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2017年1月16日 (月)

なぜ沖縄に海兵隊がいるのでしょうか?

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韓国の親北派と、沖縄の反基地運動家たちが声を揃えて叫ぶ合い言葉に、「沖縄から海兵隊は出て行け」「全基地撤去」があることはよく知られています。 

では、そもそもなぜ沖縄に海兵隊がいるのか、なぜオスプレイが優先的に配備されたのか考えてみましょう。 

それを理解するには3本の補助線を引く必要があります。 

一本は朝鮮半島。
一本は台湾。
そしてもう一本は、尖閣も含む東シナ海です。
 

この3本の補助線の交点に存在するのが、在沖海兵隊なのです。

さてトランプは閣僚を選ぶにあたり最初に、ジェームズ・マティス元海兵隊大将を国防長官に指名しました。
ジェームズ・マティス - Wikipedia 

オバマ政権下では、一貫して素人が国防長官をしていたことに対して、初めて安全保障の現場も熟知しているプロが選ばれたわけです。 

米国のリベラルらよくメディアは「狂犬」という蔑称で彼を呼びますが、実は大変な読書家で「戦う修道士」と部下から呼ばれていた人物です。 

それはさておき、なぜトランプが元海兵隊大将を選んだのかに注目してください。 

その理由は海兵隊は4軍の中で唯一、大統領直属の軍隊(※)という性格づけがなされているからです
※追記 「大統領直属」という表現は誤解を招く表現ですので、「海兵隊は命令後直ちに行動に移ることが出来る事実上唯一の軍種」と訂正します。
 

一見万能に見える米大統領は多くの縛りを持っています。 

立法権がないために、自分から法律を作ることができず、与党をとりまとめて法律を上げさせねばなりません。 

また上下両院の議会承認がなければ、戦争をすることができません。 

それは戦争権限法という法律があって、事前の議会への説明の努力、事後48時間以内の議会への報告の義務、60日以内の議会からの承認の必要などを定めているからです。
戦争権限法 - Wikipedia 

ところが海兵隊だけは、唯一議会承認なしに動かすことができるのです。 

なぜなら、有事即応部隊だからです。有事即応の火消し部隊がトロトロしていては商売になりません。 

たとえば、朝鮮半島に例をとれば、北朝鮮が「ソウルを火の海にしてやる」という台詞を実行に移した場合、駐屯する米陸軍第2師団は自らが攻撃を受けない限り、対応ができません。 

仮に大統領が反撃を命じても、議会が拒否した場合、60日以内に陸軍は撤退させねばなりません。

ところが、沖縄の第3海兵遠征軍だけは、直ちにオスプレイを駆って現地に投入することが可能です。
第3海兵遠征軍 (アメリカ軍) - Wikipedia

Photohttp://gigazine.net/news/20130427-futenma-osprey-2...

オスプレイの能力を持ってすれば、数時間後には現地に到着して、敵の進撃を食い止め、後続の本隊のために橋頭堡陣地を作っているはずです。 

橋頭堡陣地とは、敵地などの不利な地理的条件での戦闘において作られる、後続する援軍のための足場のことです。 

海兵隊は本来この専門部隊として作られました。 

ですから、すべてが海兵隊だけでできるようにと、揚陸艦を持ち、航空部隊も備えた自己完結型部隊なのです。 

さて大統領はこの海兵隊が稼ぎだした貴重な時間を使って議会を説得し、本隊である陸軍を投入できるように走り回るわけです。 

朝鮮半島を例に取りましたが、これは台湾でも、南シナ海でも、はたまた沖縄県尖閣諸島でもまったく同じです。 

また、いま米国と韓国は、危険極まりない存在となったキムジョンウンを排除するために斬首作戦をもっていると公表しています。 

「米韓両軍は、北朝鮮への作戦計画「5015」を作成している。最大の特徴は、米海軍特殊部隊「Navy SEALs」(ネイビーシールズ)などの最強特殊部隊が、正恩氏ら北朝鮮幹部を急襲し、確保・排除する「斬首作戦=正恩独裁体制殲滅(せんめつ)作戦」にある。」
(産経2016年9月16日)

日本では「斬首作戦」はよく知られていない用語で、かつてコメントで「そんなものはない」としつこく絡まれたことがありますが、あるもないも米国自身が「大いにやる気がありますよ」と公言しています。

確かに斬首作戦(断頭作戦・Decapitation Attack)という言葉自体は新しいものですが、危険な独裁者個人を排除する軍事作戦として再三使われてきた戦術です。

既に、米国は2003年イラク戦争、2011年リビア内戦、あるいはシリア、イラクでのIS空爆、アフガンのタリバン攻撃などで盛んに実施しています。

元空将の織田邦男氏は斬首作戦についてこう述べています。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46318

「端的に言えば、独裁者の「首」さえ取れば、余計な暴力行為を採らずとも、無用な流血を避けて勝利できる。これが斬首)作戦である。
北朝鮮の激しい反発の背景には、今回の米韓合同演習に「斬首作戦」が入っており、攻撃目標に金正恩第一書記が含まれている事情があるからだろう。
昨年8月、ソウルの戦争記念館で開かれた「韓国国防安全保障フォーラム」で韓国国防省のチョ・ソンホ軍構造改革推進官は、韓国軍が金正恩氏に対する「斬首作戦」を計画していることを明らかにした。
北朝鮮軍による核兵器使用の兆候をつかんだ場合、金正恩第一書記をはじめ北朝鮮主要幹部に対する「斬首作戦」を実行する計画だという。」
(JBプレス2016年月14日)

この斬首作戦に使用される部隊は、2016年3月に行われた米韓合同軍事演習であきらかになっています。

斬首作戦のために参加していたのは、米第1空輸特戦団、米陸軍第75レンジャー連隊の特殊戦兵士、米海兵隊、米海軍特殊部隊「ネービーシールズ」などでした。

ことに朝鮮半島に最も近く、兵員数も多い沖縄海兵隊はこの主力を成すとみられています。

キムジョンウンが核ミサイルのボタンに手を掛けそうになった時、あるいは習近平が台湾侵攻を企てた場合、米国は沖縄海兵隊をためらいもなく投入するでしょう。

Photo_3

さぁ、もうお分かりでしょう。

なぜ沖縄に海兵隊がいなければならないのか、そして反対になぜかくも、北朝鮮と中国が海兵隊を沖縄から撤退させたいのか。

私は沖縄の海兵隊は縮小され、自衛隊に置き換わるのが一番よいと思っています。

しかし自衛隊は国土防衛に特化した部隊です。

ですから、海兵隊の代替は自衛隊ではできない性格を持っています。

それゆえ、現時点でそれを実行すれば、誰が一番喜ぶのか、誰が一番得をするのか、少し立ち止まって考えて欲しいのです。

■写真 メタセコイアです。 

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沖縄問題」カテゴリの記事

コメント

ありがとうございます。
 こんなにも明快な海兵隊とオスプレイの必要性、左翼の企みを論理的に指摘した解説を知りません。
 他の保守系の活動されいる方々は勿論、ビラにして撒きたいくらいです。

 「ありんくりん」さんのおっしゃる通りです。海兵隊は自己完結部隊なんですね。そして、陸軍は先の大戦までは戦争の主力を担っておりましたが、いまや海兵隊が戦争の主力を担っている感じです。しかも、武器はすべてが揃っている感じですね。飛行機も強襲揚陸艦も備えており、さらに独自の兵站能力もあります。海兵隊だけでも世界中の中小国程度は攻略できると聞いております。

 航空機についてですが、オスプレイは輸送機ですので、ハリア-という戦闘機や攻撃ヘリが海兵隊にはあるということを是非知ってもらいたいです。また、海兵隊は大きくは海軍に所属する部隊だと聞いておりますが、そのあたりはどうなんでしょうかね? そうであるとすれば、海軍のホ-ネットやF-16も敵前上陸の際には出撃することも考えられますがどうでしょうか? 私の頭の中では、海兵隊と海軍は非常に密接に連結しておりますね。

 陸軍は、占領地統括の管理部隊であり、長距離の兵站(燃料や物資の補給)が任務でしょうかね。前線部隊のイメ-ジは大分薄らぎました。

 空軍は地上戦を戦う海兵隊部隊の空からの支援をするのでしょう。作戦の大局からの支援が任務のようなもので、敵地爆撃、海兵隊拠点の空からの攻撃に対する防御行動(F-15などで)などをするのだと思います。

 詳細は、山形さんにお聞きしたいものですネ。

 このような海兵隊ですので、敵方は、沖縄から海兵隊が撤退してもらいたいというのが本音でしょう。左翼の諸君が海兵隊を忌み嫌うのは、事件事故の多いという理由の他に、この海兵隊の能力を怖れているということもあるかも知れません。

 いろいろの理由から、海兵隊が沖縄からグアムへ後退するのは日本防衛にとってマイナスだと思います。

 今日の記事とueyonabaruさんのコメントから個人的に何となく想定したイメージが下記のような感じです。ですので現状、台湾、半島の危険度が高く、沖縄の海兵隊やオスプレイが沖縄・日本にとって不可欠な存在だと思ってます。

・台湾、半島
 米軍に対しても米軍からであっても、全面的な強力火器を使った衝突(戦争や内戦)は起きてしまうと収束が簡単ではなく被害も大きくなるので避けようとする。
 すると、台湾或いは半島で事が起きるのあれば、戦争や内戦になる前に軍や政府を掌握してしまおうと、軍内でのクーデターであったり斬首作戦の可能性が高い。
 そして起こす場合も鎮圧する場合も、緊急迅速な小部隊での作戦で対応となり、沖縄の海兵隊やオスプレイがその任務を担うであろうと。

・南シナ海
 他には何も無く局地戦にとどまると想定される場合は、ueyonabaruさんが説明されているような体制で”戦争権限法”に乗っ取って進められるのではないか。

・尖閣/沖縄
 実は何かが起きる可能性は非常に低いと思ってます。
 海保、自衛隊(+米軍)が警備・防衛している状況で、世界が認めるようなかたちで尖閣の制空権、制海権を掌握するのは難しく、それに見合うだけのメリットが尖閣には無いと。

・沖縄離島や本島
 自治権だのなんだのを持たない限り、発火点になることはないと思いますが、台湾にクーデターが起きて直後に人民軍が上陸するような自体になれば、巻き添えをくったりする可能性が高くなる。

・本土
 台湾、半島での有事が全面的になるような事があれば、巻き添えをくう可能性は否定できない。

海兵隊の岩国基地、F/A-18D(複座)が所属していて今月中には最新のF-35が10機配備予定です。
普天間から移転した空中給油機。
これらは有事の際に朝鮮半島や台湾で作戦行動を取る部隊の1つですね。
佐世保の強襲揚陸艦や普天間のオスプレイ、敵地に乗り込むのは沖縄の海兵たち。

厚木の空母艦載機も岩国へ移転となりますので、嘉手納より岩国が極東最大規模の航空基地になるという話です。


東から西にシフトしますね。

Japan is a great place to get stationed if you are up for adventure. You can use it as a stepping stone to see much of Asia or Europe because the destinations are so much closer than the states.

Japanさん

 英語できましたね。私なりの英文解釈でですが、ヨロッパはあまり関係はないと思うのですが?

頭悪いのが揃ってるね

3月に行われた米韓合同軍事演習の話

コメントにある話

どれも空軍、海軍、陸軍が出てきちゃって

海兵隊だけは大統領直属だから・・・て話はどうなったのよ

戦争権限法を調べなおしてごらんよ

翁長知事が今月末訪米とニュースに出てますね
ここで先日来お題になってる様な内容を踏まえていくのなら良いのですが...

おそらくそうではないのでしょうね
公費で行くのでしょうし、政治家には国益に叶う事をしてもらいたいものです

ネイビーシールズなど、特殊部隊が動くときはCIAなどが十分に情報収集した後なんですね。議会を説得するだけの十分な情報収集をしています。
情報収集、どのように実行するかはプロ集団に任せ、大統領が決断する。
オバマ政権下では、オバマ氏が決断をしていませんね。従って、世界中の紛争が勃発し何ら有効な手も打てない。
アメリカの影響力の低下と負のスパイラルが続いて来たように思います。トランプ氏がどのように出るのか、どこまでできるのか未知数ですが、側近にプロ集団を備えたのは正解だと思います。日本に対しても厳しく当たってくると予想されます。従来の様にアメリカ丸投げの防衛政策から、それ相応の負担が求められます。
今までが異常だったのです。

大統領さん

私が挙げた
岩国のF/A-18D、F-35、KC-135
佐世保の強襲揚陸艦
普天間のMV-22

全て海兵隊です。
強襲揚陸艦の艦載機はAV-8B


厚木の部隊移転は岩国が嘉手納を超えるという蛇足の話です。

大統領への答えは記事に移しました。

Ueyonabaruさん。

ご指名でしたか(笑)
気づかずすいません。多摩っ子さんが完璧にお答えになっている通りです。

議会承認あっての作戦に移行もしくは最初から戦争の承認があった場合、もちろん空軍・海軍との密接な連携となります。湾岸やイラクがこれ。イラクはブッシュのなし崩しだったような気もしますが。

オスプレイでは大騒ぎする団体やマスコミなんて、米軍装備機で「圧倒的に墜落率の高い」AV-8Bにはずいぶんと淡泊なものです。去年も沖縄沖で墜ちてるのに・・。
明らかに作為的だと思います!

海兵隊所属のF/A-18DとAV-8Bがこれからステルス機のF-35Bに交替になり隠密作戦がしやすくなるのでしょう。
佐世保の強襲揚陸艦もF-35Bを格納出来るように改修された艦船に交替するとのこと。


山形さんが指摘されたAV-8Bの墜落、マスコミ(地元紙は知りませんが)はサラッと報道しただけ、県の抗議も弱いような気がします。

先月、高知沖に岩国のF/A-18Dが墜落しても同じようだったと思います。
確かF/A-18は7月、8月、10月、11月、12月(日本)と墜落事故が相次いでますが報道は静かです。

これがオスプレイだったらどのような報道や反対運動になるのか。
ハワイでの事故を騒いでましたがF/A-18ホーネットは知らん顔、オスプレイ反対だけを声高に叫ぶ不思議さです。

私は事故件数を知り、厚木や岩国のホーネットが上空を飛行してるのを見ると不安になりますよ。

多摩っこさん、

わたしも同じように不思議に思って、その手の裏話に詳しい人に質問したことがあります。
ただ悲しいことに内容をど忘れしてしまって(^-^;
機体の種類と使用目的、シナ大陸への飛行距離が、墜落不時着報道や反対運動の盛り上がりの差につながっていたような?

ここは山形さんの、多摩っこさん質問への回答を待ってます。

アイヤー、やもりさん

今日の私のコメントは質問ではないので、山形さん大丈夫です(^^;

マスコミの報道には、オスプレイ>>ブラックホーク>ハリアー≧ホーネット、のような特殊な序列があるやに思います。
オスプレイ=極悪というイメージを国民に刷り込み、民意でオスプレイを追い出そうという意図なのかもしれません。

ホーネットがバンバン墜落しても気にしないがオスプレイは許さんぞということ。
山形さんの「作為的」が答えでしょうね。

多摩っこさん

私の勘違いコメント、失礼しました^^;;;
上記のコメ内容、了解しました。

在沖海兵隊を記事にしてもらい、ありがとうございます。

韓国政府は混乱の一途、朝鮮半島情勢が緊迫してますね。

北朝鮮斬首作戦は、特殊部隊の海軍ネイビーシールズや陸軍グリーンベレーなどが行い
上陸戦の場合は、佐世保の揚陸艦に在沖海兵隊やオスプレイをのせ、空軍海軍と連携し、上陸を行う。
(オスプレイに乗った海兵隊だけでは、橋頭堡陣地をつくるのは難しく思います。)

また北朝鮮と違い台湾は独裁政権ではないので、斬首作戦というのは現実的でないと思いますが、行うにしても、やはり特殊部隊の出番ですね。
台湾有事でも、先に抑えるのは空軍海軍
、その後に揚陸艦と共に海兵隊とオスプレイの出番でしょうか。

尖閣に関しては、空と海をおさえればいいので、海兵隊の上陸戦はないだろうと思います。

有事に海兵隊がでるのは、空海軍と連携して、基本的に九州佐世保の揚陸艦とセットで、ですかね。
海兵隊が沖縄でなければいけないかは…うーん…

オスプレイ反対については、もはや反対派のシンボル、合言葉になってますね。
オスプレイ危険!が一人歩きしていて、陸自配備が難航するかもしれません。

それにしても、岩国基地が増強されているようで、沖縄や厚木の負担軽減もあるでしょうが、米軍は北朝鮮対策にシフトしてきているのかとも思えますね。


改憲派さん

オスプレイや輸送機からの空挺ではどうしても軽武装になりますから作戦が長引き重武装の部隊から反撃されると厳しいですね。
でも奇襲の意味ではかなり有効だと思います。

多摩っこさん、なるほど!
どんな場面での奇襲でしょうか、斬首作戦なら特殊部隊、それ以外の有事で在沖海兵隊とオスプレイだけの奇襲だと…
どうなりますかね?

ミリタリー談義はそのくらいにしましょうね。

ワシントンポストによると、反トランプの抗議活動参加者には、月/2500ドル(約284000円)の手当がつくそうな、どっちでもないけど参加しようかしら(笑)
沖縄の活動にはどのくらい支払われてるかな?
まあ、ジョークはこれぐらいにして、>>ボルトン元米国連大使は17日付のウォール・ストリート・ジャーナル紙に寄稿し「米軍の台湾駐留によって東アジアの軍事力を強化できる」と述べ、在沖縄米軍の台湾への一部移転を提案した。 http://hayabusa8.2ch.net/test/read.cgi/news/1484707826/

もし実現すれば、負担軽減に大きな前進ですねと希望を込めてますが、
実現の可能性はどの程度なんでしょうかね?

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