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豊洲祭りの後は

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わが民族の祭りの基本は無礼講です。 

祭りだから許される、祭りの逸脱暴走も、ま、いいんじゃないと、普段はもっともらしい顔した年寄りたちからして赤い顔をして、ウヘウヘとだらしなく笑っているのですから、こりゃダメだ。 

しかし、こうもひんぱんに祭りをやっていると、祭りの後が心配になります。 

都知事選祭りは盛大なフェスタとして小池氏を祭主に選出し、彼女の祝詞に合わせて豊洲祭りをオッ始めた時には、私も多少のわくわく感があったことを白状します。(遠い眼) 

しかし、あたりまえですが、祭りは必ず終わります。 

祭の間は永遠に夏だと思っていても、祭りの後は秋、そして冬にと向かいます。 

ピュー♪カラカラカラ~ン。(枯葉が転がる音)

漢武帝の秋風辞はこう言ったものです。

「歓楽極まりて哀情多し」。遠くで梵鐘の音が聞こえるようです。 

祭の後にハっと我に帰ると祭の負債がのしかかることになります。 

豊洲祭りはもうオシマイです。

豊洲市場は十二分にブランドとして棄損されました。大破炎上中でしょう。

「築地」という名が、国民にとって「美味いものがそこに行けばある」場所ならば、一方「豊洲」は「そこにいけば汚染がある」という強い刷り込みをしてしまったわけで、これは生鮮市場としては致命的です。

このブランド再建はたいへんに難しいでしょう。

かといってあんな特殊な建物は潰しが効きませんから、買い手がつかないでしょう。

もうさっさと取り壊して、公園にでもして「安らかに眠って下さい。過ちは繰り返しませぬから」というモニュメントでも建てるのですね。

風評被害には根がありません。科学的根拠がなく、ほとんど「気分」という心理的なものです。

理屈ではないから、かえってやっかいです。

「猛毒ヒ素が」「強アルカリが」「ベンゼンが」と、立ち止まって考えれば、打ったばかりのコンクリート床がアルカリになるのは当然のこと。

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あんたの風呂場の床を塗り直したら強アルカリになりますよ、といってもダメです。

これが強酸性だったら鉄筋が腐食するよと教えても、コワイものはコワイのです。

「ヒ素が基準値4割」というのは安全だということですよ、と基準値の読み方を説いても、気持ちが悪いのでしょう。

ベンゼンが猛毒ならば、トラクターや漁船、トラックなどの排気からはベンゼンが排出されていますから、ほぼすべての食品は食べられなくなります。

ある弁護士は、「土壌汚染対策法」の求める地下水の基準を超えたのだから設置できないと言い出した時には失笑しました。

ならばこの土壌汚染対策法がいう地下水基準値とはなんなのです。それは地下水を飲用するための基準です。

同法の想定は、「70年間、1日2Lの地下水を飲用すること」です。

ぶ、はは!豊洲の地下水を70年間、つまりは一生の間、毎日2ℓのペットボトル1本飲み続ける、あの弁護士さん、あなたやってみます?

基準値というのは、実験動物で得られた数値をさらに人体だからということで10倍し、それに安全パイで10を掛けたものなのです。

普通の排水基準値なら0.1ミリグラム/ℓ、つまり飲用水基準値の10倍です。

しかも、豊洲の地下水は飲まないし、業務用水としても一切使用できない設計です。

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それに地下水管理システムが稼働すれば、「謎の地下空間」には地下水がでてきませんから。

誰も知らないうちに、「謎の地下空間ができていた」ですって。

公共建築でそんなことありっこないでしょう。豊洲は忍者屋敷か、つうの。

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あ、そうそう。石原氏が日テレに、2011年当時「事務方から報告を貰っていた」と認めましたね。

「築地市場の移転先の豊洲市場で、土壌汚染対策の「盛り土」が行われていなかった問題で、設計に地下空間が入った2011年当時に知事だった石原慎太郎元知事が日本テレビの取材に対し、『盛り土から、地下空間のある設計に変更したと都の事務方から報告を受けていた』と話した。」(日テレニュース24 2016年9月16日)http://www.news24.jp/articles/2016/09/16/07341109.html

騏驎も老いれば駑馬に劣る、とはよくいったものです。私はあなたに多少の敬意を持っていたのでがっかりしました。

あなたが「自分は知らない。被害者だ」と馬鹿を言ったから、事態はもつれたのです。

2008年12月15日の第8回技術会議で、都の技術職員は正式に地下施設を報告しています。
平成20年(208年)12月15日第8回会議録 (167KB)P.7、8参照

第8回技術会議議事録はこう述べています。

地下施設の建設規模についてですけども、これは街区ごとの卸売場と仲卸売場の地下部分としてございます。
5街区が3ha、6街区が4ha、7街区が3ha で合わせて10ha ございます。これもちょっとまた図面のほうをごらんいただきたいんですけど、この配置図の右下の部分、このブロックが5街区です。左上が6街区、左下が7街区となってございます。
ここの地下空間として使う部分は、それぞれの街区の網かけといいますか、ドットになっている部分、その部分がちょうど売場になっていまして、そこの下の地下空間を利用するということでございます。その面積が3ha、4ha、3ha で合わせて10ha ということでございます。」

ご覧のように、既に2008年に地下施設は10hあると、都の技術系職員は技術会議でテーマのひとつに取り上げています。

石原氏は2012年10月まで知事をしていたのですから、知らされていないはずがありません。

あなたボケたのですか。聞いたが、決めてないなんて言わないで下さいね。慎太郎さんらしくもない。

と言うわけで、これではまるで「疑惑」のタマネギ剥きです。最後にはなにも残らない空っぽです。

つまり豊洲の「危険な猛毒地下水」とは、実は十重二十重のオーバースペックの産物であり、さらに安全対策の重層化のために地下ピットを設けたのです。

本来はこの排水基準値を適用すべきだったのを、豊洲が石炭ガス化施設の跡地だったことから、政治的な配慮からこんな手厚い対策を施してしまったわけです。

そもそも、こんな政治的配慮をせにゃならんところを選ぶなよ、慎太郎!

おかげで、大田あたりに作っていれば10年以上前に、はるかに安く出来上がっていたものを、延々と専門家会議、技術会議をやり、それでもなお共産党に批判され続け、やっと出来てみればこの有り様です。

原発事故後に起きたことと、まったく同じことが繰り返されています。

福島の避難区域の復興が遅れた原因は、除染の失敗です。

除染そのものに失敗したのではなく、過剰な年間20ミリシーベルトなどというアホな除染基準を作ったために、作業は遅々として進まず、膨大なコスト増を招いたからです。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2016/02/post-8022.html

しかも、これによって帰還が大幅に遅れ、避難先でお年寄りは亡くなり、若い夫婦婦は新たな職と住を作ってしまいました。

除染が完了しても、住むべき住民が激減してしまってはなんのための除染だか分かりません。

こういうことを、最適化を忘れた非現実的目標数値と呼びます。

結局、国民を守るような基準に見えて、その内実は除染染業者の焼け太りです。

同様の事が豊洲でも起きています。

おそらく、豊洲市場はブランドとして再建不可能ですから、更地にして「危険な土地」として二束三文で民間に再開発用地として払い下げられることでしょう。

そしてもう一回作り直しです。

さぁ、この責任だれが取るのでしょうか。

祭りは必ず終わります。

煽った皆さん、ただ村の祭りと違って、この後かたづけはゴミ拾いていどでは済みませんよ。 

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コメント

大阪で橋下さんがやってきたことや、
悪夢のような民主党政権が国政を担った時代こそが盛大な「祭り」だったのではないかと…。

あまり考えが固まっていませんので、ちょっと軽い感想だとお受け取り下さい。

今日は色々あるので私は落ちますね。

投稿: 山形 | 2016年10月11日 (火) 07時59分

今朝この記事を読んで、何か都からアナウンスがあったのか、今週も祭?と思い、テレビ梯子の苦痛に耐えています。
米大統領選に各局ワイドショーがお好みふりかけをトッピング中です。
テレ朝が一番きっついお味ですね…。
青木理がトランプの2005年セクハラ発言にむかって「これはファクトの報道だ」
そもそも総研男が「アメリカは放送法を撤廃したからこんなに自由に報道できて羨ましい。」「選挙が始まったら縮こまって引っ込んでないと行けないのはおかしな話だ」
全力て民進をバックアップ出来ないジレンマがおありなんだなあ、とよ〜く分かりました。

豊洲祭は、3.11後の放射能騒ぎの時とは明らかに都民の様子が違うように思います。
被害者である築地場内の業者さんのあり様も、身も心も枯れ果てて自死された当時の農家の方々とは、立ち位置が違います。
何よりも違うのは、あの時は、政府が自らパニックを煽り科学を否定したのに対し、今回小池氏は収束に向けて発言していると感じる私の様な者も多い事です。

投稿: ふゆみ | 2016年10月11日 (火) 08時55分

ふゆみさんのコメントについて:

そもそも総研男のことが出て来ましたので,気になっていたことが一つあります.コメンテーターとしての能力に疑義のある総研男を初めとして,テレビ局員の生涯年収は膨大なものになりますね.この根本原因はテレビやラジオ,その他の携帯電話事業が規制に守られ新規参入を許されない産業であり,格安の電波使用料で莫大な利益が保証されていることにあると思います.更に,クロスオーナーシップがテレビ,ラジオに許されている得意な構造が,歪んだ報道を許しているのではないでしょうか?

いつかブログ主様に諸外国と比べた分析をお願い出来たら幸いです.

投稿: ヒデミ | 2016年10月15日 (土) 17時11分

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