治能力はなく、挺対協や、国民感情に阿る韓国の裁判所にこそ本当の実権があるのであって、政権が代われば、いつもの易姓革命の如く約束は反故になるでしょう。
ところで安倍さんは、このような将来に禍根を残す致命的とも言える合意を、それと承知してやったんです。
その理由は、それほどに北朝鮮状勢が切迫している事のあらわれと見るべきで、私には「将来を売って、目前の危機を回避する」というのもやはりリアリズム政治なのだろう、という諦めにも似た感想しか持てませんでした。
投稿: 山路 敬介(宮古) | 2016年9月13日 (火) 00時37分