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「暗黒面」の時代の始まり

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今年も今日が最後の更新となります。 

ことしも拙い記事におつきあいいただきまして、感謝の言葉もありません。 

明日新年のご挨拶をして、三賀日は正月休みとさせていただきます。更新開始は1月4日(水)からです。 

さて昨日のコメントを読みながら、「オバマの時代」は終わったんだなと感じました。

真珠湾演説が美しければ美しいほど、彼の言葉は自国民には届かないようです。

なぜなら、彼の演説は非常によくできたポリテカリー・コレクトによって形成されていて、その集大成という意味で白眉だったからです。

ですから、皮肉な事に太平洋を超えたかつての旧敵国国民には、私のように静かな拍手を送った人も多かったようです。

その意味で、このオバマ演説は彼の広島訪問と対となって、むしろわが国民に向けられたもののようです。

「演説で世界平和になるのか」というコメントがありましたが、あるわけがありません。

の両首脳の演説は、日米同盟の堅牢な現実があっての上でのものだからです。

オバマは大統領としては、優柔不断で指導者にふさわしくない人物でした。

昨日もサイバー攻撃を理由にして、ロシアに制裁を課すという最後ッペをかましてしまいました。

権引き継ぎ期には、次期大統領の外交の妨げをしないのが鉄則なのに、一体何を考えているのでしょうか。

やるならさっさとやればよかったのに。

一時が万事で、彼の時代は紛争の拡大と、一層の複雑化・過激化を招いた時代でもありました。

だとしても、今回の真珠湾和解は属人的なものではなく、あくまでも日本国とアメリカ合衆国との国と国の和解宣言であることには変わりありませんから、その価値が落ちることはないのです。

「オバマの世界」とは、整然と組み立てられたリベラル理念と制度の世界です。

それは美しい言葉が信じられている世界、理念が現実より重い世界、いわばキレイゴトの世界でした。

別の言い方をすれば、ポリティカリー・コレクトが支配する世界とは、それを社会規範にするだけで、現実のグチャグチャな矛盾までもが解決できていると考えるような、空理空論が通用する時だったのです。

このポリティカリー・コレクトの思想は世界を覆い、わが国では「9条ワールド」としてなおも日本社会を支配し続けています。

ちなみに私は、このポリティカリー・コレクトが最も強く地域社会を支配し、いまや統制の域にまで達しているのは他ならぬ沖縄県だと思っています。

それはさておき、実はそれは臭いものに蓋をするだけで、内容物は一層腐敗を深めるだけなのですが。

ではなぜ、この「オバマの時代」、あるいは「偽善の時代」が終わったのでしょうか。

それはこの「臭いものに蓋」をされた世界に住む人々が、この閉塞感の中で生きられなくなってきたらです。

そのなんともたまらないやるせなさ、行き場のない怒り、荒んでいく生活、子供の将来が見通せない焦げつくような不満・・・、それがトランブを生み出しました。

私が敬愛する宮家邦彦氏は、これを「ダークサイドの登場」と評していました。

ダークサイドとは、スターウォーズのあの「暗黒面」のことです。

空理空論の時代は終わり、やがて混乱と迷走の「暗黒面」の時代が始まります。

とまれ、いい意味でも悪い意味でも世界規模で偽善の時代は終わったのです。

ただしわが国を除いて。

こう書いたからと言って、私はトランプがダースベイダーだとも思っていませんし、そんな白黒わけができてしまうほどシンプルなキャラではなさそうです。

彼の組閣は親中派と反中派が混在し、さらにビジネスマンと軍人が同居しています。一体なにをめざしたいのかさっぱりわかりません。

それがわが国にとっていかなる意味を持つのか、どのようにしたらわが国が生き延びられるのかを冷静に見ていかねばなりません。

このような時期に重要なことは、空理空論を排し、<常識>を失わないことではないでしょうか。

よいお年をお迎え下さい。

 

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コメント

今年一年間、こちらで色々と勉強しました。
ありがとうございました。

管理人さん、読者の皆さん、よいお年を

投稿: 多摩っこ | 2016年12月31日 (土) 09時22分

安倍首相の真珠湾訪問は戦略的に実に優れたものだったと思います。

「和解」という意味では、完全ではないにしろそれまでも日米間においては果たされていましたし、今回のは確かに「演出的」で、オバマ的「建前」の世界を敷衍したようにも感じました。
ただ、こうしたセレモニーを単純に喜ぶ層は確かに厚くあるのだし、それはそれで効果的なのではないでしょうか。
少なくも、歴史問題に拘泥し、それを日本に対する国家戦略にする国を「3周遅れ」にした事は間違いありません。
オバマにとっては「レガシー」に過ぎなくとも、日本にとってのメリットはかなり大きかったと思いますね。

気になるところではトランプがこのセレモニーをどう解釈するか、安倍政権がトランプに投げかけたものは何か?という事です。
安倍さんはいつものように「平和が~」とか「平和国家が~」だの、ウザイほど言いましたが、これがトランプに対するのメッセージなのでしょう。

安倍政権は米との接着を重視してますが、反面では今後の「米国の戦争」に巻き込まれまいとする真意を隠しています。
ここがこれから米国との齟齬にならないとも限らず、また中共の付け入る隙を与える格好の材料となるのでしょう。

投稿: 山路 敬介(宮古) | 2016年12月31日 (土) 09時26分

管理人さん、そして皆さん。
今年1年、お疲れ様でした。
コメントを書き込むことはほとんどしていませんが、いつも拝見させていただいております。
ありがとうございます。
来年もよろしくお願いいたします。
では、良いお年を…

投稿: エントランス | 2016年12月31日 (土) 09時54分

管理人さん、今年もありがとうございました!
お正月はゆっくり休まれてくださいね。
来年もよろしくお願いします!

投稿: ミィ | 2016年12月31日 (土) 11時54分

先日も書き込ませていただきましたが、私としては翁長知事こそ暗黒面に落ちたダースベイダーだと思っております。心の奥底では元の世界に戻りたいと思っているかもしれませんね。

当ブログは本記事でもコメントでも本当に学ばせてもらっています。知識不足で拙いコメントばかりですが、ご容赦ください。

皆様には本当に感謝しております。よいお年をお迎えください。

私自身、常に寛容の心を持てるようにつくしたいものです。

投稿: クラッシャー | 2016年12月31日 (土) 13時08分

今まで七十一年かん和解していなかったって事でしょうか?日本人は七十一年もの間何を根に持っていたのでしょうか?
ここ数年ネトウヨなる人種がアメリカ批判してるのはなぜでしょうか?七十一年も前の話を?
二人が演説しただけでネトウヨのアメリカ批判が止まるのでしょうか?
偽善者は日本国民だと思いますがいかがでしょうか?

投稿: 九州 | 2016年12月31日 (土) 13時13分

訂正。七十一年は間違いで七十五年ですね、本当に気の遠くなるような大昔の話をつい最近まで根に持っていたという事ですね。
ところで稲田朋美の歴史検証委員会はなんなんでしょうか?
アメリカの戦争犯罪とか騒いでますけど本当にウンザリしまよ。

投稿: 九州 | 2016年12月31日 (土) 13時25分

管理人さん、良識なコメントを書いてくださる皆様、今年もたいへん為になる情報をありがとうございました。

渦中の沖縄で生まれ生涯沖縄で過ごす私にとりまして、良くも悪くも沖縄と運命共同体

投稿: ナビー@沖縄市 | 2016年12月31日 (土) 13時27分

すみません、タッチミスで途中送信でした(汗)どうもスマホの調子が悪いです。

沖縄と運命共同体だと自分で思っていますので、真実と空論を見極めながら過ごしていきたいと思います。
皆さま良いお年を。

投稿: ナビー@沖縄市 | 2016年12月31日 (土) 13時31分

> 少なくも、歴史問題に拘泥し、それを日本に対する国家戦略にする国を「3周遅れ」にした事は間違いありません。

 中国の喧伝する歴史問題は事実に基づくものではありませんね。そうであれば、彼らがいう歴史問題に対し真正面から反論していくことは出来るのではないでしょうか。

 桜井よし子氏は、中国の主張する歴史論はすべて反論できると言い切ります。これって、すごい自信だと思いますね。桜井氏は多く学んだ上でそのような言い切りをするのだと私は思っております。

 しかし、日中の歴史学者たちは共通の歴史認識に至ることは将来的にもあり得ないとは思うのです。それは、彼らが最後には、日本が中国に海を越えて軍を進めたからだというからですね。この論理は、日本の保守言論人にも効き目があり、日本の中国進出を突かれると大方が沈黙するのですね。私も、かつてはそうだったのです。

 沖縄問題についてですが、ここでも、沖縄の学者たちには中国の学者たちが唱えるのと同じ論理があると思うのですよ。日本が沖縄に勝手に廃藩置県を行ったのだ、沖縄はもともと独立国であったのだという論理ですね。

 このような論理に対し、どのような切り口で反論ができるのだろうかと、この頃いつも考えております。

 あと、イスラム世界と西欧世界との関係ですが、西欧列国はイスラムの地域を次々に植民地支配をしてゆきました。これは、単に武力による西欧諸国のイスラム諸国への横暴でもありました。

 日本と中国との関係、日本と沖縄との関係、西欧世界とイスラム世界との関係、この三つだけでも考えてみると私たちの歴史問題の勉強に大いに役立つものと思いますね。

 日本が中国に進出していったのは間違いだったのか、日本が沖縄に廃藩置県を行い併合したのは間違いだったのか、西欧世界がイスラム世界の国々を植民地支配をしていったのは間違いだったのかなど、考えることが多くありますね。

 来年は、本ブログで、歴史問題を取り上げてもらいたいですね。

投稿: ueyonabaru | 2016年12月31日 (土) 14時27分

かずのこの塩がなかなか抜けません(^^;)
管理人さん、コメント欄の皆さん、本年も貴重な共有時間をありがとうございました。
朝ニュースを読んで思わず舌打ちと罵詈雑言を吐きたくなるような事案でも、ここというフィルターを通して考え直すことで、何かもう一踏ん張り粘れるポイントはないのかな、というスイッチが入りました。この考え方は日常でも活きてきますね。
お身体と本業第一にて、鶏たちのお世話は正月休みがないかと思いますが、来年もよろしくお願いいたします。

投稿: ふゆみ | 2016年12月31日 (土) 14時51分

安倍の演説で評価できる部分はここだけ。
日本が、見渡す限りの焼け野原、貧しさのどん底の中で苦しんでいた時、食べるもの、着るものを惜しみなく送ってくれたのは、米国であり、米国民でありました。皆さんが送ってくれたセーターで、ミルクで、日本人は、未来へと、命をつなぐことができました。
 そして米国は、日本が、戦後再び、国際社会へと復帰する道を開いてくれた。米国のリーダーシップの下、自由世界の一員として、私たちは、平和と繁栄を享受することができました。
引用終わり。
確かに日本はアメリカの施しでここまで来れたが沖縄を無視しては語れない事を無視してるんだな安倍は

投稿: 九州 | 2016年12月31日 (土) 16時08分

色々と勉強させて貰い、ありがとう
ございました。
来年からのトランプ政権を注視し、
より良い友好関係を築いて貰いたい
ものです。
日露首脳会談での領土問題を見聞き
していて、沖縄返還を考えたのですが
戦争で奪われた領土で、沖縄返還以上
に平和的返還が他国の事例で有るので
しょうか?
ある軍事評論家が、戦争で奪われた領土
は、戦争で勝ち取るしか無い。これが
世界の常識みたいな事を言ってたので、
やはり、民主主義の国アメリカは特別
なのかと。
明日は、普天間飛行場 上空からの初日
の出です。
皆様、良いお年を!

投稿: 宜野湾市民 | 2016年12月31日 (土) 16時26分

オバマ氏は根は善人なんでしょう、しかしそれだけでは、アメリカ大統領としては務まらない。「アメリカは世界の警察をやめる」というスタンスは、世界に混乱をおこさせました。またアメリカ国内ではテロや移民への苛立ちが蔓延しました。
過激発言のトランプ氏が大統領になったのは、その揺り返しでしょう。
トランプ氏がどんな大統領になるのかは未知数、過激発言とは裏腹に、実務はビジネスマンらしく案外まともかもしれません、来年も安倍総理の外交手腕に注目です。

こちらでいろいろ勉強させてもらい、ありがとうございます。
来年が日本にとって皆さんにとって、いい年となりますよう願っています。


投稿: 改憲派 | 2016年12月31日 (土) 17時18分

管理人さん、そして皆さん。
今年1年、ありがとうございました。

ふゆみさん。
>かずのこの塩がなかなか抜けません(^^;)。
ちょっと、やきもきしますよね。知らずに水で塩抜きをして出来ずに焦りました。

ueyonabaruさんの
>来年は、本ブログで、歴史問題を取り上げてもらいたいですね。
に私も1票を投じます。
 真実に行き着くのが難しいことが多くあると思ってます。
 管理人さんも毎日の記事、大変だと思います。テーマや論点その理由などを管理人さんに提示してしてもらい。例えば1週間とかをコメンターの方達も知見やら調査結果を持ち寄って進めるとかも面白いかも。

 さて、来年はどんな年になるのでしょうか?シリア中東はもちろん、EU、中国、米国も、いつもにも増して政治の先の見通しがきかない。その中にあって自然災害が気になるものの、日本は政治的には一番安定してそれらの影響を旨く乗り切れる要素が多いと思います。

 来年も皆様にとって、良いお年でありますように!

投稿: ume | 2016年12月31日 (土) 17時46分

主殿始め、皆様今年一年お疲れ様でした。様々考えさせられたことに、感謝を申し上げます。

>> しかし、日中の歴史学者たちは共通の歴史認識に至ることは将来的にもあり得ないとは思うのです。

ueyonabaru氏の仰る通り、立場も、歩んできた歴史も違う国家同士で共通の歴史認識は不可能です。
可能だとすれば、それは侵略国と被侵略国の中で押し付けられ、創られたものでしょうか。
全うなものならば、歴史"事実"の確認と共有であると思います。
立場という点なら、お隣の特定アジア国は(サンフランシスコ条約における)戦勝国ではないが、筋違いにもよく噛み付いてきますなあ。
日中共同声明、日中平和友好条約、日韓基本条約etc、etc…とまあ、終わった話をいっても尽きぬのでこれにて、ではでは皆様良いお年を!

投稿: Q州 | 2016年12月31日 (土) 17時53分

沖縄問題を多々取り上げて貰って うちな~んちゅとして、当たり前日本人として感謝してます。

日々地元紙を読んで吐き気がするのを やわらげてくれて感謝します。

お体には気をつけて下さい。
又来年も楽しみにしています。

投稿: 仲西んちゅ | 2016年12月31日 (土) 18時31分

ありんくりんさん、このブログに集う多くの皆さん、今年一年本当にありがとうございました。いろいろと勉強させてもらいました。
来年は本ブログの価値がさらに大きく高まるような気がします。

皆さんにとって、そして日本にとって良い年が訪れることを願っています。

投稿: 九州M | 2016年12月31日 (土) 18時45分

管理人さん。そしてここに集う皆さん。一年間お疲れ様でした。
管理人さんや皆さんの様々な知見やコメントは大変良い勉強になります。
一年間ありがとうございました。
来年も皆様にとって良いお年でありますように。

投稿: 三毛猫 | 2016年12月31日 (土) 18時48分

故郷から沖縄そばセットが届きました♪

世界は腹黒いです。
その腹黒い世界でうごめきながらも明るく年を越せるというほど幸せなことはないと、しみじみと感じます。

皆様、年越しそば食べて、除夜の鐘を聞いて、炬燵でぬくぬくしつつ、良い年をお迎えください~(◎´∀`)ノ

投稿: やもり | 2016年12月31日 (土) 18時52分

管理人さん、投稿者の皆さん、今年も大いに勉強させていただきました。
本当にありがとうございました。

やりなれない大掃除を大晦日にやったもんでクタクタです。^^;
今年は紅白は観ずにボクシングを観ながら書き込んでおります。
(井岡がKO勝利しました)

投稿: 右翼も左翼も大嫌い | 2016年12月31日 (土) 22時23分

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