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2017年1月23日 (月)

宮古島市長選 「オール沖縄」自壊の始まり

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宮古島市長選で保守系現職の下地敏彦市長が当選しました。
下地敏彦 - Wikipedia

これで自衛隊の宮古島配備は確定的になりました。

これを報じる産経(1月23日)です。
http://www.sankei.com/politics/news/170123/plt1701230003-n1.html

「陸上自衛隊配備への賛否が争点となった任期満了に伴う沖縄県宮古島市長選は22日、投開票が行われ、無所属現職の下地敏彦氏(71)=自民推薦=が、元県議の奥平一夫氏(67)=民進推薦、医師の下地晃氏(63)=社民、沖縄社大推薦、元市議の真栄城徳彦氏(67)の無所属新人3人を破り、3選を果たした。投票率は68・23%だった。
下地敏彦氏は陸自配備を受け入れる姿勢で、政府は平成29年度に庁舎整備などに着手し、配備計画を加速させる。」

現職の勝因は今回の「安慶田口利き疑惑」で 翁長・安慶田県政批判の立場をとることになった、沖縄タイムス(1月10日)自身がこう述べています。
http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/79136

「■宮古島市長選できしむ「オール沖縄」知事選や総選挙に影響も

(略)オール沖縄の亀裂を招きかねないリスクがありながらも支援を決めたことに「知事も相当の覚悟がないと入れない」と話す。
 知事の宮古入りに、下地陣営の幹部は「裏切られた気持ちだ。この亀裂はこの先の県知事選や衆院選に現れるだろう」と憤りを隠さない。
知事を支持する地元関係者で立ち上げた選考委員会で下地氏を「オール沖縄」候補に擁立した経緯を知事サイドに伝え、「一方だけに肩入れしないでほしい」とけん制していたからだ。「今はどれだけ票を引き留められるか、耐えるしかない」と頭を抱える。(略)
翁長知事が宮古入りを決断する前日の7日、下地晃氏を推薦する県政与党幹部は安慶田光男副知事と会談し、「知事が宮古に入るというなら、われわれと選挙で相対することになるが、構わないのか」と迫った。
知事が奥平氏を支援すれば、下地氏を推薦した社民、社大の県政与党と対応が割れ、宮古島市長選での「オール沖縄」分裂が確定的になるとの不満もぶちまけた
 最後は、選挙後に再度、結束することで了承するしかなかったという。与党幹部は「われわれの推薦を取り消して一本化というなら答えはノー。だが、知事の政治判断というなら、大人の対応をするしかない」と嘆いた。」

沖タイは、「オール沖縄」に亀裂が入って、分裂選挙になったことを敗因に上げています。

Photo立候補の届出後、第一声を上げる(右から)奥平一夫氏、下地敏彦氏、下地晃氏、真栄城徳彦氏=15日、宮古島市 沖タイ1月16日http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/79961

下地氏が現職知事の敏彦氏と、社民・社大が推す晃氏とふたりいるのでややっこしいですが、両陣営共に分裂選挙でした。

産経はあっさりとこう書いています。

「選挙戦は、下地敏彦氏と真栄城氏が保守系で、奥平氏と下地晃氏は同県の翁長雄志知事を支持する革新勢力からの支援が割れ、ともに分裂選挙となった。
市長選が30年の県知事選の前哨戦のひとつと位置づけられる中、翁長氏は下地晃氏の擁立を主導しながら、分裂が確定すると奥平氏支援に回り、支持勢力内にしこりを残した。」(同)

保守陣営は現職知事の敏彦氏と前市議会議長の真栄城に割れ、「オール沖縄」サイドもまた奥平氏と晃氏に分裂しました。

共に分裂選挙を戦ったわけで、どちらかが候補の絞り込みができれば勝機があったわけです。

「オール沖縄」は、去年の夏段階で一本化の道を探っていました。

当時「オール沖縄・宮古」候補選考委員会は、基地反対運動とゴミ問題に取り組んできた市民運動リーダーの岸本邦弘氏への一本化を決めていたようです。

選考委員会によれば、ドロドロした政治家臭がない「フレッシュな印象」が推薦理由だったようです。

「岸本氏を候補者に決定 市長選で野党勢力/選考委『フレッシュな感覚』」(宮古毎日2016年9月26日)

ところが、肝心な岸本氏は医者を止められないという理由で断りを入れてきます。

ここで浮上したのが選考委員会が岸本氏と並んで候補者に上げていた、元県議の奥平一夫氏でした。

「奥平氏は県議時代に、翁長県政を支える中核として活発な活動を展開。6月の県議選では亀濱玲子氏、7月の参院選では伊波洋一氏の当選に向けた選挙運動を精力的に展開した。」(宮古毎日9月24日)

一方、「オール沖縄・宮古選考委員会」は選挙戦ギリギリになって、医師の下地晃氏を推薦することに決めます。

「来年1月22日投開票の宮古島市長選で、翁長雄志知事を支持するオール沖縄勢力の選考委員会(下地学委員長)は7日、市平良の宮古教育会館で会見し、医師で宮古地区医師会会長の下地晃氏(62)の擁立を決定したと発表した。下地委員長は「オール沖縄のスタンスで保守、中道の支持も得られる人としてまとまった。一党一派に属した政治家ではなく、多くの市民の支持が得られる」と選考理由を説明した。」(沖タイ1月23日)http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/70076

私が「オール沖縄」支持者ならば、「遅い、致命的に一本化が遅い」と叫んだでしょうね。

遅れた原因は、「オール沖縄」の雇われマダムである翁長氏と、「オール沖縄・宮古」の意見が真正面から衝突したからです。

翁長氏は去年段階から公式には表明していないものの、自分を知事に押し上げた功労者のひとりである奥平氏を推す考えだったようです。

奥平氏は共産党系です。

一方、下地晃氏に一本化するつもりだった「オール沖縄・宮古」は、この翁長氏の決断に怒り狂いました。

下地晃陣営の幹部はこれを明白な裏切りと取り、翁長知事が宮古入りを決断する前日に当たる1月7日に、県政与党幹部が安慶田副知事と面談し、「知事が宮古に入るというなら、われわれと選挙で相対することになるが、構わないのか」と迫ったそうです。

「市長選でオレたちに敵対する気か」というわけで、泣きつくというより、もはや脅迫ですな。

抗議した「オール沖縄・宮古」側は、宮古入りするならせめて下地晃氏と奥平氏双方を応援してくれと折り合おうとしたようですが、翁長側からすげなく断られたわけで、逆に現地と敵対しても奥平氏を強引に推す翁長氏の強硬な姿勢に驚かされます。

宮古側は「裏切られた」と公然と吐き捨てたようで、穏やかではありません。

彼らの主体は社民党と社大党ですが、彼らは翁長追い落としを陰で画策したようです。

実はこの怒りの爆弾には導火線がついていました。篠原章氏のツイッターの説明はこうです。https://twitter.com/akiran0723

「昨年来、時には共産、時には社民社大、時には自民といった風にぶれつづける翁長=安慶田体制を「オール沖縄」の構成団体はもてあまし気味で、社民社大系山城博治氏逮捕の影響もあり、とくに取り残された感のある社民社大系支援者の翁長=安慶田体制に対する不信感は高まっていたことは事実。
選挙に最大の関心がある翁長知事の立場に立てば、票を減らし続けている社民・社大より、票を増やし続けている共産のほうがはるかに魅力的だから(昨年の県議選では、共産の票が社民社大を大幅に上回った)、知事は社民社大をある程度見限った疑いもある。

つまり翁長知事の側には綻びが目立ち始めた「オール沖縄」に依存しなくとも、共産党だけで十分「選挙に有利」という判断が生まれつつあるのではないか。経緯を総合すると、今回の安慶田問題は、社民社大系の知事に対する不信感を土台とした「オール沖縄」の分裂を意味するという見方が成り立つ」

去年夏からの高江における社民党・社大党が指導する「沖縄平和センター」の過激化を翁長氏はとても容認できないと感じていたはずで、彼らとの共同歩調をどこで終了するか、時期を狙っていたと思われます。

下の写真は自称元山口組系暴力団員のしばき隊添田と山城氏ですが、添田を連れて来たのは社民党の福島瑞穂氏でした。

入れ墨男まで闘争に入れては先が見えています。暴力的になるに連れ、共産党は山城氏と距離を開け、批判的になっていきます。

後に両名とも逮捕されてしまい、反対運動は急速にしぼんでいきます。
関連記事http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2016/10/post-0901.html

Photo

一方リアリストである共産党は、「平和センター」山城一派の暴力闘争と一線を画し、反基地運動の主導権を握る画策をしていました。

元々、社民党と共産党は近親憎悪の関係なのですから、当然といえば当然です。

とくに社民党が本土から、共産党の不倶戴天の敵である解同を反基地運動に関わらせたことに対しての彼らのアレルギーは想像に難くありません。

ちなみに解同が沖縄反基地運動に与えた影響は、「基地を沖縄だけ押しつけているのは差別だ」という「沖縄差別論」に色濃く見られます。

社民党・社大党には手足となる運動家は少数ですが、共産党は県下で最大の運動員を抱えています。

「選挙ファースト」の翁長にとって、その意味でも共産党と組むのは自然な流れでした。

共産党も今まで以上に翁長氏をパペットにして、県政を意のままに操れます。

ここに翁長氏と共産党との間に、濃厚な接点が生まれます。

そう考えると、社民党・社大党の巣窟と噂されている県教育委員会・教育庁から、なぜこの時期に2年前の「安慶田口利き疑惑」が飛び出したのか説明できます。

また、「オール沖縄」広報誌の沖タイがこのリークを握り潰さずに、なぜ翁長2期目を占うとされた宮古市長選直前で炸裂させたのかも分かるでしょう。

とまれ、来年に予定される知事選を翁長氏で一本化することは極めて難しくなってきたようです。

今後、「オール沖縄」という金看板をどちらが取るのかで、<社民党・社大党陣営>vs<共産党・翁長陣営>、そして<沖タイvs琉新>の間で、陰湿な戦いが繰り広げられていくことでしょう。

日を追ってこの亀裂は修復することなく、膿みただれていくことになります。

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コメント

保守はなんで分裂したんでしょうかね?

ブログ主様はじめコメント欄の皆様、本当にありがとうございました。
今回の選挙戦は三期目という事もあり相当に厳しく、今はただ本来選挙運動など苦手な私には「精も根も尽き果てた」感でいっぱいです。

ここで皆さんと学習した事柄のうち特に、最近の記事中にありました中共の狙いと宮古海峡の重要さ(尖閣よりも、です)について、事ある限り口を酸っぱくして市長に具申して参りました。
私の意見が影響を与えたなどという事は到底出来ませんが、(まして、それは票数につながっておりません事は明らか)地元テレビでのインビューにおいて、具体的に中共によるの宮古島の危険性について語っている姿を見るにつけ、「我が意を得たり」の感はありました。

また、今日の記事は県内政治情勢の最前線を正確かつ詳らかにしたものと言えます。

かつて…(以下略)さんの質問についてですが、そこには複数の要素がありますが、私は「必殺!、安慶田くずし」と命名しておりました。

山路さん

自衛隊配備容認の現職、下地敏彦氏の当選おめでとうございます。
山路さんたちもお疲れ様ですヽ(´▽`)/

産経の記事からですが、
>下地敏彦氏以外の3人は配備反対を表明したり住民投票を行う考えを示したりしており、当選すれば配備に向けた政府との手続きを停滞させる恐れがあった。ww

現職市長さん以外のこの三人の頭はどうなっているんでしょうね?
宮古島海域にシナの脅威が現実にあるのが見えないのか?
それについてのテレビや新聞報道も見ていないのか?と聞きたいものです。

山路さん
 お疲れ様です。ほんとうに良かったです!
 でも、危なかったですね。宮古の賢明な方々の支援の賜ではないでしょうか。

ところで、望んでいた、オール沖縄の分断
<社民党・社大党陣営>VS<共産党・翁長陣営>、<沖タイVS琉新>
が、こんな形で現実のものなるとは分からないものです。
 まずは、この「安慶田口利き疑惑」の行方がどうなるのか、翁長知事はどこまで逃げ切る事ができるのかも気になるところです。

しかし、私個人のイメージでは、
 より先鋭的=>”社民党・社大党”=”新報”
であると感じていたので、この"ネジレ"?の解釈に戸惑っています。単なる私の勘違いで、この「社民党・社大党=沖タイの同盟」は以前より周知のことなのでしょうか?
 もし、この辺のところご教授して頂けるコメンターの方が見えましたらお願いしたいところです。

今日の記事からは、
・社民党・社大党・沖タイ=オール沖縄解体阻止
・翁長知事・共産・新報=オール沖縄解体・容認
の構図だったとも解釈できそうなのですが、結果的には<社民党・社大党・沖タイ>の動きが、亀裂を決定的?なものにしていますしね。理屈では理解できないものなのかとも思ったりしてますが。

 山路さん

 おめでとうございました。なかなか簡単には勝たせてくれませんですね。

> 具体的に中共によるの宮古島の危険性について語っている姿を見るにつけ、「我が意を得たり」の感はありました。

 そのお気持ち分かります。地味なことではありますが、ここが大事ですね。今後とも、国家の安全保障について、言論でのご活躍お願いします。

 沖縄は共産党が強い地域ですね。共産党を挫くにはどうすればいいのか。ここを考えていきたいものです。そううすると、私の場合には、即座に歴史を問題にしてしまいますね。行き着くところはそこしか考えられませんね。

 いまだに共産主義思想が底辺にはあり、チュチェ思想にも憧れる沖縄の左翼政党に対しては、右派イデオロギ-を保守側が確立してそれらと対置させるしかないのではないでしょうか。長く続く思想戦を覚悟しなければならないと思います。

さきほどコメントの
「社民党・社大党=沖タイの同盟」の件ですが、同盟ではなく、単に社民党・社大党が沖タイを利用しただけで、沖タイとしては本意ではなく行きがかり状「社民党・社大党=沖タイ」となった?
すみません。自己レスです。

上はueyonabaruです。

とても参考になりました。私はどうして、誰が沖縄タイムスに垂れ込み、翁長県政をバックアプしているはずの県2紙がそれを破壊するような動きを見せたのか非常に不思議に思っていました。ようやくに納得できました。それにしても政治の世界というのは裏ではこんなに猛烈な子供じみた醜い争いを行っていたのかと情けない思いです。県内2紙がその闇にまで踏み込まないのは彼らもその闇の勢力の一部だからなのでしょうか。

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