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2016年10月14日 (金)

やんばるの山の民はタフネゴシエーターなのです

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私は短い期間ですが、やんばるの森を仕事場にしてきた経験あります。 

やんばるの森こそが、私の最初の仕事場であり、同時に生活の場でした。 

だから、やんばるの山の民が、どのようにやんばると接しているのか、皮膚感覚で分かります。

前々から高江紛争か勃発した時に、なんか変な気分が残っていました。

押しかけている人がやんばるをまったく知らないし、知ろうとしないで「やんばるの森を守る」とか、果ては「高江を守る」とか叫んでいるからです。

もし、本気で「高江を守る」気があったのなら、高江の住民が街に出るためのたった一本の生活道を封鎖することなんかしませんよね。

生活の場に押しかけて、そこで警官隊と揉め事を起こしませんよね。

そんなことをやったら生活破壊ですから。

ましてや、本土から入れ墨を入れたヤクザまがいの外人部隊まで入れて、逮捕者を出すことなどするはずがありません。

さて、昨日頂戴したコメントでこのようなものがありました。

「高江は確か二回ほどヘリパッドに対してNOをつきつけていますし、抗議運動をしている人の中にも高江に住んでいる人がいます。
辺野古にも言えることですが、お金で地域の人を分断するような真似をして無理矢理にヘリパッド建設の言質を引き出すことが本当に住民の為になるのですか?」(「名護住み」さん)

直接ではありませんが、「お金で地域を分断する」ことになるのかどうか、お答えしていきます。

前に一度書いた気がしますが、山の民は「森」を抽象的には考えません。 

具体リアルに考えます。そりゃそうでしょう。 

過疎のムラで生きていくために「地球にやさしく」なんて街の人みたいなことは言えないし、かといって乱開発してしまえば、孫子に地域資産として何も残せなくなるからです。 

やんばるの森は、「地域の資産」、つまりは地域共同の生きる糧なのです。

ある意味で、基地さえも「地域資産」のひとつにすぎません。 

そう言えば、沖縄におけるもうひとつの紛争地である辺野古で、ちょっと前にこんな奇怪なことが起きました。 

米軍はかねがね海兵隊基地であるキャンプ・ハンセンの用地162ヘクタールを2011年末から再三予定通り返還したい、と申し出てきました。 

米軍が返すと言っているのですから、はい、ありがとうね、でオシマイじゃないですか。 

ところが米軍と日本政府の返還提案に対して反対したのが、反戦運動家の稲嶺市長だったからややっこしい。

「早々に返したい」「ちょっと待ってくれ」「いやもう待てない」という、本土の人間が聞いたら仰天するような交渉が延々と続きました。 

「米軍基地は過重だ。沖縄の負担軽減!」と主張して当選した稲嶺さんがなぜ?と思うでしょうが、それにはわけがありました。

実は、この土地の所有権は名護市にあり、現況山林にもかかわらず年間1億3千万円の借地料が市に入ります。 

この基地使用料は一部が、地元の幸喜、許田、喜瀬の三地域に分配金という名目で支払われています。 

市所有地の基地使用料をこのように分配するのはあくまでも慣習であって、法的根拠はないそうです。

「慣習」というのはかつて市有地になるまえには、ここがムラの入会地だったからです。

入会地とは聞き慣れない言葉でしょうか、入会地は北部によくあったムラで有していた土地のことです。

だいたい斜面ばかりの山で、薪炭・用材・ 肥料用の落葉・カヤなどを共同で採取しました。

そこがキャンプ・シュワブに組み入れられてしまったので、市が元の持ち主だったムラに分配金として補償しているわけです。 

しかし、その額がもっとも多い喜瀬地区などは年間3千200万円(※)にも登りますから、名護市や地元地域も返還されては困るわけです。 ※この数字に関しては異説があります。

一地区に3千万というのは、地区の主要財源です。

地元からすれば、返還されたら財源がなくなってしまって、使いようがない斜面の山林を返してもらってもしかたがない、とまぁそういうことです。

入会地で使っていた昔は、もっと村人もいましたしね。

実は、沖縄の基地はこんな所ばかりなのです。 

狭い島中央の平坦部を米軍基地が占有している事実には変わりありませんので、その負担が大きいことには事実です。

しかし米軍基地の大部分は、嘉手納基地以北の「跡地利用困難」な山岳地域が占めています。

高江が隣接する北部訓練場、辺野古があるキャンプシュワブやハンセンだけで、県内基地面積の3分の2に達します。

つまり、沖縄における米軍基地の大部分を引き受けているのは、他ならぬこのやんばるの山の民たちなのです。

はっきり言いましょう。山の民にとって右も左もありません。政府側も反政府もない。 反戦平和も安保護持もない。

もし選択肢があるとすれば、自分の生きる地域が、どの方向に向かって進めば栄えるのか、です。 

北部のように基地が自治体の大きな交付金財源であるなら、返さないでほしいし、逆に普天間地区のように、基地があるために都市再開発ができないならば、さっさと返せ、なのです。 

高江地区にとって、眼前に広大に拡がるやんばるの森が返還されるのですから、新たな仕事と雇用を生むチャンスでしょう。

やんばるの広大な手つかずの自然は、高江のみならず北部全体の大きなビジネスチャンスとなりえますからね。

ただしここで山の民は、こうも心配するはずです。

基地だったから交付金が落ちてなんとか貧乏自治体でもやりくりできたが、こんなに返されたらピンチだぁ、って。

だから、「いくらで補償してくれるんだ、今後も政府は別な形で金を落としてくれるのか」、という厳しい交渉をして、そのうえで東村は「容認」となったのです。

東村が2回反対したということをよく反対派は言いますが、山の民にとっては交渉のハードルを上げたのです。

やんばるの山の民はナイーブではないので、政府相手に条件闘争をしただけです。

辺野古もそうでした。

かつてシュワブを受け入れたときもそう、新たに海を埋め立てる計画を受け入れた時も同じです。

よくそれを「容認」という表現を使いますが、これはこの条件じゃないと政府の言うことは呑めないからねということです。

だから、とりあえずは反対します。

初めから政府の言い値で交渉を終了するはずがありません。

身体は老人、気分はデモ学生のままの老人たちが気軽に叫ぶ「やんばるの森を守れ」とは、一味もふた味も違うことがお分かりいただけたでしょうか。

山の民が「やんばるの森を守れ」という時には、必ずその裏に「やんばるの森で生きているオレたち住民の生活を守れ」がついてくるのです。

やんばるは生活すること自体が厳しい場所です。

街は遠く、仕事が少ないので、若いものは残りません。離島と一緒です。

高校は名護まで行って下宿しなければなりませんし、病院もないので急患があればヘリが出動します。

だから、山の民はタフネゴシエーターなのです。

 

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沖縄問題」カテゴリの記事

コメント

九州・沖縄地区限定の放送だろうと思いますが、9/30(金)19:30より、NHK総合で「九州沖縄ミライ語りっ!『どうする!?米軍基地』」という番組でがありました。

九州:37人、沖縄:22人、合計59人の若者(高校生~29才)をスタジオに集め、沖縄出身の俳優ガレッジセールの司会により、沖縄米軍基地について討論するものでした。

この中で「米軍基地は日本に必要か?」を問うたところ、必要:34人、不要:11人、どちらでもない:15人となりました。

必要とした者が60%近くもあったことにガレッジセールのゴンさんは「新鮮だ、驚いた」と述べ、若者の考えが変わってきてきた、と感想を述べていました。

不要とした者の意見も「今は必要だが、将来は・・・」とするもので、少なくとも現状は肯定的な感じでした。

明らかに現在の若者は現実的な意見になってきています。沖縄地元紙や朝日新聞など大手メディアが、基地反対の論調で叫んでも、若者はリアルで冷めているようです。そもそも昔と違って新聞を読まないんですね、今の若者は。

見ているのはやはりネット情報が一番のようです。このブログのような、良質なネット情報こそが真実を知る上でも重要なことだと、あらためて感じました。

いろいろと心労が多いと思いますが、ありんくりんさん頑張ってください。

管理人さんや、ここに来る常連の方は既にご存知かもしれませんが。

稲嶺さんの話は去年の今頃も管理人さんが話題に上げていたことがありましたが。
北部訓練場の金について調べてみると、北部訓練場の借地料は
>年間賃借料:400百万円 (平成24年度実績)
と沖縄県のHPに書いてありました。
地主数78人でソレを分けているのか、それとも自治体に振り分けられているのかは分かりませんが……。

高江のヘリパッドも、返還された所で直ぐに利用できるわけではない。
村の人口は少なく、当然ながら自治体の収入も少ないので、この賃借料(貰っている人からの税金?)は大事な収入源です。

返還されない方が借りている土地が広いわけですから、賃借料も多くなる。
ヘリパッド一箇所あたりの騒音も少なくなるでしょう。
それでも東村の村長さんは移設にOKしました。
そうすることが村の利益になる、と何某かの考えがあるのでしょう。


反対派の人たちは、交渉のテーブルに着くことは考えているのでしょうか。
それとも、もう妥協点を探す段階ではなく、負けと分かっていながら次の反対運動の火種にするべく活動しているのでしょうか。

地代については調べてみますね。

反対派は話合うこと自体が敗北と思っているので、テーブルに着くという発想自体ないでしょう。

また「負けた」という発想も敗北主義として嫌われますから、「闘争の大爆発を勝ち取った」大勝利と総括するでしょう。
それが左翼の伝統的流儀です。
だからいつまでも変わりません。別ないい方をすれば成長しません。

 青竹さん

>年間賃借料:400百万円 (平成24年度実績)
と沖縄県のHPに書いてありました。
地主数78人でソレを分けているのか、それとも自治体に振り分けられているのかは分かりませんが……。

 北部訓練場の賃料は40億円でしたか。結構大きいですね。北部訓練場の土地は大方が国有地であり、ほかに県有地もありましたかね。それに、市町村有地(78名には市町村が含まれている)があると記憶しております。個人有地は少なかったのではないでしょうかね。

> 反対派の人たちは、交渉のテーブルに着くことは考えているのでしょうか。
それとも、もう妥協点を探す段階ではなく、負けと分かっていながら次の反対運動の火種にするべく活動しているのでしょうか。

 反対派の人たちの大部分はイデオロギ-で動いている人たち、すなわち反米反戦主義者たちです。ですから、妥協点など考える筈もありません。現実的解決より、イデオロギ-が優先しておりますので、次の火種を必ず探し出すでしょう。

北部訓練場の地代はふゆみさんと文若さんがコメント欄で話題にされてました。

http://app.m-cocolog.jp/t/typecast/610475/515571/83868605
昨年11月です。

新しい金額や人数を知ってる方がいらっしゃいましたら教えてください。


基地交付金は交渉で増減するもんじゃないですし、村が交渉したのは再編交付金でしょうかね?

> 年間賃借料:400百万円 (平成24年度実績)

 これは40億円ではなくて4億が正しいのでしょうか?私が間違っていますね。すみません。

4億ですね。400百万円。
会計やってないと訳わからない表記ですよね(汗)
私も去年のコメントは最初桁合ってたのに途中で間違えてましたね。
北部の地代を検索すると始めに青竹ふみさんが見つけた古い数字がみつかり、その後は結構潜らないと別データが見つからず苦労した記憶があります。
そして基地の地代や地主をキーワードにすると、儲け話ばっかり上がってくる(・_・;

北部訓練場を擁する首長さんたちは、全く強かです。
最後まで混乱の渦中にクビを突っ込まず、飄々として実を得る。
ただ、最地元が交渉にタフになるのは当然の事です。

あまり知られていないようですが、国頭村も東村もあのような田舎にあってロクな産業も無いなか、住民の平均所得は県内トップクラスです。
これの示すところは、自治体に落ちる基地関連収入や補助金を村民にいかに上手に還元しているか、という事につきると思います。
基地の存在に賛否はあれど、極論やノイズからは一線を画し、最小単位の自治体として住民生活の向上や安定を最優先した結果でもあります。

そして、今回大部分が変換されるならそれも了とし、「変化」も受け入れる。
これからは世界遺産登録をめざして観光でさらに豊かな村を目指すのだ、との事。
これは翁長知事の方針にも合致していて、知事が「大歓迎」しないワケがない。
さらに今後も引き続き国からの最大限の協力を得る約束を結ぶ事にも成功した。

長く日本の安全保障に寄与してこられ、これからもお願いせざるを得ない意味においても、本土の方々のこころよい理解も間違いないところです。

単位の百万円は国や自治体、大手企業がよく使いますが見慣れてないと読み違えますね。

例の5600万円で72人だと一人当たり平均、約75万円の地代。
月にして6万円余りですか、基礎年金並みの不労所得。
県内で高所得なエリアだとすると他に基地関連の仕事や収入があるんでしょうね。

記事中の入れ墨って元ヤクザの在日団体のメンバーですよね、闘う相手を在特会から警察に変えたんだ。
山城某が本土から外人部隊(正に外国籍)を呼び寄せたのか、仲良しの福島ミズポが行かせたのか、有田ヨシフも酒を飲む仲だし、反社の者とズブズブだ。

地元じゃ本土から危ない連中が来て大迷惑なんてもんじゃないな、きっと怖くて文句も言えませんよ。

高江のことを調べていてこのブログにたどり着きました。
初めて投稿させていただきます。

疑問に感じたのですが「外人部隊」と揶揄するのなら、具体的に高江の抗議運動に県外からの人間はどれ程の割合を占めるのでしょうか。

この記事の書きぶりだと高江の住民にはヘリパッド建設を拒む選択肢などまるでないかのように感じられます。
そもそも、なぜ外国の軍隊の為の訓練施設をそこまでして作らなければならないのか疑問です。


まやーさん

ヘリパット建設についてはこのブログの過去記事をお読みになってくださいな。よくまとめられていますよ。

外国の軍隊が使用している訓練場の過半返還のため、返還されない部分にヘリパッドを移設するのが返還の条件。

この条件が満たされなければ返還は無い、基地負担の軽減を優先するならば条件を飲み少しずつでも返還してもらうことが肝要でしょう。
100%から突如0%などあり得ない。

高江の反対は返還の拒否。

やもりさん、多摩っこさん
お答え頂きありがとうございます。

色々な考えがあるかとは思いますが、個人的には返還計画そのものにかなり府に落ちない部分があります。

基地の土地が返還されるのは素直に喜ばしいことです(地主の方は違う複雑でしょうが…)。
というか敗戦国とはいえ我が国の土地なのですから還してもらって当然なのです。
そこに何故、一筋縄ではいかぬ交換条件がつくのか?
そもそもこの返還計画の発端自体が駐留米軍の落ち度であり、思い出すのもおぞましい少女暴行事件である訳です。
大きな目で見れば負担は減るのかもしれませんが、負担軽減のしわ寄せを被るのも沖縄県民同士であることにやるせなさを感じます。
誰もが有数の美しい海を埋め立てたくはないし、住んでいる集落の近くにヘリパッドが出来ることを喜ぶ人はいないでしょうから。
私は「タフネゴシエーション」というよりも「お上に楯突いてもしょうがない」という諦念ではないかと思います。

たまたま記事を拝見したんですが・・

うわぁw
急患の搬送にヘリが使われることが、どれだけ異常で贅沢なのか沖縄の方々は理解しているのでしょうか?

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